漱石先生たると考
かつての松山藩の藩都、そして今も愛媛県の県庁所在地である城下町・松山に、『たると』と呼ばれる菓子が伝わっている。この『たると』は、洋菓子のタルトにはまったく似ておらず、「カステラのような生地で、小豆餡を巻き込んだもの」なのだが、伝承によれば江戸時代のかなり初期、すなわち1647年頃に当時の松山藩主松平定行によって考案されたものだという。なぜ、松山にたるとという菓子は生まれたのか?定行は実際にはどのような役割を果たしていたのか?本作品は、松山に英語教師として赴任してきた若き日の夏目漱石が、そのような『たると』発祥の謎を追い求める物語である。
明治編・1
正保編・壱
明治編・2
正保編・弐
明治編・3
正保編・参
明治編・4
正保編・肆
明治編・5
正保編・伍
明治編・6
正保編・陸
明治編・7
正保編・漆
明治編・8
正保編・捌
結び
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