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ファンベル王国

バカ貴族の末路。

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 ミリアと王様が、スラム街にある小屋をバカ貴族の家族に用意をしてくれた。家は確保をしてもらっていたが、当然気にいる訳もなく。感謝どころか文句を言って知人、親戚の家を周り部屋を貸して欲しいと頼み込んだが、大罪人の家族なので全員に断られていた。数日間の間、野宿をして過ごしていたが大雨が降ってくると、仕方なく用意された家に戻り家の有り難みが分かってきて感謝をするようになっていた。
 
 そのバカ貴族は6人兄弟で、兄は領地を継ぐために領主経営学を学び頑張っていたが、無駄に終わり。次の兄、姉は他の貴族の縁談が決まっていたが、当然破断になってしまった。弟や妹は学校に通っていたが学費を払えずに通えなくなった。
 
 親戚を頼り、学費のお金を貸してもらうにも大罪人で、バカ貴族一家であった為に貴族時代に他人を見下し馬鹿にしていたので、誰も助けてくれはしなかった。

 しばらくして、そこに釈放をされた今回の原因となった本人が現れ、家族中から睨まれ逃げたくても一人では逃げ出す事は出来ない。ヒドイ扱いをこれから一生受けながら生きていくしか無くなった。
 
 しかも家族の為に、働きたくても手足を斬られて歩く事も出来ず、農業の手伝いも出来ない。手先を使う仕事も出来ないので完全に厄介者になってしまったが、一人では生きていけないので屈辱に耐えて謝りながら親兄弟に頼って生きていくしか無いのだ。
 
 バカ貴族の問題を起こした本人は、家族たちが仕事に出かけて一人になるとユウヤを恨んで過ごしていた。何故こうなったのか原因を考える……。何故、王族であるユウヤが、町の中を少人数の護衛だけを連れて歩いていたのか……?何故、馬車を使わなかったのか?今後、邪魔になるであろう優秀な俺達一族を早めに潰しておこうと罠を仕掛けて、ユウヤの罠に見事にハマってしまったと、おかしな答えに行き着いた。
 
 今回は、知略で負けてしまったが……次回こそ復習をしてやる……と妄想をして毎日過ごしていて、全く反省をしていなかった。
 
 大罪人であるので数人の監視役が、報告してくる情報を聞いた王様とお偉いさんが、ユウヤの言う通りになっている事に驚いていた。王様は甘い罰だと思っていたようで、現状を聞き十分過ぎる罰だと感心していたらしい。

 
「それは……何というか生地獄と言っても良いだろうな」

「そうですね……自分は、何も出来ずに家で過ごして家事も出来ず家族の帰りを待つだけで、家族が帰ってくれば今回の原因となった本人が何もせずに家に居るだけなので、嫌味を言われ文句を言われ。家を嫌になって出ても行けない……出た所で、一人では生活は出来ない……」

 
 国王の後ろに控えていた宰相が現状を簡単に纏めて話すと、国王が頷き感心した表情で宰相に向かって話した。

 
「この罰を王国に取り入れるか……」

「そうですね……死罪よりツライ罰だと思われます」

「手足を斬り落として、命を助け釈放か……貴族ならば爵位の剥奪、財産の没収か。溜め込んでいた財産が入り国の財政も潤うな」

「さすがユウヤ様ですな」

「人柄も良く、頭もよく、性格も優しい……うちのシャルロッテの……旦那に是非欲しいところだが……ミリア皇女殿下の舵取り役で、婚約者なので手出しが出来ないのが残念だな」

「それを口に出しては不味いです!ミリア皇女殿下のお耳に入ったら一大事ですぞ」

「そうだった……気を付けよう……」
 

 
 その頃ユウヤ達は、店にいて商売を手伝っていた。

 明日の開店の予定だったが……実演販売をした事と、王様やギルドマスターが来ると言うサプライズもありお客さんが大勢詰めかけていたので、午後から販売を開始していた。
 
 店の護衛は4人も付けていてくれたが、それでも足りない状況になっていたので、王様に増援をしてもらい10人で対応をしてくれていた。
 
 やはり人気は、治癒薬と美容薬が良く売れていて状態異常の治癒薬もそこそこ売れていた。まぁ売れていない原因は、説明不足なだけで需要はあると思う。俺が効能と使用期限が半年と説明をすると、毒や麻痺、睡眠、催眠、幻覚、精神攻撃等に効くと分かると大幅に売れだして治癒薬を買って帰ろうとしていたお客さんが列に並び直すほどだった。
 
 武器はCランクの武器がメインに売れていたが、中級冒険者も多々いたので奮発をし借金をしてまで購入をしてくれた。

 中には甲冑を斬りき刻んだという噂を疑っていて、実際に見てみたい。自分の武器で甲冑を斬らせて欲しい。という者が出てきた。

 
「自分の武器で斬るのは問題ないですが……武器が破損しても修理や交換はしませんけど?」

「ああ、問題無い。買い替えるつもりだしな」

 
 店の前に甲冑を用意して、本人に斬ってもらったが甲冑が少し凹むだけ斬れたりはしなかった。

 
「クソっ!斬れると思ったんだがな……それでBランクの剣でも斬らせて頂けるのか?」

「ええ、どうぞ。これです」

「おおぉ。重さも、重すぎず軽すぎない……バランスも丁度、良いな。グリップも最高だし……」

 
 剣を受け取り、構えて甲冑に斬り込むとスパッ!と斬れた。

 
「うおぉ!凄い!何だこれは……欲しいぞ!金は用意をしてきたぞ!……これで剣が斬れずに困る事は無くなるぞ!」

 
 さすが冒険者……声がデカくて、なんて良い宣伝をしてくれるんだ!

 
「いや~良い宣伝をしてもらったので、状態異常の治癒薬をオマケしておきますね」

「は……?ん?宣伝は、していないぞ?思った事を口に出していただけだぞ……?」

「それが良い宣伝になってますよ」

「そうだったのか……そういう事なら他のヤツに自慢をして、勧めておいてやるぞ。わっははは。羨ましがる事は間違いないな!わっはは~」

「助かりますよ~」
 
 
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