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四章
第77話 やっぱり戦いですか?
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勇者様が剣を抜いた。
それと同時にヘルドさんも剣を抜き、聖女様は『聖人ノ衣』というスキルを展開、アイリスも『魔女ノ衣』を展開した。
ああ……一体に何がどうなってこうなるんだよ。
あんなに可愛らしい聖女様が、今なら人も簡単に殺れそうな表情をしている。
しかも、ずっと「クソが!」とか「いますぐ死に晒せ!」とか酷い言葉が口から止まずに吐き出されている。
「おいおい、お前の兵達が黒コケになっても知らないぞ?」
「ふん! 『ヴァレンシア』なら、暫く撃てないはずだ! 今すぐ成敗してやろう!」
「まあいい、お前とはいつか決着を付けてやりたかったからな! アレク! 邪魔が入ったら容赦なく切り捨てろ!」
「分かりました! 無茶はしないでくださいよ!」
「おう!」
ヘルドさんの合図と共に、ヘルドさんと勇者の戦いが始まった。
目にも止まらぬ速度でぶつかり合う二人。
見た目は一閃の斬り掛かりなのに、音は数十合の剣と剣のぶつかる音が聞こえる。
これが人類最強の二人の戦いなのね。
それと、アイリスと聖女の戦いも始まった。
二人の見た目は真逆で、アイリスが禍々しい黒いオーラに対して、聖女は神々しい光のオーラを出している。
アイリスの影の触手が聖女を襲うも、聖女に当たる直前に蒸発する。
相変わらず、汚い言葉を発しながら、光魔法で応戦する。
アイリスも光魔法に対して、通常魔法で応戦し、決着が付かないまま時間が経過していった。
ヘルドさんはというと、相変わらず人離れした戦いを繰り返しており、目で追うのがやっとだ。
そう言えば……僕だけ何もしてなくない?
あたふたしていると、向こうの兵士達が大勢でこちらに向かって走って来ていた。
取り敢えず、僕はあいつらでも相手するか。
兵士達は計三十人で、装備からして全員が上級兵士達だ。
ここが最前線だからなのか、これくらいのレベルの人達が普通の兵士レベルなのね。
元王国なら隊長クラスなんだろうけどな~。
兵士達は「勇者様と聖女様をお助けしろ!」と叫んでいたけど、そもそも仕掛けていたのは君達なんだけどね。
僕は『十本刃の花びら』を使い、兵士達を死なせないくらいに一人ずつ無力化した。
う~ん、最前線の兵士達だから強いと思って身構えていたけど、凄く弱いじゃん。
僕が兵士達を制圧した頃、アイリスは聖女に追い詰められていた。
「おいおいおいおい! クソ魔女! こんなもんかよ! とっととくたばれ!!」
相変わらず、凄いね~聖女様は。
ヘルドさんの「腹黒聖女」が納得いくわ。
「いつまでも調子乗らないでよ! 奥義! 『暗黒ノ魔女』!」
禍々しい衣裳から、美しい黒ドレスに変わり、また凄まじい威圧感を放った。
「くっ! 上位魔女だったのね! 私も本気を出しますわ! 奥義! 『聖女ノ小手』!」
聖女の両手が眩しい光に包まれ、ガントレットになった。
「へぇ、あんたは杖よりそっちがお似合いよ、腹黒聖女さん」
「ふん! 魔女の分際で気安く話し掛けないで! 今すぐ〇してやる!!」
相変わらず、凄い豹変っぷりだな……。
二人の激突が始まった。
聖女の小手が振られると、光魔法と思われる攻撃が追加で発生している。
アイリスの黒ドレスからも様々な攻撃が繰り返されていて、またもや頓着状態となっていった。
その時、
ヘルドさんの方が、勇者を追い詰めていたのだが……。
「聖剣奥義! 聖剣再来!!」
勇者の詠唱で彼の剣から凄まじいオーラが溢れ出た。
たった数秒。
追い詰めていたヘルドさんが勇者に敗れたのだった。
それと同時にヘルドさんも剣を抜き、聖女様は『聖人ノ衣』というスキルを展開、アイリスも『魔女ノ衣』を展開した。
ああ……一体に何がどうなってこうなるんだよ。
あんなに可愛らしい聖女様が、今なら人も簡単に殺れそうな表情をしている。
しかも、ずっと「クソが!」とか「いますぐ死に晒せ!」とか酷い言葉が口から止まずに吐き出されている。
「おいおい、お前の兵達が黒コケになっても知らないぞ?」
「ふん! 『ヴァレンシア』なら、暫く撃てないはずだ! 今すぐ成敗してやろう!」
「まあいい、お前とはいつか決着を付けてやりたかったからな! アレク! 邪魔が入ったら容赦なく切り捨てろ!」
「分かりました! 無茶はしないでくださいよ!」
「おう!」
ヘルドさんの合図と共に、ヘルドさんと勇者の戦いが始まった。
目にも止まらぬ速度でぶつかり合う二人。
見た目は一閃の斬り掛かりなのに、音は数十合の剣と剣のぶつかる音が聞こえる。
これが人類最強の二人の戦いなのね。
それと、アイリスと聖女の戦いも始まった。
二人の見た目は真逆で、アイリスが禍々しい黒いオーラに対して、聖女は神々しい光のオーラを出している。
アイリスの影の触手が聖女を襲うも、聖女に当たる直前に蒸発する。
相変わらず、汚い言葉を発しながら、光魔法で応戦する。
アイリスも光魔法に対して、通常魔法で応戦し、決着が付かないまま時間が経過していった。
ヘルドさんはというと、相変わらず人離れした戦いを繰り返しており、目で追うのがやっとだ。
そう言えば……僕だけ何もしてなくない?
あたふたしていると、向こうの兵士達が大勢でこちらに向かって走って来ていた。
取り敢えず、僕はあいつらでも相手するか。
兵士達は計三十人で、装備からして全員が上級兵士達だ。
ここが最前線だからなのか、これくらいのレベルの人達が普通の兵士レベルなのね。
元王国なら隊長クラスなんだろうけどな~。
兵士達は「勇者様と聖女様をお助けしろ!」と叫んでいたけど、そもそも仕掛けていたのは君達なんだけどね。
僕は『十本刃の花びら』を使い、兵士達を死なせないくらいに一人ずつ無力化した。
う~ん、最前線の兵士達だから強いと思って身構えていたけど、凄く弱いじゃん。
僕が兵士達を制圧した頃、アイリスは聖女に追い詰められていた。
「おいおいおいおい! クソ魔女! こんなもんかよ! とっととくたばれ!!」
相変わらず、凄いね~聖女様は。
ヘルドさんの「腹黒聖女」が納得いくわ。
「いつまでも調子乗らないでよ! 奥義! 『暗黒ノ魔女』!」
禍々しい衣裳から、美しい黒ドレスに変わり、また凄まじい威圧感を放った。
「くっ! 上位魔女だったのね! 私も本気を出しますわ! 奥義! 『聖女ノ小手』!」
聖女の両手が眩しい光に包まれ、ガントレットになった。
「へぇ、あんたは杖よりそっちがお似合いよ、腹黒聖女さん」
「ふん! 魔女の分際で気安く話し掛けないで! 今すぐ〇してやる!!」
相変わらず、凄い豹変っぷりだな……。
二人の激突が始まった。
聖女の小手が振られると、光魔法と思われる攻撃が追加で発生している。
アイリスの黒ドレスからも様々な攻撃が繰り返されていて、またもや頓着状態となっていった。
その時、
ヘルドさんの方が、勇者を追い詰めていたのだが……。
「聖剣奥義! 聖剣再来!!」
勇者の詠唱で彼の剣から凄まじいオーラが溢れ出た。
たった数秒。
追い詰めていたヘルドさんが勇者に敗れたのだった。
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