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アンノウンゼロの秘密
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キロスがピートギルドマスターに連れ去られた事で、彼女に魔獣が付き従っており、その魔獣の魔力レベルが99であったという事実は直ぐに悪魔の力を使って悪魔一族とバリッジに伝わっていた。
一時、魔力レベル0のキロスが魔力レベルを隠してテイムしたのではないかと思われていたのだが、魔力レベル99の悪魔の鑑定によりその線は無いという事が確認された。
「まさか、魔力レベル0の者が魔力レベル99の魔獣を従えているとは」
「あの女、アンノウンで間違いそうだな」
「それはそうだろう。魔力レベル99など、バリッジ-悪魔同盟を除けばアンノウンしかありえないからな」
「今までの情報漏洩は、こいつらの仕業か。ピートによれば、こいつはただの商人の元で働いていたと言うからな」
「その商人の身元は確認したのか?」
「当然だ。正真正銘ただの商人だったぞ」
バリッジ幹部の会話だ。
この会話からもわかる通りに既にアンノウンゼロのメリット、魔力レベル0であるが故に、警戒対象から外れるという作戦は使えなくなった。
逆に、魔力レベル0が疑われる方向に向かってしまったのだ。
新たにこの功績から構成員となったピートからの提言もあったが、バリッジの首領も同じ考えに辿り着く。
「近辺の魔力レベル0を全て調査しろ。まさかこんな姑息な手を使っているとはな。恐れ入ったぞアンノウン!それと、そのキロスとか言う女、悪魔達との会合に使っている拠点に移動させろ。そこで全てを吐かせてやる」
魔力レベル0のあぶり出しと共に、コンと共に二次的な拠点に移動されることが決まったキロス。
しかし、この場にいるバリッジは知らない。
キロスとコンは、既にジトロによって救出済みである事を……
首領の命令もあり、即キロスの移動の手配が行われていたのだが、バリッジとしては驚くべき報告が上がってきた。
その一報を聞いた幹部が、首領に驚きながら情報を伝える。
「首領、あの場所に監禁していたアンノウンの女とその魔獣、いつの間にか消えていたそうです。魔力レベル99の悪魔五体による結界に何の問題もなく、実際にあのアンノウンの襲撃があった時に、アンノウン達がピートの邸宅の外から内部へ転移できなかったあの結界もそのまま。何故、どうしていなくなったのか調査中との事です」
「なに!悪魔達は侵入者か何らかの魔術の痕跡を探知しなかったのか?」
「はい。一切異常は感知しなかったとの事です」
まさか魔力レベル99が五体揃って全力で築き上げた結界すら意に介さない者がいるとは思えないバリッジは、最終的な結論を出した。
「我らの暗部と同じように、情報漏洩を防ぐ秘術があるのでしょう。その術で存在を消したに違いありません」
これには首領も同意する。
「そうだろうな。実際にあの忌々しいアンノウン達も転移できなかった事が実証されている結界を破る事は不可能だろう。となると、残った可能性はそれしかないだろう。魔力の痕跡がないのは気になるが、正体不明のアンノウン。それ位はしてくるだろうな。それで、その女からはどの程度情報を抜けた?」
今までの拷問によってどの程度アンノウンの情報を抜けたかを確認する首領。
この情報によっては、かなりバリッジと悪魔の同盟が有利な立ち位置になるので、その期待は大きい。
特に、アンノウンの拠点情報があれば好き勝手に攻撃ができるのだが、拠点を移設される可能性があるので、もし拠点の情報があれば、命の期限がある悪魔五体を突撃するように仕向けようと思っている首領。
「あの女は魔力レベル0。ここは間違いのない所で、自らも否定しませんでした。そして付き従っていた魔獣は魔力レベル99。俄に信じられませんでしたが、悪魔の鑑定でも確認したので事実です。そして、その魔獣の力を借りて魔力レベル0でありながら魔術を行使する術を身に着けた様です」
テイムして魔獣をそのまま使いこなす方法しか思い浮かばなかったバリッジは、今後の戦力増強のきっかけになると思っていた。
実際の所はある程度高ランクの魔獣でない限りそのような行動はとれない。
バリッジが準備できる魔獣と言えば、確かに高ランクではあるが人工合成のキメラだ。
これではアンノウンゼロのように魔獣の力を借りる事は不可能なのだが、今まで思いつきもしなかった手法であるが故、その事実には気が付かない。
「他には?」
首領は、肝心要の拠点情報やアンノウンの全戦力の報告を促すのだが、問いかけられた幹部は首を振るだけだ。
「申し訳ありません、それ以上の情報は、本人を痛めつけようが魔獣を痛めつけようが、決して話さなかったのです。今ご報告した情報も本人が直接話したのではなく、否定しなかった事とその表情の変化から読み取った情報です」
「……そして、命を散らせた……と」
首領が残念そうに呟く。
実際は救出されているのだが、自ら情報漏洩を危惧して命を散らせたと思っている首領は、敵であり、目障りでもあるアンノウンの女に対して少しだけの敬意を払った。
「初めてアンノウンの素顔を拝めたのだが仕方がない。敵ながら天晴だったという事だ。だが、所詮は目障りなゴミ共。既に大陸中の国家の意志は我らの思惑通りになっている。一国だけを除くがな。その一国、バイチ帝国を我らバリッジが補助しつつ他国の力を使って潰す事が出来れば、理想の世界に近づくぞ」
「首領の仰る通りですな。そもそもあのバイチ帝国だけは、なぜか下賎な者でも市井の者として生活をしていますからな。全く、身分の何たるかを理解していないクズ国家です。潰されて当然と言えるでしょう」
こうしてアンノウン対バリッジ、悪魔の闘いは、いつの間にかバイチ帝国とその他の国家と言う大規模な戦闘に移行しつつあったのだ。
その頃、拠点では救出されたキロスとアンノウンが抱き合って喜んでいた。
実はキロスも魔獣のコンもほぼ致命傷を負わされており、回復術を最も得意とするNo.6でさえも、その傷を完全に癒せるかどうかと言った状態ではあったのだが、魔力レベル∞のジトロによって難なく元の状態に戻っている。
実際にキロスが受けた仕打ちは壮絶なものだった。
詳細は省くが、魔獣であるコンを目の前で傷つけ、逆に徐々にキロスを傷つけ……を繰り返していたのだ。
そのような状態であったにもかかわらず、キロスは決して拠点の情報や仲間の力については話さなかった。
自分と同じアンノウンゼロの力については既に明らかになっていると判断して、その部分の問いかけに対しては否定をしなかっただけなのだ。
バリッジ側としては、更なる情報を求めてより苛烈な仕打ちを行う。
魔獣の力がないキロスは魔力レベル0であるので、魔力レベル1の攻撃ですら致命傷になり得る。
そこにバリッジや悪魔が攻撃をするのだから、その身が無事な状態でいられるわけがない。
コンもなんとかキロスを守ろうと必死に行動するのだが、キロス同様、魔力レベル0の状態にされているので、されるがままだったのだ。
やがて声を発する事も動く事も出来なくなったキロスとコン。
もう一度だけ拠点で仲間と楽しく過ごしたいと願いつつも、その願いが叶う事なく、その意識が消えるのだろうと覚悟した。
劣悪な環境から家族と幸せに共に過ごせる時間をくれたジトロに感謝しつつ、愛しいコンの近くに這う様にして必死で移動し、既に浅い息しかできていないその体に自らの体を沈める。
声は出ないが、心でコンにお礼を伝えて意識を手放した。
コンも、キロスが近くに来てくれている事、自分の体にキロスが触れてくれている事は分かっていたが、既に意識が朦朧としており、全く動く事が出来なかったのだ。
キロスに対しては、申し訳ない思いでいっぱいだった。
せっかく仲良くなったのに、助けられなかった事。
悔しくて魔獣でありながら、無意識に涙が出ていたのだ。
だが、最後の瞬間は愛しいキロスと同じ場所、同じ時間で逝ける事だけが心の拠り所になっていた。
一時、魔力レベル0のキロスが魔力レベルを隠してテイムしたのではないかと思われていたのだが、魔力レベル99の悪魔の鑑定によりその線は無いという事が確認された。
「まさか、魔力レベル0の者が魔力レベル99の魔獣を従えているとは」
「あの女、アンノウンで間違いそうだな」
「それはそうだろう。魔力レベル99など、バリッジ-悪魔同盟を除けばアンノウンしかありえないからな」
「今までの情報漏洩は、こいつらの仕業か。ピートによれば、こいつはただの商人の元で働いていたと言うからな」
「その商人の身元は確認したのか?」
「当然だ。正真正銘ただの商人だったぞ」
バリッジ幹部の会話だ。
この会話からもわかる通りに既にアンノウンゼロのメリット、魔力レベル0であるが故に、警戒対象から外れるという作戦は使えなくなった。
逆に、魔力レベル0が疑われる方向に向かってしまったのだ。
新たにこの功績から構成員となったピートからの提言もあったが、バリッジの首領も同じ考えに辿り着く。
「近辺の魔力レベル0を全て調査しろ。まさかこんな姑息な手を使っているとはな。恐れ入ったぞアンノウン!それと、そのキロスとか言う女、悪魔達との会合に使っている拠点に移動させろ。そこで全てを吐かせてやる」
魔力レベル0のあぶり出しと共に、コンと共に二次的な拠点に移動されることが決まったキロス。
しかし、この場にいるバリッジは知らない。
キロスとコンは、既にジトロによって救出済みである事を……
首領の命令もあり、即キロスの移動の手配が行われていたのだが、バリッジとしては驚くべき報告が上がってきた。
その一報を聞いた幹部が、首領に驚きながら情報を伝える。
「首領、あの場所に監禁していたアンノウンの女とその魔獣、いつの間にか消えていたそうです。魔力レベル99の悪魔五体による結界に何の問題もなく、実際にあのアンノウンの襲撃があった時に、アンノウン達がピートの邸宅の外から内部へ転移できなかったあの結界もそのまま。何故、どうしていなくなったのか調査中との事です」
「なに!悪魔達は侵入者か何らかの魔術の痕跡を探知しなかったのか?」
「はい。一切異常は感知しなかったとの事です」
まさか魔力レベル99が五体揃って全力で築き上げた結界すら意に介さない者がいるとは思えないバリッジは、最終的な結論を出した。
「我らの暗部と同じように、情報漏洩を防ぐ秘術があるのでしょう。その術で存在を消したに違いありません」
これには首領も同意する。
「そうだろうな。実際にあの忌々しいアンノウン達も転移できなかった事が実証されている結界を破る事は不可能だろう。となると、残った可能性はそれしかないだろう。魔力の痕跡がないのは気になるが、正体不明のアンノウン。それ位はしてくるだろうな。それで、その女からはどの程度情報を抜けた?」
今までの拷問によってどの程度アンノウンの情報を抜けたかを確認する首領。
この情報によっては、かなりバリッジと悪魔の同盟が有利な立ち位置になるので、その期待は大きい。
特に、アンノウンの拠点情報があれば好き勝手に攻撃ができるのだが、拠点を移設される可能性があるので、もし拠点の情報があれば、命の期限がある悪魔五体を突撃するように仕向けようと思っている首領。
「あの女は魔力レベル0。ここは間違いのない所で、自らも否定しませんでした。そして付き従っていた魔獣は魔力レベル99。俄に信じられませんでしたが、悪魔の鑑定でも確認したので事実です。そして、その魔獣の力を借りて魔力レベル0でありながら魔術を行使する術を身に着けた様です」
テイムして魔獣をそのまま使いこなす方法しか思い浮かばなかったバリッジは、今後の戦力増強のきっかけになると思っていた。
実際の所はある程度高ランクの魔獣でない限りそのような行動はとれない。
バリッジが準備できる魔獣と言えば、確かに高ランクではあるが人工合成のキメラだ。
これではアンノウンゼロのように魔獣の力を借りる事は不可能なのだが、今まで思いつきもしなかった手法であるが故、その事実には気が付かない。
「他には?」
首領は、肝心要の拠点情報やアンノウンの全戦力の報告を促すのだが、問いかけられた幹部は首を振るだけだ。
「申し訳ありません、それ以上の情報は、本人を痛めつけようが魔獣を痛めつけようが、決して話さなかったのです。今ご報告した情報も本人が直接話したのではなく、否定しなかった事とその表情の変化から読み取った情報です」
「……そして、命を散らせた……と」
首領が残念そうに呟く。
実際は救出されているのだが、自ら情報漏洩を危惧して命を散らせたと思っている首領は、敵であり、目障りでもあるアンノウンの女に対して少しだけの敬意を払った。
「初めてアンノウンの素顔を拝めたのだが仕方がない。敵ながら天晴だったという事だ。だが、所詮は目障りなゴミ共。既に大陸中の国家の意志は我らの思惑通りになっている。一国だけを除くがな。その一国、バイチ帝国を我らバリッジが補助しつつ他国の力を使って潰す事が出来れば、理想の世界に近づくぞ」
「首領の仰る通りですな。そもそもあのバイチ帝国だけは、なぜか下賎な者でも市井の者として生活をしていますからな。全く、身分の何たるかを理解していないクズ国家です。潰されて当然と言えるでしょう」
こうしてアンノウン対バリッジ、悪魔の闘いは、いつの間にかバイチ帝国とその他の国家と言う大規模な戦闘に移行しつつあったのだ。
その頃、拠点では救出されたキロスとアンノウンが抱き合って喜んでいた。
実はキロスも魔獣のコンもほぼ致命傷を負わされており、回復術を最も得意とするNo.6でさえも、その傷を完全に癒せるかどうかと言った状態ではあったのだが、魔力レベル∞のジトロによって難なく元の状態に戻っている。
実際にキロスが受けた仕打ちは壮絶なものだった。
詳細は省くが、魔獣であるコンを目の前で傷つけ、逆に徐々にキロスを傷つけ……を繰り返していたのだ。
そのような状態であったにもかかわらず、キロスは決して拠点の情報や仲間の力については話さなかった。
自分と同じアンノウンゼロの力については既に明らかになっていると判断して、その部分の問いかけに対しては否定をしなかっただけなのだ。
バリッジ側としては、更なる情報を求めてより苛烈な仕打ちを行う。
魔獣の力がないキロスは魔力レベル0であるので、魔力レベル1の攻撃ですら致命傷になり得る。
そこにバリッジや悪魔が攻撃をするのだから、その身が無事な状態でいられるわけがない。
コンもなんとかキロスを守ろうと必死に行動するのだが、キロス同様、魔力レベル0の状態にされているので、されるがままだったのだ。
やがて声を発する事も動く事も出来なくなったキロスとコン。
もう一度だけ拠点で仲間と楽しく過ごしたいと願いつつも、その願いが叶う事なく、その意識が消えるのだろうと覚悟した。
劣悪な環境から家族と幸せに共に過ごせる時間をくれたジトロに感謝しつつ、愛しいコンの近くに這う様にして必死で移動し、既に浅い息しかできていないその体に自らの体を沈める。
声は出ないが、心でコンにお礼を伝えて意識を手放した。
コンも、キロスが近くに来てくれている事、自分の体にキロスが触れてくれている事は分かっていたが、既に意識が朦朧としており、全く動く事が出来なかったのだ。
キロスに対しては、申し訳ない思いでいっぱいだった。
せっかく仲良くなったのに、助けられなかった事。
悔しくて魔獣でありながら、無意識に涙が出ていたのだ。
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