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豚も狼も雑食です(※少し性的)
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「あ゙ァァッ、あっ、ぁ♡」
なんでこんなことになっちまったんだろう――。
「や゙っ、やめ、さわんなっ!」
脱がされたというより剥ぎ取られた服は床に散らばり、ベッドに放り投げられたのが目の端に映る。
「んぅぅっ♡」
力の入らない腕を必死で突っ張って拒絶しようも、あの図体で覆いかぶさられたらたまらない。
その上、また強引に唇を重ねられるものだから息があがるばかりで。
「ふぁ……ぁ、ぅ……♡」
角度を変えながらのキスはどんどん深くなっていく。サビオの舌はまるで未知の生き物みたいに口の中を撫でて探っていく。
俺だっていい歳した大人だから別に童貞でもない。むしろ女の方が寄ってきて――って最近は少しご無沙汰だがな。
「はは、本当にキス好きなんですね」
窒息死するんじゃないかって焦った頃、ようやく顔をあげたヤツは白い歯を見せて笑う。
「これからもっと気持ちよくなりましょうね、ルヴさん」
「え゙っ」
気持ちよく? 苦しめるの間違いじゃないかって思った時だった。
「ヒッ!?」
突然、腰あたりに手を伸ばされ思わず声があがる。
「オオカミもここ、敏感なんですかね」
「て、テメェ!」
尻尾、特に付け根は絶対に触られたくない。
単純に痛いとかそういうんじゃない、だからこそイヤなんだ。ソコを触られると――。
「あっ♡ ふ……ぅ♡ やめろっ、てぇ……♡♡」
腰抜けそうになるのは俺だけじゃないハズ。
なんかムズムズするというか、変な感じがするんだ。自然と妙な声が出るし、身体の力が抜けちまう。
「へえ、やっぱり」
「んあっ♡ あっ、や、やめっ♡♡ このやろぉぉ……♡」
絶妙な力加減で揉み込まれて、もうダメ。
お世辞にも上等とは言えない自室のベッドの上で、情けない声をあげながら逃げを打つ。でも。
「ほら逃げないで」
「やだァっ、やっ、ん゙!? いぎゃッ!!!」
突然思いもよらない痛みを受けたのは、首元。鋭く焼けるような衝撃と、辺りに立ち込める血の匂い。
「ひ、ひっ……ぃ」
「ごめんなさい。つい美味しそうで」
もう見たくない、見たくないのに俺は見てしまった。
少しだけど赤く染まった口元を舌なめずりする男。
お、美味しそうってまるで猛獣みたいな顔をして笑ってやがる。肉食なのも猛獣なのもオオカミである俺のハズなのに。
「昔はあなたが僕らを食べようとしたけど、逆転しちゃいましたよね」
「あ……あ……あ」
怖い。すごく、怖い。今までに感じたことのない感情に歯が噛み合わない。
俺が今まで食ってきたヤツらもこんな気分だったのか、みっともないくらいにガタガタ震えて怯えて。でもどこか覚悟している――。
「なぁんてね!」
「え?」
おどけた様子で微笑むサビオ。
それはいつものアイツだ。お人好しででも俺を出し抜くくらいには賢い豚野郎だ。
「あっ、ごめんなさい。怖がらせちゃいましたよね。少しオオカミのマネをしてみたんですけどやっぱりむずかし……ってルヴさんんんっ!?!?」
慌てて抱きついてくる両腕。
「ごめんなさいっ、まさか泣くなんて!」
「?」
泣くって、誰が。
そこでようやく自分の頬が濡れていることに気づく。
まさか泣いてるのって、俺なのか。
「あなたを悲しませたいワケじゃないんです」
「……」
「愛してるんです、ルヴさん」
「サビオ?」
さっきまで見たことないくらい怖い顔をしていたのに、今はまるで苦しさに耐えるような表情。
クルクルと目まぐるしく変化するのは、いつものコトだけど。
「お前の方がよっぽど泣いてんじゃん」
自然とこぼれた言葉とともに、俺はヤツの腕に触れた。
「……ルヴさん」
なぜか一瞬だけ強ばった顔をしてサビオは笑った。
「やっぱりあなたはチョロいですね」
「!?」
どういう意味だとか、ふざけんなとかぶっ殺すぞとか言う前にまた口を塞がれる。
「んぅぅっ!!!」
ああダメだ分からない。こいつが分からん。
「んぁ♡ ふ、ぁ♡♡」
そしてまたしっぽの付け根を撫でつけられて、気持ちよくなっちまう。
「たっぷり可愛がってあげますね、ルヴさん♡」
「っ……♡ んぇ?」
可愛がるって、どういう――。
「なっ、なにしてんだ! おい離せ!!!」
コイツこともあろうに手を伸ばしたのは、俺のアレ。
逃げようとしてるのを押さえつけて、強引に握り込む。
「いっ!? やめろ! この変態豚野郎!!!」
同じ雄の、しかも豚にそんなところ触られるなんてなんたる屈辱。必死で筋肉ダルマみたいな身体を叩いて、怒鳴りわめくが。
「一言一句そうなんですけどね。あ、でもちゃんと反応してきてますよ」
「!!!!」
最悪だ。こんなヤツにいいようにされてたまるか。
「この野郎ッ、死ね!」
「おっと危ないなあ」
鋭い牙でヤツの喉笛に噛みついてやろうとするもサッとかわされる。
「さすがオオカミ。でも知ってますかね」
「あぅ……っ、い゙!?」
やわやわとタマの部分を脅すように揉まれた。
「豚ってほぼ筋肉なんですよ、ほらね?」
ヤツの胸筋がピクピクと動くのが非常にキモかった。
※※※
「はぁっ……ぁ……ぅっ……や、やめ……ろぉ」
感じたくない、感じちゃダメなのに。俺の息はあがって、どんどん込み上げる感覚にシーツを掴む。
「あ、ぁ、ぁ、あぁぁっ」
久しぶりだったから、とか。シチュエーションが異常だからとか。
理由をかき集めて頭の中で叫ぶけど、それももう限界かもしれない。
「やだ! はなせっ、はなせよぉぉぉっ♡」
ダメだ、イっちまう。
こんな奴にフェラされてイくなんて嫌だ。
「……っ」
股の間にある金髪を掴んで必死で引きがそうとするけど、なんせこのクソマッチョ野郎はビクともしねえ。
そうこうしてるうちに本気でヤバくなってくる。
「うっ、く、ぅ、マジでやばいって、やめろ! でるっ、出るから!!!」
アイツが小さく頷いたのが見えた。
その瞬間。
「あぁぁぁっ、あっ、ぁ、うぅ、くぅ!」
強く吸い上げれた衝撃で呆気ないくらいにイかされた。
「はぁっ……ぁっ、んんっ……す、すうなっ、やめろっ、それ」
イったあとの敏感な所をしつこく舐められて、身体のビクつきが止まらない。
こういうの同じオスなら分かるだろ! てかほんとに何考えてんだ、イカレてんのか!?
「ふふ、ごちそうさま♡」
「!」
ようやく顔をあげたとおもったらこのセリフ。
怒り以上にゾッとした。
「今度は僕のことも気持ちよくしてくださいね」
「あ……」
またあの顔だ。捕食する感じ。
やっぱりこれがコイツの本性だったのか。
『――あ、そうそう。知ってます?』
過去に聞いたサビオの言葉を思い出す。
『――オオカミもですけど豚も雑食なんですよ』
雑食、つまり木の実とか穀物以外にも。
『――他の動物の肉も食べられるんです、僕ら豚はね』
ゆっくりとシーツに押さえつけられる。ひときわ大きな音を立てて、ベッドがきしんだ。
なんでこんなことになっちまったんだろう――。
「や゙っ、やめ、さわんなっ!」
脱がされたというより剥ぎ取られた服は床に散らばり、ベッドに放り投げられたのが目の端に映る。
「んぅぅっ♡」
力の入らない腕を必死で突っ張って拒絶しようも、あの図体で覆いかぶさられたらたまらない。
その上、また強引に唇を重ねられるものだから息があがるばかりで。
「ふぁ……ぁ、ぅ……♡」
角度を変えながらのキスはどんどん深くなっていく。サビオの舌はまるで未知の生き物みたいに口の中を撫でて探っていく。
俺だっていい歳した大人だから別に童貞でもない。むしろ女の方が寄ってきて――って最近は少しご無沙汰だがな。
「はは、本当にキス好きなんですね」
窒息死するんじゃないかって焦った頃、ようやく顔をあげたヤツは白い歯を見せて笑う。
「これからもっと気持ちよくなりましょうね、ルヴさん」
「え゙っ」
気持ちよく? 苦しめるの間違いじゃないかって思った時だった。
「ヒッ!?」
突然、腰あたりに手を伸ばされ思わず声があがる。
「オオカミもここ、敏感なんですかね」
「て、テメェ!」
尻尾、特に付け根は絶対に触られたくない。
単純に痛いとかそういうんじゃない、だからこそイヤなんだ。ソコを触られると――。
「あっ♡ ふ……ぅ♡ やめろっ、てぇ……♡♡」
腰抜けそうになるのは俺だけじゃないハズ。
なんかムズムズするというか、変な感じがするんだ。自然と妙な声が出るし、身体の力が抜けちまう。
「へえ、やっぱり」
「んあっ♡ あっ、や、やめっ♡♡ このやろぉぉ……♡」
絶妙な力加減で揉み込まれて、もうダメ。
お世辞にも上等とは言えない自室のベッドの上で、情けない声をあげながら逃げを打つ。でも。
「ほら逃げないで」
「やだァっ、やっ、ん゙!? いぎゃッ!!!」
突然思いもよらない痛みを受けたのは、首元。鋭く焼けるような衝撃と、辺りに立ち込める血の匂い。
「ひ、ひっ……ぃ」
「ごめんなさい。つい美味しそうで」
もう見たくない、見たくないのに俺は見てしまった。
少しだけど赤く染まった口元を舌なめずりする男。
お、美味しそうってまるで猛獣みたいな顔をして笑ってやがる。肉食なのも猛獣なのもオオカミである俺のハズなのに。
「昔はあなたが僕らを食べようとしたけど、逆転しちゃいましたよね」
「あ……あ……あ」
怖い。すごく、怖い。今までに感じたことのない感情に歯が噛み合わない。
俺が今まで食ってきたヤツらもこんな気分だったのか、みっともないくらいにガタガタ震えて怯えて。でもどこか覚悟している――。
「なぁんてね!」
「え?」
おどけた様子で微笑むサビオ。
それはいつものアイツだ。お人好しででも俺を出し抜くくらいには賢い豚野郎だ。
「あっ、ごめんなさい。怖がらせちゃいましたよね。少しオオカミのマネをしてみたんですけどやっぱりむずかし……ってルヴさんんんっ!?!?」
慌てて抱きついてくる両腕。
「ごめんなさいっ、まさか泣くなんて!」
「?」
泣くって、誰が。
そこでようやく自分の頬が濡れていることに気づく。
まさか泣いてるのって、俺なのか。
「あなたを悲しませたいワケじゃないんです」
「……」
「愛してるんです、ルヴさん」
「サビオ?」
さっきまで見たことないくらい怖い顔をしていたのに、今はまるで苦しさに耐えるような表情。
クルクルと目まぐるしく変化するのは、いつものコトだけど。
「お前の方がよっぽど泣いてんじゃん」
自然とこぼれた言葉とともに、俺はヤツの腕に触れた。
「……ルヴさん」
なぜか一瞬だけ強ばった顔をしてサビオは笑った。
「やっぱりあなたはチョロいですね」
「!?」
どういう意味だとか、ふざけんなとかぶっ殺すぞとか言う前にまた口を塞がれる。
「んぅぅっ!!!」
ああダメだ分からない。こいつが分からん。
「んぁ♡ ふ、ぁ♡♡」
そしてまたしっぽの付け根を撫でつけられて、気持ちよくなっちまう。
「たっぷり可愛がってあげますね、ルヴさん♡」
「っ……♡ んぇ?」
可愛がるって、どういう――。
「なっ、なにしてんだ! おい離せ!!!」
コイツこともあろうに手を伸ばしたのは、俺のアレ。
逃げようとしてるのを押さえつけて、強引に握り込む。
「いっ!? やめろ! この変態豚野郎!!!」
同じ雄の、しかも豚にそんなところ触られるなんてなんたる屈辱。必死で筋肉ダルマみたいな身体を叩いて、怒鳴りわめくが。
「一言一句そうなんですけどね。あ、でもちゃんと反応してきてますよ」
「!!!!」
最悪だ。こんなヤツにいいようにされてたまるか。
「この野郎ッ、死ね!」
「おっと危ないなあ」
鋭い牙でヤツの喉笛に噛みついてやろうとするもサッとかわされる。
「さすがオオカミ。でも知ってますかね」
「あぅ……っ、い゙!?」
やわやわとタマの部分を脅すように揉まれた。
「豚ってほぼ筋肉なんですよ、ほらね?」
ヤツの胸筋がピクピクと動くのが非常にキモかった。
※※※
「はぁっ……ぁ……ぅっ……や、やめ……ろぉ」
感じたくない、感じちゃダメなのに。俺の息はあがって、どんどん込み上げる感覚にシーツを掴む。
「あ、ぁ、ぁ、あぁぁっ」
久しぶりだったから、とか。シチュエーションが異常だからとか。
理由をかき集めて頭の中で叫ぶけど、それももう限界かもしれない。
「やだ! はなせっ、はなせよぉぉぉっ♡」
ダメだ、イっちまう。
こんな奴にフェラされてイくなんて嫌だ。
「……っ」
股の間にある金髪を掴んで必死で引きがそうとするけど、なんせこのクソマッチョ野郎はビクともしねえ。
そうこうしてるうちに本気でヤバくなってくる。
「うっ、く、ぅ、マジでやばいって、やめろ! でるっ、出るから!!!」
アイツが小さく頷いたのが見えた。
その瞬間。
「あぁぁぁっ、あっ、ぁ、うぅ、くぅ!」
強く吸い上げれた衝撃で呆気ないくらいにイかされた。
「はぁっ……ぁっ、んんっ……す、すうなっ、やめろっ、それ」
イったあとの敏感な所をしつこく舐められて、身体のビクつきが止まらない。
こういうの同じオスなら分かるだろ! てかほんとに何考えてんだ、イカレてんのか!?
「ふふ、ごちそうさま♡」
「!」
ようやく顔をあげたとおもったらこのセリフ。
怒り以上にゾッとした。
「今度は僕のことも気持ちよくしてくださいね」
「あ……」
またあの顔だ。捕食する感じ。
やっぱりこれがコイツの本性だったのか。
『――あ、そうそう。知ってます?』
過去に聞いたサビオの言葉を思い出す。
『――オオカミもですけど豚も雑食なんですよ』
雑食、つまり木の実とか穀物以外にも。
『――他の動物の肉も食べられるんです、僕ら豚はね』
ゆっくりとシーツに押さえつけられる。ひときわ大きな音を立てて、ベッドがきしんだ。
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