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第2章
49 当たると良いねロト6
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〝ギ……ギギギギィ~〝少し錆びついた扉をカインが開け、中に入る2人。そこには、2m近い身長で、筋肉隆々の何かが立ち塞がっていた。目が怪しく赤く光っている。
「何と何と。驚かせるではないか?先程開いたばかりのダンジョンだぞ?
こうも早く、ここに辿り着ける者がおるとは。転移魔法か何かでも使ったのか?
だが、我が軍団の四天王……そして、その配下の者はそう簡単にはいかんぞ?
どの様にして、ここに辿り着いたのかは解らんが、気配を察知してすぐに奴らがやって来る」
〝カコ~ン、カコ~ン〝退屈そうに地面を蹴りながら、律儀に四天王とその配下を待つアルティス。
「……………………だ~れも来ないね?」
「そんなバカな……何故じゃ?」
「何故かな~?」
「クッフフフ……アスタロトさん、四天王とやらの貴方の配下は、我が君が既に滅ぼしておりますよ?」
「え?さっきやっつけたのがそれ?あの中に四天王とか言うのも、居たって事?」
「見ていた訳ではありませんが、たぶんそう言う事ではないでしょうか?」
「な、何だと! き、貴様……い、いや……あ、あれ?貴方様はバアル・ゼブル殿?
随分雰囲気が変わっておられて……何やら遥かに力も増している様ですが……」
「バアル・ゼブル?そんなふうに呼ばれていた時もありましたね」
「な、何故貴方がここに?そしてこの少年は?」
「私は、ここの居られるアルティス様の忠実な僕。貴方が力が増していると言った私の今の力も、我が君より授かったものですよ?
貴方もどうやら私と同じく、大昔に大賢者に封印されていたとみえる」
「えっこの人も、じい……いや、あの大賢者に封印されてたの?」
「あの……アルティス様?もしや大賢者を、ご存知なのですか?」
「多分ね?人族と魔族を、何千年にも渡って隔てていた結界。大掛かりな転移装置。
上位の悪魔……君達を封印する力。どれをとっても人には無理でしょ?
あの肖像画、笑っちゃう位、じいちゃんそっくりだもん」
「じいちゃん……大賢者は創造神様だったと?」
「だね~~」
「それでしたら、私共に抗える訳がありませんでしたね」
「バアル殿……今の話……その方は創造神の孫なので?」
「はい。そうなりますね?私にとっては神そのものなのですが……
あと私の事はカイルと……我が君につけて頂いた名です」
「それで貴方は、それ程迄の力を得たのですね……理解しました。
それにしても、今のバアル殿は、とても良い顔をされておる。
充実された日々を、送られているのが、良く分かります。何とも羨ましい……」
「アスタロトさん、貴方も望んでみませんか?充実した日々を?」
「わ、私が?ま、誠ですか?バアル……いや、カイン殿……」
「アルティス様にお願いしてみてはいかがですか?」
「……アルティス様……なにとぞ我にも名を……是非に……貴方様の配下の末席に私を、お加え下さい……」
「え?……あ、あの~でも、俺、さっき、君の配下の軍団やっつけちゃったけど良いの?恨んでない?」
「是非に。私からもお願い致します。このアスタロトは、必ずや我が君の力になるかと」
アルティスの圧倒的な神聖力を肌で理解した〝アスタロト〝は、争うどころか、アルティスの下につく事を望んだ。
そしてアルティスによって名を貰い〝ロト6〝という名に変わるのだった。
名付けとは?これで良いのか?アルティスよ。 でも当たると良いねロト6。
「それでは何か?あの穴は20層ものダンジョンになっておって、
大賢者様によって、王城の地中深くに封印されていた、序列第3位の悪魔が復活しており、
あの地震もそ奴が原因だったと?
そして既に、そこをたった2人で、難なく制圧して、尚、その上位悪魔を眷属にしてきたよ、テヘペロって事か」
「上手いなリヴァルド父さん。その通り、テヘペロッ」
「貴族の中には、アルティスに自重しろという者も少なくない。
〝自重?アルティスのやった事の何に?どの事に自重する必要が有ったと言うのだ?
アルティスがやりたい様にやってきたおかげで、
今の我が国が、安泰でいられるのではないか!この馬鹿者が~〝
って言ってたばかりなんだがな?
また奴らに言われるな……うん、言われる」
「何かまずかった?」
「いや良いのだ。お前は正しい。奴らはただ単にお前が目障りなんだよ。
出る杭は……ってやつだな? ただ、奴らの相手をするのがめんどくさくてな……
それとな、親としては、大丈夫だと分かっていても、猪突猛進のお前の身が心配になるんだよ」
「うん、心配してくれてありがと。リヴァルド父さん。
でも大丈夫!これからも無事に父さんの元に帰ってくると約束するよ」
「……そうか……うん……うん…… 分かった…………
アルティス!よくやった!大義であった!」
「うん!」
物凄くいい笑顔でアルティスは笑った。どこから見ても仲の良い普通の親子だ。
バカ親……じゃなかった……親バカだけどね?リヴァルドは。
「何と何と。驚かせるではないか?先程開いたばかりのダンジョンだぞ?
こうも早く、ここに辿り着ける者がおるとは。転移魔法か何かでも使ったのか?
だが、我が軍団の四天王……そして、その配下の者はそう簡単にはいかんぞ?
どの様にして、ここに辿り着いたのかは解らんが、気配を察知してすぐに奴らがやって来る」
〝カコ~ン、カコ~ン〝退屈そうに地面を蹴りながら、律儀に四天王とその配下を待つアルティス。
「……………………だ~れも来ないね?」
「そんなバカな……何故じゃ?」
「何故かな~?」
「クッフフフ……アスタロトさん、四天王とやらの貴方の配下は、我が君が既に滅ぼしておりますよ?」
「え?さっきやっつけたのがそれ?あの中に四天王とか言うのも、居たって事?」
「見ていた訳ではありませんが、たぶんそう言う事ではないでしょうか?」
「な、何だと! き、貴様……い、いや……あ、あれ?貴方様はバアル・ゼブル殿?
随分雰囲気が変わっておられて……何やら遥かに力も増している様ですが……」
「バアル・ゼブル?そんなふうに呼ばれていた時もありましたね」
「な、何故貴方がここに?そしてこの少年は?」
「私は、ここの居られるアルティス様の忠実な僕。貴方が力が増していると言った私の今の力も、我が君より授かったものですよ?
貴方もどうやら私と同じく、大昔に大賢者に封印されていたとみえる」
「えっこの人も、じい……いや、あの大賢者に封印されてたの?」
「あの……アルティス様?もしや大賢者を、ご存知なのですか?」
「多分ね?人族と魔族を、何千年にも渡って隔てていた結界。大掛かりな転移装置。
上位の悪魔……君達を封印する力。どれをとっても人には無理でしょ?
あの肖像画、笑っちゃう位、じいちゃんそっくりだもん」
「じいちゃん……大賢者は創造神様だったと?」
「だね~~」
「それでしたら、私共に抗える訳がありませんでしたね」
「バアル殿……今の話……その方は創造神の孫なので?」
「はい。そうなりますね?私にとっては神そのものなのですが……
あと私の事はカイルと……我が君につけて頂いた名です」
「それで貴方は、それ程迄の力を得たのですね……理解しました。
それにしても、今のバアル殿は、とても良い顔をされておる。
充実された日々を、送られているのが、良く分かります。何とも羨ましい……」
「アスタロトさん、貴方も望んでみませんか?充実した日々を?」
「わ、私が?ま、誠ですか?バアル……いや、カイン殿……」
「アルティス様にお願いしてみてはいかがですか?」
「……アルティス様……なにとぞ我にも名を……是非に……貴方様の配下の末席に私を、お加え下さい……」
「え?……あ、あの~でも、俺、さっき、君の配下の軍団やっつけちゃったけど良いの?恨んでない?」
「是非に。私からもお願い致します。このアスタロトは、必ずや我が君の力になるかと」
アルティスの圧倒的な神聖力を肌で理解した〝アスタロト〝は、争うどころか、アルティスの下につく事を望んだ。
そしてアルティスによって名を貰い〝ロト6〝という名に変わるのだった。
名付けとは?これで良いのか?アルティスよ。 でも当たると良いねロト6。
「それでは何か?あの穴は20層ものダンジョンになっておって、
大賢者様によって、王城の地中深くに封印されていた、序列第3位の悪魔が復活しており、
あの地震もそ奴が原因だったと?
そして既に、そこをたった2人で、難なく制圧して、尚、その上位悪魔を眷属にしてきたよ、テヘペロって事か」
「上手いなリヴァルド父さん。その通り、テヘペロッ」
「貴族の中には、アルティスに自重しろという者も少なくない。
〝自重?アルティスのやった事の何に?どの事に自重する必要が有ったと言うのだ?
アルティスがやりたい様にやってきたおかげで、
今の我が国が、安泰でいられるのではないか!この馬鹿者が~〝
って言ってたばかりなんだがな?
また奴らに言われるな……うん、言われる」
「何かまずかった?」
「いや良いのだ。お前は正しい。奴らはただ単にお前が目障りなんだよ。
出る杭は……ってやつだな? ただ、奴らの相手をするのがめんどくさくてな……
それとな、親としては、大丈夫だと分かっていても、猪突猛進のお前の身が心配になるんだよ」
「うん、心配してくれてありがと。リヴァルド父さん。
でも大丈夫!これからも無事に父さんの元に帰ってくると約束するよ」
「……そうか……うん……うん…… 分かった…………
アルティス!よくやった!大義であった!」
「うん!」
物凄くいい笑顔でアルティスは笑った。どこから見ても仲の良い普通の親子だ。
バカ親……じゃなかった……親バカだけどね?リヴァルドは。
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