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171話

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 ガイア様との会談が終わり、地上で意識が戻ると、周りが祭りの雰囲気に染まっていた。

「ワタル様!? い、一体これは……!?」

 ステラさんはあたふたしながら、輝いている大地を見回した。

 深い事情はわからないけど、無表情のままステラさん同様に周りを見回した。

「ガイア様がこの地が気に入ったら、今一度大地を活性化・・・して欲しいと言われたんです。僕は聖都の事情は知りませんが、ずっと暮らしたステラさんが大好きな街なら、僕もきっと大好きになると思いますから」

「ワタル様…………私をそこまで信用してくださるなんて…………」

「凄く信頼してますよ! 魔族のために凄く頑張ってくださいましたから。ステラさんのように優しい人が好きな街だからとても素敵なのは間違いないと思いますから」

 ステラさんの目元に大きな涙が浮かんだ。

「ステラさん! 聖都をもっと案内してください~!」

「はいっ! もちろんです!」

 それからステラさんの案内で、聖都の色んな場所を回った。

 僕達よりも早くコテツの噂が聖都中を回ったらしくて、行く先々で聖都民がコテツを拝んでいた。

 何だかコテツが神々しいからご利益がありそうなので、僕もこっそり両手を合わせておいた。

 それを見たのか、コテツが不思議そうに首を傾げていたのがまた可愛かった。



 聖都での時間はとても楽しかったけど、他の国よりも打ち合わせに時間が掛かってしまい、僕達は市街で夕飯を食べることにした。

 夕飯までご馳走になってくれと言われたけど、せっかく聖都に来たんだから、普段みなさんがどのような食事を食べているのかが気になった。

 やってきたレストランは賑わってはいるが、大声で叫んだり、暴れるような人は一切いなかった。

 こう……異世界の人の街って荒々しくて、飲んだら喧嘩をするとかあると思っていたのに、全くそういうのもなく、前世と同等のマナーの良い人ばかりだった。

 出された食事は芋を茹でて中心部をくり抜いて柔らかいお肉を詰め込んだものが出された。

 芋の甘さにお肉の肉汁が沁み込んで凄く美味しかった。意外にもステラさんの大好物だそうだ。

 普段から野菜をメインに食べているけど、たまにはこういうジャンクな料理も食べたいと話すステラさんも聖女という肩書を取れば、一人の人なんだなと思った。

 食事を終えて夕暮れの聖都をのんびり眺める。

「ワタル様のおかげで、聖都はますます住みやすい街になりそうです」

「いえいえ。僕というより、ガイア様のおかげですよ」

「ワタル様はガイア様に何度も会っているのですよね?」

「そうですね」

「ガイア様はどういう方ですか?」

「う~ん。お母さん……みたいな方かな?」

「お母さん?」

 前世の母さんのことではなく、人類のお母さんって感じだ。

「全ての人をいつくしむような笑顔がとても素敵な方なんです。ステラさんに少し似てる気がします」

「私に?」

「はい。髪色も同じ金色ですし、顔立ちも似てる気がします~」

「それはとても嬉しいですね。よくガイア様像に似てると言われる時もあるんですよ?」

「そういえば、あの像ってどうやってできたんですか?」

「あれは、昔の職人さんが作ってくださったようですが、聖女と教皇だけが見れる教典には――――魔族の職人さんにお願いして作ってもらったそうです」

 なるほど……だからあれほど鮮明なガイア様なんだ。

 魔族の教会には理由はわからないけど、女神様の絵画が掲げられている。

 会った女神様はガイア様とネメシス様だけだけど、二人とも絵画そっくりだったので、女神様達に会った魔族が残っているのかも知れない。

 でも女神様と出会えたともなれば噂になるはず……だよね?

 僕が知っている人物で会ってそうな人となると――――古の勇者様とかかな?

 猫耳族や白狐族を導いてくれたそうだし、もしかしたら古の勇者様が魔族にだけ女神様の顔を伝えていたのかも知れないね。それなら、とても素敵なことだ。

「あの女神様の像。とってもよくできてますよ。ガイア様そっくりです」

「わあ~! とても良いことを聞けました!」

「今度ガイア様にステラさんも呼んで欲しいって伝えておきますね~」

「!?」

 僕の右手にステラさんが押し寄せて、エレノアさんは左手に押し寄せた。

「ぜ、ぜひ! よ、よろしくお願いします!」

「ワタル様。私も」

「あはは……」

 二人とも凄くガイア様に会ってみたいようだ。



――【後書き】――
 実はアルファポリスの【エール】という仕組みをようやく知りました。
 普段から貴重な時間を使ってエールを入れてくださってありがとうございます……!創作の大きな励みになりました!これからも頑張っていきます!
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