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本当の始まり
女3人 変わらぬ友情を
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マグリットとアルに拉致された翌日は学園の休日だった。
私はシャルロットに呼び出されて、寮の前で待っている。
近くのベンチに座り伸びをした。
昨日は色んな事を聞かされ脳みそが消化不良を起こしているようだ。
何だかボーッとする。
自分は魔王になるかもしれない。もしイサキオスが知ったらどんな顔をするだろうか。昨日はまた呼び出しがあったらしく、彼は話し合いには参加していなかった。
彼は最近特に多忙だ。
「クリスティーナ様。」
ボーッとしていると、誰かに名前を呼ばれた。声のした方に目をやると、サーキス君が立てっていた。彼は今日も素晴らしいほどの白蛇具合だ。
「あぁ、おはよう。」
私が挨拶をすると、彼はスススッと近寄り、私の横に座った。彼の距離感が近いのももう慣れたものだ。体温を感じるほど近くに座られても嫌な気分にならない。慣れとは恐ろしい。
「どうかしたの?」
いつも顔色の悪い彼だが、今日は一段と青白い気がした。彼の顔を覗き込むと、彼は慌てたようにした後頬を染めた。
相変わらず白蛇なのに犬の様に可愛らしい一面を持っている。
「クリスティーナ様は私が気持ち悪くないのですか?」
彼は探るような目で私を見つめた。
「気持ち悪い?」
「、、私は幼い頃からこの見た目で虐められてきました。父が学園長の地位に就いてからは表立って虐めるような奴らはいなくなりましたが、皆気持ち悪そうな目で私を見てきます。」
彼は蛇の様な目を潤ませて私を見つめた。
「ある日私は自分を理解してくれる方に出会いました。それは奇跡の様な出会いでした。しかし、その方と私が結ばれる事などあり得ないのです。でも、その方の為に何かしたい。その為に自分が死んだとしても悔いなどない、、そう思いました、、。」
私は彼の唐突な告白に驚きながらも頷いた。彼にこんなにも大切な人がいたとは驚きだ。一体どんな人なのだろう。
「その方だけは私を誰とも違う目で見てくれました。しかし、クリスティーナ様と一緒にいる事で疑問が浮かんで来たのです。あなたが私を見る目は、その方の目とも違う。あなたの目は慈愛に満ちたそんな目です。」
白蛇の瞳からついに涙が溢れた。
「、、それで気付いたのです。あの方が私を見ていた目は偽物の愛だと。クリスティーナ様のその美しい濁りの無い瞳のお陰で私は気付きました。」
彼は大きな身体を折り曲げ、私の胸でシクシクと泣き始めた。私は飼っていたペットが悲しんでいるような気持ちになって、胸が苦しくなった。
そして彼は言った。
「私はこのままあの方の元で働きます。きっとそれがいずれあなたを守る事に繋がるから。」
白蛇の瞳と私の瞳が合わさる。
「クリスティーナ様、お慕いしております。しかしこれはきっと恋ではない。私はあなたの下僕になりたいのです。」
そう言って彼は私の手の甲にキスをしてきた。彼の唇はとても冷たく、ブルリと身体が震えた。
それにしてもなぜ友達ではなく、下僕なのだ。彼の価値観は今だに理解出来ない。
しかし彼が落ち込んでいる事は分かるので、彼の頭を撫でていると、シャルロットとイザベルがやって来た。
彼は2人に気付が付くと涙を手で拭い慌てたように去って行った。
シャルロットがその姿を見送りながらきみが悪そうに聞いてくる。
「ねぇ、彼何かあったの?」
私は首をひねる。結局のところ、彼に何があったから分からず仕舞いだ。
「んー、飼ってたペットがどこかで恋をして、失恋して傷付いて帰って来た。そんな感じかなぁ?」
「「はぁ??」」
どうやら2人には分かりにくかったようだ。
「えーっと、、だから、、飼ってた白蛇が脱走して、、」
「「いやいや違う違う!!」」
2人が同じ仕草で手を振っている。
イザベルが後を引き継いだ。
「サーキス様をペット扱いするあんたの態度に、はぁ?って言ったの!!普段優しいくせに、とんだ鬼畜ね。マグリット様の影響じゃない?」
「ゲェッ、、。やめてよ、、あぁ、ほら蕁麻疹出たじゃん。」
私は両腕をさすりながら顔をしかめた。何て事を言うのだ。あんな腹黒星人と同じにして貰ってはたまらない。しかし、昨日の彼は少し好感が持てたが、、。
2人が半眼で私の事を見てきたが、気にしない事にする。
「それより今日はどうしたの?」
イザベルが来るのは聞いていなかった。
私の質問に2人は笑顔になる。
「「ティーナ、婚約のお祝いしましょ!!」」
2人の声が重なった。
私は驚いた。何だか忙しくてイサキオスと婚約した事をスッカリと忘れてしまっていたのだ。
「ありがとう。嬉しい。」
私は満面の笑顔で2人に飛び付いた。色々あったが、この友情だけは変わらない事を願いたい。
2人が私を連れて来てくれたのは、流行りのケーキ屋さんだった。
一階が店舗、二階がカフェになっており、個室を予約してくれていた。
しばらく待っていると、生クリームに苺たっぷりのホールケーキが出てきた。
真ん中にはホワイトチョコのプレートが乗っており、ティーナ、イサキオスおめでとうと書かれていた。
私は嬉しくて泣きそうになった。
彼にも見せてあげたかったな。
「さて食べましょ!!」
イザベルが勢い良くフォークを持った。シャルロットがそれに続く。
「えっ!?切らないの?残ったのは持って帰りなとかそんな感じじゃないの?」
私の言葉など聞こえないのか、2人は頂きますと言ってケーキにフォークを直接刺した。
そのままバクバクと食べ始めた2人を唖然としながら眺めていたが、ハッと我に返った。
見た目によらず大食いなイザベルに全て食べられては堪らない。私は慌てて2人に続いたのだった。
感動を返してくれ。
しばらくして、ホールケーキは忽然と姿を消していた。
私はシャルロットに呼び出されて、寮の前で待っている。
近くのベンチに座り伸びをした。
昨日は色んな事を聞かされ脳みそが消化不良を起こしているようだ。
何だかボーッとする。
自分は魔王になるかもしれない。もしイサキオスが知ったらどんな顔をするだろうか。昨日はまた呼び出しがあったらしく、彼は話し合いには参加していなかった。
彼は最近特に多忙だ。
「クリスティーナ様。」
ボーッとしていると、誰かに名前を呼ばれた。声のした方に目をやると、サーキス君が立てっていた。彼は今日も素晴らしいほどの白蛇具合だ。
「あぁ、おはよう。」
私が挨拶をすると、彼はスススッと近寄り、私の横に座った。彼の距離感が近いのももう慣れたものだ。体温を感じるほど近くに座られても嫌な気分にならない。慣れとは恐ろしい。
「どうかしたの?」
いつも顔色の悪い彼だが、今日は一段と青白い気がした。彼の顔を覗き込むと、彼は慌てたようにした後頬を染めた。
相変わらず白蛇なのに犬の様に可愛らしい一面を持っている。
「クリスティーナ様は私が気持ち悪くないのですか?」
彼は探るような目で私を見つめた。
「気持ち悪い?」
「、、私は幼い頃からこの見た目で虐められてきました。父が学園長の地位に就いてからは表立って虐めるような奴らはいなくなりましたが、皆気持ち悪そうな目で私を見てきます。」
彼は蛇の様な目を潤ませて私を見つめた。
「ある日私は自分を理解してくれる方に出会いました。それは奇跡の様な出会いでした。しかし、その方と私が結ばれる事などあり得ないのです。でも、その方の為に何かしたい。その為に自分が死んだとしても悔いなどない、、そう思いました、、。」
私は彼の唐突な告白に驚きながらも頷いた。彼にこんなにも大切な人がいたとは驚きだ。一体どんな人なのだろう。
「その方だけは私を誰とも違う目で見てくれました。しかし、クリスティーナ様と一緒にいる事で疑問が浮かんで来たのです。あなたが私を見る目は、その方の目とも違う。あなたの目は慈愛に満ちたそんな目です。」
白蛇の瞳からついに涙が溢れた。
「、、それで気付いたのです。あの方が私を見ていた目は偽物の愛だと。クリスティーナ様のその美しい濁りの無い瞳のお陰で私は気付きました。」
彼は大きな身体を折り曲げ、私の胸でシクシクと泣き始めた。私は飼っていたペットが悲しんでいるような気持ちになって、胸が苦しくなった。
そして彼は言った。
「私はこのままあの方の元で働きます。きっとそれがいずれあなたを守る事に繋がるから。」
白蛇の瞳と私の瞳が合わさる。
「クリスティーナ様、お慕いしております。しかしこれはきっと恋ではない。私はあなたの下僕になりたいのです。」
そう言って彼は私の手の甲にキスをしてきた。彼の唇はとても冷たく、ブルリと身体が震えた。
それにしてもなぜ友達ではなく、下僕なのだ。彼の価値観は今だに理解出来ない。
しかし彼が落ち込んでいる事は分かるので、彼の頭を撫でていると、シャルロットとイザベルがやって来た。
彼は2人に気付が付くと涙を手で拭い慌てたように去って行った。
シャルロットがその姿を見送りながらきみが悪そうに聞いてくる。
「ねぇ、彼何かあったの?」
私は首をひねる。結局のところ、彼に何があったから分からず仕舞いだ。
「んー、飼ってたペットがどこかで恋をして、失恋して傷付いて帰って来た。そんな感じかなぁ?」
「「はぁ??」」
どうやら2人には分かりにくかったようだ。
「えーっと、、だから、、飼ってた白蛇が脱走して、、」
「「いやいや違う違う!!」」
2人が同じ仕草で手を振っている。
イザベルが後を引き継いだ。
「サーキス様をペット扱いするあんたの態度に、はぁ?って言ったの!!普段優しいくせに、とんだ鬼畜ね。マグリット様の影響じゃない?」
「ゲェッ、、。やめてよ、、あぁ、ほら蕁麻疹出たじゃん。」
私は両腕をさすりながら顔をしかめた。何て事を言うのだ。あんな腹黒星人と同じにして貰ってはたまらない。しかし、昨日の彼は少し好感が持てたが、、。
2人が半眼で私の事を見てきたが、気にしない事にする。
「それより今日はどうしたの?」
イザベルが来るのは聞いていなかった。
私の質問に2人は笑顔になる。
「「ティーナ、婚約のお祝いしましょ!!」」
2人の声が重なった。
私は驚いた。何だか忙しくてイサキオスと婚約した事をスッカリと忘れてしまっていたのだ。
「ありがとう。嬉しい。」
私は満面の笑顔で2人に飛び付いた。色々あったが、この友情だけは変わらない事を願いたい。
2人が私を連れて来てくれたのは、流行りのケーキ屋さんだった。
一階が店舗、二階がカフェになっており、個室を予約してくれていた。
しばらく待っていると、生クリームに苺たっぷりのホールケーキが出てきた。
真ん中にはホワイトチョコのプレートが乗っており、ティーナ、イサキオスおめでとうと書かれていた。
私は嬉しくて泣きそうになった。
彼にも見せてあげたかったな。
「さて食べましょ!!」
イザベルが勢い良くフォークを持った。シャルロットがそれに続く。
「えっ!?切らないの?残ったのは持って帰りなとかそんな感じじゃないの?」
私の言葉など聞こえないのか、2人は頂きますと言ってケーキにフォークを直接刺した。
そのままバクバクと食べ始めた2人を唖然としながら眺めていたが、ハッと我に返った。
見た目によらず大食いなイザベルに全て食べられては堪らない。私は慌てて2人に続いたのだった。
感動を返してくれ。
しばらくして、ホールケーキは忽然と姿を消していた。
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