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ギルドマスターより、来賓の話を聞く
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ギルド畜の俺は、相も変わらず朝から出勤。
そうそう、最近になってようやく財布のダメージが少々回復してきたので、昼を食べられるようになっている。
今までは昼に取れない栄養を朝と夜で取ろうと必死だったので、いつもよりはるかに多い量を食べてしまっていた。
作ってくれる人に迷惑をかけていないか心配になったのだが、当人は嬉しそうにしてくれていたので、遠慮なく食べさせてもらっていた。
だが、習慣とは恐ろしいもので、昼を食べるようになってからも、朝晩の食事は結構な量を食べるままになっていた。
と、そんな充実した日々を送っているのだが、出勤早々あのクソギルドマスターが来ているのが分かり、一気にテンションが下がる。
「おい平民!来月このハンネル王国にバイチ帝国から王族が来られる。その警護をこの私も仰せつかった。当然我が騎士も警護に当たるが、平民共に対する警戒までは手が回らない。そこで、平民同士であれば、万が一の時の行動も容易に想像がつくと閃いたのだ。ギルドとしてこの警戒の依頼を受ける事にする。私は護衛で忙しいので、お前が全てを管理しろ。わかったな」
相変わらず言いたい事だけ言って去っていく、クソギルドマスター。
しかも、具体的な日付や、こっちに来る王族の人数等、何の情報も開示していない。
俺は知っている。
あいつは、今後も一切情報などを俺達に一切開示しない事を。
そのせいでトラブルが起きたら、鬼の首を取ったかのようにこちらを攻めてくるのだ。
そうはいくか!
こうなったら、少し私情が混ざってしまうが、最強の仲間を使って情報収集をするしかない。
最近、俺の仲間達は冒険者としての活動を少し控えめにしており、魔力レベル0の人達に、どうすれば自らの安全を守れるかについて色々と実験しているようだ。
今聞いている限りでは、手っ取り早いのはテイムした魔獣を与える事。
さらには、錬金術によって作成した高品質の武器を使用させる事。
できれば支援術によって、力を付与できればいいのだけど、こちらは、そもそも各人の身体能力を極端に上げてしまうと反動が酷いらしく、上手くいっていないらしい。
こんな取り組みをしてくれている面々にお願いするのは申し訳ない気がするのだが、当日の業務を終えると、拠点で事情を皆に説明した。
「実は、来月にバイチ帝国の王族がこっちに来るみたいなんだ。何のために来るのか、具体的な日程、どの程度の規模で来るのか、来てからのスケジュール、何にも知らされていないけど、市街地での護衛を任されてしまった。何をするにも情報が少なすぎるから、少し情報を集めてきてもらえないかな?」
彼女達は、俺の話をきいて少々呆れているようだ。
それはそうだろう。
国家同士の面談?の護衛に関する情報が、担当に一切開示されていないのだから……
だが、誰もその事を口にはしない。
なぜなら、全員がクソギルドマスターの性格をよく知っているからだ。
本当、前のギルドマスターは良い人だったな。
今、あの人、トロンプ様は健康に過ごされているだろうか?
少々現実逃避をしてしまった。
話を戻そう。
「ジトロ様。申し訳ありません。私達、誰もバイチ帝国について知らないので、先ずは場所を教えて頂けますか?」
おっと、それはそうだった。
彼女達は俺の仲間になってもらってから、この拠点周辺と俺のギルドがある町、そしてハンネル王国の王都周辺でしか活動していないのだから、突然バイチ帝国と言われてもわからないだろう。
「ごめん、ごめん。えっとバイチ帝国は、俺達ハンネル王国と隣接している国家で、丁度あっち側にあるんだ」
そう言って、俺は王都と真逆の方向を指し示す。
何人かは、自分が救出された場所の方向であったために少し表情が変わったが、それが何を意味する物かは分からない。
「わかりました。ですが、あちらを目指して転移しても、そこがバイチ帝国かはわからないので、最初は同行していただけますか?」
これから情報収取を行う国で、突然この町の名前は?と聞いた時点で、彼女達の存在が誰かしらの記憶に残ってしまう可能性があるので、場所を知っている俺が同行する事にした。
今回の任務は隠密が得意なNo.4と、解析・鑑定が得意なNo.7に任せた。
二人を引き連れて、バイチ帝国が見える位置まで転移する。
こうすれば、今後、彼女達も難なくこの場所に転移する事ができるようになる。
「ジトロ様、バイチ帝国もかなり栄えているようですね。それに、ここから見る限り、人々も穏やかそうに見えます」
「No.7の言う通りだな。みんなが笑顔になっているような…そんな国なんだな」
もちろん、二人とも魔力レベル99の力を使って視覚を強化している。
「二人の言う通りだな。その辺りも、時間があったら少し情報収集しておくと良いんじゃないかな?」
「「そうします!!」」
今の時点で、この場に用はないので、帰還する。
彼女達には明日から情報収取をしてもらう事にして、これから全員で夕食だ。
そして数日が経過した。
いつもの業務、いつものクソギルドマスターの対応を終わらせた俺は、帰還して夕食を今か今かと待っている。
そこに調査依頼をお願いしていたNo.4とNo.7が帰ってきた。
「ジトロ様、お待たせしました。ある程度の情報を掴んできましたので、お食事の後にでもお時間をいただけますか?」
「相変わらず早いね。ありがとう。じゃあ、食事の後に話そうか」
今日の食後のデザートは、No.4とNo.7が買ってきてくれたバイチ帝国の果物だ。
この国、ハンネル王国では見た事はないが、時々、商人が仕入れて貴族たちに販売しているのは知っている。
「あっま~い。No.4、No.7、二人とも、向こうに行っている間、きっと毎日これ食べてたでしょ?」
「ウフフフフ、流石はNo.2。バレてしまいましたか」
確かに、この果物はとても甘いし、歯ごたえもしっかりしている。
この国の王族や貴族は、こんなにもおいしい物を独り占めしていたのか。
だが、気になるのは値段だ。
これ一個で金貨一枚(十万円)とか言われると、おいそれとは手が出ない。
特に、俺個人で購入する事などできる訳がない。
「なあ、No.4、これって一個いくら位なの?」
「それがすごいんだ、ジトロ様。なんと、この果物一つで鉄貨三枚(三百円)だ!」
俺達の想定よりもはるかに安い金額であったため、全員が追加購入についてワイワイやっている。
残念な事に、この拠点での財布は魔力持ちである俺達の管轄下にはない。
魔力レベル0ではあるが、頭脳明晰であるメンバーに任せているのだ。
この拠点全ての金銭を管理している彼、そう、イズンによって全てが仕切られている。
そうでなければ、今頃、俺の財布は相当レベルアップしていたに違いない。
もちろん、俺の給料も一旦イズンによって全額徴収され、少ないお小遣いを貰って生活している。
所謂お小遣い制度が布かれているのだ。
前世では社会人の経験がないので、給料の扱いに対する普通と言う状態が良く分からないが、イズンにも管理を任せる事で責任感も生まれるし、自分が必要とされていると実感できるだろうから、ここは、懐の大きなところを見せている。
一度気になって、この拠点の資金はどうなっているのか聞いてみたが、虹金貨数十枚以上(数億円以上)とだけ教えてくれた。
一瞬恥も外見もなく、お小遣い値上げをお願いしそうになったのは、ここだけの秘密だ。
で、果物だが、ハンネル王国で商人がどの程度の利益を乗せて販売しているかわからない。
そのため、あくまで俺達だけが食べる分だけ購入して、身内だけで楽しむ事にした。
「じゃあ、調べた情報、教えて貰おうかな」
食後に少々休んでから、俺は、彼女達が集めてくれた情報を聞く事にした。
そうそう、最近になってようやく財布のダメージが少々回復してきたので、昼を食べられるようになっている。
今までは昼に取れない栄養を朝と夜で取ろうと必死だったので、いつもよりはるかに多い量を食べてしまっていた。
作ってくれる人に迷惑をかけていないか心配になったのだが、当人は嬉しそうにしてくれていたので、遠慮なく食べさせてもらっていた。
だが、習慣とは恐ろしいもので、昼を食べるようになってからも、朝晩の食事は結構な量を食べるままになっていた。
と、そんな充実した日々を送っているのだが、出勤早々あのクソギルドマスターが来ているのが分かり、一気にテンションが下がる。
「おい平民!来月このハンネル王国にバイチ帝国から王族が来られる。その警護をこの私も仰せつかった。当然我が騎士も警護に当たるが、平民共に対する警戒までは手が回らない。そこで、平民同士であれば、万が一の時の行動も容易に想像がつくと閃いたのだ。ギルドとしてこの警戒の依頼を受ける事にする。私は護衛で忙しいので、お前が全てを管理しろ。わかったな」
相変わらず言いたい事だけ言って去っていく、クソギルドマスター。
しかも、具体的な日付や、こっちに来る王族の人数等、何の情報も開示していない。
俺は知っている。
あいつは、今後も一切情報などを俺達に一切開示しない事を。
そのせいでトラブルが起きたら、鬼の首を取ったかのようにこちらを攻めてくるのだ。
そうはいくか!
こうなったら、少し私情が混ざってしまうが、最強の仲間を使って情報収集をするしかない。
最近、俺の仲間達は冒険者としての活動を少し控えめにしており、魔力レベル0の人達に、どうすれば自らの安全を守れるかについて色々と実験しているようだ。
今聞いている限りでは、手っ取り早いのはテイムした魔獣を与える事。
さらには、錬金術によって作成した高品質の武器を使用させる事。
できれば支援術によって、力を付与できればいいのだけど、こちらは、そもそも各人の身体能力を極端に上げてしまうと反動が酷いらしく、上手くいっていないらしい。
こんな取り組みをしてくれている面々にお願いするのは申し訳ない気がするのだが、当日の業務を終えると、拠点で事情を皆に説明した。
「実は、来月にバイチ帝国の王族がこっちに来るみたいなんだ。何のために来るのか、具体的な日程、どの程度の規模で来るのか、来てからのスケジュール、何にも知らされていないけど、市街地での護衛を任されてしまった。何をするにも情報が少なすぎるから、少し情報を集めてきてもらえないかな?」
彼女達は、俺の話をきいて少々呆れているようだ。
それはそうだろう。
国家同士の面談?の護衛に関する情報が、担当に一切開示されていないのだから……
だが、誰もその事を口にはしない。
なぜなら、全員がクソギルドマスターの性格をよく知っているからだ。
本当、前のギルドマスターは良い人だったな。
今、あの人、トロンプ様は健康に過ごされているだろうか?
少々現実逃避をしてしまった。
話を戻そう。
「ジトロ様。申し訳ありません。私達、誰もバイチ帝国について知らないので、先ずは場所を教えて頂けますか?」
おっと、それはそうだった。
彼女達は俺の仲間になってもらってから、この拠点周辺と俺のギルドがある町、そしてハンネル王国の王都周辺でしか活動していないのだから、突然バイチ帝国と言われてもわからないだろう。
「ごめん、ごめん。えっとバイチ帝国は、俺達ハンネル王国と隣接している国家で、丁度あっち側にあるんだ」
そう言って、俺は王都と真逆の方向を指し示す。
何人かは、自分が救出された場所の方向であったために少し表情が変わったが、それが何を意味する物かは分からない。
「わかりました。ですが、あちらを目指して転移しても、そこがバイチ帝国かはわからないので、最初は同行していただけますか?」
これから情報収取を行う国で、突然この町の名前は?と聞いた時点で、彼女達の存在が誰かしらの記憶に残ってしまう可能性があるので、場所を知っている俺が同行する事にした。
今回の任務は隠密が得意なNo.4と、解析・鑑定が得意なNo.7に任せた。
二人を引き連れて、バイチ帝国が見える位置まで転移する。
こうすれば、今後、彼女達も難なくこの場所に転移する事ができるようになる。
「ジトロ様、バイチ帝国もかなり栄えているようですね。それに、ここから見る限り、人々も穏やかそうに見えます」
「No.7の言う通りだな。みんなが笑顔になっているような…そんな国なんだな」
もちろん、二人とも魔力レベル99の力を使って視覚を強化している。
「二人の言う通りだな。その辺りも、時間があったら少し情報収集しておくと良いんじゃないかな?」
「「そうします!!」」
今の時点で、この場に用はないので、帰還する。
彼女達には明日から情報収取をしてもらう事にして、これから全員で夕食だ。
そして数日が経過した。
いつもの業務、いつものクソギルドマスターの対応を終わらせた俺は、帰還して夕食を今か今かと待っている。
そこに調査依頼をお願いしていたNo.4とNo.7が帰ってきた。
「ジトロ様、お待たせしました。ある程度の情報を掴んできましたので、お食事の後にでもお時間をいただけますか?」
「相変わらず早いね。ありがとう。じゃあ、食事の後に話そうか」
今日の食後のデザートは、No.4とNo.7が買ってきてくれたバイチ帝国の果物だ。
この国、ハンネル王国では見た事はないが、時々、商人が仕入れて貴族たちに販売しているのは知っている。
「あっま~い。No.4、No.7、二人とも、向こうに行っている間、きっと毎日これ食べてたでしょ?」
「ウフフフフ、流石はNo.2。バレてしまいましたか」
確かに、この果物はとても甘いし、歯ごたえもしっかりしている。
この国の王族や貴族は、こんなにもおいしい物を独り占めしていたのか。
だが、気になるのは値段だ。
これ一個で金貨一枚(十万円)とか言われると、おいそれとは手が出ない。
特に、俺個人で購入する事などできる訳がない。
「なあ、No.4、これって一個いくら位なの?」
「それがすごいんだ、ジトロ様。なんと、この果物一つで鉄貨三枚(三百円)だ!」
俺達の想定よりもはるかに安い金額であったため、全員が追加購入についてワイワイやっている。
残念な事に、この拠点での財布は魔力持ちである俺達の管轄下にはない。
魔力レベル0ではあるが、頭脳明晰であるメンバーに任せているのだ。
この拠点全ての金銭を管理している彼、そう、イズンによって全てが仕切られている。
そうでなければ、今頃、俺の財布は相当レベルアップしていたに違いない。
もちろん、俺の給料も一旦イズンによって全額徴収され、少ないお小遣いを貰って生活している。
所謂お小遣い制度が布かれているのだ。
前世では社会人の経験がないので、給料の扱いに対する普通と言う状態が良く分からないが、イズンにも管理を任せる事で責任感も生まれるし、自分が必要とされていると実感できるだろうから、ここは、懐の大きなところを見せている。
一度気になって、この拠点の資金はどうなっているのか聞いてみたが、虹金貨数十枚以上(数億円以上)とだけ教えてくれた。
一瞬恥も外見もなく、お小遣い値上げをお願いしそうになったのは、ここだけの秘密だ。
で、果物だが、ハンネル王国で商人がどの程度の利益を乗せて販売しているかわからない。
そのため、あくまで俺達だけが食べる分だけ購入して、身内だけで楽しむ事にした。
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食後に少々休んでから、俺は、彼女達が集めてくれた情報を聞く事にした。
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