終わり

千夜 すう

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第一章

調査と結果

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月曜日。
今日は特にミスもせずに、仕事に打ち込めた。

それにホッとしつつ、今日は岡崎さんに会う。
前回は主任に紹介をしてもらう為に案内までしてもらったけど、今日からは1人で会いにいく。
迷子にならなかったことを安心した。
 
事務所では、この前あった興信所の人も居る。
挨拶を交わした。

興信所の人、改めて田中さんからは、潤の行動を記された報告書が入った封筒を渡された。

「金曜が出張なのは嘘だったのね。土曜日の休日出勤も」

「日曜日まで2人で過ごされていました。」


報告書は細かく、潤の行動が記されていた。

仕事帰りの金曜から日曜日まで、浮気相手と旅行をしていた。

写真まで綺麗に撮れていた。

楽しそうに話す2人

手を繋いで仲睦まじい2人

キスをしてる2人

それ以外にも色んな、決定的だとわかる写真があった。

  
 「細かく綺麗にまとめて頂きありがとうございます。昨日の今日で本当にすみません。」


「いえ、それも含めて、料金入れてます。」

まあ、確かに安い値段でもないけど、満足出来る仕事ぶりだと思う。

「証拠はこれでも十分ですけど、どうしますか?」

今の持っている証拠でも十分だと言われている。このまま、潤に婚約破棄を伝えて、勝負をするのは1つの手。

だけど、私は気になってしまった。 

潤はどれくらいの頻度で浮気相手と会っていたのか。
そして、梨花の元彼の話も気になる。
浮気相手はその人だけなのか。

「他に浮気相手がいるかどうかを調べるには、期間が欲しいです。」


1年あれば、確実に分かるらしい。

 

「1年は待てません」


なるべく、早くに決着をつけたい。

「では、1ヶ月間はどうでしょう?ある程度の情報は得られると思います。宮村潤さんの行動を調べるのと、ご友人の元彼さんの話を調べる為の料金は...」


電卓で打たれた金額よ数字は、少し躊躇ってしまう。

1ヶ月だと、それなりの料金になってしまう。仕方ないだろう。

それに今回の仕事ぶりは満足いくものであったから、お願いしようと決めた。

行動を調べる時間帯やいつから調べるか等の細かい事を決めてから、田中さんは事務所から去った。


「木佐さんは、この1ヶ月間はいつも通りの生活を心掛けてください。浮気をしてる事実を知られてしまうと、調べてもらってる期間中に浮気相手と会うことを控えるかも知れません。」


「分かりました」


「いつも通りは大変だと思います。それでも頑張ってください。何かあれば、私の所にご連絡下さい」


「ありがとうございます」


そのまま、今日は話し合いが終わりかなって、帰りの支度の準備をする。

テーブルに置いた報告書や写真を一つにまとめていると岡崎さんが1枚の写真を手に取った。

どうしたのだろうとか視線を向ける


「すみません。この女性の方がどこかで会ったような気がして....」


「知ってる人ですか?」


私の問いに少し考える素振りをして答えた。

「誰だか、よく思い出せないので、どこかですれ違ったかも知れません」

写真を私に返して貰って、私は家に帰った。
    
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