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聖剣!
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正直、トロンプ様より聖剣と聞いた時には、ついに来たかと思った。
前世の漫画では、悪を滅亡させる事ができる唯一にして絶対の武器。
そして、お約束の所持者の選別があるのだ。
魔力のある世界の定番ではなかろうか。
なぜ今までこのイベントが発生していなかったのかが不思議なほどだ。
トロンプ様曰く、俺の知っている前世の知識の通りに岩に突き刺さった状態で、今の所誰も抜く事ができていないらしい。
一般の冒険者が抜いてしまうとその冒険者の所有物となり、買い取るにしても膨大な金額が必要になる。
そもそも、その場所に行くのにはかなりの危険が伴うので、今まで試す事ができた冒険者の数は数人らしいが……
国家に保管されている書物の記録によれば、聖剣を抜いた所有者、聖剣に認められた所有者が許可を出せば、譲渡ができると記載されていたらしい。
なんてユルユルだ、と思わなくもないが、そう言う事だと思うしかない。
そんな事を思いながらダンジョンの位置だけを確認しに転移する俺。
もちろんそのまま潜る事も出来るが、今の俺はアンノウンのNo.0ではなく、ジトロ副ギルドマスター補佐心得だ。
いくら冒険者としての登録魔力レベルが7とは言え、こんなダンジョンの下層に一人で向かうのは有り得ない。
現に、今まで聖剣を抜くためにダンジョンに入った冒険者は、全員もれなく人族最強と言われている魔力レベル10を含む高レベルのパーティーだ。
そう考えると、結構トロンプ様って無茶を言ってきていると思わなくもないが、信頼の表れだろう。
目的地を確認だけした俺は、その日は一旦拠点に戻る。
そして夕食時。
「今回俺は、なんと聖剣の取得の任務を行う事になった。もちろん副ギルドマスター補佐心得として……だ。その為、誰かハンネル王国で俺が出すの護衛依頼を受注してもらいたいんだが」
そう、俺個人としてあのダンジョンの下層まで行くのは怪しまれるが、高レベルの冒険者パーティーを引き連れて行けば話は別だ。
ナンバーズは全員偽名で冒険者登録をしており、登録魔力レベルは5~7だ。
魔力レベル10がいるパーティーと比較すると見劣りするが、そこは人数でカバーすれば誤魔化せるだろう。
ナンバーズ全員と、この場にいるアンノウンゼロの全員が立候補してきたので、ある程度俺の方で選別させてもらう事にした。
一人目はNo.1。
彼女は常に俺の秘書的な、そして護衛的な立ち位置にいるからだ。
二人目はNo.5。
攻撃魔法によってサクサク下層に行ける事を期待している。
三人目はNo.8。
剣術に最も優れている為、聖剣を抜ける可能性が高いと踏んだ。
実は、俺は前世の知識から、剣術に優れて、且つ魔力レベルの高い者が聖剣を抜く事ができると判断している。
この布陣で行けば、誰か一人は聖剣を抜く事ができるだろう。
この人選から洩れたメンバーが、残念そうな顔をしていたが仕方がない。
翌日、ギルドの受付にお願いをして俺からの依頼を出してもらった。
もちろん費用はハンネル王国のギルド持ち。
その依頼がボードに張り出された瞬間、ソラ(No.1)が依頼書を引っぺがした。
一応依頼の受注はギルドの受付でレベル的に危険がないか精査されるが、基本は早い者勝ちだ。
赤の他人に依頼を取られる前に、アンノウンが依頼を受注したのだ。
「それでは、ジトロ副ギルドマスター補佐心得、彼女達が受注すると言う事で良いですか?」
ハンネル王国の受付が、依頼者である俺に確認を取ってくる。
答えはもちろんOKだ。
「はい、お願いします。皆さんもよろしくお願いしますね」
「「「よろしくお願いします。ジトロ副ギルドマスター補佐心得!!」」」
ソラ(No.1)、ハル(No.5)、ルカ(No.8)が元気よく返事をしてくれた。
全員見た目が美しく、この場にいる冒険者全ての注目の的だ。
こうして美女三人を引き連れた至って普通の男である俺、ジトロがダンジョンに向かい出発する。
ハンネル王国の国内にあるとはいえ王都に有る訳ではないので、王都の門から外に出て人目のない位置から転移する。
「ここですか?ジトロ様」
巨大な壁のような岩の小さな隙間を見てNo.1が呟く。
俺も思ったが、ダンジョンの入り口はこんな岩の隙間、割れ目のようなものではなく、もっとこう、厳かな感じになるような場所かと思っていたのだ。
きっと、口には出さないがNo.1以外のナンバーズも同じような事を思っているのだろう。
「そ。一応この下層にかの有名な聖剣があるみたいだ。時間がもったいないから、早速移動しよう」
こうして、岩の隙間らしき場所から中に侵入する俺達。
もちろんダンジョンである為に、魔獣がかなりの頻度で襲ってくるし、罠もある。
あるのだが、俺達にとっては何の障害にもなる訳がないので、サクサク下層に向けて進行する。
今の俺達が気を付けている事は、このダンジョンにいる他の冒険者達に俺達の強さを見せないようにする事だけだ。
こうして攻略を進めた結果、ダンジョン侵入からたいして時間が経っていないのだが、俺の目の前には岩に刺さった聖剣が見えているわけだ。
「ジトロ様、流石は聖剣ですね。とても奇麗です」
剣術を最も得意とするNo.8がうっとりと呟く。
確かに、神々しいと言えば良いのか、仰々しいと言えば良いのか、岩から飛び出ている柄とわずかな刃からも確かな存在感がある。
ここで、この岩から聖剣を抜ければ依頼達成だ。
「よし、じゃあこの聖剣を抜く作業に入ろう。周りにはとりあえず冒険者はいないので、抜けるまで順番に試そうか。誰が行く?」
「はい!はい!!はい!!!ぜひ一番手は私No.8にお任せください!」
流石は剣術が得意なNo.8。
誰よりも剣にかける情熱があるので、この聖剣にも簡単に認められるのではないだろうか?
いや、むしろ彼女に抜けなければ、他の誰が抜けるんだ!と言う話だ。
俺と共にここに来ているNo.1とNo.5も同じ意見の様で、No.8が最初に試す事に異存は無いようだ。
「わかった。じゃあNo.8に任せよう。しっかり頼むぞ!」
「はい!お任せください、ジトロ様」
前世の漫画では、悪を滅亡させる事ができる唯一にして絶対の武器。
そして、お約束の所持者の選別があるのだ。
魔力のある世界の定番ではなかろうか。
なぜ今までこのイベントが発生していなかったのかが不思議なほどだ。
トロンプ様曰く、俺の知っている前世の知識の通りに岩に突き刺さった状態で、今の所誰も抜く事ができていないらしい。
一般の冒険者が抜いてしまうとその冒険者の所有物となり、買い取るにしても膨大な金額が必要になる。
そもそも、その場所に行くのにはかなりの危険が伴うので、今まで試す事ができた冒険者の数は数人らしいが……
国家に保管されている書物の記録によれば、聖剣を抜いた所有者、聖剣に認められた所有者が許可を出せば、譲渡ができると記載されていたらしい。
なんてユルユルだ、と思わなくもないが、そう言う事だと思うしかない。
そんな事を思いながらダンジョンの位置だけを確認しに転移する俺。
もちろんそのまま潜る事も出来るが、今の俺はアンノウンのNo.0ではなく、ジトロ副ギルドマスター補佐心得だ。
いくら冒険者としての登録魔力レベルが7とは言え、こんなダンジョンの下層に一人で向かうのは有り得ない。
現に、今まで聖剣を抜くためにダンジョンに入った冒険者は、全員もれなく人族最強と言われている魔力レベル10を含む高レベルのパーティーだ。
そう考えると、結構トロンプ様って無茶を言ってきていると思わなくもないが、信頼の表れだろう。
目的地を確認だけした俺は、その日は一旦拠点に戻る。
そして夕食時。
「今回俺は、なんと聖剣の取得の任務を行う事になった。もちろん副ギルドマスター補佐心得として……だ。その為、誰かハンネル王国で俺が出すの護衛依頼を受注してもらいたいんだが」
そう、俺個人としてあのダンジョンの下層まで行くのは怪しまれるが、高レベルの冒険者パーティーを引き連れて行けば話は別だ。
ナンバーズは全員偽名で冒険者登録をしており、登録魔力レベルは5~7だ。
魔力レベル10がいるパーティーと比較すると見劣りするが、そこは人数でカバーすれば誤魔化せるだろう。
ナンバーズ全員と、この場にいるアンノウンゼロの全員が立候補してきたので、ある程度俺の方で選別させてもらう事にした。
一人目はNo.1。
彼女は常に俺の秘書的な、そして護衛的な立ち位置にいるからだ。
二人目はNo.5。
攻撃魔法によってサクサク下層に行ける事を期待している。
三人目はNo.8。
剣術に最も優れている為、聖剣を抜ける可能性が高いと踏んだ。
実は、俺は前世の知識から、剣術に優れて、且つ魔力レベルの高い者が聖剣を抜く事ができると判断している。
この布陣で行けば、誰か一人は聖剣を抜く事ができるだろう。
この人選から洩れたメンバーが、残念そうな顔をしていたが仕方がない。
翌日、ギルドの受付にお願いをして俺からの依頼を出してもらった。
もちろん費用はハンネル王国のギルド持ち。
その依頼がボードに張り出された瞬間、ソラ(No.1)が依頼書を引っぺがした。
一応依頼の受注はギルドの受付でレベル的に危険がないか精査されるが、基本は早い者勝ちだ。
赤の他人に依頼を取られる前に、アンノウンが依頼を受注したのだ。
「それでは、ジトロ副ギルドマスター補佐心得、彼女達が受注すると言う事で良いですか?」
ハンネル王国の受付が、依頼者である俺に確認を取ってくる。
答えはもちろんOKだ。
「はい、お願いします。皆さんもよろしくお願いしますね」
「「「よろしくお願いします。ジトロ副ギルドマスター補佐心得!!」」」
ソラ(No.1)、ハル(No.5)、ルカ(No.8)が元気よく返事をしてくれた。
全員見た目が美しく、この場にいる冒険者全ての注目の的だ。
こうして美女三人を引き連れた至って普通の男である俺、ジトロがダンジョンに向かい出発する。
ハンネル王国の国内にあるとはいえ王都に有る訳ではないので、王都の門から外に出て人目のない位置から転移する。
「ここですか?ジトロ様」
巨大な壁のような岩の小さな隙間を見てNo.1が呟く。
俺も思ったが、ダンジョンの入り口はこんな岩の隙間、割れ目のようなものではなく、もっとこう、厳かな感じになるような場所かと思っていたのだ。
きっと、口には出さないがNo.1以外のナンバーズも同じような事を思っているのだろう。
「そ。一応この下層にかの有名な聖剣があるみたいだ。時間がもったいないから、早速移動しよう」
こうして、岩の隙間らしき場所から中に侵入する俺達。
もちろんダンジョンである為に、魔獣がかなりの頻度で襲ってくるし、罠もある。
あるのだが、俺達にとっては何の障害にもなる訳がないので、サクサク下層に向けて進行する。
今の俺達が気を付けている事は、このダンジョンにいる他の冒険者達に俺達の強さを見せないようにする事だけだ。
こうして攻略を進めた結果、ダンジョン侵入からたいして時間が経っていないのだが、俺の目の前には岩に刺さった聖剣が見えているわけだ。
「ジトロ様、流石は聖剣ですね。とても奇麗です」
剣術を最も得意とするNo.8がうっとりと呟く。
確かに、神々しいと言えば良いのか、仰々しいと言えば良いのか、岩から飛び出ている柄とわずかな刃からも確かな存在感がある。
ここで、この岩から聖剣を抜ければ依頼達成だ。
「よし、じゃあこの聖剣を抜く作業に入ろう。周りにはとりあえず冒険者はいないので、抜けるまで順番に試そうか。誰が行く?」
「はい!はい!!はい!!!ぜひ一番手は私No.8にお任せください!」
流石は剣術が得意なNo.8。
誰よりも剣にかける情熱があるので、この聖剣にも簡単に認められるのではないだろうか?
いや、むしろ彼女に抜けなければ、他の誰が抜けるんだ!と言う話だ。
俺と共にここに来ているNo.1とNo.5も同じ意見の様で、No.8が最初に試す事に異存は無いようだ。
「わかった。じゃあNo.8に任せよう。しっかり頼むぞ!」
「はい!お任せください、ジトロ様」
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