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ヒローインもどきは3度のゲンコツを食らう
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私は夢を見ていた。
夢と分かるのは、私の姿が見えるからだ。
私は泣いていた。
私の腕の中には、銀色の髪の少年が血を流して倒れている。
あれは誰だろう?分からない。
夢の中の私に問いかける。
「彼は誰?あなたの大事な人?」
彼女は頷いた。
「、、す、好きなの。彼が好きなの。でももう目を覚まさないの!!!」
気付いたら私も泣いていた。
私は目を覚ました。
どうやら現実でも泣いていたようだ。
枕を濡らすほど涙をこぼしていた。
周りを見渡すが、見覚えの無い場所だ。
「おっ、気付いたな。」
近くで声がした。
私はフラフラと起き上がる。
淡い金色の髪に美しい水色の瞳、屈強な身体付きに爽やかな笑顔、声の主がそっと私の頭を撫でる。
「ウェスタンさん。」
私はホッとした。
「起き上がって大丈夫か?あれから3日寝てたんだ。心配したぞ。」
「ごめんなさい、、。一体ここは?」
てっきり病院だと思ったのだが、ベッドも家具も壁までも何もかもが豪華絢爛だ。
「ここは城だよ。お前達の功績を称えて、陛下が城で面倒を見るとおっしゃってな。」
私は納得した。どうりで何もかもが美しい。
私はそこでハッとする。
「イサキオスは!!??」
ウェスタンは苦笑いした。
「あいつなら昨日起き出して、もう訓練に参加してるよ。クリスが起きたのを伝えればすぐ来るさ。」
正夢にならなくて良かったと、私はホッと胸を撫で下ろした。
ん?胸?
私はプロテクターを付けていない事に気付く、オロオロとして腕で胸の辺りを隠す。
ウェスタンがそれに気付いた。
「あぁ、悪かった。俺が除けたんだ。知らなかったんだ怒らないでくれよ?」
「あっ、ごめんなさい。」
私はウェスタンに嘘を付いていた事を謝る。
「良いんだ。こちらに帰って来てから、お前達の担任が血相を変え来てな。カルロス先生だったか?その人から全部聞いた。」
ウェスタンは真剣な顔になり、頭を下げた。
「こっちこそ悪かったな。怖かっただろう。」
私は慌てる。
「頭を上げてください!!僕が勝手な事をしただけです!!」
ウェスタンが首を振った。
「確かに転移魔法で結界の外に出された時は、腹わた煮え繰り返るかと思った。カッコつけて自分だけ死ぬなんて勝手過ぎると思ったよ。」
私はシュンッとする。
「でも急いで駆け寄ってお前を抱えた時、身体の小ささにビックリしたんだ。手も小さいくて、、あぁこいつはまだ子供なんだって改めて思ってな。そいつが血だらけで眉間にしわを寄せてぶっ倒れている姿を見て、俺は感動したんだ。」
ウェスタンは真っ直ぐ私の目を見る。
「俺はお前の剣になる。何かあれば俺を頼れ、必ず助ける。約束しよう。」
彼は私の手の甲に口付けをおとした。
私が真っ赤になってオロオロしていると、
「それにしてもクリスが女で良かったよ。イサキオスが喜ぶ。」
とウェスタンは笑っていた。
私は首を傾げた。嘘が嫌いそうな彼は、きっと怒ると思うのだが、、。
「ほらプロテクターだ。俺は皆にお前が起きたと伝えてくるから、その間に着替えておけ。ご飯も持ってくるよう手配しておくよ。」
彼は手を振り去って行った。
誰かが来ては大変だと、私は慌てて着替えたのだった。
しばらくすると、ノックがある。
返事をする前に扉が開いた。
イサキオスが心配そうな顔で入って来たが、私が起きているのを見るとホッとした顔になり、次に怒った顔になった。
忙しい人だ。
「イサキオス、無事だったんだね。」
私がそう言うとイサキオスは私にゲンコツをした。
「痛ッ!!!何するんだよ!?病み上がりだぞ、死んだらどうするんだ!」
私は頭を撫でる。マジで痛い。
「うるさい!勝手な事するからだ!クリスが死ぬかと思ってどれだけ俺が焦ったか!」
イサキオスの瞳からは涙が流れていた。
私だって心配したと怒るつもりだったのだが、彼の涙を見てそんな気にはならなかった。
「ごめんなさい。」
私は立ち上がって彼の涙をそっと拭いた。
彼の顔が近くにある。
私はそのまま彼を抱きしめた。
私より少し背の高い彼は、前よりたくましくなった気がする。
「助けてくれてありがとう。」
彼が頷いたのが分かった。
私達はしばらく抱き合った。
私のドキドキが彼に伝わらない事を願いながら、幸せなひと時を過ごしたのだった。
しばらくすると、リサ、トマス、アンリが入って来た。
しばらく城での滞在が決められているらしく、部屋を住みやすいように整えてくれている。
その後、マグリットとアルが来た。
マグリットも私の頭を殴った。
、、いや、本当に死ぬよ?何度も殴れば死ぬよ?
私が生命の危機を感じていると、アルは笑顔で謎の小瓶を渡して来た。
きっとロクなものでは無い。
今度の小瓶は金色だった。
「何これ?」
「元気になる薬だって!今のクリスにぴったりだろ?」
アルはいつもの笑顔で得意げに言う。
これヤバイやつだ。
私は後で飲むと誤魔化したが、無理やり小瓶を口にあてがってくる。
「やめてよ、また倒れたらどうするの!!」
「大丈夫だって、今度のは完璧!」
最悪な事に、イサキオスはトイレへ行ったので今はいない。
今部屋にいるのは、ドSと隠れSだ。
何だこれ?地獄から帰って来てさらなる地獄!!
私はマグリットに身体を抑えられ、アルに鼻を摘まれて無理やり金色の液体を飲まされた。
私が一体何をしたのだ!!!
結局気分が悪くなって吐いた。
やっぱりロクな目に遭わなかったと、2人を睨みつける。
フラフラと椅子に座ると、たまたま鏡が目に入った。
私は自分の姿に息を飲んだ。
今度は銀色の髪に金色の目になっていた。
何これただのご褒美じゃん!!
イサキオスの弟みたい!!!
鏡の前でクルクルと回り、小躍りしそうなほど楽しそうな私の姿を、マグリットとアルが冷たい目で見ていた。
その後やって来たカルロス先生にもゲンコツされた。
3度目の暴力に頭が割れそうだ。
先生は私が女の子なの知ってますよね?
そして一体アルの薬は何に効くの?
頭痛いままですよー!!
夢と分かるのは、私の姿が見えるからだ。
私は泣いていた。
私の腕の中には、銀色の髪の少年が血を流して倒れている。
あれは誰だろう?分からない。
夢の中の私に問いかける。
「彼は誰?あなたの大事な人?」
彼女は頷いた。
「、、す、好きなの。彼が好きなの。でももう目を覚まさないの!!!」
気付いたら私も泣いていた。
私は目を覚ました。
どうやら現実でも泣いていたようだ。
枕を濡らすほど涙をこぼしていた。
周りを見渡すが、見覚えの無い場所だ。
「おっ、気付いたな。」
近くで声がした。
私はフラフラと起き上がる。
淡い金色の髪に美しい水色の瞳、屈強な身体付きに爽やかな笑顔、声の主がそっと私の頭を撫でる。
「ウェスタンさん。」
私はホッとした。
「起き上がって大丈夫か?あれから3日寝てたんだ。心配したぞ。」
「ごめんなさい、、。一体ここは?」
てっきり病院だと思ったのだが、ベッドも家具も壁までも何もかもが豪華絢爛だ。
「ここは城だよ。お前達の功績を称えて、陛下が城で面倒を見るとおっしゃってな。」
私は納得した。どうりで何もかもが美しい。
私はそこでハッとする。
「イサキオスは!!??」
ウェスタンは苦笑いした。
「あいつなら昨日起き出して、もう訓練に参加してるよ。クリスが起きたのを伝えればすぐ来るさ。」
正夢にならなくて良かったと、私はホッと胸を撫で下ろした。
ん?胸?
私はプロテクターを付けていない事に気付く、オロオロとして腕で胸の辺りを隠す。
ウェスタンがそれに気付いた。
「あぁ、悪かった。俺が除けたんだ。知らなかったんだ怒らないでくれよ?」
「あっ、ごめんなさい。」
私はウェスタンに嘘を付いていた事を謝る。
「良いんだ。こちらに帰って来てから、お前達の担任が血相を変え来てな。カルロス先生だったか?その人から全部聞いた。」
ウェスタンは真剣な顔になり、頭を下げた。
「こっちこそ悪かったな。怖かっただろう。」
私は慌てる。
「頭を上げてください!!僕が勝手な事をしただけです!!」
ウェスタンが首を振った。
「確かに転移魔法で結界の外に出された時は、腹わた煮え繰り返るかと思った。カッコつけて自分だけ死ぬなんて勝手過ぎると思ったよ。」
私はシュンッとする。
「でも急いで駆け寄ってお前を抱えた時、身体の小ささにビックリしたんだ。手も小さいくて、、あぁこいつはまだ子供なんだって改めて思ってな。そいつが血だらけで眉間にしわを寄せてぶっ倒れている姿を見て、俺は感動したんだ。」
ウェスタンは真っ直ぐ私の目を見る。
「俺はお前の剣になる。何かあれば俺を頼れ、必ず助ける。約束しよう。」
彼は私の手の甲に口付けをおとした。
私が真っ赤になってオロオロしていると、
「それにしてもクリスが女で良かったよ。イサキオスが喜ぶ。」
とウェスタンは笑っていた。
私は首を傾げた。嘘が嫌いそうな彼は、きっと怒ると思うのだが、、。
「ほらプロテクターだ。俺は皆にお前が起きたと伝えてくるから、その間に着替えておけ。ご飯も持ってくるよう手配しておくよ。」
彼は手を振り去って行った。
誰かが来ては大変だと、私は慌てて着替えたのだった。
しばらくすると、ノックがある。
返事をする前に扉が開いた。
イサキオスが心配そうな顔で入って来たが、私が起きているのを見るとホッとした顔になり、次に怒った顔になった。
忙しい人だ。
「イサキオス、無事だったんだね。」
私がそう言うとイサキオスは私にゲンコツをした。
「痛ッ!!!何するんだよ!?病み上がりだぞ、死んだらどうするんだ!」
私は頭を撫でる。マジで痛い。
「うるさい!勝手な事するからだ!クリスが死ぬかと思ってどれだけ俺が焦ったか!」
イサキオスの瞳からは涙が流れていた。
私だって心配したと怒るつもりだったのだが、彼の涙を見てそんな気にはならなかった。
「ごめんなさい。」
私は立ち上がって彼の涙をそっと拭いた。
彼の顔が近くにある。
私はそのまま彼を抱きしめた。
私より少し背の高い彼は、前よりたくましくなった気がする。
「助けてくれてありがとう。」
彼が頷いたのが分かった。
私達はしばらく抱き合った。
私のドキドキが彼に伝わらない事を願いながら、幸せなひと時を過ごしたのだった。
しばらくすると、リサ、トマス、アンリが入って来た。
しばらく城での滞在が決められているらしく、部屋を住みやすいように整えてくれている。
その後、マグリットとアルが来た。
マグリットも私の頭を殴った。
、、いや、本当に死ぬよ?何度も殴れば死ぬよ?
私が生命の危機を感じていると、アルは笑顔で謎の小瓶を渡して来た。
きっとロクなものでは無い。
今度の小瓶は金色だった。
「何これ?」
「元気になる薬だって!今のクリスにぴったりだろ?」
アルはいつもの笑顔で得意げに言う。
これヤバイやつだ。
私は後で飲むと誤魔化したが、無理やり小瓶を口にあてがってくる。
「やめてよ、また倒れたらどうするの!!」
「大丈夫だって、今度のは完璧!」
最悪な事に、イサキオスはトイレへ行ったので今はいない。
今部屋にいるのは、ドSと隠れSだ。
何だこれ?地獄から帰って来てさらなる地獄!!
私はマグリットに身体を抑えられ、アルに鼻を摘まれて無理やり金色の液体を飲まされた。
私が一体何をしたのだ!!!
結局気分が悪くなって吐いた。
やっぱりロクな目に遭わなかったと、2人を睨みつける。
フラフラと椅子に座ると、たまたま鏡が目に入った。
私は自分の姿に息を飲んだ。
今度は銀色の髪に金色の目になっていた。
何これただのご褒美じゃん!!
イサキオスの弟みたい!!!
鏡の前でクルクルと回り、小躍りしそうなほど楽しそうな私の姿を、マグリットとアルが冷たい目で見ていた。
その後やって来たカルロス先生にもゲンコツされた。
3度目の暴力に頭が割れそうだ。
先生は私が女の子なの知ってますよね?
そして一体アルの薬は何に効くの?
頭痛いままですよー!!
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