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27話
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地面に割られた水晶から、黒いドクロ模様の不思議なものがいくつも空の飛び散っていく。
「一体何をしたんですか!」
「キヒヒヒ。てめぇの泣きわめく顔が楽しみだぜ! ヒャヒャハハハ!」
大声で笑ったコワさんはそのままどこかに走り去ってしまった。
割られた水晶からは、すごく嫌な感じがした。
あのまま何もなかったとはならない気がする。それと、割れた場所から何かが現れるわけでもなかった。
となると考えられることは……何かを呼び出したのではないか? が頭をよぎる。
「モモ達! リーゼを宿屋まで届けて!」
「ハウ!?」
「リーゼ。僕はすぐに冒険者ギルドに今のことを伝えにいくよ。何が起きるかはわからないけど、すごく胸騒ぎがするんだ。僕も冒険者ギルドに伝えたらすぐに宿屋に戻るから」
「本当……?」
「うん。さあ、急いで向かおう」
「わかった……ハウ。絶対にすぐに来てね?」
「約束するよ!」
モモ達にリーゼの護衛をお願いして、僕は全力で走って冒険者ギルドに向かった。
大通りや周りはまだ何事もないようにしていて、冒険者ギルドに入ってもいつもと変わらない風景だった。
「あ、あの! ジェネシスさんはいらっしゃいますか!?」
すぐに受付のお姉さんに声を掛ける。
「君は……えっと……予約とかは……」
「すみません! 緊急事態でして……」
「ごめんなさい。ジェネシス様は会議中でして、事前に予定を入れていただかないと通すわけにはいきません。どんな緊急事態か私が聞きます」
今は背に腹は代えられない。
「とある人が地面に黒い水晶を叩き割りまして、そこから黒いドクロみたいなのが空に飛んでいきました。きっと、これから良くないことが起きると思います!」
「えっと……黒いドクロ? ごめんなさい。そんなものは聞いた事がありません」
名前がわかればそう伝えるんだけど……。
そのとき、周りで一緒に聞いていた冒険者達が一斉に笑い声をあげる。
「ぷははは! 黒い水晶を割ったらドクロが空を飛んだ? なんだそれ! ぷはははは!」
一人や二人ではなく、集まっている冒険者達全員が僕を嘲笑う。
これは……僕が『そよ風』と呼ばれるようになったときと似ている。弱すぎる風魔法で戦えるはずもないと、門前払いにされた。
まだ子供だから話を真剣に聞いてもらえず、僕はそのまま諦めていた。
――――でも! 諦めたらそこで終わりだ! 僕は、イマイルおじさんから大事なことをたくさん学んだんだ。
「確証は……確かにありません。ですが、あの禍々しい水晶からは嫌な感じがして、きっとこれから良くないことが起きます! 話を聞いてもらうだけでもいいんです! ジェネシスさんを呼んでは頂けませんか!」
「えっと……貴方って確か、弱い風魔法使いですよね? 冒険者になろうとして、なれなかった」
「そうですけど……それとこれは!」
「おいおい。ガキ! うるせぇんだよ! 確証もないのに大人をからかってんじゃねぇ!」
後ろから怒りを露にする冒険者が僕に言い寄る。
身長も遥かに高く、どこかコワさんに似てる雰囲気の……僕がよく知っている冒険者そのものだ。
今までなら……泣き逃げていた。でも今は違う。
僕は冒険者さんを睨み返した。
「なんだその目は!」
「僕はソレイユ街を……ここに住んでいるみんなを守りたいんです! 何か起きてからじゃ遅いんです!」
「確証もないことに一々――――」
そのとき、吹き抜けの二階から大声が響き渡った。
「何事だ‼」
そこには――――僕が見知っているジェネシスさんの姿があった。
「ジェネシスさん! あ、あの! 緊急のことで聞いていただきことがありまして!」
「ん? ハウくんか。いいだろう。こちらに来るといい」
「はいっ!」
すぐに階段を駆け上る。
「どうしたんだ。そんな血相を変えて」
「実は……以前オルゲンさんの件で、友人だったコワさんという方がいまして……どうやら僕に復讐をするために何かをしていたようです。さっき、禍々しいオーラが立ち上る黒い水晶を地面に投げて割りました。そこから黒いドクロが空にいくつも飛び去って行ったんです」
「黒い水晶……!? ドクロ模様の靄か?」
「そうです! 数まではわかりませんがたくさん空に散って行ってしまいました。何かすごく嫌な感じがして……」
ジェネシスさんはじっと僕の目を見てくれた。
「嘘ではないな。それに黒い水晶にドクロの靄もハウくんが知っているはずがない。それは冒険者コワがやったことで間違いないな?」
「は、はい」
「わかった。よくぞ知らせてくれた。ありがとう」
僕の頭を優しくポンと撫でてくれたジェネシスさんは、強張った表情で立ち上がり、二階から一階に向かって声を上げた。
「これから全冒険者に緊急特別招集を掛ける! 全ての職人及び上級冒険者は緊急事態に備えるように!」
「ジェネシスさん! そんなガキの言うことを聞くんですか!?」
「ああ。黒い水晶とドクロの靄には覚えがある。もしこれが本当のことなら、ソレイユ街は現在――――未曽有の危機に陥っている! すぐに動け!」
ジェネシスさんの言葉に、みんなの表情が変わる。
もちろん――――僕もそうだ。
「一体何をしたんですか!」
「キヒヒヒ。てめぇの泣きわめく顔が楽しみだぜ! ヒャヒャハハハ!」
大声で笑ったコワさんはそのままどこかに走り去ってしまった。
割られた水晶からは、すごく嫌な感じがした。
あのまま何もなかったとはならない気がする。それと、割れた場所から何かが現れるわけでもなかった。
となると考えられることは……何かを呼び出したのではないか? が頭をよぎる。
「モモ達! リーゼを宿屋まで届けて!」
「ハウ!?」
「リーゼ。僕はすぐに冒険者ギルドに今のことを伝えにいくよ。何が起きるかはわからないけど、すごく胸騒ぎがするんだ。僕も冒険者ギルドに伝えたらすぐに宿屋に戻るから」
「本当……?」
「うん。さあ、急いで向かおう」
「わかった……ハウ。絶対にすぐに来てね?」
「約束するよ!」
モモ達にリーゼの護衛をお願いして、僕は全力で走って冒険者ギルドに向かった。
大通りや周りはまだ何事もないようにしていて、冒険者ギルドに入ってもいつもと変わらない風景だった。
「あ、あの! ジェネシスさんはいらっしゃいますか!?」
すぐに受付のお姉さんに声を掛ける。
「君は……えっと……予約とかは……」
「すみません! 緊急事態でして……」
「ごめんなさい。ジェネシス様は会議中でして、事前に予定を入れていただかないと通すわけにはいきません。どんな緊急事態か私が聞きます」
今は背に腹は代えられない。
「とある人が地面に黒い水晶を叩き割りまして、そこから黒いドクロみたいなのが空に飛んでいきました。きっと、これから良くないことが起きると思います!」
「えっと……黒いドクロ? ごめんなさい。そんなものは聞いた事がありません」
名前がわかればそう伝えるんだけど……。
そのとき、周りで一緒に聞いていた冒険者達が一斉に笑い声をあげる。
「ぷははは! 黒い水晶を割ったらドクロが空を飛んだ? なんだそれ! ぷはははは!」
一人や二人ではなく、集まっている冒険者達全員が僕を嘲笑う。
これは……僕が『そよ風』と呼ばれるようになったときと似ている。弱すぎる風魔法で戦えるはずもないと、門前払いにされた。
まだ子供だから話を真剣に聞いてもらえず、僕はそのまま諦めていた。
――――でも! 諦めたらそこで終わりだ! 僕は、イマイルおじさんから大事なことをたくさん学んだんだ。
「確証は……確かにありません。ですが、あの禍々しい水晶からは嫌な感じがして、きっとこれから良くないことが起きます! 話を聞いてもらうだけでもいいんです! ジェネシスさんを呼んでは頂けませんか!」
「えっと……貴方って確か、弱い風魔法使いですよね? 冒険者になろうとして、なれなかった」
「そうですけど……それとこれは!」
「おいおい。ガキ! うるせぇんだよ! 確証もないのに大人をからかってんじゃねぇ!」
後ろから怒りを露にする冒険者が僕に言い寄る。
身長も遥かに高く、どこかコワさんに似てる雰囲気の……僕がよく知っている冒険者そのものだ。
今までなら……泣き逃げていた。でも今は違う。
僕は冒険者さんを睨み返した。
「なんだその目は!」
「僕はソレイユ街を……ここに住んでいるみんなを守りたいんです! 何か起きてからじゃ遅いんです!」
「確証もないことに一々――――」
そのとき、吹き抜けの二階から大声が響き渡った。
「何事だ‼」
そこには――――僕が見知っているジェネシスさんの姿があった。
「ジェネシスさん! あ、あの! 緊急のことで聞いていただきことがありまして!」
「ん? ハウくんか。いいだろう。こちらに来るといい」
「はいっ!」
すぐに階段を駆け上る。
「どうしたんだ。そんな血相を変えて」
「実は……以前オルゲンさんの件で、友人だったコワさんという方がいまして……どうやら僕に復讐をするために何かをしていたようです。さっき、禍々しいオーラが立ち上る黒い水晶を地面に投げて割りました。そこから黒いドクロが空にいくつも飛び去って行ったんです」
「黒い水晶……!? ドクロ模様の靄か?」
「そうです! 数まではわかりませんがたくさん空に散って行ってしまいました。何かすごく嫌な感じがして……」
ジェネシスさんはじっと僕の目を見てくれた。
「嘘ではないな。それに黒い水晶にドクロの靄もハウくんが知っているはずがない。それは冒険者コワがやったことで間違いないな?」
「は、はい」
「わかった。よくぞ知らせてくれた。ありがとう」
僕の頭を優しくポンと撫でてくれたジェネシスさんは、強張った表情で立ち上がり、二階から一階に向かって声を上げた。
「これから全冒険者に緊急特別招集を掛ける! 全ての職人及び上級冒険者は緊急事態に備えるように!」
「ジェネシスさん! そんなガキの言うことを聞くんですか!?」
「ああ。黒い水晶とドクロの靄には覚えがある。もしこれが本当のことなら、ソレイユ街は現在――――未曽有の危機に陥っている! すぐに動け!」
ジェネシスさんの言葉に、みんなの表情が変わる。
もちろん――――僕もそうだ。
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