先輩が死んだ、ら自分も死んで転生した～今は魔王様に寄生して生きてます～

第一章 転生した

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やばい、詰んだね。目の前には、金髪碧眼の背の高いイケメン。眼光鋭く、見下ろされております。

彼が、こちらに突き出してる手には、でっかい皮袋。パンパンに膨らんでる。その中には、多分、前世含めて初めて見るような、大金。多分、家とか余裕で建つ。

小銭ってことは無いよ！だって、この人、勇者様だから！本物だよ！魔王討伐の道中で、うちの村に寄ったんだって！ついでに、村にフラフラ飛んできたフライングエイプを魔法でぶっ飛ばしてくれたわけです！…私の家ごと。

「…どうした、さっさと受け取れ」

そして、今まさに金で片を付けられてるんだけど、これ、絶対受け取っちゃダメなやつだから！勇者様ご一行の後ろで、うちの村長がもらっとけ！もらっとけ！って、すっごいジェスチャーしてるけど。

天涯孤独の年頃の娘が大金なんて手にしたら、命とか貞操とか、色々なもの狙われちゃう。

髪も目も普通の茶色。平均的な村娘の顔立ち。今までモテたことなんて無いけど、身寄りの無い、金持ってる小娘なんて、嫁にするにはおいし過ぎる。

でも、住むとこないと困るし、お金もらって他の町に逃げる、のは先輩から遠ざかっちゃうから嫌。それに、さっきの勇者の力、あんなの見せられたら、凄く、怖くなる。

なので、決めました―

「…えーっと、あの、お金はいいんで、魔王討伐、私も連れていって下さい」