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攻略対象者について考えてみた
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試験を終えた私は自室に戻ったいた。
試験会場で、ヘンリー殿下、マグリット、イサキオス、アルルーノ、そして担任になるだろうカルロス。
全員の姿を確認する事が出来た。
私は乙女ゲームの世界に転生したのだと確信を得る。
とは言ってもゲームの中と違って、少し幼くて皆可愛いらしいのだが。
この状況であまり混乱せずに冷静でいられるのは、自分自身の前世の記憶をあまり思い出さなかったからだろう。
4月からの任務のために、改めてゲームの内容を整理してみる事にする。
紙を取り出し、他の人に見られても良いように日本語で書きとめていく。
先程思い出したヘンリー殿下、マグリットの人となりを書き出した。
殿下の見た目はハニーブロンドの柔らかな髪色に、透き通る青空のような瞳、甘い顔立ちの彼はいつも微笑みを絶やさない。
絵本から飛び出した様な王子様だ。
マグリットは緑色のアシンメトリーな髪型に、赤い瞳をしている。色気のある綺麗な面立ちなのだが、表情に性格の悪さが滲み出ていて、私は好きになれない。
そして、イサキオス、アルルーノの事を思い出そうと目を閉じてみる。
私の推しはイサキオスだった。
イサキオスは公爵家の次男として産まれる。
優秀な兄を持つイサキオスは、家を兄に任せ将来は騎士になる。
彼の力は絶大で、幼少期から光の魔法を思いのままに操り、その魔力を剣に込める事でどんな敵でもなぎ払う最強の騎士と育っていく。
どんな攻撃を受けようが、ただただ剣でなぎ払うのだ、、大人になると彼に敵うものなどいなくなる。
学園に入った頃には学業にも秀でていた彼だが、学園での戦闘訓練が始まると、それにのめり込み学業がおろそかになって脳筋化する。
王国最強の騎士が脳筋、、不安でしか無い。
ヒローインと結ばれると、ちゃんと手綱を握って彼を導いてくれる。
しかし、ヒローインがまともな人間であれば良いが、ヒローインが王国を乗っ取りたいなどと考える人間であれば、彼を止める事が出来きる者はいない。
、、、恐怖だ。
彼の見た目は私のドストライクなのだ。少し長い銀色の髪を束ね、瞳は金色、整った顔立ちなので一見冷たそうに見える。
中身は男らしいさっぱりとした性格だが、ヒローインを好きになると熱く愛を囁くようになる。
しかしゲームより歳が幼いので、これがどう影響するかは謎だ。
推しだった彼の説明は長々となってしまった。
アルルーノはわんこ系可愛い男子だ。茶色い柔らかな髪に茶色い瞳の彼は、優しい喋り方をする本当に可愛い男の子。
でも、その可愛い見た目とは裏腹に、彼はマグリットの指示で諜報活動を裏でしている。
そう、私は彼とキャラが被りそうなのだ。
私はわんこ系キャラで学園に通うつもりはないが、多分能力が似ている。
実際彼がどの様な魔法を使っているかは分からないが、能力が被る場合、私がマグリットの目にとまらない可能性がある。
殿下と仲良くなるために、マグリットは超えなければいけない壁だ。
私と一緒にいる事に利を感じなければ、彼らのグループに入る事は難しいだろう。
殿下の性格を考えれば、マグリットを無視し、個人的に仲良くなる事も出来なくは無いだろうが、、
カルロス先生に関しては、この任務に先生の影響は特にないだろうと思う。
彼は私が殿下を守るという任務を知っている。
協力してくれる事があっても邪魔される事はないだろう。
もしヒローインと結ばれる事があったとしても、私にも私の任務にも関係無い。
カルロス先生問題無しと書いておいた。
はぁー、、私はため息をついた。
前世を思い出す事で有益な情報を手に入れる事が出来たが、知り過ぎた事で身動きが取りづらくなる事もある。
一体どうしたものか、、。
入学までに考えをまとめておかねばと思い、ゲームの内容をさらに頭の中で巡らせるのであった。
試験会場で、ヘンリー殿下、マグリット、イサキオス、アルルーノ、そして担任になるだろうカルロス。
全員の姿を確認する事が出来た。
私は乙女ゲームの世界に転生したのだと確信を得る。
とは言ってもゲームの中と違って、少し幼くて皆可愛いらしいのだが。
この状況であまり混乱せずに冷静でいられるのは、自分自身の前世の記憶をあまり思い出さなかったからだろう。
4月からの任務のために、改めてゲームの内容を整理してみる事にする。
紙を取り出し、他の人に見られても良いように日本語で書きとめていく。
先程思い出したヘンリー殿下、マグリットの人となりを書き出した。
殿下の見た目はハニーブロンドの柔らかな髪色に、透き通る青空のような瞳、甘い顔立ちの彼はいつも微笑みを絶やさない。
絵本から飛び出した様な王子様だ。
マグリットは緑色のアシンメトリーな髪型に、赤い瞳をしている。色気のある綺麗な面立ちなのだが、表情に性格の悪さが滲み出ていて、私は好きになれない。
そして、イサキオス、アルルーノの事を思い出そうと目を閉じてみる。
私の推しはイサキオスだった。
イサキオスは公爵家の次男として産まれる。
優秀な兄を持つイサキオスは、家を兄に任せ将来は騎士になる。
彼の力は絶大で、幼少期から光の魔法を思いのままに操り、その魔力を剣に込める事でどんな敵でもなぎ払う最強の騎士と育っていく。
どんな攻撃を受けようが、ただただ剣でなぎ払うのだ、、大人になると彼に敵うものなどいなくなる。
学園に入った頃には学業にも秀でていた彼だが、学園での戦闘訓練が始まると、それにのめり込み学業がおろそかになって脳筋化する。
王国最強の騎士が脳筋、、不安でしか無い。
ヒローインと結ばれると、ちゃんと手綱を握って彼を導いてくれる。
しかし、ヒローインがまともな人間であれば良いが、ヒローインが王国を乗っ取りたいなどと考える人間であれば、彼を止める事が出来きる者はいない。
、、、恐怖だ。
彼の見た目は私のドストライクなのだ。少し長い銀色の髪を束ね、瞳は金色、整った顔立ちなので一見冷たそうに見える。
中身は男らしいさっぱりとした性格だが、ヒローインを好きになると熱く愛を囁くようになる。
しかしゲームより歳が幼いので、これがどう影響するかは謎だ。
推しだった彼の説明は長々となってしまった。
アルルーノはわんこ系可愛い男子だ。茶色い柔らかな髪に茶色い瞳の彼は、優しい喋り方をする本当に可愛い男の子。
でも、その可愛い見た目とは裏腹に、彼はマグリットの指示で諜報活動を裏でしている。
そう、私は彼とキャラが被りそうなのだ。
私はわんこ系キャラで学園に通うつもりはないが、多分能力が似ている。
実際彼がどの様な魔法を使っているかは分からないが、能力が被る場合、私がマグリットの目にとまらない可能性がある。
殿下と仲良くなるために、マグリットは超えなければいけない壁だ。
私と一緒にいる事に利を感じなければ、彼らのグループに入る事は難しいだろう。
殿下の性格を考えれば、マグリットを無視し、個人的に仲良くなる事も出来なくは無いだろうが、、
カルロス先生に関しては、この任務に先生の影響は特にないだろうと思う。
彼は私が殿下を守るという任務を知っている。
協力してくれる事があっても邪魔される事はないだろう。
もしヒローインと結ばれる事があったとしても、私にも私の任務にも関係無い。
カルロス先生問題無しと書いておいた。
はぁー、、私はため息をついた。
前世を思い出す事で有益な情報を手に入れる事が出来たが、知り過ぎた事で身動きが取りづらくなる事もある。
一体どうしたものか、、。
入学までに考えをまとめておかねばと思い、ゲームの内容をさらに頭の中で巡らせるのであった。
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