11 / 23
悲劇の始まり
一回戦の悲劇(ミナミver.) II
しおりを挟む
「ちょっと待って!ミナミ!」
「どうしたの?なんかすごいことがあったの?」
冗談っぽく聞いてみた。
「コウがやらかしたらしいわ…」
「何を?」
「相手に酷い傷を負わせたそうよ。正直な話助かるか微妙なところらしいわ…私も少しだけ見たことと聞いたことだけしかしらないけど…一応言っておこうかと思って…」
「う、うそでしょ…そんなことあるわけないじゃない、は、ははは…冗談はやめてよ。」
「多分本当の話よ…残念だけど…」
コウは短い4カ月の間だけとはいえ、行動のほとんどを共に過ごしてきた仲間だ。共に練習して、共に授業をうけてきたのだ。普段からの性格からして、絶対に人殺しなんてするはずがない。
あっ、そうだ。多分、試合の直前まで一緒にいたと思うミナト君に話を聞いてみようかな。
早速エリートクラスの教室内に入る。ミナトの姿はすぐに見つかった。だが、しかし様子がおかしい。とりあえず聞きたいことを尋ねてみる。
「ねえねえ!ミナト君!コウ君が大会で何かやらかしたって本当?!アリアちゃんが、警備の人に連れていかれるのを見たって…」
「あ、ああ。そうらしいな。俺は詳しく知らないから、他のやつに聞いてくれ、ミナミ。」
ものすごく困惑あるいは落ち込んでいるように見える。ミナトには、話しかけないほうがよかったかもしれない。
さっさとミナトから離れることにしたミナミは、誰に詳細を聞こうか、教室を見回すと知ってそうなやつを一人見つけた。話しかけるのが少し憚られるが、仕方がない。
「ねえ、エミリアちゃん。 コウ君の試合見た?」
「ああ、見たわよ。あれはすごかったわね。」
「詳しく教えて!お願い!」
「そこまで頼まれると断りにくいわね。まあ、私が知ってることでよければ、教えてあげる。」
「ありがとう!」
「私が見たのはね、コウとその相手?名前は忘れたわ。とりあえず二人が戦っていて、なかなかいい勝負だったの。だから、結構会場が盛り上がっていたのよ。そして、13位のやつがしびれをきらして、最後の一撃って感じかしら。剣をコウに向けて突き出したの。確かそのときにコウも脇腹に傷を負ったのよ。でもやっぱりコウの方が強かって、それに反撃した。その一撃が相手に当たって、相手は重い傷を負ったってわけ。」
「なるほど…ありがとう。」
「どういたしまして、だけで済ませたいけど。あんたは何かするつもりなの?」
「しばらく一人で考えてみる。」
エミリアは何を?と思ったが、聞いてはいけない気がした。
「そう。」
さて、どうしようかな。私の力でコウの刑務所行きを覆せるか、と言われれば無理と答えるしかない。だが、学校の同じ生徒が抗議すれば、なんとかなるかもしれない。私はそんな甘い考えに浸っていた。
日にちが変わっても、考えは変わらなかった。
そうだ!ミナト君に聞いてみよう。何か共通することを思っているかもしれない。
「ねえ…ミナト君、コウ君どうなっちゃうんだろうね…何か私たちにできることはないかな?」
「刑務所行きだ。国の上が決めたことだ。変更の可能性性はほぼないんじゃないか?まあ、俺も何かしてやりたいとは思うが。」
「そう…だよね。刑務所行きは避けられない…かな。死刑になることはないんだよね?」
「ああ、おそらくないんじゃないか?学校内でのことだ。だが、コウ関連のことについては学校側も協力しなければならないと思うが。」
ミナトと話してみたが、頭ではわかっていても、何かしたいという気持ちは変わらない。自分の力がどれほど弱小なものかを改めて知ることになった。
「どうしたの?なんかすごいことがあったの?」
冗談っぽく聞いてみた。
「コウがやらかしたらしいわ…」
「何を?」
「相手に酷い傷を負わせたそうよ。正直な話助かるか微妙なところらしいわ…私も少しだけ見たことと聞いたことだけしかしらないけど…一応言っておこうかと思って…」
「う、うそでしょ…そんなことあるわけないじゃない、は、ははは…冗談はやめてよ。」
「多分本当の話よ…残念だけど…」
コウは短い4カ月の間だけとはいえ、行動のほとんどを共に過ごしてきた仲間だ。共に練習して、共に授業をうけてきたのだ。普段からの性格からして、絶対に人殺しなんてするはずがない。
あっ、そうだ。多分、試合の直前まで一緒にいたと思うミナト君に話を聞いてみようかな。
早速エリートクラスの教室内に入る。ミナトの姿はすぐに見つかった。だが、しかし様子がおかしい。とりあえず聞きたいことを尋ねてみる。
「ねえねえ!ミナト君!コウ君が大会で何かやらかしたって本当?!アリアちゃんが、警備の人に連れていかれるのを見たって…」
「あ、ああ。そうらしいな。俺は詳しく知らないから、他のやつに聞いてくれ、ミナミ。」
ものすごく困惑あるいは落ち込んでいるように見える。ミナトには、話しかけないほうがよかったかもしれない。
さっさとミナトから離れることにしたミナミは、誰に詳細を聞こうか、教室を見回すと知ってそうなやつを一人見つけた。話しかけるのが少し憚られるが、仕方がない。
「ねえ、エミリアちゃん。 コウ君の試合見た?」
「ああ、見たわよ。あれはすごかったわね。」
「詳しく教えて!お願い!」
「そこまで頼まれると断りにくいわね。まあ、私が知ってることでよければ、教えてあげる。」
「ありがとう!」
「私が見たのはね、コウとその相手?名前は忘れたわ。とりあえず二人が戦っていて、なかなかいい勝負だったの。だから、結構会場が盛り上がっていたのよ。そして、13位のやつがしびれをきらして、最後の一撃って感じかしら。剣をコウに向けて突き出したの。確かそのときにコウも脇腹に傷を負ったのよ。でもやっぱりコウの方が強かって、それに反撃した。その一撃が相手に当たって、相手は重い傷を負ったってわけ。」
「なるほど…ありがとう。」
「どういたしまして、だけで済ませたいけど。あんたは何かするつもりなの?」
「しばらく一人で考えてみる。」
エミリアは何を?と思ったが、聞いてはいけない気がした。
「そう。」
さて、どうしようかな。私の力でコウの刑務所行きを覆せるか、と言われれば無理と答えるしかない。だが、学校の同じ生徒が抗議すれば、なんとかなるかもしれない。私はそんな甘い考えに浸っていた。
日にちが変わっても、考えは変わらなかった。
そうだ!ミナト君に聞いてみよう。何か共通することを思っているかもしれない。
「ねえ…ミナト君、コウ君どうなっちゃうんだろうね…何か私たちにできることはないかな?」
「刑務所行きだ。国の上が決めたことだ。変更の可能性性はほぼないんじゃないか?まあ、俺も何かしてやりたいとは思うが。」
「そう…だよね。刑務所行きは避けられない…かな。死刑になることはないんだよね?」
「ああ、おそらくないんじゃないか?学校内でのことだ。だが、コウ関連のことについては学校側も協力しなければならないと思うが。」
ミナトと話してみたが、頭ではわかっていても、何かしたいという気持ちは変わらない。自分の力がどれほど弱小なものかを改めて知ることになった。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。
ファンタスティック小説家
ファンタジー
科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。
実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。
無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。
辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
クリスの物語
daichoro
ファンタジー
地底世界や海底世界、空中都市や風光都市など世界中を駆け巡る壮大なスケールで描かれる冒険物語全4部作。剣と魔法の王道ファンタジーにスピリチュアル的視点を交えた、新しいカタチの長編ファンタジーストーリー。
小学校6年生のクリスは、学校でいじめに遭い人生に何も楽しいことが見出せなかった。唯一の生きる糧は愛犬ベベの存在だった。しかし、そんなベベがある日突然死んでしまう。悲しみに暮れるクリスだったが、ベベの死をきっかけに前世の人生を垣間見ることになる。
時代は紀元前。愛する人を救うべく、薬売りの老婆から指示されるまま地底世界へと誘われた前世の自分。運命に導かれるまま守護ドラゴンや地底人との出会いを果たし、地底図書館で真実を追い求める。
しかし、情報に翻弄された挙げ句、望む結果を得られずに悲しい結末を迎えてしまう。そんな前世の記憶を思い出したのは決して偶然ではなかった。
現代に戻ったクリスは自分の置かれた運命を知り、生まれ変わったかのように元の明るい性格を取り戻した。そして周囲の対応もまったく違った対応となっていた。
そんなクリスのもとへ、地底世界で出会ったドラゴンのエランドラや地底人のクレアたちがやってくる。その目的は、闇の勢力から地球を救うため。
現在、地球は次元上昇【アセンション】の時期を迎えていて、光の惑星へと目覚めつつある。ところが、闇の勢力が何としてもそれを阻止して、消滅させてしまおうと躍起になっているという。
アセンションを成功させるには、伝説のドラゴン【超竜】のパワーを秘めるドラゴンの石【クリスタルエレメント】を入手する必要がある。そして、クリスはそのクリスタルエレメントを手に入れる資格のある『選ばれし者』だということだった。
クリスは、守護ドラゴンや仲間たちと共に海底都市や風光都市へといざなわれ、各地にちらばるクリスタルエレメントを探し求める冒険へと旅立つ。
やがて、すべてのクリスタルエレメントを手に入れたクリスたちだったが、ひょんなことから闇の勢力にそれらすべてを奪われてしまう。
そして遂に闇の勢力の本拠地へ乗り込み、最終決戦に臨むことに─────
ぜひ、お楽しみください♪
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
勇者パーティを引退したのに、勇者が連れ戻そうと追いかけ回してくるんだが
歩く、歩く。
ファンタジー
魔王との決戦で賢者ハワードは勇者カインを庇い、右腕を失った。
自分のせいだ、と責任を感じる勇者に負担をかけまいと、彼は勇者パーティを引退して旅に出たのだが。
「愛していますハワードさぁん!」
賢者大好き勇者パーティが追いかけてきて、貴方が必要なんですと、復帰するよう告白してきたではないか。
これじゃあ意味がないだろと、ハワードは逃亡を決意する。
勇者達から逃げながら、賢者は巨乳なシスターを仲間にしたり、もふもふ聖獣を従えたりと、逃亡という名のスローライフを充実させていくのであった。
レベル999ステータスMAXの43歳おっさん賢者が、チート能力を駆使してクリア後の世界を満喫する。そんな物語です。
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる