二見夫婦岩 昼九つ

 これは、女になりたいと願った、武士の物語――。

 安永九年、筑前の北西部を領する斯摩藩は、宍戸川多聞とその一派によって牛耳られていた。
 宍戸川が白と言えば黒でも白になる世。その中で、中老・千倉蔵人が反対の声を挙げた事で藩内に歪みが生まれるのだが――。
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