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第1章
44 ……お、驚き……
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「ソフィア、聖女さんが勇者を連れて、教会に戻ってるって本当?
やりたい放題我儘やってるって聞いたけど?」
「やだ、王城まで噂が? 困った人達なの……さすがに王城には戻りにくいとみえて、
教会に滞在してるんだけど、
カンターベラ国の、勇者と言われている、第2王子のパーティーを連れて、
ダブル勇者パーティーで、魔王を倒すとか息巻いて……
魔族はもう敵では無いって言っても、聞かなくて、あれが食べたいこれを持って来いと……
皆んなもう、うんざりって感じ」
「魔王を倒すとか、アルを敵に回すつもり?あの人達、終わったわね。
それにしても、カンターベラ?あそこの第2王子って勇者って呼ばれてるの?
小さい時、一度だけ会ったけど、見目はまあ良い方だけど、
金、金してて、馴れ馴れしくて、軽薄な感じ……何か気持ち悪かった印象しか無いな……」
「やだ何?金、金しててって?」
「見たまんま。ソフィア見たんでしょ?教会で」
「ううん。顔を合わせない様にしてるから、見てないな~」
「怖~い怖~いアル君連れて行ってみよか?」
フィオナがアルティスを探しに行くと、庭園の端でしゃがみ込んでいるアルティスを見つけた。
〝ミャアミャア……〝そのアルティスから子猫の声がしている。
「こんな所にいた。 ねえアル、どうしたのその子猫?」
「どっかから迷い込んで来たみたい。見てよ~こいつメッチャ可愛い。癒される~
毛がすんごく柔らかいの。モフモフってやつ~?」
「ア、アル……ど、どうしたのその顔?大丈夫?」
アルティスが振り返るとその顔には赤い斑点が沢山……
「あっ、やだそれ……プープププッ!アルもしかして貴方、猫アレルギー?」
「え~~?〝ポリポリポリ〝……ちょっと痒いかも?〝エークシ!〝くしゃみも止まらない」
「アル?貴方、よりにもよって猫アレルギー?いやだも~~ お腹痛い~~」
「そ、そんなに笑わなくても……」
「ごめん、だって~~」
「フィナお前との婚約は解消する!〝エークシ!エークシ!〝」
「………………」
「隠れて陰湿なアルティスへの嫌がらせ。しらを切っても……〝エークシ!エークシ!〝」
「何よそれ~?失敗した残念目玉焼きみたいな涙目で言う~?」
「泣いてない。これは猫アレルギーで涙が止まらないだけ」
「猫アレルギーって認めるんだ? 婚約解消なんて出来ないくせに」
「できます~ で~き~ま~す~~」
「………………」
「で、なんか用?」
「ガクッ、婚約解消ごっこは、もう終わり?」
「乙女ゲーム?とかで流行ってるんだってユッフィーが言ってた。〝ざまあ〝すると気が晴れるんだってよ?」
「それな?変なこと覚えなくて宜しい!顔に薬塗ってからで良いから、
部屋に来て。ちょっと話があるの」
「フィナ、子猫抱っこしてて。ヒールで自分直しちゃうから」
「じゃあ、この子預けてくるからアルは部屋で待ってて」
どうやってざまあしてやろうかと思案を巡らせるアルティスだったが、この後すぐ忘れて、〝ざまあ〝不発だったらしい。
「ソフィアから聞いたんだけど…………」
フィオナの話を聞くアルティス。
「マジか?あのバカ勇者達。今は魔族との融和を推し進めているってのに、
何を的外れなこと言ってんだ?今の世の中の情勢を全く知らないって事?」
「遊んでばかりいて何も分かっていないんでしょうね?
更に厄介な事に今度は、カンターベラ国の勇者と言われている第2王子が一緒みたいなの。
国際問題にならないかと少し心配なのよ」
「でも何で教会にいるんだ?」
「本来なら王城に来るのが普通だと思うけど、来にくいんじゃ無いかしら?聖女のアイナさんが大きな顔をして教会に戻って来たらしいの」
「教会も良い迷惑だな。それにしても聖女?あの子、聖女じゃ無いよ?
あんなのに神が加護を与えるわけないじゃん。じいちゃん達の目は確かだよ。
あいつら偽の枢機卿が選んだだけでしょ?勇者や、他のパーティーメンバーも一緒。
そいつらに、たかられて迷惑被る国民がこれ以上出ない様に、
一回きっちり白黒付けて王国全体に知らしめた方が良さそうだね」
「うんそうね。良い機会かもね?」
「だいたい、神……生命神の女神ミリア姉さんが、聖女の加護を与えたのはソフィア。
それと……フィナ」
「そうよね~私も前からソフィアが聖女なんじゃないかな~って……
ん?今なんて?」
「聖女の加護を持っているのはソフィア。それと……フィナ」
「わ!私~~!!なんで?」
「2人とも小さい頃から聖魔法が使えて、あんな偽聖女の何十倍もの魔力を持っているんだから、疑いの余地はないでしょ?」
「聖女って1人なんじゃないの?」
「そんな事ないよ。2人共紛れもなく聖女の加護を貰ってるよ?
そう言えば2人の魂はとてもよく似てるな。波動もそっくり。不思議だね?」
「…………わ、私も聖女……お、驚き……」
「そこまで驚く事が驚き。ま、今はあいつら、なんとかしないとね」
「今から教会行く?」
「うん、そうだな……そうしよ。今回はどんなに怖い思いさせてやろか~~」
「アル……顔が……悪すぎる顔になってる……」
やりたい放題我儘やってるって聞いたけど?」
「やだ、王城まで噂が? 困った人達なの……さすがに王城には戻りにくいとみえて、
教会に滞在してるんだけど、
カンターベラ国の、勇者と言われている、第2王子のパーティーを連れて、
ダブル勇者パーティーで、魔王を倒すとか息巻いて……
魔族はもう敵では無いって言っても、聞かなくて、あれが食べたいこれを持って来いと……
皆んなもう、うんざりって感じ」
「魔王を倒すとか、アルを敵に回すつもり?あの人達、終わったわね。
それにしても、カンターベラ?あそこの第2王子って勇者って呼ばれてるの?
小さい時、一度だけ会ったけど、見目はまあ良い方だけど、
金、金してて、馴れ馴れしくて、軽薄な感じ……何か気持ち悪かった印象しか無いな……」
「やだ何?金、金しててって?」
「見たまんま。ソフィア見たんでしょ?教会で」
「ううん。顔を合わせない様にしてるから、見てないな~」
「怖~い怖~いアル君連れて行ってみよか?」
フィオナがアルティスを探しに行くと、庭園の端でしゃがみ込んでいるアルティスを見つけた。
〝ミャアミャア……〝そのアルティスから子猫の声がしている。
「こんな所にいた。 ねえアル、どうしたのその子猫?」
「どっかから迷い込んで来たみたい。見てよ~こいつメッチャ可愛い。癒される~
毛がすんごく柔らかいの。モフモフってやつ~?」
「ア、アル……ど、どうしたのその顔?大丈夫?」
アルティスが振り返るとその顔には赤い斑点が沢山……
「あっ、やだそれ……プープププッ!アルもしかして貴方、猫アレルギー?」
「え~~?〝ポリポリポリ〝……ちょっと痒いかも?〝エークシ!〝くしゃみも止まらない」
「アル?貴方、よりにもよって猫アレルギー?いやだも~~ お腹痛い~~」
「そ、そんなに笑わなくても……」
「ごめん、だって~~」
「フィナお前との婚約は解消する!〝エークシ!エークシ!〝」
「………………」
「隠れて陰湿なアルティスへの嫌がらせ。しらを切っても……〝エークシ!エークシ!〝」
「何よそれ~?失敗した残念目玉焼きみたいな涙目で言う~?」
「泣いてない。これは猫アレルギーで涙が止まらないだけ」
「猫アレルギーって認めるんだ? 婚約解消なんて出来ないくせに」
「できます~ で~き~ま~す~~」
「………………」
「で、なんか用?」
「ガクッ、婚約解消ごっこは、もう終わり?」
「乙女ゲーム?とかで流行ってるんだってユッフィーが言ってた。〝ざまあ〝すると気が晴れるんだってよ?」
「それな?変なこと覚えなくて宜しい!顔に薬塗ってからで良いから、
部屋に来て。ちょっと話があるの」
「フィナ、子猫抱っこしてて。ヒールで自分直しちゃうから」
「じゃあ、この子預けてくるからアルは部屋で待ってて」
どうやってざまあしてやろうかと思案を巡らせるアルティスだったが、この後すぐ忘れて、〝ざまあ〝不発だったらしい。
「ソフィアから聞いたんだけど…………」
フィオナの話を聞くアルティス。
「マジか?あのバカ勇者達。今は魔族との融和を推し進めているってのに、
何を的外れなこと言ってんだ?今の世の中の情勢を全く知らないって事?」
「遊んでばかりいて何も分かっていないんでしょうね?
更に厄介な事に今度は、カンターベラ国の勇者と言われている第2王子が一緒みたいなの。
国際問題にならないかと少し心配なのよ」
「でも何で教会にいるんだ?」
「本来なら王城に来るのが普通だと思うけど、来にくいんじゃ無いかしら?聖女のアイナさんが大きな顔をして教会に戻って来たらしいの」
「教会も良い迷惑だな。それにしても聖女?あの子、聖女じゃ無いよ?
あんなのに神が加護を与えるわけないじゃん。じいちゃん達の目は確かだよ。
あいつら偽の枢機卿が選んだだけでしょ?勇者や、他のパーティーメンバーも一緒。
そいつらに、たかられて迷惑被る国民がこれ以上出ない様に、
一回きっちり白黒付けて王国全体に知らしめた方が良さそうだね」
「うんそうね。良い機会かもね?」
「だいたい、神……生命神の女神ミリア姉さんが、聖女の加護を与えたのはソフィア。
それと……フィナ」
「そうよね~私も前からソフィアが聖女なんじゃないかな~って……
ん?今なんて?」
「聖女の加護を持っているのはソフィア。それと……フィナ」
「わ!私~~!!なんで?」
「2人とも小さい頃から聖魔法が使えて、あんな偽聖女の何十倍もの魔力を持っているんだから、疑いの余地はないでしょ?」
「聖女って1人なんじゃないの?」
「そんな事ないよ。2人共紛れもなく聖女の加護を貰ってるよ?
そう言えば2人の魂はとてもよく似てるな。波動もそっくり。不思議だね?」
「…………わ、私も聖女……お、驚き……」
「そこまで驚く事が驚き。ま、今はあいつら、なんとかしないとね」
「今から教会行く?」
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