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鮮血の舞う修羅場
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「が・・・!ががが・・・!!」
キャロン法王補佐官が、痙攣を起こしながらのたうち回っている。
どうしたの!?
「馬鹿なン!ここで動き出すなんて話が違うン!!」
!?パテズ評議員長が青い顔で叫んだ。
どういうこと?
「グフォ!!」
やがて、キャロン法王補佐官は、みんなの目の前で激しく吐血した。
むせるような血の匂いに、その場にいた全員が固まる。
吐血・・・血・・・。
!!まさか!!
私は吸血鬼たちを見回した。
みんなの目の色が変わっている。
お養父様やその周りの純血たちですら、ハンカチで口と鼻を覆っているけれど、濃厚な血の香りに獰猛な瞳の色が隠せずにいた。
私も飲めないけれど、思わずクラッとくるほどの血の匂い。
このままじゃ、血に酔ってしまう!!
「グフォ・・・グェ!!」
キャロン法王補佐官の、吐血が止まらない。
普通じゃないわ・・・この血の量。
彼は胸を掻きむしって、上着を破るように開く。顕になった胸の部分に、一際目を引く異様な光景が見えた。
ボコ・・・ボコボコ!!
皮膚の下に何かいる!
この調子だと、まだまだ止まらない!
私は咄嗟に、ランヴァルトとフェレミスと手を繋ぎ、慌てて二人にダグラス神官様とエクソシスト長官の手を掴むように叫んだ。
「ダグラス神官様、キャロン法王補佐官の体に触れてください!エクソシスト長官、パテズ評議員長は!?」
私が言って見回すと、パテズ評議員長は、一人離れた場所にいて間に合わない。
「逃げて!!」
私は彼に叫ぶと、奥歯を噛み締めて血を飲み、ランヴァルトたちと一緒に透明化した。
それと同時に、血に酔った吸血鬼たちがキャロン法王補佐官の流した血に群がってくる。
「ガァァァァァァ!!」
僕と純血を問わず、彼等は床に落ちている血を舐め始めた。
お養父様と第一世代の純血たちは、ふらつきながら天幕の外へと出て行く。
「危なかった。下手すると俺たちまで巻き込まれるところだった。」
ランヴァルトの声がして、間に合ったことがわかり、ホッとした。
その時、
「ヒィィ!くるなぁン!!」
パテズ評議員長が叫びながら、僕たちに追われている姿が見えた。
血に酔ってしまった彼等は、人間と見るや否や吸血しようと襲ってくる。
パテズ評議員長が天幕の外へと走り出るので、ダグラス神官様がその背に叫んだ。
「オアシスの湖の中へ逃げなさい!!吸血鬼は水を怖がるのだから!!なるべく波を立てて、水を動かすのです!」
聞こえたかしら!?
私は目線で追いながら、ダグラス神官様に話しかける。
「ダグラス神官様、キャロン法王補佐官に触れてらっしゃるでしょ?彼の容態はわかりますか?」
「それが・・・まだ、吐き続けてる。」
よく見ると、キャロン法王補佐官のいる場所に、新たな血溜まりができていた。
凄い量!
命が危ないんじゃ・・・。
そこへ、エクソシスト長官の声も聞こえてくる。
「とっくに致死量の血を吐いてる。
まだ生きているということは、これは寄生虫『バルワーム』によるものだ。」
バルワーム?
初めて聞くわ。
「バルワームは、人体を巨大化するまで増殖させる寄生虫だ。まずは心臓に取り憑いて、異常な量まで血を増血をさせてしまう。取り出さないと、吸血鬼たちが止まらないぞ。」
ランヴァルトの声に、私は目の前の吸血鬼たちを見る。
ディミトリの罠・・・。このまま血に酔い続ければ、隣国のリュデオン国に向かって襲いかかるかもしれない。
「外に、外に出ましょう!オアシスの湖の中までキャロン法王補佐官を連れて行って、寄生虫を取り出しましょう!私は水の中も平気です!」
私が提案して、みんなで手を繋いだまま天幕を出ると、オアシスの湖の中に入った。
そこでは、先に辿り着いていたパテズ評議員長が、水に浸かりながら怯えている。
湖の周りには、他の吸血鬼たちもいて、彼が湖から出てくるのを、今か今かと待っている状態。怖かったはずよ。
私が湖の中で透明化を解くと、天幕の中にいた吸血鬼たちまで出てきて、湖のほとりに詰め寄ってきた。
「おっかねぇー。こんだけの数の吸血鬼に、こんなに美味そうに見つめられたことないもんな。」
フェレミスが、周りを見回しながら言う。
確かにね。
私もそう思った。
「シルヴィア。手を貸してくれ。」
ダグラス神官様が、私に声をかけると、キャロン法王補佐官を仰向けにして湖に浮かべた。
血を吐きながら暴れる彼を、ランヴァルトとエクソシスト長官が押さえつける。
「いいか、今から麻酔をかけてバルワームを取り出す。大量出血は避けられないから、私が声をかけたらすぐに傷口を塞いでほしい。」
「はい。」
ダグラス神官様に言われて、私は奥歯を噛んで血を飲むと、いつでも治せるように身構えた。
「血に酔うなよ、シルヴィア。」
エクソシスト長官が、私を見ながら警告する。
「大丈夫です。私は他人の血にアレルギーがあって飲めないので。」
そう答えても、他のみんなは険しい顔をする。
どうしたの?私は大丈夫なのに。
「フェレミス、代わってくれ。」
ランヴァルトが、フェレミスを呼んで入れ替わると、私の背後に立って両肩に手を置いた。
「ランヴァルト?」
私が思わず振り返ると、ランヴァルトはフッと笑って肩に置いた手に力を入れてきた。
「シルヴィア。吸血本能に負けるなよ。後ろに俺がいることを忘れないでくれ。」
え・・・。
私は驚いて彼を見る。
「血に酔って、あなたたちを襲うと思うの?」
「これは、シルヴィア個人がどうこうという問題じゃない。吸血鬼である以上、仕方ないことなんだ。それだけの血が流れるからな。」
ランヴァルトに言われて、思わず口を引き結ぶ。さっきも少しクラッときたもの。
甘く見てはいけないよね。
ダグラス神官様は、キャロン法王補佐官に麻酔を嗅がせて、彼の胸にメスをあてる。
「ディミトリめ。吸血鬼たちと同士討ちさせる気だったか。」
ダグラス神官様はそう言いながら、キャロン法王補佐官の胸を切り開く。
ブシュー!!
間欠泉のような激しい音と共に、噴水のような血が噴き上がった。
な、なに!?この血の量!!
予想していた量より、遥かに多い。
吸血鬼たちも歓喜の声を上げて、降り注ぐ血を口を開けて飲んでいる。
ランヴァルトは私を後ろから抱きしめて、少しでも血が顔にかからないようにしてくれた。
でも、すごい匂い!濃い血の香りに体がふらつき始める。
飲めないのに・・・渇きを感じてきた。
やっぱり、吸血衝動は私にもあるんだわ・・・。
「シルヴィア、シルヴィア負けるな。」
ランヴァルトが、耳元で声をかけてきた。
私は頷いて、必死に耐える。
ダグラス神官様は、全身に血を浴びながら、ウネウネした大きな寄生虫を掴み出して、湖の外側に向かって投げ捨てた。
すぐに吸血鬼たちが飛んできて、寄生虫を奪い合って引き裂き、その血を残らず飲み干している。
「シルヴィア、塞いでくれ!」
ダグラス神官様の声が、耳に反響する様に響く。
「は・・・はい。」
私は意識朦朧としながら、キャロン法王補佐官の傷口を塞いだ。
あれだけの血が、嘘のように止まっている。
ピチョン、ポチョン・・・。
私たちに降りかかった返り血が、滴り落ちて静かに音を立てていた。
「ランヴァルト・・・。」
急に彼が恋しくなって、その名を呼ぶ。
ランヴァルト、いるんでしょ?
私・・・ちゃんと耐えたのよ。
誰も襲ってない。
誰も傷つけてない。
「よせ。振り向くなシルヴィア。」
振り向こうとすると、フェレミスが私の手を掴んできた。
どうして?
ランヴァルトがいるのよ?なぜだめなの?
ふと、後ろから流れてくる血が見えた。
誰の・・・血?
キャロン法王補佐官が、痙攣を起こしながらのたうち回っている。
どうしたの!?
「馬鹿なン!ここで動き出すなんて話が違うン!!」
!?パテズ評議員長が青い顔で叫んだ。
どういうこと?
「グフォ!!」
やがて、キャロン法王補佐官は、みんなの目の前で激しく吐血した。
むせるような血の匂いに、その場にいた全員が固まる。
吐血・・・血・・・。
!!まさか!!
私は吸血鬼たちを見回した。
みんなの目の色が変わっている。
お養父様やその周りの純血たちですら、ハンカチで口と鼻を覆っているけれど、濃厚な血の香りに獰猛な瞳の色が隠せずにいた。
私も飲めないけれど、思わずクラッとくるほどの血の匂い。
このままじゃ、血に酔ってしまう!!
「グフォ・・・グェ!!」
キャロン法王補佐官の、吐血が止まらない。
普通じゃないわ・・・この血の量。
彼は胸を掻きむしって、上着を破るように開く。顕になった胸の部分に、一際目を引く異様な光景が見えた。
ボコ・・・ボコボコ!!
皮膚の下に何かいる!
この調子だと、まだまだ止まらない!
私は咄嗟に、ランヴァルトとフェレミスと手を繋ぎ、慌てて二人にダグラス神官様とエクソシスト長官の手を掴むように叫んだ。
「ダグラス神官様、キャロン法王補佐官の体に触れてください!エクソシスト長官、パテズ評議員長は!?」
私が言って見回すと、パテズ評議員長は、一人離れた場所にいて間に合わない。
「逃げて!!」
私は彼に叫ぶと、奥歯を噛み締めて血を飲み、ランヴァルトたちと一緒に透明化した。
それと同時に、血に酔った吸血鬼たちがキャロン法王補佐官の流した血に群がってくる。
「ガァァァァァァ!!」
僕と純血を問わず、彼等は床に落ちている血を舐め始めた。
お養父様と第一世代の純血たちは、ふらつきながら天幕の外へと出て行く。
「危なかった。下手すると俺たちまで巻き込まれるところだった。」
ランヴァルトの声がして、間に合ったことがわかり、ホッとした。
その時、
「ヒィィ!くるなぁン!!」
パテズ評議員長が叫びながら、僕たちに追われている姿が見えた。
血に酔ってしまった彼等は、人間と見るや否や吸血しようと襲ってくる。
パテズ評議員長が天幕の外へと走り出るので、ダグラス神官様がその背に叫んだ。
「オアシスの湖の中へ逃げなさい!!吸血鬼は水を怖がるのだから!!なるべく波を立てて、水を動かすのです!」
聞こえたかしら!?
私は目線で追いながら、ダグラス神官様に話しかける。
「ダグラス神官様、キャロン法王補佐官に触れてらっしゃるでしょ?彼の容態はわかりますか?」
「それが・・・まだ、吐き続けてる。」
よく見ると、キャロン法王補佐官のいる場所に、新たな血溜まりができていた。
凄い量!
命が危ないんじゃ・・・。
そこへ、エクソシスト長官の声も聞こえてくる。
「とっくに致死量の血を吐いてる。
まだ生きているということは、これは寄生虫『バルワーム』によるものだ。」
バルワーム?
初めて聞くわ。
「バルワームは、人体を巨大化するまで増殖させる寄生虫だ。まずは心臓に取り憑いて、異常な量まで血を増血をさせてしまう。取り出さないと、吸血鬼たちが止まらないぞ。」
ランヴァルトの声に、私は目の前の吸血鬼たちを見る。
ディミトリの罠・・・。このまま血に酔い続ければ、隣国のリュデオン国に向かって襲いかかるかもしれない。
「外に、外に出ましょう!オアシスの湖の中までキャロン法王補佐官を連れて行って、寄生虫を取り出しましょう!私は水の中も平気です!」
私が提案して、みんなで手を繋いだまま天幕を出ると、オアシスの湖の中に入った。
そこでは、先に辿り着いていたパテズ評議員長が、水に浸かりながら怯えている。
湖の周りには、他の吸血鬼たちもいて、彼が湖から出てくるのを、今か今かと待っている状態。怖かったはずよ。
私が湖の中で透明化を解くと、天幕の中にいた吸血鬼たちまで出てきて、湖のほとりに詰め寄ってきた。
「おっかねぇー。こんだけの数の吸血鬼に、こんなに美味そうに見つめられたことないもんな。」
フェレミスが、周りを見回しながら言う。
確かにね。
私もそう思った。
「シルヴィア。手を貸してくれ。」
ダグラス神官様が、私に声をかけると、キャロン法王補佐官を仰向けにして湖に浮かべた。
血を吐きながら暴れる彼を、ランヴァルトとエクソシスト長官が押さえつける。
「いいか、今から麻酔をかけてバルワームを取り出す。大量出血は避けられないから、私が声をかけたらすぐに傷口を塞いでほしい。」
「はい。」
ダグラス神官様に言われて、私は奥歯を噛んで血を飲むと、いつでも治せるように身構えた。
「血に酔うなよ、シルヴィア。」
エクソシスト長官が、私を見ながら警告する。
「大丈夫です。私は他人の血にアレルギーがあって飲めないので。」
そう答えても、他のみんなは険しい顔をする。
どうしたの?私は大丈夫なのに。
「フェレミス、代わってくれ。」
ランヴァルトが、フェレミスを呼んで入れ替わると、私の背後に立って両肩に手を置いた。
「ランヴァルト?」
私が思わず振り返ると、ランヴァルトはフッと笑って肩に置いた手に力を入れてきた。
「シルヴィア。吸血本能に負けるなよ。後ろに俺がいることを忘れないでくれ。」
え・・・。
私は驚いて彼を見る。
「血に酔って、あなたたちを襲うと思うの?」
「これは、シルヴィア個人がどうこうという問題じゃない。吸血鬼である以上、仕方ないことなんだ。それだけの血が流れるからな。」
ランヴァルトに言われて、思わず口を引き結ぶ。さっきも少しクラッときたもの。
甘く見てはいけないよね。
ダグラス神官様は、キャロン法王補佐官に麻酔を嗅がせて、彼の胸にメスをあてる。
「ディミトリめ。吸血鬼たちと同士討ちさせる気だったか。」
ダグラス神官様はそう言いながら、キャロン法王補佐官の胸を切り開く。
ブシュー!!
間欠泉のような激しい音と共に、噴水のような血が噴き上がった。
な、なに!?この血の量!!
予想していた量より、遥かに多い。
吸血鬼たちも歓喜の声を上げて、降り注ぐ血を口を開けて飲んでいる。
ランヴァルトは私を後ろから抱きしめて、少しでも血が顔にかからないようにしてくれた。
でも、すごい匂い!濃い血の香りに体がふらつき始める。
飲めないのに・・・渇きを感じてきた。
やっぱり、吸血衝動は私にもあるんだわ・・・。
「シルヴィア、シルヴィア負けるな。」
ランヴァルトが、耳元で声をかけてきた。
私は頷いて、必死に耐える。
ダグラス神官様は、全身に血を浴びながら、ウネウネした大きな寄生虫を掴み出して、湖の外側に向かって投げ捨てた。
すぐに吸血鬼たちが飛んできて、寄生虫を奪い合って引き裂き、その血を残らず飲み干している。
「シルヴィア、塞いでくれ!」
ダグラス神官様の声が、耳に反響する様に響く。
「は・・・はい。」
私は意識朦朧としながら、キャロン法王補佐官の傷口を塞いだ。
あれだけの血が、嘘のように止まっている。
ピチョン、ポチョン・・・。
私たちに降りかかった返り血が、滴り落ちて静かに音を立てていた。
「ランヴァルト・・・。」
急に彼が恋しくなって、その名を呼ぶ。
ランヴァルト、いるんでしょ?
私・・・ちゃんと耐えたのよ。
誰も襲ってない。
誰も傷つけてない。
「よせ。振り向くなシルヴィア。」
振り向こうとすると、フェレミスが私の手を掴んできた。
どうして?
ランヴァルトがいるのよ?なぜだめなの?
ふと、後ろから流れてくる血が見えた。
誰の・・・血?
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