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2章<まだ未熟>れべる15になる
まだまだ未熟
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部屋が朝日で明るくなっていく。
深夜は真っ暗で何も見えなかったが、ギラギラしている部屋だった。
夢で見たのは、神官がなりたい姿であり、現実でのシュミレーションであったのだと悟った。
「あーあ、捕まっちゃった…」
神官は朝の讃美歌のため、俺を後にした。
―――やはり神官は欲に溺れた”悪いやつ”だった。
ごちゃごちゃ頭の中で考えたり眠気と戦ってぐらぐらしていたら、部屋に神官が戻ってきた。
「今日は来客があるからね、あなたの身体を売るか、体を売るか、どちらがいいでしょうね」
「え?」
一瞬脳内で処理できなかったが、俺の本能が恐怖を感じて数秒で理解ができた。
このおっさん、もしかして、えろいことだけじゃなくて、臓器売買もしているってこと?
―――めちゃくちゃ”わるいやつ”じゃん!!!!
「あ、あの」
「どうしましたか?私のいうことを聞く気にでも」
「え、えっと、あなたは私に何をお求めになっているのですか?」
「…」
「あなたは美しいですね、白い肌と黒い髪を持っている」
「え…」
社畜で引きこもり故に何処にもいかないから肌が白くて、理髪店にもいかないから流行の髪色にも染めずに、漆黒の黒い髪だとは、カラフル頭髪が一般的なこの世界ではわからないだろう。
社畜とは、早朝始発で出勤し、終電では帰れないのである。
一日というよりもほぼ2日は会社で過ごし、飲み会の帰りでもないのに朝帰りをするのだ。
しかも、定時で退勤をしたことにしなくてはならないため、給料は発生しない。そうだ、社畜とサービス残業はセットである。
自分の過去を思い出して白目をむいていると、神官の声が遠くで聞こえた。
「はっ!すいません」
「だ…だいじょうぶですか?眠いのかな?」
「あ…はい、寝てなくて」
椅子に縛り付けられている俺の周りをぐるぐると神官がゆっくりと回る。
舐めまわすような目は瞳の色こそ青く綺麗だが、その輝きが気味が悪かった。
黄色く黄ばんだ白目と、不自然にか輝く瞳。瞳の奥は濁っているではないか。
「めっちゃ見える…」
俺は、転移したせいなのか、身体能力があがっていた。魔王様のおかげとでもいえるのだろうか。
悔しいけれど、人間だった頃よりは、体もメンタルも元気になった。
「あなたは、本当に美しいですね…」
あ、やばい
神官の目をじっと見たことによって、チャームが発動してしまったようだ。
「あっ」
ねっとりと俺の足へと腕を回し、頬ずりする
「あ、ちょっやめて、」
深夜は真っ暗で何も見えなかったが、ギラギラしている部屋だった。
夢で見たのは、神官がなりたい姿であり、現実でのシュミレーションであったのだと悟った。
「あーあ、捕まっちゃった…」
神官は朝の讃美歌のため、俺を後にした。
―――やはり神官は欲に溺れた”悪いやつ”だった。
ごちゃごちゃ頭の中で考えたり眠気と戦ってぐらぐらしていたら、部屋に神官が戻ってきた。
「今日は来客があるからね、あなたの身体を売るか、体を売るか、どちらがいいでしょうね」
「え?」
一瞬脳内で処理できなかったが、俺の本能が恐怖を感じて数秒で理解ができた。
このおっさん、もしかして、えろいことだけじゃなくて、臓器売買もしているってこと?
―――めちゃくちゃ”わるいやつ”じゃん!!!!
「あ、あの」
「どうしましたか?私のいうことを聞く気にでも」
「え、えっと、あなたは私に何をお求めになっているのですか?」
「…」
「あなたは美しいですね、白い肌と黒い髪を持っている」
「え…」
社畜で引きこもり故に何処にもいかないから肌が白くて、理髪店にもいかないから流行の髪色にも染めずに、漆黒の黒い髪だとは、カラフル頭髪が一般的なこの世界ではわからないだろう。
社畜とは、早朝始発で出勤し、終電では帰れないのである。
一日というよりもほぼ2日は会社で過ごし、飲み会の帰りでもないのに朝帰りをするのだ。
しかも、定時で退勤をしたことにしなくてはならないため、給料は発生しない。そうだ、社畜とサービス残業はセットである。
自分の過去を思い出して白目をむいていると、神官の声が遠くで聞こえた。
「はっ!すいません」
「だ…だいじょうぶですか?眠いのかな?」
「あ…はい、寝てなくて」
椅子に縛り付けられている俺の周りをぐるぐると神官がゆっくりと回る。
舐めまわすような目は瞳の色こそ青く綺麗だが、その輝きが気味が悪かった。
黄色く黄ばんだ白目と、不自然にか輝く瞳。瞳の奥は濁っているではないか。
「めっちゃ見える…」
俺は、転移したせいなのか、身体能力があがっていた。魔王様のおかげとでもいえるのだろうか。
悔しいけれど、人間だった頃よりは、体もメンタルも元気になった。
「あなたは、本当に美しいですね…」
あ、やばい
神官の目をじっと見たことによって、チャームが発動してしまったようだ。
「あっ」
ねっとりと俺の足へと腕を回し、頬ずりする
「あ、ちょっやめて、」
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