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キウイが好きですが
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賑やかな光と音、僕があんまり足を踏み入れたことのない場所。
あと中高生らしきカップルからオタクっぽい人達まで、平日のこの時間に結構人がいる。
そんな中で。
「あーもうっ、無理!」
「ガキか、お前は」
悔しくて仕方ない僕とは対照的に、呆れ顔の凪由斗。
――連れてこられたのは近くのゲーセン。あまり馴染みのない場所に最初こそ唖然としてた。
なんでいきなりこんな所に、って聞いても。
『うるさい、付き合え』
って。
だから仕方なく、まずはクレーンゲームに挑戦してみたんだけど。
「ぐあぁぁぁっ、あとちょっとだったのにぃぃぃぃッ!!!」
「だからうるせぇよ」
僕ってこういうの熱くなっちゃうみたい。ギャンブルとかダメなタイプだ。
「だってこれだけやってるのに! 五千円だよ!?」
もちろん、もう辞めなきゃって思ってるんだけど。でもあとちょっとで取れそうなんだもん。
「お前、絶対にパチンコとかしたら破滅するな」
「わ、分かってるよ!」
自覚あるのと自制できるのは別物なんだなぁって。
でもだんだん取れない事がショックで少し悲しくなってきた。
なにやっても上手くいかない。自信も自己肯定感も全部ボロボロなんだけど。
「……」
「今度はしょぼくれやがって」
「だって」
人生って上手くいかないことばっかりだなぁ。
さすがに泣くことはなくてもテンションが下がりきった僕を、凪由斗はやっぱりバカにしたように鼻で笑った。
「おい、これ持ってろ」
「え?」
ジュースのペットボトルとカバンを無理やり持たされる。
「ちょ、ええっ!? 」
「いいから黙って言うこと聞け、アホの暁歩」
「ひどい!」
ほんとに偉そうで態度でかいヤツだな。
でも真剣な顔でクレーンゲームに向かってる横顔から、何故か目が離せなくなってた。
これは単純に顔が良すぎるからかもしれない。
だって中身は横柄で性格最悪な超オレ様気質男なんだもん。
「――こんなの欲しいとか、やっぱりガキだな」
「わっ!」
今度は顔に大きくて柔らかいモノを押し付けられる。
慌てて両手で受け止めると。
「こ、これ」
「なんだ。えらくアホそうなやつ」
茶色い鳥、キウイ鳥をモチーフにした巨大ぬいぐるみ (キウイフルーツの飾り有り) が腕の中にあった。
「91ちゃんっていうんだ、カワイイでしょ」
そう、これが欲しくて五千円も粘ったんだ。結局それも三百円で凪由斗が取っちゃったけど。
「お前に良く似たマヌケ面だな」
「マヌケじゃないよ、可愛いし!」
「怒るとこ、そこかよ」
また呆れられたけど構うもんか。
取ってもらった大きなぬいぐるみを抱きしめて頬ずりする。
「凪由斗、ありがとう」
「……」
「???」
あれ、なんか黙っちゃったぞ。僕、変なこと言ってないよね。なにかもらったり、親切にしてもらったらお礼言うのは当たり前だし。
それに。
「クレーンゲーム、上手なんだね。すごくカッコよかった!」
横で、うっかり取る瞬間を見逃しちゃうくらいに彼ばかり見てた。
さすがαっていうのかな。いや、違うよね。凪由斗が特別カッコよく見えたんだ。
――クレーンゲームってすごい!!!
「そうかよ」
ふいっと目線を逸らされる。
怒ったのかと思ったけど、多分そうじゃない気がする。なんでそう思うのかって聞かれたら困るけど、なんとなく。
「ンなもん、礼を言われる事でもねぇし」
「そういうわけにはいかないよ! なんかお礼したいんだけど……」
と言ったものの、思いつかないなぁ。頭を悩ませていると。
「じゃあ日曜の昼。時間空けとけ」
「日曜? うん、いいよ」
バイトは夕方から夜だし、昼間なら大丈夫だな。
「あとLINE教えろ」
「え?」
「早くしろ、アホの暁歩」
「その呼び方辞めてってば。いいけど、ちょっと待って」
僕らはお互いにスマホを出して連絡先交換をした。
「これでいつでもお前を呼び出せるな」
「う、パシリさせられそう」
また自販機まで走らされたら困る。
「今度はコンビニでパン買ってこさせるか」
「いや、昔のヤンキーじゃないんだから」
それにまた変なウワサ立てられたら嫌だし。
そこで奈々の事を思い出して、また心が沈み始めた。
「どうした」
「いや……別に」
慌てて笑顔を作ったけど駄目だったかも。
「アホの暁歩のくせに、俺に隠し事する気か」
「だからアホじゃな――うわっ!?」
また首根っこ掴まれてた。
「だからやめてってば! ぐふっ、苦し……っ」
「こっち来い。喉乾いた」
「えぇっ!?」
なんでそんなに強引なんだよ。こっちはペットとか人形とかじゃないっていうのに!
またしてもズルズル引きずられるように連れてこられたのは、ゲーセン内の自販機。
「なに飲める」
「え?」
「これだな」
「えっ? えっ? ……うっわ!? あっつぃ!!!」
手渡されたのは、熱々の缶の味噌汁。
いや、味噌汁って。普通に不意打ちすぎて熱いし、それになんで味噌汁!?
「飲め」
「え、えぇ……?」
「俺の好物だ、飲め」
知らないよ、そんなこと。ていうか、まだまだ冬には遠いのに熱い味噌汁って。
でもなんか彼が圧かけてくるもんだから、仕方なく缶をあけて口をつけた。
「どうだ」
「おいしい……うん。おいしいね、これ」
思えば自販機で売ってる味噌汁って飲んだことないかも。
そもそも売ってるところ初めて見たし。でも違和感は最初の一口だけで、あとは結構おいしい。
なによりさっきカフェで甘いもの食べたからか、塩分が程よくて。
「年中これがあるのは、ここだけだ」
なんて何故か自慢げにしてる凪由斗をよそに、僕は缶の味噌汁を飲み干していた。
「でも喉乾いたんでしょ、って凪由斗はコーヒーなんだね」
「俺はコーヒーの気分だったからな」
もしかして、自分の推しドリンク? を飲ませたかったってことだろうか。
イマイチ分かりずらいけど、これも落ち込んでそうな僕に対する親切……?
「ええっと。ありがとう」
「ふん」
鼻で笑われたけど、その顔は嬉しそうに見えなくもない。
なんだこの人、実は思ったより悪いヤツじゃないかも。
「アホなんだから悩むだけ無駄だぞ」
前言撤回。やっぱりイヤな奴だな、うん。
僕が納得してると、彼はゴミ箱に缶を投げ込み言った。
「でも俺もヒマな時くらいある」
「?」
「お前に俺の貴重な時間を割いてやっても良いって言ってんだ、マヌケ」
「なんだそれ」
優しいんだか尊大なんだか。
しかも今度はマヌケ呼ばわりされたし。
「約束忘れるなよ」
「あ、うん」
日曜日だったよね。あとでスケジュールアプリに入れとかなきゃ。
「場所と時間はあとで連絡する」
「わかったよ」
「絶対に忘れるなよ」
「忘れないってば」
「絶対だぞ」
「もう、しつこいなぁ」
すごい念押ししてくる。でも不思議とそれはムカつかなかった。
「ちゃんと行くから、ね?」
そう答えながら凪由斗の服の袖をつかんだのは正直、無意識だったんだけど。
「暁歩」
その手を握りこまれ、顔をのぞき込まれた。
距離もすごく近い。一気にカッと首から上が熱くなる。
「な、凪由斗」
「あざとい事してんじゃねぇよ、アホの暁歩のくせに」
「えっ」
「特に他の奴にするな。ぶん殴るからな」
「ヒェッ!?」
ぶぶぶっ、ぶん殴られる!?!? てかなんでだよ!!!
そんなに不快だったってことかな。それはかなり凹むというか、腹立つんだけど。
「あと抑制剤ちゃんと飲んでんのか」
「へ?」
抑制剤なら定期的に飲んでる。そういえばもうすぐ発情期が来る。少しキツめのを飲んでるから三日くらいに短縮出来るけど、正直かなりキツいんだよね。
薬代もバカにならないし。保険適用で全額負担じゃないだけマシなのかな。
「飲んでるなら、分量と質が合ってねぇぞ。病院行け」
「そうなの?」
「お前な」
呆れたように大きなため息吐かれた。
「自分のことだろ。抑制剤飲んでても分かるレベルだ」
「う、うそ」
ってアレ? 凪由斗ってα用の抑制剤飲まないんじゃなかったっけ。
もしかしてやっぱり飲み始めたのかな。それはそれでモラル的にはいい事だもんね。
「でもそんな事、指摘されたことないよ」
「そりゃαだっていちいち言わねぇよ。セクハラ扱いされる」
まあ確かにそれはそうだけど。
「でも君ら、最初に散々セクハラ発言してきたでしょ」
忘れてないからな、あれは。
でも顔を顰めて。
「俺は言ってねぇよ。βどもの方がそこら辺が分かんねぇから、好き勝手言いやがるんだ」
なるほど、と思った。
αやΩよりよほど数の多いβにはフェロモンというのがない。
言われてみれば、あけすけな表現とか誇張されてイメージであれこれ言ってくるのはβが多いかもしれない。
言わば、知識も理解もないからの発言なのか。
凪由斗だって、あくまでΩ男性が無理って事しか言ってないもんな。
「なんか僕、君のこと少し誤解してたかも」
「悔い改めろ」
「いや、なにその偉そうなの」
彼の物言いが面白くて笑いながらも、何故か胸の奥に小さなトゲが刺さったような――変な違和感めいた痛みがあった。
あと中高生らしきカップルからオタクっぽい人達まで、平日のこの時間に結構人がいる。
そんな中で。
「あーもうっ、無理!」
「ガキか、お前は」
悔しくて仕方ない僕とは対照的に、呆れ顔の凪由斗。
――連れてこられたのは近くのゲーセン。あまり馴染みのない場所に最初こそ唖然としてた。
なんでいきなりこんな所に、って聞いても。
『うるさい、付き合え』
って。
だから仕方なく、まずはクレーンゲームに挑戦してみたんだけど。
「ぐあぁぁぁっ、あとちょっとだったのにぃぃぃぃッ!!!」
「だからうるせぇよ」
僕ってこういうの熱くなっちゃうみたい。ギャンブルとかダメなタイプだ。
「だってこれだけやってるのに! 五千円だよ!?」
もちろん、もう辞めなきゃって思ってるんだけど。でもあとちょっとで取れそうなんだもん。
「お前、絶対にパチンコとかしたら破滅するな」
「わ、分かってるよ!」
自覚あるのと自制できるのは別物なんだなぁって。
でもだんだん取れない事がショックで少し悲しくなってきた。
なにやっても上手くいかない。自信も自己肯定感も全部ボロボロなんだけど。
「……」
「今度はしょぼくれやがって」
「だって」
人生って上手くいかないことばっかりだなぁ。
さすがに泣くことはなくてもテンションが下がりきった僕を、凪由斗はやっぱりバカにしたように鼻で笑った。
「おい、これ持ってろ」
「え?」
ジュースのペットボトルとカバンを無理やり持たされる。
「ちょ、ええっ!? 」
「いいから黙って言うこと聞け、アホの暁歩」
「ひどい!」
ほんとに偉そうで態度でかいヤツだな。
でも真剣な顔でクレーンゲームに向かってる横顔から、何故か目が離せなくなってた。
これは単純に顔が良すぎるからかもしれない。
だって中身は横柄で性格最悪な超オレ様気質男なんだもん。
「――こんなの欲しいとか、やっぱりガキだな」
「わっ!」
今度は顔に大きくて柔らかいモノを押し付けられる。
慌てて両手で受け止めると。
「こ、これ」
「なんだ。えらくアホそうなやつ」
茶色い鳥、キウイ鳥をモチーフにした巨大ぬいぐるみ (キウイフルーツの飾り有り) が腕の中にあった。
「91ちゃんっていうんだ、カワイイでしょ」
そう、これが欲しくて五千円も粘ったんだ。結局それも三百円で凪由斗が取っちゃったけど。
「お前に良く似たマヌケ面だな」
「マヌケじゃないよ、可愛いし!」
「怒るとこ、そこかよ」
また呆れられたけど構うもんか。
取ってもらった大きなぬいぐるみを抱きしめて頬ずりする。
「凪由斗、ありがとう」
「……」
「???」
あれ、なんか黙っちゃったぞ。僕、変なこと言ってないよね。なにかもらったり、親切にしてもらったらお礼言うのは当たり前だし。
それに。
「クレーンゲーム、上手なんだね。すごくカッコよかった!」
横で、うっかり取る瞬間を見逃しちゃうくらいに彼ばかり見てた。
さすがαっていうのかな。いや、違うよね。凪由斗が特別カッコよく見えたんだ。
――クレーンゲームってすごい!!!
「そうかよ」
ふいっと目線を逸らされる。
怒ったのかと思ったけど、多分そうじゃない気がする。なんでそう思うのかって聞かれたら困るけど、なんとなく。
「ンなもん、礼を言われる事でもねぇし」
「そういうわけにはいかないよ! なんかお礼したいんだけど……」
と言ったものの、思いつかないなぁ。頭を悩ませていると。
「じゃあ日曜の昼。時間空けとけ」
「日曜? うん、いいよ」
バイトは夕方から夜だし、昼間なら大丈夫だな。
「あとLINE教えろ」
「え?」
「早くしろ、アホの暁歩」
「その呼び方辞めてってば。いいけど、ちょっと待って」
僕らはお互いにスマホを出して連絡先交換をした。
「これでいつでもお前を呼び出せるな」
「う、パシリさせられそう」
また自販機まで走らされたら困る。
「今度はコンビニでパン買ってこさせるか」
「いや、昔のヤンキーじゃないんだから」
それにまた変なウワサ立てられたら嫌だし。
そこで奈々の事を思い出して、また心が沈み始めた。
「どうした」
「いや……別に」
慌てて笑顔を作ったけど駄目だったかも。
「アホの暁歩のくせに、俺に隠し事する気か」
「だからアホじゃな――うわっ!?」
また首根っこ掴まれてた。
「だからやめてってば! ぐふっ、苦し……っ」
「こっち来い。喉乾いた」
「えぇっ!?」
なんでそんなに強引なんだよ。こっちはペットとか人形とかじゃないっていうのに!
またしてもズルズル引きずられるように連れてこられたのは、ゲーセン内の自販機。
「なに飲める」
「え?」
「これだな」
「えっ? えっ? ……うっわ!? あっつぃ!!!」
手渡されたのは、熱々の缶の味噌汁。
いや、味噌汁って。普通に不意打ちすぎて熱いし、それになんで味噌汁!?
「飲め」
「え、えぇ……?」
「俺の好物だ、飲め」
知らないよ、そんなこと。ていうか、まだまだ冬には遠いのに熱い味噌汁って。
でもなんか彼が圧かけてくるもんだから、仕方なく缶をあけて口をつけた。
「どうだ」
「おいしい……うん。おいしいね、これ」
思えば自販機で売ってる味噌汁って飲んだことないかも。
そもそも売ってるところ初めて見たし。でも違和感は最初の一口だけで、あとは結構おいしい。
なによりさっきカフェで甘いもの食べたからか、塩分が程よくて。
「年中これがあるのは、ここだけだ」
なんて何故か自慢げにしてる凪由斗をよそに、僕は缶の味噌汁を飲み干していた。
「でも喉乾いたんでしょ、って凪由斗はコーヒーなんだね」
「俺はコーヒーの気分だったからな」
もしかして、自分の推しドリンク? を飲ませたかったってことだろうか。
イマイチ分かりずらいけど、これも落ち込んでそうな僕に対する親切……?
「ええっと。ありがとう」
「ふん」
鼻で笑われたけど、その顔は嬉しそうに見えなくもない。
なんだこの人、実は思ったより悪いヤツじゃないかも。
「アホなんだから悩むだけ無駄だぞ」
前言撤回。やっぱりイヤな奴だな、うん。
僕が納得してると、彼はゴミ箱に缶を投げ込み言った。
「でも俺もヒマな時くらいある」
「?」
「お前に俺の貴重な時間を割いてやっても良いって言ってんだ、マヌケ」
「なんだそれ」
優しいんだか尊大なんだか。
しかも今度はマヌケ呼ばわりされたし。
「約束忘れるなよ」
「あ、うん」
日曜日だったよね。あとでスケジュールアプリに入れとかなきゃ。
「場所と時間はあとで連絡する」
「わかったよ」
「絶対に忘れるなよ」
「忘れないってば」
「絶対だぞ」
「もう、しつこいなぁ」
すごい念押ししてくる。でも不思議とそれはムカつかなかった。
「ちゃんと行くから、ね?」
そう答えながら凪由斗の服の袖をつかんだのは正直、無意識だったんだけど。
「暁歩」
その手を握りこまれ、顔をのぞき込まれた。
距離もすごく近い。一気にカッと首から上が熱くなる。
「な、凪由斗」
「あざとい事してんじゃねぇよ、アホの暁歩のくせに」
「えっ」
「特に他の奴にするな。ぶん殴るからな」
「ヒェッ!?」
ぶぶぶっ、ぶん殴られる!?!? てかなんでだよ!!!
そんなに不快だったってことかな。それはかなり凹むというか、腹立つんだけど。
「あと抑制剤ちゃんと飲んでんのか」
「へ?」
抑制剤なら定期的に飲んでる。そういえばもうすぐ発情期が来る。少しキツめのを飲んでるから三日くらいに短縮出来るけど、正直かなりキツいんだよね。
薬代もバカにならないし。保険適用で全額負担じゃないだけマシなのかな。
「飲んでるなら、分量と質が合ってねぇぞ。病院行け」
「そうなの?」
「お前な」
呆れたように大きなため息吐かれた。
「自分のことだろ。抑制剤飲んでても分かるレベルだ」
「う、うそ」
ってアレ? 凪由斗ってα用の抑制剤飲まないんじゃなかったっけ。
もしかしてやっぱり飲み始めたのかな。それはそれでモラル的にはいい事だもんね。
「でもそんな事、指摘されたことないよ」
「そりゃαだっていちいち言わねぇよ。セクハラ扱いされる」
まあ確かにそれはそうだけど。
「でも君ら、最初に散々セクハラ発言してきたでしょ」
忘れてないからな、あれは。
でも顔を顰めて。
「俺は言ってねぇよ。βどもの方がそこら辺が分かんねぇから、好き勝手言いやがるんだ」
なるほど、と思った。
αやΩよりよほど数の多いβにはフェロモンというのがない。
言われてみれば、あけすけな表現とか誇張されてイメージであれこれ言ってくるのはβが多いかもしれない。
言わば、知識も理解もないからの発言なのか。
凪由斗だって、あくまでΩ男性が無理って事しか言ってないもんな。
「なんか僕、君のこと少し誤解してたかも」
「悔い改めろ」
「いや、なにその偉そうなの」
彼の物言いが面白くて笑いながらも、何故か胸の奥に小さなトゲが刺さったような――変な違和感めいた痛みがあった。
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