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森での討伐1
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「今日から数日よろしくお願いします」
私は最小限の荷物を持って神殿の居住棟の方で頭を下げた。
ティーロさんは早朝から街はずれの集合場所に行かないといけないので今日は一人で神殿に来たのだ。
ティーロさんが家にいるうちに前日から神殿でお世話になることも話に上ったけれど、普段二人で歩いている道が危険だったことが今までなかったので、早朝ティーロさんを家から送り出してからいつものように神殿に行く事に決めた。
前の晩に朝食とティーロさんが食べる昼食、それに保存食にもなるかなって思ってクッキーを焼いておいた。
甘い物があれば少しは疲れが取れるだろうし。
その残りのクッキーは神殿に持って来た。
人が多いから休憩の時に皆で食べようと思ってかなり多めに焼いておいたのだ。
神殿に住み込みになってもやる事は同じで、朝から作業小屋で仕事をして昼からは手持ち無沙汰なのでペトラさんの仕事の補助をしたり、以前にペトラさんから教わったヒーリングの練習もしていた。
もしかしてティーロさんのグループが怪我をして帰ってきたらすぐに出動出来るように、即戦力的にレベルを上げていたほうが良いと言われ、確かにその可能性もあるので真面目に練習をしていた。
でも、そうなると一人だけやけに不満そうな顔でこちらを見ている人物がいた。
カーリンさんは私が作業小屋で働くのは良いけれど、聖女の仕事の補助をするのが気に食わない様子だった。
それは、一理あるかもしれない。
資格のない人間が無資格で自分達の仕事の中にグイグイ入り込んできたら確かに不快かもしれない。
なので午後から突っかかってき始めたカーリンさんの視界になるべく入らないように行動している。
あぁ・・でも小さな神殿だと視界に入らないようにって心掛けても案外入ってしまうようで、瘴気を払う方法をペトラさんに教わった後に、体に瘴気が付いたままにならないように清める事を勧められたの。
聖女は魔に触れたら神殿の地下の湧き水で沐浴するから、そこで沐浴をしておいでって場所を教わり地下に降りたら先に沐浴をしていたカーリンさんが居た。
「ここは聖女しか使用できないのにどうして聖女でもないあなたが此処に来たのよ」
「すみません、ペトラさんにここで沐浴をするようにと言われまして、私もここは聖女の方の沐浴場だと思っていたので・・・疑うようであればペトラさんに聞いていただければ・・・」
「もういいわよ!!」
ペトラさんの許可が出ている事を直接確認してもらおうかと思っていたんだけど、私の言葉を遮り背を向けた。
「じゃあ、カーリンさんの沐浴が終るまで待たせてもらいますね」
「・・・・・・・」
不満はやっぱりあるのだろう。
でも筆頭聖女のペトラさんが許可をだしているので、カーリンさんもそれを受け入れるしかないのだろう。
しかしカーリンさんの沐浴は長いな・・・・私が階段を降りてきた時から沐浴しているからかなりの時間肩まで浸かったまま沐浴場から上がってこない。
それほどしっかり身を清めないといけないのかな。
私も沐浴は初めてだから目の前でカーリンさんがしている事を真似ようと思ったけど・・・長い、思っていた以上に長い。
もう夏はすぐそこだけれどこんなに長く入ってられるほどこの地下の温度も湧き水の水温も高くないだろう・・・。
湧き水ってもしかして温泉・・・?
私があまりにも遅いのでペトラさんが降りて来た。
沐浴の順番待ちする私と、ずっと沐浴場に浸かっているカーリンさんを交互に眺め最後にカーリンさんを見て驚いた。
「ちょっと!何してんの!唇が紫じゃないの、さっさと出ないと風邪ひくわよ!!」
焦ったようにペトラさんはカーリンさんを怒鳴りつけていた。
寒さのためによろよろと沐浴場から出てきたカーリンさんの顔色は青白くガタガタ震えていた。
「ペトラさん・・・私、沐浴出来るか不安です・・こんなに苦行みたいなものだと知らなかったんで・・・」
「何言ってんの!マナは沐浴の邪魔をされていただけよ、少しでも長く入って困らせたかったんじゃないかしら、大人げないことだわ」
カーリンさん・・・すごい根性です。
カーリンさんは翌日から風邪を引いてしまって完治するまで神殿をお休みすることになりました。
◇◇◇
ティーロさん達が戻って来る予定の日には夕刻になっても誰も戻って来なかった。
村はずれで馬や馬車を預ける場所があるんだけど、そこに預けると森から出てくるまで馬の世話をしてくれる店主居て、森から予定日に戻ってこない人がいれば警備隊と神殿に連絡がすぐに入る。
総勢23人になったというそのグループは誰一人として姿を見せることがなかったので、生存しているかもわからなかった。
ティーロさんをいつものように送り出したのに、まさかこんな事になるなんて・・・
床に座り込んだ私をペトラさんは抱きしめ
「大丈夫だから、マナ大丈夫だから」
って何度も声をかけてくれた。
「ティーロさんが集団で森へ行く事を迷っていた時に、行くことを勧めたのは私なんです・・・」
私が背中を押さなければティーロさんは危険な目に合わなかったのかもしれないと思うと後悔が溢れてくる。
「警備隊が領主の屋敷に報告に行っているから、もう少ししたら領主の使いが来ると思うわ、それまで待ちましょう」
足が震えて力が入らない。
どうしよう
領主の屋敷では二桁の領民が森に入って戻っていない知らせを受けて、慌ただしく討伐隊を森に派遣する準備を始めたらしい。
ペトラさんが言ってたように領主の使いで神殿に来たアルフォ様が教えてくれた。
もう少しあとに討伐隊を森に派遣する予定で準備物は全て整っていたこともあり、日にちを繰り上げて早速明日にも森に向かうって。
早く助けに行かねば生存率がどんどん下がるだろうし。
その討伐隊を森に派遣する件で、森の中で行方不明ならすぐに回復魔法を施す必要があるので聖女を同行してもらいたいということだった。
カーリンさんが回復魔法が苦手だと言っても、出来ないのではない、苦手なだけなので、ないよりはあるほうがいいって事で同行を請われたのだ。
カーリンさんはすごい風邪で臥せっているし・・・
「カーリンは今病気では臥せっているわ。輿に乗せて森に連れて行ってのあの子自体が使い物にならないわよ、カーリンの代わりにマナに行ってもらうのはどうかしら?」
「「えっ!」」
私とアルフォ様は同時に驚いた。
「だがマナは聖女ではないじゃないか」
「聖女ではないけれど、聖女の仕事は私がきっちり教えている優秀な聖属性の魔力を持つ者よ。きっと森でも仕事が出来るし、何よりマナの夫がその行方不明者の中に入っているから連れて行ってもらいたいのよ、マナはどうする?カーリンの代わりに仕事をするのは不安かしら?」
街で待っているよりも森に行けるなら行きたい!私に出来る事があるのなら頑張りたい。
「ペトラさん、アルフォ様、私も森に行きたいです。出来れば早く夫の姿を確認したいんです。お願いします」
私は森に連れて行って欲しくてアルフォ様に頭を下げた。
「それなら・・・早朝に出発するから準備をしといてくれ」
そう告げるとアルフォ様は討伐隊の準備のために領主の屋敷へと戻って行った。
カーリンさんの代わりに行くことを許してもらえたみたいでホッとしたけれど、早朝までに準備をしないと。
「ペトラさん、どのような物を持って行ったら良いのか教えてもらっても良いですか?」
「あぁ!もちろんよ。神殿から聖女を派遣する時に持って行く物が一式入った袋が用意されているからそれを持って行きなさい。それとマナが必要で持って行きたい物があれば少しくらいなら袋に余裕があるから準備したらいいわ」
「ありがとうございます」
「明日は大変になるから早く寝る事と・・・あと、これは内密にしといてもらわないと、領主の討伐隊に同行出来るのは聖女だけなのよ。形式上なんだけどね、だからマナは明日から神殿に戻るまで聖女カーリンとして頑張りなさいね、袋の中には少し色の濃い目のヴェールが入ってるでしょう、日焼け防止で色が濃い目だから丁度よかったわ」
カーリンさんとして同行ですか・・・大丈夫かな・・・
今こうしている間も森の中の集団がどのような状況か考えると不安しかない。
どうかティーロさん達が生きていますように。
私は最小限の荷物を持って神殿の居住棟の方で頭を下げた。
ティーロさんは早朝から街はずれの集合場所に行かないといけないので今日は一人で神殿に来たのだ。
ティーロさんが家にいるうちに前日から神殿でお世話になることも話に上ったけれど、普段二人で歩いている道が危険だったことが今までなかったので、早朝ティーロさんを家から送り出してからいつものように神殿に行く事に決めた。
前の晩に朝食とティーロさんが食べる昼食、それに保存食にもなるかなって思ってクッキーを焼いておいた。
甘い物があれば少しは疲れが取れるだろうし。
その残りのクッキーは神殿に持って来た。
人が多いから休憩の時に皆で食べようと思ってかなり多めに焼いておいたのだ。
神殿に住み込みになってもやる事は同じで、朝から作業小屋で仕事をして昼からは手持ち無沙汰なのでペトラさんの仕事の補助をしたり、以前にペトラさんから教わったヒーリングの練習もしていた。
もしかしてティーロさんのグループが怪我をして帰ってきたらすぐに出動出来るように、即戦力的にレベルを上げていたほうが良いと言われ、確かにその可能性もあるので真面目に練習をしていた。
でも、そうなると一人だけやけに不満そうな顔でこちらを見ている人物がいた。
カーリンさんは私が作業小屋で働くのは良いけれど、聖女の仕事の補助をするのが気に食わない様子だった。
それは、一理あるかもしれない。
資格のない人間が無資格で自分達の仕事の中にグイグイ入り込んできたら確かに不快かもしれない。
なので午後から突っかかってき始めたカーリンさんの視界になるべく入らないように行動している。
あぁ・・でも小さな神殿だと視界に入らないようにって心掛けても案外入ってしまうようで、瘴気を払う方法をペトラさんに教わった後に、体に瘴気が付いたままにならないように清める事を勧められたの。
聖女は魔に触れたら神殿の地下の湧き水で沐浴するから、そこで沐浴をしておいでって場所を教わり地下に降りたら先に沐浴をしていたカーリンさんが居た。
「ここは聖女しか使用できないのにどうして聖女でもないあなたが此処に来たのよ」
「すみません、ペトラさんにここで沐浴をするようにと言われまして、私もここは聖女の方の沐浴場だと思っていたので・・・疑うようであればペトラさんに聞いていただければ・・・」
「もういいわよ!!」
ペトラさんの許可が出ている事を直接確認してもらおうかと思っていたんだけど、私の言葉を遮り背を向けた。
「じゃあ、カーリンさんの沐浴が終るまで待たせてもらいますね」
「・・・・・・・」
不満はやっぱりあるのだろう。
でも筆頭聖女のペトラさんが許可をだしているので、カーリンさんもそれを受け入れるしかないのだろう。
しかしカーリンさんの沐浴は長いな・・・・私が階段を降りてきた時から沐浴しているからかなりの時間肩まで浸かったまま沐浴場から上がってこない。
それほどしっかり身を清めないといけないのかな。
私も沐浴は初めてだから目の前でカーリンさんがしている事を真似ようと思ったけど・・・長い、思っていた以上に長い。
もう夏はすぐそこだけれどこんなに長く入ってられるほどこの地下の温度も湧き水の水温も高くないだろう・・・。
湧き水ってもしかして温泉・・・?
私があまりにも遅いのでペトラさんが降りて来た。
沐浴の順番待ちする私と、ずっと沐浴場に浸かっているカーリンさんを交互に眺め最後にカーリンさんを見て驚いた。
「ちょっと!何してんの!唇が紫じゃないの、さっさと出ないと風邪ひくわよ!!」
焦ったようにペトラさんはカーリンさんを怒鳴りつけていた。
寒さのためによろよろと沐浴場から出てきたカーリンさんの顔色は青白くガタガタ震えていた。
「ペトラさん・・・私、沐浴出来るか不安です・・こんなに苦行みたいなものだと知らなかったんで・・・」
「何言ってんの!マナは沐浴の邪魔をされていただけよ、少しでも長く入って困らせたかったんじゃないかしら、大人げないことだわ」
カーリンさん・・・すごい根性です。
カーリンさんは翌日から風邪を引いてしまって完治するまで神殿をお休みすることになりました。
◇◇◇
ティーロさん達が戻って来る予定の日には夕刻になっても誰も戻って来なかった。
村はずれで馬や馬車を預ける場所があるんだけど、そこに預けると森から出てくるまで馬の世話をしてくれる店主居て、森から予定日に戻ってこない人がいれば警備隊と神殿に連絡がすぐに入る。
総勢23人になったというそのグループは誰一人として姿を見せることがなかったので、生存しているかもわからなかった。
ティーロさんをいつものように送り出したのに、まさかこんな事になるなんて・・・
床に座り込んだ私をペトラさんは抱きしめ
「大丈夫だから、マナ大丈夫だから」
って何度も声をかけてくれた。
「ティーロさんが集団で森へ行く事を迷っていた時に、行くことを勧めたのは私なんです・・・」
私が背中を押さなければティーロさんは危険な目に合わなかったのかもしれないと思うと後悔が溢れてくる。
「警備隊が領主の屋敷に報告に行っているから、もう少ししたら領主の使いが来ると思うわ、それまで待ちましょう」
足が震えて力が入らない。
どうしよう
領主の屋敷では二桁の領民が森に入って戻っていない知らせを受けて、慌ただしく討伐隊を森に派遣する準備を始めたらしい。
ペトラさんが言ってたように領主の使いで神殿に来たアルフォ様が教えてくれた。
もう少しあとに討伐隊を森に派遣する予定で準備物は全て整っていたこともあり、日にちを繰り上げて早速明日にも森に向かうって。
早く助けに行かねば生存率がどんどん下がるだろうし。
その討伐隊を森に派遣する件で、森の中で行方不明ならすぐに回復魔法を施す必要があるので聖女を同行してもらいたいということだった。
カーリンさんが回復魔法が苦手だと言っても、出来ないのではない、苦手なだけなので、ないよりはあるほうがいいって事で同行を請われたのだ。
カーリンさんはすごい風邪で臥せっているし・・・
「カーリンは今病気では臥せっているわ。輿に乗せて森に連れて行ってのあの子自体が使い物にならないわよ、カーリンの代わりにマナに行ってもらうのはどうかしら?」
「「えっ!」」
私とアルフォ様は同時に驚いた。
「だがマナは聖女ではないじゃないか」
「聖女ではないけれど、聖女の仕事は私がきっちり教えている優秀な聖属性の魔力を持つ者よ。きっと森でも仕事が出来るし、何よりマナの夫がその行方不明者の中に入っているから連れて行ってもらいたいのよ、マナはどうする?カーリンの代わりに仕事をするのは不安かしら?」
街で待っているよりも森に行けるなら行きたい!私に出来る事があるのなら頑張りたい。
「ペトラさん、アルフォ様、私も森に行きたいです。出来れば早く夫の姿を確認したいんです。お願いします」
私は森に連れて行って欲しくてアルフォ様に頭を下げた。
「それなら・・・早朝に出発するから準備をしといてくれ」
そう告げるとアルフォ様は討伐隊の準備のために領主の屋敷へと戻って行った。
カーリンさんの代わりに行くことを許してもらえたみたいでホッとしたけれど、早朝までに準備をしないと。
「ペトラさん、どのような物を持って行ったら良いのか教えてもらっても良いですか?」
「あぁ!もちろんよ。神殿から聖女を派遣する時に持って行く物が一式入った袋が用意されているからそれを持って行きなさい。それとマナが必要で持って行きたい物があれば少しくらいなら袋に余裕があるから準備したらいいわ」
「ありがとうございます」
「明日は大変になるから早く寝る事と・・・あと、これは内密にしといてもらわないと、領主の討伐隊に同行出来るのは聖女だけなのよ。形式上なんだけどね、だからマナは明日から神殿に戻るまで聖女カーリンとして頑張りなさいね、袋の中には少し色の濃い目のヴェールが入ってるでしょう、日焼け防止で色が濃い目だから丁度よかったわ」
カーリンさんとして同行ですか・・・大丈夫かな・・・
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