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※私の知見は間違いだらけだーと?(ノアム視点)
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やったーぞ!
妖精界へと行く機会がやってきたのーだ。
おまけに、神殿から次元の階段を使えるなんーて・・・!
妖精界へ行くには色々な道があるが、この道は一番最短の距離で行けると聞いていーる。
私の素晴らしい叡智を、更なる高みに昇らせるためにも、いざ、行くのーだ!!
「ふぅ、ふぅ。」
こういう時は、運動不足が祟ーる。
「へばっても置いていくからなぁ?」
ガルンティスが振り向いて、睨みつけてくーる。
負けるものーか!
石にかじりついてでーも!
そう思っているが、なかなかの長距離ーだ。
前を歩くリタは、若いためか、さほど疲れた様子を見せなーい。
「リタ、疲れたなら言ってね。
休憩するから。」
あのレティシアとかいう、黄泉の一族の女が優しくリタに話しかけていーる。
そうか・・・。
あいつが休みたいと言えば止まるわけーだ。
休むと言え・・・リタ。
「いえ、大丈夫です。
足を止めると、余計なこと考えそうで。」
当のリタはそんなことを言っていーる!!
こら!
休めー!!
うう・・・くっそー。
「テルシャ、疲れてないーか?」
お前は休みたいと思うだーろ?
と、思ったが・・・。
「平気です。
妖精界に行けるんですもの!」
と、逆に元気いっぱいーだ。
休めってんだー!!
ん?
そういえば・・・あの夜のー夢・・・。
リタを孤立化させるとかいうあのー夢!!
『やはりあの女を使って、リタを孤立化させ、あの男を囮にしてリタの中の封印を解くしかない。』
と、テルシャは言っていたーな。
あの女とは、まさか、このレティシア?
そして男とは・・・、まさかー私!?
「テルシャ、あの夜のことだーが。」
「何度も言いましたが、私は夜にノアム元理事長を訪問してなとおりません。」
「レティシアを使って、リタを孤立化させて、私を囮にリタの封印とやらを解く気ではなかろうーな。」
私は確信を持って聞いたのだが、テルシャはシラけた目線を向けーる。
「ノアム元理事長を何の囮にしたら、リタの封印が解けるのです?
散々奴隷としていびってきたくせに、リタに対してあなたを囮にしても、見捨てられますよ。
リタに大切に思われている存在なら、いざ知らず・・・。」
「いやー、だからつまり、あいつは私に惚れていたとーか。
ほらこちらにその気はないのに、あいつ一人が燃え上がっていたとーか・・・。」
私は淡々と持論を述べーた。
「あり得ないと断言してあげるわ。」
ふと、いきなり後ろから声がして、振り向くとそこにはレティシアがいた。
「おっとーぉ!」
私が驚いていると、レティシアはこちらを見て睨みつけている。
「許されるなら、私はあなたをズタズタにしたいわ。
でも、一つ聞きたいことがあるの。」
と、言うので私は少し怯えながら、
「な、なんだ。」
と、尋ねーた。
「あなたの夢の話を、詳しく聞かせて欲しいわ。」
聞こえていたのーか。
レティシアは真剣ーだ。
かいつまんで話して教えてやると、
「リタに、心理戦が仕掛けられる可能性があるわけね・・・。
彼女の中の黒竜は異質な存在だけに、気をつけないと。」
と、レティシアが考え込ーむ。
「たしかに黒竜は異質な存在ですよね。
いると言われながら、記録に残っていない伝説の生き物。
漆黒の狼が毛皮の乱獲のために、黒竜に変身する前に殺されることが多かったとはいえ、そんなに無力な存在なのでしょうか。」
テルシャが、歩きながらレティシアに問うていーる。
人間に言わせれば、黒竜と化して世界を滅ぼされるより、自分に利益の多い漆黒の狼のままで毛皮だけ奪えればそれがいいに決まってーる。
人間に狩られるほど、弱い狼なのに、本当に混沌の神の使いなのーか?
「大体、自分たちのエネルギーがどう使われようが、無関心な精霊たちを産み出した神々だーぞ?
それなのに、黒竜を遣わして世界を千年ごとに査定すーる?」
「・・・無関心というより・・・。」
レティシアは、私を見て話にならないと言わんばかりに首を振った。
「わからないことが多いからと、黒竜を甘く見てはだめ。
ハーティフがリタを狙うのも、時の精霊が核を託したのも、それだけの力を秘めているからなのよ。」
「そこまでいうなら、さっさと覚醒させて、カタをつけさせればよかろーう。
黒竜となれば、高次元の影響で肉体が崩壊する心配もなかろうーに。」
私は少しイラッとして、レティシアに言い放ーった。
「リタを便利な道具みたいに言わないで。
それに、今回の怪物はあなたたち双子の兄弟が、余計なことをしたからよ。
あなたにも、いつか必ず償わせるわ。」
レティシアは、目を光らせてきーた。
こ、こわーい。
「は!
そもそも、黄泉の一族の賢者といわれた、お前の祖父が死者の魂に乗っ取られたことがきっかけだろーが。」
前を歩くガルンティスが振り向いて、レティシアに言っーた。
なんだーと!?
ウロンはレティシアの祖父を乗っ取ったのーか。
「どこで手に入れていたのか・・・。
漆黒の狼の毛によって、死後の魂を強める魔法がかかったウロンの魂が、祖父を乗っ取るなんて思わなかった。
私は祖父の名誉のために、時の精霊の核の探索に志願した。」
レティシアが俯く後ろで、テルシャが目線を逸らすのが見えーた。
私は、それとなくテルシャの横を歩ーく。
「お前、何かしたのーか?」
テルシャは、私をチラリと見て、
「私の曾祖父は闇の商人でした。
リタの先代の漆黒の狼の毛皮のほんの一部を、代々受け継いでいたのです。
私は、ウロン様のためにそれを差し出しました。
本当は、それで病を治すはずだったのに・・・。」
と、小声で漏らしーた。
「ウロンの奴ーめ・・・。
私に全て任せておけばよかったものーを。」
「あなたが頼りにならないから、全部ご自分でこなされたのですよ。
本当に凄い方でしたわ・・・。」
「お前は、まだ私を無能と言うーか。」
「ええ。
他になんと言えとおっしゃるの?」
「・・・。」
テルシャは速度を上げて、サクサク進んでいーく。
女なんか大嫌いーだ。
早く妖精界へ行って、私の叡智を知らしめねーば!
しかし、更なる災難が待つとは思いもしなかーった。
妖精界へと行く機会がやってきたのーだ。
おまけに、神殿から次元の階段を使えるなんーて・・・!
妖精界へ行くには色々な道があるが、この道は一番最短の距離で行けると聞いていーる。
私の素晴らしい叡智を、更なる高みに昇らせるためにも、いざ、行くのーだ!!
「ふぅ、ふぅ。」
こういう時は、運動不足が祟ーる。
「へばっても置いていくからなぁ?」
ガルンティスが振り向いて、睨みつけてくーる。
負けるものーか!
石にかじりついてでーも!
そう思っているが、なかなかの長距離ーだ。
前を歩くリタは、若いためか、さほど疲れた様子を見せなーい。
「リタ、疲れたなら言ってね。
休憩するから。」
あのレティシアとかいう、黄泉の一族の女が優しくリタに話しかけていーる。
そうか・・・。
あいつが休みたいと言えば止まるわけーだ。
休むと言え・・・リタ。
「いえ、大丈夫です。
足を止めると、余計なこと考えそうで。」
当のリタはそんなことを言っていーる!!
こら!
休めー!!
うう・・・くっそー。
「テルシャ、疲れてないーか?」
お前は休みたいと思うだーろ?
と、思ったが・・・。
「平気です。
妖精界に行けるんですもの!」
と、逆に元気いっぱいーだ。
休めってんだー!!
ん?
そういえば・・・あの夜のー夢・・・。
リタを孤立化させるとかいうあのー夢!!
『やはりあの女を使って、リタを孤立化させ、あの男を囮にしてリタの中の封印を解くしかない。』
と、テルシャは言っていたーな。
あの女とは、まさか、このレティシア?
そして男とは・・・、まさかー私!?
「テルシャ、あの夜のことだーが。」
「何度も言いましたが、私は夜にノアム元理事長を訪問してなとおりません。」
「レティシアを使って、リタを孤立化させて、私を囮にリタの封印とやらを解く気ではなかろうーな。」
私は確信を持って聞いたのだが、テルシャはシラけた目線を向けーる。
「ノアム元理事長を何の囮にしたら、リタの封印が解けるのです?
散々奴隷としていびってきたくせに、リタに対してあなたを囮にしても、見捨てられますよ。
リタに大切に思われている存在なら、いざ知らず・・・。」
「いやー、だからつまり、あいつは私に惚れていたとーか。
ほらこちらにその気はないのに、あいつ一人が燃え上がっていたとーか・・・。」
私は淡々と持論を述べーた。
「あり得ないと断言してあげるわ。」
ふと、いきなり後ろから声がして、振り向くとそこにはレティシアがいた。
「おっとーぉ!」
私が驚いていると、レティシアはこちらを見て睨みつけている。
「許されるなら、私はあなたをズタズタにしたいわ。
でも、一つ聞きたいことがあるの。」
と、言うので私は少し怯えながら、
「な、なんだ。」
と、尋ねーた。
「あなたの夢の話を、詳しく聞かせて欲しいわ。」
聞こえていたのーか。
レティシアは真剣ーだ。
かいつまんで話して教えてやると、
「リタに、心理戦が仕掛けられる可能性があるわけね・・・。
彼女の中の黒竜は異質な存在だけに、気をつけないと。」
と、レティシアが考え込ーむ。
「たしかに黒竜は異質な存在ですよね。
いると言われながら、記録に残っていない伝説の生き物。
漆黒の狼が毛皮の乱獲のために、黒竜に変身する前に殺されることが多かったとはいえ、そんなに無力な存在なのでしょうか。」
テルシャが、歩きながらレティシアに問うていーる。
人間に言わせれば、黒竜と化して世界を滅ぼされるより、自分に利益の多い漆黒の狼のままで毛皮だけ奪えればそれがいいに決まってーる。
人間に狩られるほど、弱い狼なのに、本当に混沌の神の使いなのーか?
「大体、自分たちのエネルギーがどう使われようが、無関心な精霊たちを産み出した神々だーぞ?
それなのに、黒竜を遣わして世界を千年ごとに査定すーる?」
「・・・無関心というより・・・。」
レティシアは、私を見て話にならないと言わんばかりに首を振った。
「わからないことが多いからと、黒竜を甘く見てはだめ。
ハーティフがリタを狙うのも、時の精霊が核を託したのも、それだけの力を秘めているからなのよ。」
「そこまでいうなら、さっさと覚醒させて、カタをつけさせればよかろーう。
黒竜となれば、高次元の影響で肉体が崩壊する心配もなかろうーに。」
私は少しイラッとして、レティシアに言い放ーった。
「リタを便利な道具みたいに言わないで。
それに、今回の怪物はあなたたち双子の兄弟が、余計なことをしたからよ。
あなたにも、いつか必ず償わせるわ。」
レティシアは、目を光らせてきーた。
こ、こわーい。
「は!
そもそも、黄泉の一族の賢者といわれた、お前の祖父が死者の魂に乗っ取られたことがきっかけだろーが。」
前を歩くガルンティスが振り向いて、レティシアに言っーた。
なんだーと!?
ウロンはレティシアの祖父を乗っ取ったのーか。
「どこで手に入れていたのか・・・。
漆黒の狼の毛によって、死後の魂を強める魔法がかかったウロンの魂が、祖父を乗っ取るなんて思わなかった。
私は祖父の名誉のために、時の精霊の核の探索に志願した。」
レティシアが俯く後ろで、テルシャが目線を逸らすのが見えーた。
私は、それとなくテルシャの横を歩ーく。
「お前、何かしたのーか?」
テルシャは、私をチラリと見て、
「私の曾祖父は闇の商人でした。
リタの先代の漆黒の狼の毛皮のほんの一部を、代々受け継いでいたのです。
私は、ウロン様のためにそれを差し出しました。
本当は、それで病を治すはずだったのに・・・。」
と、小声で漏らしーた。
「ウロンの奴ーめ・・・。
私に全て任せておけばよかったものーを。」
「あなたが頼りにならないから、全部ご自分でこなされたのですよ。
本当に凄い方でしたわ・・・。」
「お前は、まだ私を無能と言うーか。」
「ええ。
他になんと言えとおっしゃるの?」
「・・・。」
テルシャは速度を上げて、サクサク進んでいーく。
女なんか大嫌いーだ。
早く妖精界へ行って、私の叡智を知らしめねーば!
しかし、更なる災難が待つとは思いもしなかーった。
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