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帝国ラビ養成学園エデン

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 ゴーレムとはヘブライ語で胎児の意味持つ言葉だが、この世界では違う。神の御業を模倣して生まれたのが魔術であるのなら、土より人を生み出した奇跡の模倣がゴーレムである。



 ゆえに、ゴーレムを生み出し、あるいは操るものを人々は尊敬の意を込めてラビと呼ぶ。



やがては、戦争の歴史と共に、ゴーレムも進化し、ゴーレムマスターと呼ばれるラビにより、新たなゴーレムが生まれた。



その名はセフィロト(生命の木)、ゴーレム・セフィロト、かのゴーレムマスターは、人の醜さに涙し、原初の人間を創ろうとし、皮肉にも人が纏うゴーレムを産み出した。



「クッ、ここは、さっきまで自分の映画を、」



流れてくる知識、魔術、ラビ、ゴーレム、そして自分の家柄、私と同じモノガタリ家、



「私は何を、此処は何処だ、この知識は、」



転生した貴族として、それも両親を失い、その権力を有象無象の食い物にされる人生を、



「フハハハ、不自然であった、まるでさっきまで私の貴族としてのモノガタリ家が存在していなかったかのように、今さっき転生した直後に復権したかのように、貴様(神)か、用意周到な事だ。」



思わず笑ってしまった、高笑いが止まらない、



「フハハハ、あの(映画の)私らしく生きてやろうではないか、」



少女の鳴き声!守らなければ、私は反射的に走り出す。



「竜車か、」



道路に飛び出すも、間に合わない、杖の無い魔術では意味がない、どうすれば、地竜の足が少女を踏み潰そうとしたとき、私はひらめいた、たった一つの方法を、私が盾になれば、



「ノーリスクノーライフ、死神よ私は今道路に立っている。解るよな、私と彼女どちらの命が軽いかを、」



まるで引き寄せられるかのように、竜車の進路が変わり、その巨大な足が、卵の殻でも潰すかのように、



「地球連邦の民を護のは、私の役目だ、」



「う、うわー人を引いちまった、それも貴族様を、おらは何てことを、」



軽くホコリを払い、少女の元へと向かう。



「あれ?おら、夢でも、ああおとなしくするだ、」



竜車の様子を確認した私は、鞄からチョコレートを取り出す。



「怖い思いをさせてすまなかったね、お詫びの印に受け取ってはもらえないだろうか?」



少女は、涙を拭きながらこちらを見る。



「うわー、チョコレートだ、」



少女の兄であろう少年が駆け寄ってきた。



「すいません、ほらお礼言って、」



フム、好青年ではあるが、幼い少女を危険な目に会わせることは許せない。



「あっ、ありがとう」



しかし、彼女のお礼でその不愉快な気持ちは消えた、何度でも助けよう。



「気を付けて帰るんだよ、あと君、あまり彼女から目を話さないようにすると良い、」



さて、用事を済ませるとしよう。



「ヒエロ・グリフ・モノガタリ様、車の準備が出来ました。入試のお時間です。」



「よろしい、すぐに行こう。」



黒塗りの高級車へと乗り込む。まだ普及こそしていないが、自動車は存在する。地竜を利用した竜車の存在が、自動車の普及を送らせたのだろう。



「ようこそ、ラビ養成学校エデンへ、当校は貴方を歓迎します。モノガタリ辺境伯様。」



私の爵位だ、辺境伯は政治的か武力的に強い、信任を置くに値する人物しかなれない名誉ある爵位だ。国境線に領地があり、裏切りは国の存亡に関わるからだ。



「さて、最後は実技か、」



 ゴーレム・セフィロトを起動させると同時に、背中に魔力回路が浮かび上がる。魔力回路は枝分かれし、生命の樹が描かれる。



「フハハハ、我がモノガタリ家は軍需産業が盛んでね、毎日のように、試験ゴーレム・セフィロトを乗り回しているのだよ、教官どの、私に負けることは仕方の無いことだ。」



ゴーレム・セフィロトを纏った私は、高揚していた。ロボット対決、一騎打ちとはなかなかに良いものではないか、



「いやあ、おじさんも一応教官だから、それなりに戦えないと他の生徒に面目がたたないからね、頑張らせてもらうよ、」



 五メートルほどのパワード・スーツ、それが教官のゴーレム・セフィロトであり、肩、腰、胸、腹部、アーム、レッグに装甲が装着されている。だが、私は違う、全身を装甲で覆われた十メートルのゴーレム・セフィロトこそが私の専用機、



「にしてもおじさん驚いたよ、まさか生徒の中に騎士レベルのラビだとは思わなかったよ、学校になんて入る必要なんてないんじゃないかな?」



 機体が大きければ、大きいほどゴーレム・セフィロトの操作は難しく、消費魔力も大きくなる。



「あいにく、私には操縦技術こそ一流であるという自負を持ってはいるが、あいにくと戦闘経験はなくてね、圧倒的な性能差があるのに、いまだ君を倒せていないのが証拠だよ、」



 金色に輝く二本のソードを振り下ろすも、教官の槍に阻まれ、カウンターの一撃が装甲の表面を削る。



「ハハハ、おじさんは防衛線は得意でね、」



 ならば、相手に攻撃させるしかあるまいが、わかりやすい隙に引っかかってくれるほどの相手ではあるまい、



「消耗戦になるだけだな、」



「そうだよ、だから引き分け、いや降参してくれないかい?」



 飛び道具も、私の双剣も、たった一本の槍一つで巻き取るかのように受け流され、反撃を受ける。



「ふむ、確かに私にとってもじり貧だ、しかしわたしは戦闘経験を補うために、入学試験を受けに来たのだよ、」



 マシンガンのように、無数の魔法を連続で放つ、



「つまり?」



 教官は、片腕で槍を長めに持ち、射程を伸ばして魔弾を叩き落す。



「長く戦える戦いは、私にとってむしろ好都合だ、」



 その時、ラビ養成学校エデンの、幼年学校が目に入る。着替え中だと、





 第一話の最後、(ヒエロ・グリフ・モノガタリは、



・慢心・顕著・ロリコン(弱)・デウス・エクス・マギナ・カリバーンへの狂信・地球連邦が存在していると錯覚・無駄な高笑い



を得た、)を思い出す。



「おじさんの試験中によそ見か、」



 教官は、槍を投擲する。それと同時に、私はゴーレム・セフィロトを解除し、双眼鏡を構える。それも式で、



「ハァゴーレムを解除した、おいあぶねえ、」



 槍が私の胸を貫いた、



「魔力切れなのか、兎に角大丈夫か、」



 ノーリスク・ノーライフ、すぐに意識を取り戻した私は、立ち上がる。



「問題ない、」



「おい、今刺さったよな?」



「大丈夫だ、私の負けだから少し黙っていてくれないか、見えない、」



「くそ、一応医務室に連れて行くからな、」
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