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クロイツの新たな生活(3)
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魔獣であるポチに対して、昆虫型の魔獣の残りをすべて出すクロイツ。
ポチであればより詳しい情報を持っているかもしれないと考えたのだ。
『あ~、これって、クロイツ様が一度倒した……いや、通過した?事有るはずだけど、2階層にいるよ?』
「って事は、やっぱりSランク相当かよ!!」
クロイツはこのダンジョンにはAランク以上の魔獣がいる事は分かっていた。
そこの2階層にいると言う事はどう考えてもSランク相当で、ギルドの見立ては正しかったのだ。
取り敢えず残骸は全てダンジョンに吸収させる……いや、放っておけば吸収されるので、収納魔法から取り出して放置する。
その後はいつもの定位置、あの村がある階層の崖の上にポチと共に転移する。
最近は奴隷商を覗いても赤い紋章を持つ人を見つける事が出来なくなっており、今回得られた報酬で一月以上は持つだろうと思っているクロイツだが、城下町から自分を付けてきた存在は少々気になっていた。
久しぶりの依頼で不完全燃焼、リサの存在が無い事による心の穴の事も有って振り切ってしまったが、今思えば掴まえて尋問でもすればよかったと思っている。
「いきなりSランクの依頼なんて達成しちまったからな。身の程知らずが報酬をかすめようとしたんだろうな」
無理矢理自分を納得させつつも、崖の上で横になってボケーッと幸せそうな村を眺めているクロイツ。
一方のギルドでは目撃情報通りの魔獣の一部が納品された事に沸き立っており、鑑定でも情報が何もない魔獣、新種であると判断された。
その強さは既に死亡している為に鑑定で判断する事は出来ないが、目撃情報では無傷のままでAランク魔獣を始末して食べていたとの事で、間違いなくSランクに分類できるだろうと言う結論に達した。
つまり、今の冒険者ギルドの最強と言われるAランカーでも太刀打ちできない可能性が高い存在が発見されてしまったと言う事だ。
と同時に、クロイツがSランクの実力を持っている事も証明されたのだ。
その結果、新たな魔獣Sランク相当の魔獣の存在は、ギルド、そして国家を通して大陸全土に通知される。
取り敢えず今のところの目撃情報はリベラ王国の領土ではあるが、王都からも相当離れた位置に一体だけと言う事でそれほどの混乱は起きなかったが、その魔獣をBランカーのクロイツと言う存在が既に討伐済みとの情報も知れ渡ると、当然ながらクロイツの環境は激変する。
各国がリベラ王国から提出された魔獣の一部を吟味し、確かにSランク相当で間違いないだろうと言う結論を出した。
実は、クロイツが納品した昆虫型の頭の部分……つまり、口の中に公知となっているAランク魔獣の一部が発見されたのだ。
これでAランクの魔獣を無傷のまま捕食していたと言う目撃情報の信憑性は大幅に上がり、Sランク魔獣の存在が確定した。
その後に史上初のSランカーとして“クロイツ”が認定され、各国はその力を取り入れようと血眼になって詳細情報を入手しようと躍起になっている。
しかし結果は芳しくなく、少し前までリサと呼ばれていた白い外套を羽織っている人物と共に行動していた事位しか情報を得る事が出来ずに、今どこに住んでいるのかもわからない。
最新情報によれば、今は単独で行動しており、良く奴隷商に顔を出す。
そして、主に活動しているのはリベラ王国である……と言う事だけだ。
この大騒動が起きて以降、クロイツはぱったりとギルドに顔を出さなくなってしまった。
すっかりダンジョンの最下層に落ち着き、時折体が鈍らないように表に出て高レベルの魔獣を自らにハンデをつけながら始末している。
赤い紋章を持つ人を購入する資金は人化できる魔獣を冒険者登録し、クロイツ自らが適当に始末してきた魔獣を納品させる事で補っている。
ある意味引きこもりだが、こうなってしまってもやむを得ない程にクロイツへの勧誘は苛烈を極めていた。
先ずは、リベラ王国のギルド。
もちろんリベラ王国の国王からの厳命で余りある資金を餌に勧誘するも、そもそもこの国はミュラを始めとした騎士達がいた国であり、その国家の膿が完全に排除されていると判明していない内に所属するなどはあり得ない為に一蹴していた。
その情報を間者によって掴んだ他国は冒険者に偽装してリベラ王国に乗り込み、クロイツと積極的に接触して同様の勧誘を行ったのだ。
しかし、そんな連中の言う事は似たり寄ったり……
「クロイツ殿。当国に来ていただければ、自由にして良い赤の紋章付きを好きなだけ準備致しましょう。最近は入手困難になっておりますが、なーに、我らの力が有れば、問題ありませんぞ!」
と言う、クロイツの行動や理念を全く理解していない人物や、
「クロイツと言ったな。お前がSランカーとは眉唾だが、我が主のたっての頼みだ。貴様を召し抱えてやる。光栄に思うんだな」
と、どこからも上から目線の人物ばかりだった。
そして、引きこもる事を決定づけたのは、とある人物の言葉だった。
ポチであればより詳しい情報を持っているかもしれないと考えたのだ。
『あ~、これって、クロイツ様が一度倒した……いや、通過した?事有るはずだけど、2階層にいるよ?』
「って事は、やっぱりSランク相当かよ!!」
クロイツはこのダンジョンにはAランク以上の魔獣がいる事は分かっていた。
そこの2階層にいると言う事はどう考えてもSランク相当で、ギルドの見立ては正しかったのだ。
取り敢えず残骸は全てダンジョンに吸収させる……いや、放っておけば吸収されるので、収納魔法から取り出して放置する。
その後はいつもの定位置、あの村がある階層の崖の上にポチと共に転移する。
最近は奴隷商を覗いても赤い紋章を持つ人を見つける事が出来なくなっており、今回得られた報酬で一月以上は持つだろうと思っているクロイツだが、城下町から自分を付けてきた存在は少々気になっていた。
久しぶりの依頼で不完全燃焼、リサの存在が無い事による心の穴の事も有って振り切ってしまったが、今思えば掴まえて尋問でもすればよかったと思っている。
「いきなりSランクの依頼なんて達成しちまったからな。身の程知らずが報酬をかすめようとしたんだろうな」
無理矢理自分を納得させつつも、崖の上で横になってボケーッと幸せそうな村を眺めているクロイツ。
一方のギルドでは目撃情報通りの魔獣の一部が納品された事に沸き立っており、鑑定でも情報が何もない魔獣、新種であると判断された。
その強さは既に死亡している為に鑑定で判断する事は出来ないが、目撃情報では無傷のままでAランク魔獣を始末して食べていたとの事で、間違いなくSランクに分類できるだろうと言う結論に達した。
つまり、今の冒険者ギルドの最強と言われるAランカーでも太刀打ちできない可能性が高い存在が発見されてしまったと言う事だ。
と同時に、クロイツがSランクの実力を持っている事も証明されたのだ。
その結果、新たな魔獣Sランク相当の魔獣の存在は、ギルド、そして国家を通して大陸全土に通知される。
取り敢えず今のところの目撃情報はリベラ王国の領土ではあるが、王都からも相当離れた位置に一体だけと言う事でそれほどの混乱は起きなかったが、その魔獣をBランカーのクロイツと言う存在が既に討伐済みとの情報も知れ渡ると、当然ながらクロイツの環境は激変する。
各国がリベラ王国から提出された魔獣の一部を吟味し、確かにSランク相当で間違いないだろうと言う結論を出した。
実は、クロイツが納品した昆虫型の頭の部分……つまり、口の中に公知となっているAランク魔獣の一部が発見されたのだ。
これでAランクの魔獣を無傷のまま捕食していたと言う目撃情報の信憑性は大幅に上がり、Sランク魔獣の存在が確定した。
その後に史上初のSランカーとして“クロイツ”が認定され、各国はその力を取り入れようと血眼になって詳細情報を入手しようと躍起になっている。
しかし結果は芳しくなく、少し前までリサと呼ばれていた白い外套を羽織っている人物と共に行動していた事位しか情報を得る事が出来ずに、今どこに住んでいるのかもわからない。
最新情報によれば、今は単独で行動しており、良く奴隷商に顔を出す。
そして、主に活動しているのはリベラ王国である……と言う事だけだ。
この大騒動が起きて以降、クロイツはぱったりとギルドに顔を出さなくなってしまった。
すっかりダンジョンの最下層に落ち着き、時折体が鈍らないように表に出て高レベルの魔獣を自らにハンデをつけながら始末している。
赤い紋章を持つ人を購入する資金は人化できる魔獣を冒険者登録し、クロイツ自らが適当に始末してきた魔獣を納品させる事で補っている。
ある意味引きこもりだが、こうなってしまってもやむを得ない程にクロイツへの勧誘は苛烈を極めていた。
先ずは、リベラ王国のギルド。
もちろんリベラ王国の国王からの厳命で余りある資金を餌に勧誘するも、そもそもこの国はミュラを始めとした騎士達がいた国であり、その国家の膿が完全に排除されていると判明していない内に所属するなどはあり得ない為に一蹴していた。
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しかし、そんな連中の言う事は似たり寄ったり……
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と言う、クロイツの行動や理念を全く理解していない人物や、
「クロイツと言ったな。お前がSランカーとは眉唾だが、我が主のたっての頼みだ。貴様を召し抱えてやる。光栄に思うんだな」
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