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第1章
22 剣神?
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「うん?お前達だって出来るよ? やってみる?」
顔を左右に振り、お互いの顔を見合う生徒達。コクコクと頷く。
「お前達。結構いい感じでマナを持ってるよ?まずはそれを見える様に……」
フィオナにした様に、みんなを指導する。
「打って~~!!!」
〝ドンドン!ドドドドドドドド~~ン!!!〝
一斉に放たれ、大小有れど、爆発が起きる。
「「「「「「「「おお~~~~~~!!!」」」」」」」」
皆んな顔を輝かせながら、大きな歓声を上げていた。
「な?簡単だろ?」
「なんか横から見てたら、催眠術をかけてるみたいね?」
「お?鋭いなフィナ。出来るって思わないとなかなか難しいから、
暗示にかける様な感じでやってるんだよ」
「す……凄い……」
「何言ってるの先生?先生のマナは、こんなもんじゃ無いよ?
生徒と同じ様にやってみて?きっと凄い魔法打てるよ?
但し、今やった様に、詠唱もポーズも、本来は必要無いから止めてね?」
クスッと笑いながらアルティスは言う。
「でも、それで魔法が、イメージしやすいなら、最初はそれで良いのかもね?
徐々に、詠唱やポーズ無しで、
イメージ出来る様にしていけば、それでも良いと思うよ。
詠唱やポーズを、全否定するわけじゃ無いから」
そうは言うものの、先程のポーズを思い出すと、肩を振るわせるアルティスだった。
口を風船の様に膨らまし、顔を真っ赤にして、肩を振るわせるアルティス。
笑つてはいけないと、思えば思うほど、お腹の震えを抑えられない。
「おい!君達。授業に集中出来ないから、花火で遊ぶんなら、防音障壁でも張って貰えないかな?」
突然背後から声が掛かる。
白髭で、相当に鍛えぬかれているだろう、無駄のない身体をした、
50歳近い男性が、立っていた。
剣術の達人で、ひとから剣神様と呼ばれている、騎士科を治める剣士だった。
「あっ!あっちで演劇の練習してた人達だ!なんかめちゃカッコ良かったよ!」
「えん?……演劇の練習だと~!」
「えっ?何……何?」
揶揄って言っている訳では無い。本当にそう思ったアルティスだった。
フィオナは、少し前のアルティスとの会話を思い出す。
「第3の奥義!天空の雷!ウォリャー!」
「おお、カッケ~ あれ演劇の練習だよな~?そんなのも、やるんだな~」
「は~?演劇?何言ってるのよ、剣の訓練に決まってるでしょ?」
「またまたまた~ 嘘っしょ? フィナってば揶揄うのが上手いんだから~」
「は~~……」
ため息を吐くフィオナ。
「えっと……剣の練習?」
「当たり前だ!あれが何に見えると言うんだ」
顔を真っ赤にして怒る剣士。
「演劇? えっ?でも……何とかの奥義。何とか何とかって叫んでたよ?」
「第3の奥義!天空の雷!だ!」
剣士の後ろで生徒が叫んだ。
「でも本当の戦いで、あんな風に動き止めないよね?普通」
「あれは、決め技を打つ為に、気を練って纏っているんだ!そんな事も分からないのか!」
「いやいやいや……しかも〝天空の雷!〝って、上からの攻撃が来そうだなって……分かっちゃうじゃん……
次の動きを、わざわざ敵に予告してどうするの?」
「あれが剣神様である、先生の流儀なんだよ!」
「えっ?剣神? 剣神は神界にいるけど……ここにも?」
「神界?何を訳の分からない事、言ってるんだお前?」
「あ……いや、ま、それは良いとして。実戦であんな事しないよね?絶対?
魔族相手に、それしたら瞬殺されるよ?」
「魔族~?馬鹿かお前!魔族とか相手にする時は、
何人かで打ち込み、その隙に数人で気を練り、一斉に攻撃すんだろ!」
「いやそれ……1対多数って都合良すぎる設定だと思うが?」
「魔族相手なら、当たり前の戦い方だろ!」
「そう都合の良い戦いばかりじゃないけどな……そもそも人だって、魔族と対等に戦えるぞ?
実際、俺は大勢の魔族に1人で勝ってるぞ……」
「お前こそ何都合の良い、嘘ついてんだよ!
お前だろ?魔族軍を1人で壊滅させたとか、ホラ吹いてるの……
お前が1人で魔族軍を倒したなんて、俺たち誰も信じちゃいないんだよ!」
「私は目の前で、それを目撃したんだけど……私も嘘つきだと?そう言うのかしら?」
「いや姫……で、でも…… 大体こいつ……そんなに強そうには見えない……んですけど?」
「俺ってそんなに弱そうに見える?フィナ?」
「は~っっ…… この子達より、遥かに貴方の方が強そうよ?見た目もね」
〝コクコク〝頭を縦に振る、魔法科の生徒達……同意らしい。
「何なら貴方。アルティスと手合わせしてみたら如何?」
「俺は騎士科の首席ですよ………………まあ良い。相手してやりますよ」
剣神の先生も頷いて、許可を出している様だ。お互いに木剣を構える2人。
「始め!」
開始の合図と共に、切り掛かる首席の少年カーマイル。かなりのスピードだ。
〝カンカンカン!キンキン!〝
お互いの剣が交わる。
歯を食いしばりながら、必死の形相で、剣を振るうカーマイル。
一方アルティスは、無表情でその剣に合わせる。
〝ズシャ!〝下から斜めにアルティスが剣を振ると、カーマイルが5メートルほど吹き飛んだ。
何とか立ち上がるが、息は絶え絶えだ。
「剣筋とか、すごく良いよ?しっかり修行を重ねているのがよく分かる」
アルティスの方は、息切れもせず、飄々と話す。
「ハアハアハア……くそっ! 第3の奥義……」
そう言うや否や……
〝スコーン!〝
一瞬で後ろに回ったアルティスに頭を小突かれた。
顔を左右に振り、お互いの顔を見合う生徒達。コクコクと頷く。
「お前達。結構いい感じでマナを持ってるよ?まずはそれを見える様に……」
フィオナにした様に、みんなを指導する。
「打って~~!!!」
〝ドンドン!ドドドドドドドド~~ン!!!〝
一斉に放たれ、大小有れど、爆発が起きる。
「「「「「「「「おお~~~~~~!!!」」」」」」」」
皆んな顔を輝かせながら、大きな歓声を上げていた。
「な?簡単だろ?」
「なんか横から見てたら、催眠術をかけてるみたいね?」
「お?鋭いなフィナ。出来るって思わないとなかなか難しいから、
暗示にかける様な感じでやってるんだよ」
「す……凄い……」
「何言ってるの先生?先生のマナは、こんなもんじゃ無いよ?
生徒と同じ様にやってみて?きっと凄い魔法打てるよ?
但し、今やった様に、詠唱もポーズも、本来は必要無いから止めてね?」
クスッと笑いながらアルティスは言う。
「でも、それで魔法が、イメージしやすいなら、最初はそれで良いのかもね?
徐々に、詠唱やポーズ無しで、
イメージ出来る様にしていけば、それでも良いと思うよ。
詠唱やポーズを、全否定するわけじゃ無いから」
そうは言うものの、先程のポーズを思い出すと、肩を振るわせるアルティスだった。
口を風船の様に膨らまし、顔を真っ赤にして、肩を振るわせるアルティス。
笑つてはいけないと、思えば思うほど、お腹の震えを抑えられない。
「おい!君達。授業に集中出来ないから、花火で遊ぶんなら、防音障壁でも張って貰えないかな?」
突然背後から声が掛かる。
白髭で、相当に鍛えぬかれているだろう、無駄のない身体をした、
50歳近い男性が、立っていた。
剣術の達人で、ひとから剣神様と呼ばれている、騎士科を治める剣士だった。
「あっ!あっちで演劇の練習してた人達だ!なんかめちゃカッコ良かったよ!」
「えん?……演劇の練習だと~!」
「えっ?何……何?」
揶揄って言っている訳では無い。本当にそう思ったアルティスだった。
フィオナは、少し前のアルティスとの会話を思い出す。
「第3の奥義!天空の雷!ウォリャー!」
「おお、カッケ~ あれ演劇の練習だよな~?そんなのも、やるんだな~」
「は~?演劇?何言ってるのよ、剣の訓練に決まってるでしょ?」
「またまたまた~ 嘘っしょ? フィナってば揶揄うのが上手いんだから~」
「は~~……」
ため息を吐くフィオナ。
「えっと……剣の練習?」
「当たり前だ!あれが何に見えると言うんだ」
顔を真っ赤にして怒る剣士。
「演劇? えっ?でも……何とかの奥義。何とか何とかって叫んでたよ?」
「第3の奥義!天空の雷!だ!」
剣士の後ろで生徒が叫んだ。
「でも本当の戦いで、あんな風に動き止めないよね?普通」
「あれは、決め技を打つ為に、気を練って纏っているんだ!そんな事も分からないのか!」
「いやいやいや……しかも〝天空の雷!〝って、上からの攻撃が来そうだなって……分かっちゃうじゃん……
次の動きを、わざわざ敵に予告してどうするの?」
「あれが剣神様である、先生の流儀なんだよ!」
「えっ?剣神? 剣神は神界にいるけど……ここにも?」
「神界?何を訳の分からない事、言ってるんだお前?」
「あ……いや、ま、それは良いとして。実戦であんな事しないよね?絶対?
魔族相手に、それしたら瞬殺されるよ?」
「魔族~?馬鹿かお前!魔族とか相手にする時は、
何人かで打ち込み、その隙に数人で気を練り、一斉に攻撃すんだろ!」
「いやそれ……1対多数って都合良すぎる設定だと思うが?」
「魔族相手なら、当たり前の戦い方だろ!」
「そう都合の良い戦いばかりじゃないけどな……そもそも人だって、魔族と対等に戦えるぞ?
実際、俺は大勢の魔族に1人で勝ってるぞ……」
「お前こそ何都合の良い、嘘ついてんだよ!
お前だろ?魔族軍を1人で壊滅させたとか、ホラ吹いてるの……
お前が1人で魔族軍を倒したなんて、俺たち誰も信じちゃいないんだよ!」
「私は目の前で、それを目撃したんだけど……私も嘘つきだと?そう言うのかしら?」
「いや姫……で、でも…… 大体こいつ……そんなに強そうには見えない……んですけど?」
「俺ってそんなに弱そうに見える?フィナ?」
「は~っっ…… この子達より、遥かに貴方の方が強そうよ?見た目もね」
〝コクコク〝頭を縦に振る、魔法科の生徒達……同意らしい。
「何なら貴方。アルティスと手合わせしてみたら如何?」
「俺は騎士科の首席ですよ………………まあ良い。相手してやりますよ」
剣神の先生も頷いて、許可を出している様だ。お互いに木剣を構える2人。
「始め!」
開始の合図と共に、切り掛かる首席の少年カーマイル。かなりのスピードだ。
〝カンカンカン!キンキン!〝
お互いの剣が交わる。
歯を食いしばりながら、必死の形相で、剣を振るうカーマイル。
一方アルティスは、無表情でその剣に合わせる。
〝ズシャ!〝下から斜めにアルティスが剣を振ると、カーマイルが5メートルほど吹き飛んだ。
何とか立ち上がるが、息は絶え絶えだ。
「剣筋とか、すごく良いよ?しっかり修行を重ねているのがよく分かる」
アルティスの方は、息切れもせず、飄々と話す。
「ハアハアハア……くそっ! 第3の奥義……」
そう言うや否や……
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