上 下
81 / 108
ミレーナ王国

ミレーナ王国の領主会議に手違いで参加してしまった。

しおりを挟む
 テーブルに戻るとニコニコした二人に見つめれて少し照れるなぁ・・・

 
「この後に領主会議が、ありますのでご挨拶をお願いしたいのですが・・・宜しいでしょうか?」

「挨拶くらいなら良いですけれど・・・会議には参加は致しませんわよ」

「はい。有難う御座います」

 
 また面倒そうな会議に呼ばれてるんだな・・・ミリアも大変だなぁ・・・

 
「ユウ兄・・・おしっこ行きたい・・・」

「あ、良いけど・・・場所知らないけど」

「ミリシス!お客様に失礼だぞ!」

「あ、俺もついでにトイレに行ってくるから良いですよ」

「わぁ~い。一緒にいこ~」

 
 ユリシスの案内でトイレに行くとユフィリスが弟を睨んでいたけど・・・ユフィリスのトイレに一緒には行けないぞ。

 
 トイレが終わりミリシスを抱っこして歩いていると・・・

 
「ユウ兄~こっちで皆集まってるんだよ~」

「ん?集まってるって?」

「お父様とか~」

 
 ミリアが挨拶するって場所かな?部屋の前を通ると兵士に案内をされた・・・

 
「遅いですよ!そろそろ始まりますのでお席にお着き下さい」

「え?あ、違いますって・・・」

 
 空いている椅子に座らせられた・・・

 
「どこの領主だか知らないが遅すぎるぞ!しかも・・・小さな弟まで領主会議に連れてくるなんて領主会議を何だと思っているのだ!」

 
 近くに居た領主達に睨まれた・・・

 何で、こうなるんだ?今更、出ていけなくなってるじゃん・・・

 
「ユウ兄と一緒で嬉し~い♪」

 
 ミリシスを膝の上に乗せて椅子に座っているとミリシスが寝てしまったので・・・更に動けなくなった。

 
「国王様は、まだなのか?」

「遅いな・・・」

 
 あ~・・・きっと俺達の帰りを待っててくれてるんだろうな・・・多分。

 
「遅いぞっ!」

 
 気が短そうな貴族が大声をあげるとミリシスがビクッ!と驚いて泣き出した。

 うわっ!気不味い・・・皆に注目されて文句を言われ始めた。

 
「貴様・・・領主会議に子供を連れてくるなんてバカにしているのか?メイドを雇う金も無い領地のか?」

「頭も悪そうで、気の弱そうな子供だな・・・」

 
 こいつら王子を知らないのか?この貴族達は大丈夫なのか?言い返そうと思っていたら国王が入ってきたので起立をして国王が座ると皆が着席をして会議が始まった・・・
 
 うわ。出るタイミングが無くなったんだけど。
 
 ん?何だか税金がモンスターの出現で不作で税収が減ったとか・・・モンスターの出現で物流が減って税収が減ったとか言い出して国王は納得してしまっている・・・王様は優しすぎじゃない?なんとなくシャルに似ていて、この王様は優しいオーラしか出ていない気がするぞ。
 
 おいおい・・・ギルドに依頼とか出してるのか?確認してから納得してくれよ。豪華な服を着てるし・・・税収が減ったら、その服を売ってモンスターの討伐の報酬にすれば良いんじゃないの?
 
 ガヤガヤと貴族が好き勝手な発言をして騒いでいると扉が開き貴族達が不快そうな表情、怒った表情で振り向いた。
 
 国王と貴族の会議中に扉を開く不敬で礼儀知らずな者が王城に入れる訳が無く、扉の前には兵士が2人常駐している扉が開き豪華なティアラを付けたミリアが入ってくると、騒いでいた貴族達が黙り緊張をした表情となり、国王が起立をして頭を下げると貴族達も同じ行動をして頭を下げた。

 
「会議が随分と盛り上がっていた様ですが?」

 
 ミリアが国王が座っていた豪華な椅子に座ると国王は隣に用意をされた同じ様な豪華な椅子に座り貴族達も着席すると静まり返り誰も発言をしなかった。
 
 何この違いは・・・さっきまで好き放題言っていたのに・・・って言えるわけ無いか。

 
「ユウ兄!外で遊ぼう?」

 
 静まり返っている部屋に子供の声が響いて俺達の方を怒った表情で見てきた・・・

 
「す、すみません!皇女殿下・・・礼儀知らずな田舎貴族が参加をしていまして・・・すぐに追い出しますので。オイ!うるさいガキを連れて、すぐに立ち去れ!」

 
 上級貴族っぽい男が俺に向かって怒鳴ってきた。

 
「は~い・・・すみませんね~すぐに出ていきますよ。また後でねミリアと国王様~」

 
 ミリシスを抱えて立ち上がるとミリアと国王が立ち上がって驚いた表情をしていた。

 
「ユウヤ様・・・何故こちらに?お待ちしていましたのに・・・?」

「ミリシス!ここには入ったらダメだと言っておいただろ。ユウヤ様、ミリシスがご迷惑をお掛けしまして申し訳ない」

 
 貴族達が気不味い表情になり・・・黙り込んだが上級貴族の男が臆せずに聞いてきた。

 
「その・・・男は何方様でしょうか?」

「ユウヤ様に失礼な事を言う、貴方には関係のない事ですわ!」

 
 ミリアが不快そうに睨みつけると立って発言をしていたが黙って座り込むと、気不味そうな表情をした国王が兵を呼んだ。

 
「丁重に・・・ユウヤ様とミリシスを応接室までご案内をせよ」

 
 あぁ・・・聞かれちゃ不味い税金を払えないとか言う事を話してたからな・・・でも、聞かれちゃ不味いと思うより、貴族に強く言えない国王の方こそ不味いと思うけど?それに貴族も税金を払いたくないって思ってるらしいけど・・・
 
 
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

最強九尾は異世界を満喫する。

ラキレスト
ファンタジー
 光間天音は気づいたら真っ白な空間にいた。そして目の前には軽そうだけど非常に見た目のいい男の人がいた。  その男はアズフェールという世界を作った神様だった。神様から是非僕の使徒になって地上の管理者をしてくれとスカウトされた。  だけど、スカウトされたその理由は……。 「貴方の魂は僕と相性が最高にいいからです!!」 ……そんな相性とか占いかよ!!  結局なんだかんだ神の使徒になることを受け入れて、九尾として生きることになってしまった女性の話。 ※別名義でカクヨム様にも投稿しております。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

神に同情された転生者物語

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。 すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。 悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。

出戻り巫女の日常

饕餮
ファンタジー
転生者であり、転生前にいた世界に巻き込まれ召喚されて逆戻りしてしまった主人公、黒木 桜。桜と呼べない皆の為にセレシェイラと名乗るも、前世である『リーチェ』の記憶があるからか、懐かしさ故か、それにひっついて歩く元騎士団長やら元騎士やら元神官長やら元侍女やら神殿関係者やらとの、「もしかして私、巻き込まれ体質……?」とぼやく日常と冒険。……になる予定。逆ハーではありません。 ★本編完結済み。後日談を不定期更新。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

異世界転生!俺はここで生きていく

おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。 同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。 今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。 だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。 意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった! 魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。 俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。 それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ! 小説家になろうでも投稿しています。 メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。 宜しくお願いします。

一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!

モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。 突然の事故で命を落とした主人公。 すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。  それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。 「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。  転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。 しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。 そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。 ※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。

処理中です...