異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。

ミレーナ王国

元貴族の若者たちの謀反。

 ミリアをチラッと見て・・・おっちゃんを見ると・・・こんなゴツくて威厳たっぷりで恐い顔の人の子供が、こんな可愛い可愛い女の子が出来るんだな・・・・お母さんが可愛いのか。性格と威厳はお父さん譲りだな。

 
「そうなのですか・・・」

 
 ミリアは首を傾げて納得が行かない様子だった。

 国王の座っていた玉座に皇帝が座り、その隣に俺、ミリアの順番になってしまって皇帝の隣なので嫌なんですけど・・・

 
「それよりさ・・・席を代わってよ」

「ダメですわ。次の皇帝のユウヤ様の席はお父様の隣です」

 
 はぁ・・・この人の隣りにいると緊張するというか居心地が悪いんだよなぁ。皇帝が周りを見渡し質問してきた。

 
「それで何の集まりなのだ？」

 
 ミリアが説明をしてくれた。

 
「そうかそうか・・・簡単な事ではないか。王国の資金を使い込み王国を破滅に追い込んだ貴族なんだろ？明らかに謀反と同等の罪だろ、全員斬首で良いだろ」

 
 皇帝が、そう言うと元貴族達全員が青褪めたが言葉を発する者はいなく、それ程に皇帝の威厳、威圧感が凄かったのだ。

 
 再び皇帝が言葉を発して注目を集めた時に若者達が立ち上がり皇帝とミリアに隠し持っていた小型のボーガンで矢を放った。
 
 バカ貴族の逆恨みってヤツね・・・それで先程わざと騒ぎ立てて混乱に乗じて矢を国王、ミリア、俺に打ち込む気だったのか？
 
 俺が余裕で反応して収納から剣を出してミリアと皇帝へ放たれた矢を薙ぎ払った。
 
 皇帝の護衛も皇帝本人も反応できていなかった。この様な皇帝を堂々と攻撃をしてくる命知らずな事をしてくるヤツは居なかったのか護衛が完全に油断していたのだろう。

 ミリアの方は・・・完全に俺を信頼しているのか驚いた表情さえしていなかった。
 
 我に返った護衛達が矢を放った奴等を、その場で斬り殺した。

 
「ほぉ・・・私も護ってくれたか冒険者よ」

「お父様っ！冒険者では無く、わたしの婚約者のユウヤ様ですわっ」

「そ、そうだったな・・・ユウヤで良いか？」

「は、はい・・・お父さんでも？」

「構わんぞ。私の命の恩人でもあるしな・・・」

 
 お互いに呼び方を確認をし合い終えると、皇帝が国王の方を向くと。

 
「この王城の警備は、どうなっているんだ？武装をしている者を王城へ入れるとはな」

「すみません。ユウヤ様のお陰で資金の方は改善出来たのですが兵の方が、まだ集まらない状態でして」

「そうか・・・まあ良い。王城に武器を持ち込み皇帝である私と皇女である娘と、国王の命を狙ったのだ全員斬首だな」

 
 皇帝が刑を言い渡すとムッとした表情でミリアが反応した。

 
「お父様。急に入ってきて仕切らないでください！少し黙っていてください。続きはユウヤ様にお願いしますので！」

 
 ミリアさん・・・余計な事を言わないで・・・

 ミリアに注意をされた皇帝が素直に黙って期待をした表情で俺を見てきた。

 
「皇帝陛下とミリア皇女を狙った攻撃は未遂とはいえ許されることではない。元貴族の当主と、その妻以外は斬首。当主と妻は開放する」

 
 皇帝が不思議そうな顔をして俺を見てきた・・・

 
「何だ？その甘い罰は？」

「お父さんと・・・大切な婚約者であるミリアの命を狙った攻撃ですので、その罪は斬首の一瞬で終わらせはしません。一生を掛けて償ってもらいます。本人は何も出来ず妻は仕事に夫の介護で変な企みを起こす事もできなくなりますし・・・自分の兄弟、子供や孫を自分のせいで死なせた事を反省をして頂きます。妻には離婚の許可は出来ないように致しますし謀反の大罪人の妻だと大々的に公示を１ヶ月間致します。生活をしてもらわないと困るので城の外での仕事を与え食料と給金を与えますが王都の外へ出るのは禁止しを致します」

 
 皇帝が何度か頷いて納得してくれたようでミリアが、それを見て嬉しそうな表情で俺を見つめてきた。

 
「そうか・・・やはり気に入ったぞ、ユウヤ。どうした！何をしている！次期皇帝が刑を言い渡したのだぞ！さっそく刑を執行せよ。どうした？刑を執行できる兵も不足しているのか？」

 
 国王は俺の言った発言を、ここで一番権力の頂点である皇帝の判断を待っていただけだと思うけどね。慌てた国王が改めて兵士に指示を出した。

 
「よし。ミリアとユウヤの顔も見れた事だし帰るか」

「そうですの？お気を付けて。お父様」

 
 皇帝が立ち上がると座っていた者が皆、起立して頭を下げた。

 ミリアが、そっけない態度で皇帝に軽く返事をすると皇帝は少しさみしそうな表情をしたが言葉にしなかった。威厳の維持ってやつかな。俺は元日本人なので一応・・・寂しいです。名残惜しいです。とアピールをしておくか。

 
「もう行かれるのですか？」

 
 俺が寂しそうな表情で言うと、皇帝が嬉しそうな表情になった。

 
「こう見えても忙しい身なのでな！」

「お父さんに、お会いできて光栄でした」

「はっははは・・・お前は、もう家族同様なのだ。そう緊張をする事はないぞ。また会おう！我が皇子よ」

「え？あ・・・は、はい・・・お気を付けてお父さん」