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藤代と椎名は湯原と水野に対して、もとより助けも手加減も、見逃す事すらするつもりが無いのだが、この脅しを聞かされても光族の男の表情が変わる事は無かったばかりか、さっさと話しを進めてしまう。
「では、二階層に進まれると言う事ですね。こちらの転移魔法陣Bにお進みください」
転移魔法陣Bによって、二階層入り口に瞬時に移動する藤代と椎名。
「なにコレ?聞くのと見るのとでは全然違うじゃん!」
「そうね。本当、キャンプ場が作りたかったのかな?」
三階層までは相当緩いダンジョンと聞いていたのだが、想像を超えた緩さである事から毒気が一気に抜かれ、いつの間にかレベル33になっているその力を全力で駆使して広大な階層を突っ走る。
その背後をアイズとチェーが追っている事等知る由もないまま、行く手を阻む魔物や罠は一切存在しない為に悠々と三階層まで到着する。
「って、ここも?だけど……二週間の連続滞在は不可って?」
「不思議なダンジョンよね。あの二人ならば、有りえなくもないわね」
情報通りに相当緩い三階層までの道のりと、三階層で疲れを完全に癒せる仕様になっている事から、半端な性格の湯原と水野がマスターであればこうなるだろうと思っている。
「で、彩ぴょん。全然疲れていないし、このまま進む?」
「そうね。そうしましょうか?情報によれば少し前にあの男も5階層まで進んだようなので、最低でもそこまでは早めに進んでおいた方が良いと思うの。あの男がその後に一旦ダンジョンから無傷で出たと言う事は攻略が目前と判断したのでしょうから、精々8か9階層と判断できるわ」
この二人は今この時点でダンジョンに侵入しているために、敵の立場のダンジョンに大いなる糧を与えている事はすっぽり頭から抜けている。
湯原と水野のダンジョンは既に外部からの糧がなくともビーによって内包魔力は潤沢に蓄える事が出来るので、結果的にはあまり関係ないのだが、残念ながら配下のレベルを上昇させる事が出来る<保有レベル>は上昇しないので、その部分に関しては良い糧となっている。
敵に戦力を与えていると言う意識がなく呑気な二人だが、やはり表情は真剣でそのまま一気に下階層に向かって進む。
二人共に魔法を得意とする冒険者であり、藤代は炎・水魔法を駆使し、椎名は光魔法による防御や癒し、更にはレベルに応じた身体能力で召喚魔物に対処している。
チュートしかいない四階層を難なく抜け、5階層の迷路上のスケルトンも難なく排除して、結構な数の魔法のスクロールまで手に入れている。
「彩ぴょん、次の階層でコレ使ってみようか?」
「鑑定では……罠ではなく本物みたいだから、丁度良いわね。あまり連続で魔法を使うと疲れるし、って、そうならないようにスクロールを出しているのかしら?そう言う仕様?本当に甘々ね」
今迄あまりにも全てが上手く行っているので、効率的に進めば冒険者達の疲労を回復させるような形で侵攻できるように設定されているダンジョンなのかと思っている。
相手にしている魔物のレベルは低いが、相当数を排除した事によってレベルが一つ上がって34にまでなっている二人。
「フフ、こんなに楽でレベルも上がる。最終階層の8か9階層に着く頃には、レベル40も夢じゃないわね」
「本当だよね!急ごう彩ぴょん」
長寿と言う名の存在が一段階上がるレベル40が視界に入ってきたので、更に階層を進む二人だが……レベル99のダンジョンのマスターである二人のブレーンであるハライチとミズイチがそのような行動を許す設定にしている訳がない。
一階層の建屋の部屋から最終階層の城のとある部屋で待っているミズイチの所に転移しているハライチは、ミズイチと共に全ての情報を集めているので、今の二人の会話も全て筒抜けになっている。
「ハライチ。この二人は少々お気楽すぎませんか?」
「えぇ。一階層の星出さんと岡島さんからは表情が有りえないと聞きましたが、それだけだったようですね」
このダンジョン、当然対極の存在に対して糧を与えないように、6階層以下では召喚者に対してレベル上昇が行われない設定を施している。例えどれ程レベル差がある魔物を倒そうが……だ。
これもダンジョンレベル70で手に入れた環境変化(極)によるものだ。
残念な事に、ダンジョン階層が4階層以下の状態時に使用するだけで内包魔力を3000使用するので、例えばこの世界に存在するレベル99のダンジョンである神保のダンジョンは全85階層なので、同じ設定を一つの階層に施すには……内包魔力は5階層追加ごとに倍になるので、393,216,000と言うとてつもない数字になる。
結局初期の段階から<淫魔族>との深い絆が無ければ、例えダンジョンのレベルを上げて有りえない力を行使する能力を手に入れても、実行する事は出来ないのだ。
寧ろ能力の詳細が分かっても実行できない歯がゆさに、悶絶する事になる。
湯原と水野のダンジョンは朋美の滞在による短期間でのレベル上昇と言う恩恵もあったのだが、4階層の段階で各階層を広大にしており、各エリアに対して全ての設定を完了した状態で分割の上階層追加しており、効率的に戦力を上げる事が出来ていた。
ビーの様な特殊な眷属がいない限りは天文学的な数字の内包魔力を集める事は不可能なのが現実であり、どこを探してもそのような設定になっているダンジョンの記録はないので、冒険者側にも、ダンジョンマスター側にも何も知識は無い。
その二人を追うように、嫌々王命を受けた岩本がダンジョンに侵入する。
「では、二階層に進まれると言う事ですね。こちらの転移魔法陣Bにお進みください」
転移魔法陣Bによって、二階層入り口に瞬時に移動する藤代と椎名。
「なにコレ?聞くのと見るのとでは全然違うじゃん!」
「そうね。本当、キャンプ場が作りたかったのかな?」
三階層までは相当緩いダンジョンと聞いていたのだが、想像を超えた緩さである事から毒気が一気に抜かれ、いつの間にかレベル33になっているその力を全力で駆使して広大な階層を突っ走る。
その背後をアイズとチェーが追っている事等知る由もないまま、行く手を阻む魔物や罠は一切存在しない為に悠々と三階層まで到着する。
「って、ここも?だけど……二週間の連続滞在は不可って?」
「不思議なダンジョンよね。あの二人ならば、有りえなくもないわね」
情報通りに相当緩い三階層までの道のりと、三階層で疲れを完全に癒せる仕様になっている事から、半端な性格の湯原と水野がマスターであればこうなるだろうと思っている。
「で、彩ぴょん。全然疲れていないし、このまま進む?」
「そうね。そうしましょうか?情報によれば少し前にあの男も5階層まで進んだようなので、最低でもそこまでは早めに進んでおいた方が良いと思うの。あの男がその後に一旦ダンジョンから無傷で出たと言う事は攻略が目前と判断したのでしょうから、精々8か9階層と判断できるわ」
この二人は今この時点でダンジョンに侵入しているために、敵の立場のダンジョンに大いなる糧を与えている事はすっぽり頭から抜けている。
湯原と水野のダンジョンは既に外部からの糧がなくともビーによって内包魔力は潤沢に蓄える事が出来るので、結果的にはあまり関係ないのだが、残念ながら配下のレベルを上昇させる事が出来る<保有レベル>は上昇しないので、その部分に関しては良い糧となっている。
敵に戦力を与えていると言う意識がなく呑気な二人だが、やはり表情は真剣でそのまま一気に下階層に向かって進む。
二人共に魔法を得意とする冒険者であり、藤代は炎・水魔法を駆使し、椎名は光魔法による防御や癒し、更にはレベルに応じた身体能力で召喚魔物に対処している。
チュートしかいない四階層を難なく抜け、5階層の迷路上のスケルトンも難なく排除して、結構な数の魔法のスクロールまで手に入れている。
「彩ぴょん、次の階層でコレ使ってみようか?」
「鑑定では……罠ではなく本物みたいだから、丁度良いわね。あまり連続で魔法を使うと疲れるし、って、そうならないようにスクロールを出しているのかしら?そう言う仕様?本当に甘々ね」
今迄あまりにも全てが上手く行っているので、効率的に進めば冒険者達の疲労を回復させるような形で侵攻できるように設定されているダンジョンなのかと思っている。
相手にしている魔物のレベルは低いが、相当数を排除した事によってレベルが一つ上がって34にまでなっている二人。
「フフ、こんなに楽でレベルも上がる。最終階層の8か9階層に着く頃には、レベル40も夢じゃないわね」
「本当だよね!急ごう彩ぴょん」
長寿と言う名の存在が一段階上がるレベル40が視界に入ってきたので、更に階層を進む二人だが……レベル99のダンジョンのマスターである二人のブレーンであるハライチとミズイチがそのような行動を許す設定にしている訳がない。
一階層の建屋の部屋から最終階層の城のとある部屋で待っているミズイチの所に転移しているハライチは、ミズイチと共に全ての情報を集めているので、今の二人の会話も全て筒抜けになっている。
「ハライチ。この二人は少々お気楽すぎませんか?」
「えぇ。一階層の星出さんと岡島さんからは表情が有りえないと聞きましたが、それだけだったようですね」
このダンジョン、当然対極の存在に対して糧を与えないように、6階層以下では召喚者に対してレベル上昇が行われない設定を施している。例えどれ程レベル差がある魔物を倒そうが……だ。
これもダンジョンレベル70で手に入れた環境変化(極)によるものだ。
残念な事に、ダンジョン階層が4階層以下の状態時に使用するだけで内包魔力を3000使用するので、例えばこの世界に存在するレベル99のダンジョンである神保のダンジョンは全85階層なので、同じ設定を一つの階層に施すには……内包魔力は5階層追加ごとに倍になるので、393,216,000と言うとてつもない数字になる。
結局初期の段階から<淫魔族>との深い絆が無ければ、例えダンジョンのレベルを上げて有りえない力を行使する能力を手に入れても、実行する事は出来ないのだ。
寧ろ能力の詳細が分かっても実行できない歯がゆさに、悶絶する事になる。
湯原と水野のダンジョンは朋美の滞在による短期間でのレベル上昇と言う恩恵もあったのだが、4階層の段階で各階層を広大にしており、各エリアに対して全ての設定を完了した状態で分割の上階層追加しており、効率的に戦力を上げる事が出来ていた。
ビーの様な特殊な眷属がいない限りは天文学的な数字の内包魔力を集める事は不可能なのが現実であり、どこを探してもそのような設定になっているダンジョンの記録はないので、冒険者側にも、ダンジョンマスター側にも何も知識は無い。
その二人を追うように、嫌々王命を受けた岩本がダンジョンに侵入する。
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