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制裁1
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起きた時。一番最初に感じたのは、腕の痛みと違和感。
「ひっ……!?」
「おう。起きたか」
ギシリときしんだ音。同時にきた、熱いような痛みに声をあげた。
「な、なに」
「手が痛いか。でもまだ、外してやることはできん」
手の位置がおかしい。
バンザイするように上に上げさせられて。そんでもって、この痛みと音の正体は。
「逃げるからな」
「伊織っ……お前……!?」
縄で手首をまとめて縛られて。どうやっているのか、頭の上で固定されていた。
しかも横になった状態で。
「お仕置を始めようか」
そんなオレを見下ろしているのは、さっきまで一緒に酒を飲んでいた男。
形のいい目元を細めて、まるで笑っているようだ。
「お、おしお、き?」
まるでヘタな演出の、AVみたいなこと言いやがって。
からかっているのかと引き攣る顔で訊ねても。
「そうだといいだろうな。少なくで、お前にとっては」
と表情の読めない顔をする。
オレは、いよいよ怖いのとムカつくのとで。いまだ上手く回らない頭を必死に動かし、手首の縄を外そうと躍起になった。
「なんのつもりだ、伊織!」
「だから言っただろう」
「いいから離せよっ、頭おかしいんじゃねぇの!?」
曲がりなりにもこっちは、友達としてやってきたヤツの乱暴な行動にワケが分からなくなる。
一体なにが、コイツを怒らせちまったんだ? というか、直前のことがよく思い出せない。
確か一緒に酒を飲んでいて。いつもの、チェーンの居酒屋だ。そんでもって、どうでもいいような話をしていた記憶しかない。
オレがアレコレ考えている間に、伊織は唇だけひん曲げて笑う。
「おかしいのかもしれねぇな。俺も、お前も」
「ほんと意味わかんねぇよっ。いいから離せって! いまなら、ゆるしてやるから」
「ゆるしてやる、か。それは、ちと違うな」
「えっ、うわッ!?」
ヤツがオレの服に手をかけた。
糸がちぎれて、布が裂ける嫌な音が響く。
「ちょっ……おい!」
「服なんていらないだろう。お前みたいなクズに」
「な、なんで」
服を破かれた。
そんな弱い布地でもないハズなのに。
オレはあまりのことに、なにも言うことが出来ない。
唇が、顎が震えて言葉にならないんだ。
そんな涙目のオレに。アイツは笑った表情のまま、覆いかぶさってくる。
「ひっ……!」
「お前の恋愛観は歪み過ぎてる」
ああ、さっき聞いた。まるで、足し算をガキに教えるように、ゆっくりと優しく。
それがなおさらオレを怯えさせるのに。
「なんで、なに、を……やめ……」
すごく怖い。目の前のコイツが、知らない男みたいな。
舌なめずりして、オレの破かれた服の下――裸の上半身をじっとり眺めているのだから。
自由なはずの足すら、動かすことができない。
殺されるんじゃないかって。いや、それよりヒドイことされる。
まさかコイツは。
「お前を、女にしてやるよ」
「っ!!」
そう囁かれて、ようやく思い知った。
今から、オレはこの男にレイプされるんだって。
「ひっ……!?」
「おう。起きたか」
ギシリときしんだ音。同時にきた、熱いような痛みに声をあげた。
「な、なに」
「手が痛いか。でもまだ、外してやることはできん」
手の位置がおかしい。
バンザイするように上に上げさせられて。そんでもって、この痛みと音の正体は。
「逃げるからな」
「伊織っ……お前……!?」
縄で手首をまとめて縛られて。どうやっているのか、頭の上で固定されていた。
しかも横になった状態で。
「お仕置を始めようか」
そんなオレを見下ろしているのは、さっきまで一緒に酒を飲んでいた男。
形のいい目元を細めて、まるで笑っているようだ。
「お、おしお、き?」
まるでヘタな演出の、AVみたいなこと言いやがって。
からかっているのかと引き攣る顔で訊ねても。
「そうだといいだろうな。少なくで、お前にとっては」
と表情の読めない顔をする。
オレは、いよいよ怖いのとムカつくのとで。いまだ上手く回らない頭を必死に動かし、手首の縄を外そうと躍起になった。
「なんのつもりだ、伊織!」
「だから言っただろう」
「いいから離せよっ、頭おかしいんじゃねぇの!?」
曲がりなりにもこっちは、友達としてやってきたヤツの乱暴な行動にワケが分からなくなる。
一体なにが、コイツを怒らせちまったんだ? というか、直前のことがよく思い出せない。
確か一緒に酒を飲んでいて。いつもの、チェーンの居酒屋だ。そんでもって、どうでもいいような話をしていた記憶しかない。
オレがアレコレ考えている間に、伊織は唇だけひん曲げて笑う。
「おかしいのかもしれねぇな。俺も、お前も」
「ほんと意味わかんねぇよっ。いいから離せって! いまなら、ゆるしてやるから」
「ゆるしてやる、か。それは、ちと違うな」
「えっ、うわッ!?」
ヤツがオレの服に手をかけた。
糸がちぎれて、布が裂ける嫌な音が響く。
「ちょっ……おい!」
「服なんていらないだろう。お前みたいなクズに」
「な、なんで」
服を破かれた。
そんな弱い布地でもないハズなのに。
オレはあまりのことに、なにも言うことが出来ない。
唇が、顎が震えて言葉にならないんだ。
そんな涙目のオレに。アイツは笑った表情のまま、覆いかぶさってくる。
「ひっ……!」
「お前の恋愛観は歪み過ぎてる」
ああ、さっき聞いた。まるで、足し算をガキに教えるように、ゆっくりと優しく。
それがなおさらオレを怯えさせるのに。
「なんで、なに、を……やめ……」
すごく怖い。目の前のコイツが、知らない男みたいな。
舌なめずりして、オレの破かれた服の下――裸の上半身をじっとり眺めているのだから。
自由なはずの足すら、動かすことができない。
殺されるんじゃないかって。いや、それよりヒドイことされる。
まさかコイツは。
「お前を、女にしてやるよ」
「っ!!」
そう囁かれて、ようやく思い知った。
今から、オレはこの男にレイプされるんだって。
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