恋する奴隷のしつけ方

神笠 京樹

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初めてのお風呂-2

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「お前の生まれ故郷では、下着を付けて風呂に入るのか?」
「そういうわけではないのですが……その……」

 ちょっと迷ったが、正直に言うことにした。つかんでもいい嘘をつくと人生ろくなことにはならない。

「あの……僕、その、まだ、恥ずかしくて……」

 僕は視線を横に外しつつ、うつむいてそう言った。恥ずかしいのは本当だが、ことさらに恥ずかしがって見せるのは計算である。女とはそういうものなのだ。

「そうか。まあいい。それならそのままで」

 と言って、ジェイド様は湯船から上がって、湯桶に腰かけました。向こうは普通に裸ですので、ばっちり全部拝見いたしました。普通にちゃんと男性です。当たり前か。

「では、失礼いたします」

 ぶっちゃけてしまえば誘惑しに来たのだが、それはそれとして真面目に背中を洗う。たくましくて広い背中か、というと少し違う。どっちかというと華奢だ。エルフのことはそんなによく知らないが、大理石の彫像のような美しい身体。

「もういい。良い加減だった」
「はい、ありがとうございます」

 僕は退出しようとした。だが、後ろから声が引き留める。

「待て。そのまま出ては風邪を引くぞ」
「えっ? でも」
「いいから、温まってから出ろ。人間は……儚いものなのだから」

 そう言われてしまったので、相変わらず肌着を身に付けたままですが、湯船につかります。ご主人様の隣。当然だが、肌着は透ける。まあ胸元はどうしようもないとして、下半身はちゃんと、えーと、そのですね、つるつるに処理してあるんで、透けても肌着ごしならそんなに目立ちませんが。

 ふぅ。ほかほかしてきた。湯船の中では多少の無礼講が許されるというのが奴隷と主人の間においても成立するので、ちょっと踏み込んだ質問とかしてみよう。

「ご主人様は、なぜ僕を買われたのですか?」
「言ったろう。使い魔が死んだ。代わりの使い魔を用意するのは簡単ではない。さすがに、一人では不便でな」
「お言葉ですがそれだけなら、もっと相応しい奴隷もおります。値だけの問題ではありません、僕のような種類の奴隷は……ふつうは、愛玩用です」
「生娘の奴隷と注文しただけなんだがな。妊娠していると困るから」

 僕は呆れた。

「ご主人様。奴隷を持つの、もしかして初めてでいらっしゃいます?」
「いや。しかし、三百年以上ぶりだ」

 三百年前かあ。奴隷制度は当時もいまもあるけど、いろいろ変わってるだろうからなあ、世の中の仕組みとか法律とか。

「そういうときは、もっと他に上手な奴隷の買い方があったんですよ。まあ、今更せんなき事ですが」

 たとえば直前に生理が来ていさえすれば、生娘かどうかに関わらず妊娠の心配はない。しかし、そういったようなあたりの塩梅を、この方は本気で知らないっぽい。

「三百年と少し前。わたしはその奴隷を孕ませた」

 ほうほう。やっぱ、やることやれるんじゃん。まあ今のところ、あっちの方はうんともすんとも言って無いけど。

「だが、子は産まれなかった。母子ともに世を去った。以来、使い魔を使っていた」

 ああ……それが、あのクリスタルに残っている女性なのか。

「お寂しくないのですか?」
「……いや」

 うそだ。ぜったいいろいろ内面に溜め込んでるタイプだ。と思ったけど、そんなこともちろん口には出さない。

「ご主人様。そういうことでしたら、お情けをくださいとは申し上げません。ですが、どうか、御奉仕をさせてくださいませんか。僕は……そのための存在ですので」
「奉仕とは?」
「処理させていただくのです。御種を、あまり長く溜め込まれては毒ですから」
「具体的にどうする」
「いまから実践いたします」

 僕はいったん湯から上がり、肌着を身体から外して、そのへんに落とした。べちゃ。

「ご主人様。湯から出る必要はありませんが、もう少し浅く、湯船のへりに腰かけてください」
「こうか」

 ジェイド様は素直だった。

「では、失礼いたしまして……」

 僕は後ろからジェイド様に抱きつく格好になって、手を伸ばし、水中にある男のものに指先を絡める。ちなみに、当たり前だけど胸はおもいっきりジェイド様の背中でくにゃっと潰れてる。とりあえず、勃ってくれないとどうしようもないわけなんですが、うーん、柔らかい。ふにふにしてる。ちなみに、僕はこうやって実際に触るのは初めてです。あ、ちょっと硬くなって、形ができてきた。まあ、生理反応だから、気持ちいいとか僕に興奮してるとかとは無関係に、こうなるんだけどね。……いや耳学問なんだけど。

 さて。ここからが教わった技術だ。いま、硬く大きくなったジェイド様のそれは、屹立した先端だけが湯面から突き出た状態になっている。で、僕は体勢を入れ替え、湯船の中に大きく沈む形になって、頭だけ出して、その先端に顔を寄せた。

 僕は意を決して、舌を伸ばし、それの上を這わせる。
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