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第2章
57 えっと……私も……
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「なんて酷い……この記憶は……苦しく辛いよな」
そっと優しくソフィアを抱きしめるアルティス。
「うっうっうっっっ…………」
言葉にならず何も言えないソフィア。
「な、ソフィア。この苦しみから解放される方法が2つ有る」
「うぐうぐっ……な……何?」
「一つ、ソフィアの魂にお願いし、悲しい記憶を消してもらう。
ソフィアの魂と繋がれる俺になら出来るよ?
但し、アイリスの事も、記憶からなくなる……それでも良いなら……」
「…………もう一つは?」
「うん。アイリスも今、転生してこの国で幸せに暮らしている様だぞ?
今、アイリスが幸せだと知れば、気持ちが楽になるんじゃないか?
アイリスが、今どこで何をしているか知りたい?会ってみたい?
それともやはり全てを忘れてしまいたい?」
「……知りたい。アル君分かるのよね?幸せに暮らしてるって言う位だから」
「まあね。じゃ教えようか?心の準備は良いかな?」
「大丈夫よ」
「俺もちょっと……いや、凄くかな?驚いたんだけど……」
「じらさないで、早く教えてよ」
「前に言った事、覚えてるかな?」
「何?」
「2人の魂はとてもよく似てる。波動もそっくり。不思議だね?って……」
「あ、あ……ま、まさか!うぐうぐっ……あ……フィ……フィオナなの?」
「驚きでしょ?だから2人はこんなに仲良いんだね」
「う……嬉しい!凄く嬉しい!フィオナがアイリスの生まれ変わりだったなんて……
やだ!なんか嫌な気分が、一瞬で全部どっか飛んでっちゃった!」
「そりゃ良かった」
「どうしよう?次にフィオナに会った時、アイリスになんて言ったら良い?」
「さあ?言っても言わなくてもどっちでも良いんじゃない?
ソフィアのしたい様にしなよ」
「悪夢の事、何だったのって、絶対聞かれるよね?」
「それはそれは心配してたからね」
「あ~なんか早くフィオナの顔が見たくなっちゃった!」
「じゃあ、そろそろ夢から覚めて、現実に戻りますか~?」
「どうしたら戻れるの?」
「簡単。俺は自分の意思でソフィアの夢の中に来たからね。自分の意思で先に戻るよ。
それで俺が目覚めたら、現実で、ソフィアに声を掛けるから……
現実でのソフィアの身体は、解毒出来てるし、その心も晴れたなら、
俺の呼ぶ声が必ず聞こえるはずだから、その声の方においで。それだけ」
「うん分かったわ」
「そんじゃ、後でね」
「アル君……ちょっと待って……ここは夢の中なのよね?」
「そうだけど?何?」
静かに顔を近づけそっとアルティスのくちびるにキスをするフィオナ。
「……夢だから……良いよね?」
「あ、あれ?アルの目がぐるぐる回ってない?大丈夫かしら?」
「ブハ~~!!びっくりした~~」
「あ、起きた。何が〝びっくりした~〝なの?」
「にゃ……にゃんでもにゃい……ソフィアに声をかけにぇば!
もう起きるはずにゃ」
夢の中の事とは分かっていても、焦りまくるアルティス。
目が泳ぎ、猫になっていた。
「さて、皆さん。これを見て下さい。これは悪夢虫と言う虫です。
この中に誰か……いえ、複数の方かも知れませんが、
俺が今、何を言いたいのか分かる人がいますよね?
俺の能力で簡単に調べは付くのですが、
ソフィアから、それは必要無いと言われていますので止めておきます。
ただ、これだけは覚えておいて下さい。
一つ間違えれば死人が出たかもしれないという事を。
そしてもう一つ。まさかと思いますが……
これは、悪魔を崇拝する闇の教団の禁術…………
うん、大丈夫そうですね。
〝古い本で見つけて、真似しただけなの……〝
そう言う声が聞こえました。良いでしょう。その本は直ぐに燃やして下さいね」
〝ザワザワザワザワザワザワ……〝
教会の大聖堂で、教会の人々に集まってもらい、アルティスが話をしていた。
アルティスが神の子であると言うことは、国中に認知されている。
ましてや神を崇める教会では、アルティスの言葉は、絶対の意味を持っている。
〝ミリア姉さん、今だよ~~〝
教会の神を模したステンドグラスから光が漏れる。
静かにゆらゆらと、ソフィアの元に光が降りてくる。
「愛すべき我が子に、これを授けましょう」
いつの間にかソフィアの手に、美しく光るロッドが握られていた。
これで、ソフィアが聖女である事を疑う者はいなくなるはずだ。
「……私だって聖女だって、アル言ってたのに……」
羨ましそうにソフィアを見つめるフィオナ。
「フィナ、お前の手にしているのは何?」
「……うわ!私もロッド握ってた~~!!」
(ミリア姉様……ありがとう……大切にします)
「声が大きいんだけど?フィオナ?」
「あっ、ごめんソフィア姉さん」
「姉さんは止めてって言ったじゃない?同い年なんだし気持ち悪いよ?」
「ひ、酷っ!おっぱい少女」
「羨ましいのかな~~」
以前に増して仲が良くなった2人。前世の話を伝えた様だ。
「ほら、しょうもない事言ってないで、皆んなにロッド見せてあげなよ。
皆んな興味深々って顔で見てるよ?」
「ね、持ってみる?」
「せ、聖女様。宜しいのですか?」
「やだ~前みたいにソフィアって呼んでよ。敬語も無し!」
「う、うん!綺麗~ 私もロッド欲し~」
「そのロッドはさ……女神から貰った本人しか使えない様になってんだよ。
それが、神から授かった証拠なんだ。
良かったら皆んなには俺がロッドを作ってプレゼントするよ。
ソフィア、誰と誰が欲しいのか聞いといてな」
「ハーイ!ハーイ!私欲しい」
「フィナはさっき、女神のロッド貰ったろ?」
「え~やだ。アルのロッドも欲しい」
「えっと……私も……」
「あのな~この姉妹は……」
〝聖女の件は俺に任せて?〝そう言っていたアルティス。
ミリアも巻き込んで、こうする事を考えていたんだね。
そっと優しくソフィアを抱きしめるアルティス。
「うっうっうっっっ…………」
言葉にならず何も言えないソフィア。
「な、ソフィア。この苦しみから解放される方法が2つ有る」
「うぐうぐっ……な……何?」
「一つ、ソフィアの魂にお願いし、悲しい記憶を消してもらう。
ソフィアの魂と繋がれる俺になら出来るよ?
但し、アイリスの事も、記憶からなくなる……それでも良いなら……」
「…………もう一つは?」
「うん。アイリスも今、転生してこの国で幸せに暮らしている様だぞ?
今、アイリスが幸せだと知れば、気持ちが楽になるんじゃないか?
アイリスが、今どこで何をしているか知りたい?会ってみたい?
それともやはり全てを忘れてしまいたい?」
「……知りたい。アル君分かるのよね?幸せに暮らしてるって言う位だから」
「まあね。じゃ教えようか?心の準備は良いかな?」
「大丈夫よ」
「俺もちょっと……いや、凄くかな?驚いたんだけど……」
「じらさないで、早く教えてよ」
「前に言った事、覚えてるかな?」
「何?」
「2人の魂はとてもよく似てる。波動もそっくり。不思議だね?って……」
「あ、あ……ま、まさか!うぐうぐっ……あ……フィ……フィオナなの?」
「驚きでしょ?だから2人はこんなに仲良いんだね」
「う……嬉しい!凄く嬉しい!フィオナがアイリスの生まれ変わりだったなんて……
やだ!なんか嫌な気分が、一瞬で全部どっか飛んでっちゃった!」
「そりゃ良かった」
「どうしよう?次にフィオナに会った時、アイリスになんて言ったら良い?」
「さあ?言っても言わなくてもどっちでも良いんじゃない?
ソフィアのしたい様にしなよ」
「悪夢の事、何だったのって、絶対聞かれるよね?」
「それはそれは心配してたからね」
「あ~なんか早くフィオナの顔が見たくなっちゃった!」
「じゃあ、そろそろ夢から覚めて、現実に戻りますか~?」
「どうしたら戻れるの?」
「簡単。俺は自分の意思でソフィアの夢の中に来たからね。自分の意思で先に戻るよ。
それで俺が目覚めたら、現実で、ソフィアに声を掛けるから……
現実でのソフィアの身体は、解毒出来てるし、その心も晴れたなら、
俺の呼ぶ声が必ず聞こえるはずだから、その声の方においで。それだけ」
「うん分かったわ」
「そんじゃ、後でね」
「アル君……ちょっと待って……ここは夢の中なのよね?」
「そうだけど?何?」
静かに顔を近づけそっとアルティスのくちびるにキスをするフィオナ。
「……夢だから……良いよね?」
「あ、あれ?アルの目がぐるぐる回ってない?大丈夫かしら?」
「ブハ~~!!びっくりした~~」
「あ、起きた。何が〝びっくりした~〝なの?」
「にゃ……にゃんでもにゃい……ソフィアに声をかけにぇば!
もう起きるはずにゃ」
夢の中の事とは分かっていても、焦りまくるアルティス。
目が泳ぎ、猫になっていた。
「さて、皆さん。これを見て下さい。これは悪夢虫と言う虫です。
この中に誰か……いえ、複数の方かも知れませんが、
俺が今、何を言いたいのか分かる人がいますよね?
俺の能力で簡単に調べは付くのですが、
ソフィアから、それは必要無いと言われていますので止めておきます。
ただ、これだけは覚えておいて下さい。
一つ間違えれば死人が出たかもしれないという事を。
そしてもう一つ。まさかと思いますが……
これは、悪魔を崇拝する闇の教団の禁術…………
うん、大丈夫そうですね。
〝古い本で見つけて、真似しただけなの……〝
そう言う声が聞こえました。良いでしょう。その本は直ぐに燃やして下さいね」
〝ザワザワザワザワザワザワ……〝
教会の大聖堂で、教会の人々に集まってもらい、アルティスが話をしていた。
アルティスが神の子であると言うことは、国中に認知されている。
ましてや神を崇める教会では、アルティスの言葉は、絶対の意味を持っている。
〝ミリア姉さん、今だよ~~〝
教会の神を模したステンドグラスから光が漏れる。
静かにゆらゆらと、ソフィアの元に光が降りてくる。
「愛すべき我が子に、これを授けましょう」
いつの間にかソフィアの手に、美しく光るロッドが握られていた。
これで、ソフィアが聖女である事を疑う者はいなくなるはずだ。
「……私だって聖女だって、アル言ってたのに……」
羨ましそうにソフィアを見つめるフィオナ。
「フィナ、お前の手にしているのは何?」
「……うわ!私もロッド握ってた~~!!」
(ミリア姉様……ありがとう……大切にします)
「声が大きいんだけど?フィオナ?」
「あっ、ごめんソフィア姉さん」
「姉さんは止めてって言ったじゃない?同い年なんだし気持ち悪いよ?」
「ひ、酷っ!おっぱい少女」
「羨ましいのかな~~」
以前に増して仲が良くなった2人。前世の話を伝えた様だ。
「ほら、しょうもない事言ってないで、皆んなにロッド見せてあげなよ。
皆んな興味深々って顔で見てるよ?」
「ね、持ってみる?」
「せ、聖女様。宜しいのですか?」
「やだ~前みたいにソフィアって呼んでよ。敬語も無し!」
「う、うん!綺麗~ 私もロッド欲し~」
「そのロッドはさ……女神から貰った本人しか使えない様になってんだよ。
それが、神から授かった証拠なんだ。
良かったら皆んなには俺がロッドを作ってプレゼントするよ。
ソフィア、誰と誰が欲しいのか聞いといてな」
「ハーイ!ハーイ!私欲しい」
「フィナはさっき、女神のロッド貰ったろ?」
「え~やだ。アルのロッドも欲しい」
「えっと……私も……」
「あのな~この姉妹は……」
〝聖女の件は俺に任せて?〝そう言っていたアルティス。
ミリアも巻き込んで、こうする事を考えていたんだね。
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