王子様は恋愛対象外とさせていただきます

伯爵の妾であったルイーズの母は、娘に次いで男子となるリュンクスを産んだことで父の正妻に疎まれ、子供達もろとも田舎へと追いやられた。母が早逝した後も姉弟は田舎暮らしを続けていたが、リュンクスが成人間近になった頃、今度は伯爵と正妻の子までもが急逝した。焦った伯爵家は姉弟を王都に呼び寄せ、リュンクスを次期当主に据えようと目論む。

程無くして王都にやって来た姉弟を見た親戚一同は、堂々とした若者をまず見て、伯爵家は安泰だと胸を撫で下ろしたが。「弟は貴方がたの道具ではありませんよ」と冷然と言い放たれた。男のようにしか見えない彼女こそが姉のルイーズだと知った全員の頭は、真っ白になった。

しかもルイーズは男装を好み、権力や結婚に全く興味を示さない。彼らは日々心を折られて泣いたが、遥かに被害をこうむる事になったのは、稀にみる美貌で知られる自国の王太子だった。

変わった思考と嗜好を持つ伯爵令嬢と、そんな彼女にうっかり惚れてしまって大苦戦する王太子の恋のお話。
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