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ライナー王国

ミリアがユウヤと合流して牢屋から開放された。

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 ん?何事だ?大勢の闘気と気配とがするけど・・・何かのイベントか?お祭り?それにしては女性や子供の声や気配がしないな・・・それに闘気を感じるから軍事演習か?格闘技のイベントか?ミリアの大事な用って、この雰囲気だと軍事演習の事だったのか。軍の現状や指揮とかミリアや皇帝も把握してないとだろうしな・・・軍事力が高すぎれば調整をしないとだろうし・・・弱すぎても調整をしないと、そこから崩されるからな。で、部外者の俺を隔離したのか。なるほどな~
 

 それにしても・・・牢屋って暇だよな~さっきのメイドさんが居てくれればなぁ~って・・・ミリアが迎えに来た時がヤバイな。贅沢は言わないから執事のオッサンでも良いから話し相手が欲しいな。見張りも居ないんだよな・・・俺は罪人じゃないから見張りが付いていないのかな?

 
 しばらくするとバタバタ・・・と10人位走ってくる音が近付いてきてドアが勢いよく開けられ武装をした兵士と護衛が入ってきたので顔を知っていたミリアの護衛に話し掛けた。

 
「おっ!やっと演習は終わったのか?」

「え?演習ですか?」

 
 キョトンとした表情になりミリアも慌てて走ってきたので護衛は俺の問に答えずに鍵を探しに行ってしまった。

 
「なんだよ慌てちゃって。そんな俺に会いたかったのか?」

「な、何を言っているのですか!もぉ!心配を掛けないで下さい!!」

 
 ん?何だか様子が、おかしいんだけど?軍事演習じゃなかったのか?

 
「心配って何だよ?俺に秘密の軍事演習だったんじゃないのか?」

「ユウヤ様に秘密の軍事演習ですか?そんな事はしてませんし・・・ユウヤ様に秘密にする意味が分かりませんわっ」

「だって俺だけ別室に連れて行かれて・・・料理を振る舞われて睡眠薬入りの飲み物で寝かされて牢屋に連れてこられたんだぞ?それにミリアが大事な用があるって言ってたから大人しく牢屋に入ってたんだけど?」

「ううぅ・・・一瞬・・あのバカ王子にヤキモチを妬いて出ていかれたのかと倒れるかと思うほどに心配しましたわ・・・」

「あぁ・・・格好良いヤツがミリアに馴れ馴れしくしてたな・・・」

「違いますからね!絶対に違いますわっ!」

 
 護衛が慌てた様子で近付いてきた。

 
「すみません。牢屋の鍵が見当たりません!」

「そうですか・・・バカ王子に聞いて来なさい」

「はい」

「あ、このくらい問題ないぞ。その剣を貸してくれ」

 
 護衛から剣を借りると斬る振りをしてバリアで牢屋の鉄格子を切断した。

 
「牢屋・・・壊したけど大丈夫だったかな?」

「・・・ええ。問題はありませんわ」

 
 牢屋から出ると剣を護衛に返すと、返された剣を不思議そうに見ていて鉄格子を斬ろうと斬りつけている音がなっていた。

 
ガキンッ! キーンッ!

 
「うるさいですわよ!静かにしなさいっ!」

「は、はい!失礼しました」

 
 ミリアに注意をされて気まずそうな表情になり剣を静かに収めてミリアの後ろへ控えた。

 
「軍事演習じゃ無かったら外の兵は何なんだ?」

「見ていないのに、兵士だとお分かりになられるのですか?」

 
 不思議そうな表情をして首を傾げってミリアが聞いてきた。

 
「そりゃ・・・軍人ぽい男の声と防具の音に馬の鳴き声がすれば大量の兵士だろ?軍事演習か戦争か大規模な反乱でも?」

 
 王城の周りが騒がしいんだからだいたい想像がつくよな・・・イベント事だったら楽しそうな雰囲気だし今回は楽しそうな雰囲気はない。そうなると兵士が集まってるか暴動で民衆が集まってるくらいだろ・・・?暴動だったら城内がもっと騒がしくなるだろうし外も騒がしく怒鳴り声が聞こえるだろうし・・・あとは兵士が集まっているんだろ?静かに大勢集まっていて馬もいるとなれば兵士の集まりだろ。

 
「えっと・・・最後に言われた反乱に近いですわね・・・」

「そっかぁ・・・役に立てなくて悪かったな」

「大丈夫ですわ・・・武力の衝突はありませんでしたし」

 
 ミリアが抱きついてきた。

 
「ううぅ・・本当に心配しましたわ・・・」

 
 抱きついてきたミリアの頭を撫でてユウヤもミリアを抱きしめた。

 
「それで用事は済んだの?」

「ええ。大体、終わりましたわ」

 
 護衛に囲まれて大広間にやって来るとイケメンの王子と国王が捕らえられた。

 
「おいおい・・・また国王を捕らえたのか?」

「またとはヒドイですわ」

「前回は、俺の父になったラウム国王を捕らえようとしてただろ?」

「今回は謀反ですわよ。証人も居ますし!」

「え?そうなの?」

「前回はユウヤ様と、わたしを捕らえようとして武器を向けていましたわっ!正当防衛ですわ。それに皇女のわたしに剣を向けて良い訳がありませんわ」

「まぁ・・・そうだったけどさ。また今回もミリアって知らなかったとかじゃないの?」

「知っている知らないという話しでは無く・・・自分が皇帝になると宣言したのですわ。謀反ですし皇帝の父に宣戦布告していますわ」

「うわ・・・それダメなやつだな・・・うん。それは謀反で確定で捕らえられても仕方がないヤツだな」

「ですわよね・・・ユウヤ様に認めてもらえて嬉しいですわ♪」

 
 それに一緒に行動をしてたであろう王女の二人を見ると頷いていたので・・・間違いは無さそうだな。

 
「そっかぁ・・・よくやった。偉いぞ~」

 
 ミリアの頭を撫でて褒めると周りが見てユウヤの行動に恐怖していた。ミリアが、また激怒するのではないかとドキドキしていたがミリアが、にこっ♡と笑って嬉しそうにしていたのを見て安堵していた。ちなみにユリシスもドキドキしていた一人だった。
 
 
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