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Ⅵ
しおりを挟む石でできた階段をカツンカツンと足音を立てながら降りていく。
降り始めてからかなりの時間が経過しているとは思うが、まだ階段は続いている。そういう魔法がかかっているのか、物理的なのかは不明だ。
ただ分かるのは、この階段を降りきった先に、何かがいる。禍々しい気配、魔物でも上位のものだろう。
チヴェッタ殿に悟られまいとそのまま来てしまったが、サイモンに声をかけてから来るべきだったか。しかしここまで来てしまったのだから、今さら考えても仕方がないと気を引き締める。
剣を抜身のまま持ち、ひたすら階段を降り続けること二時間弱。
暗がりの中に灯る不気味な明かり。その中心にうごめく黒い影。……魔物だ。
気配を消し近づくと、見えてきた魔物を大きさに息を止める。今まで見てきた中で一番大きい魔物と言えばオークなどだったが、それとは桁外れの大きさだ。例えるならば魔物が成人男性で、対する俺が小型犬や猫。相手をするには物理的な力の差が目に見えている。
やはりサイモンを連れてくるべきだったと後悔する。
だが運のいいことに、魔物は俺には気づいてはいない、後退した方がいいだろう。これはきちんと計画を練り、対策を立てた上で騎士団の先鋭たちで倒すしかない。
そろりと、一歩、二歩と音を立てないよう後ろにじりじりと下がり始めていた、そのとき
【愚かなニンゲンよ、我が気づかないと思っていたのか】
地面が揺れる様な低く響く声。後退する足を止め、視線を魔物へと向けると、形が不明瞭な魔物の瞳と目が合った。これは、戦うしかないようだ。
【ひとりで来ただけはある。この私を睨みつけようとは……なるほど、お前王家の者だな】
「だからなんだ」
【千年前、我の力を奪い、地下深く封印したのが王家の者でな。……あぁ、我は運が良い。復活を叶える最初の生贄が自ら参り、あまつさえ我の宿敵とは!!】
【さぁ、その血と肉を我のものに!!】と異形の腕を勢いよく伸ばしてきた魔物の攻撃をかわし、魔法陣を展開。何が効くかは不明だが、燃やしてしまえばいいだろうと剣に炎を纏わせ、放つ。
魔物に直撃し、「よし」と次の攻撃に備えようとした瞬間、
【そんなもの効くはずがなかろう】
嘲笑うかのように俺が放った炎が消え、【炎とはこういうものだ、小童】と魔物が発動させた業火が現れた。熱いと感じる間もなく、俺の目の前は赤く染めあげられる。
魔物たちとの戦争で、前線に立った経験がある俺だが、これは桁外れだ。第一魔物たちにこんな大きな魔物は存在していなかった。いや、騎士が相手をしていたのは小物だっただけだろう。
真の前線を護っていた魔法使い達は、こんな桁外れな大きさと、強さを持つ魔物たちと対峙していたのだ。なんてことだ、もっと魔法使い達の話を聞き、騎士も魔法の訓練を積ませるべきだな……今更か、
それにしても、
「チヴェッタ殿と夕飯を食べてからくるべきだった」
「んじゃさっさと終わらせましょう」
轟々と燃える音を遮るように凜、とした声が聞こえた。
はっ! と閉じた目を開けば、黄色をおびた大きな魔法陣が、魔物が放った業火から俺を護ってくれている。
「っチヴェッタ殿! 何故ここに!? 危ないから下がっていてくれ!!」
「燃やされかけていたのによくいいますね。騎士様こそ下がっていてください」
「その魔法陣から一歩もでないで」と俺に言い放ったチヴェッタ殿。
自分の足元をみれば、いつの間にか俺を護るように結界の魔法陣が発動されている。これは術者が解除しない限り、中からも外からも出ることも破ることも不可能な結界だ。かなり高度なものをいつの間に!
【ほう、今度は女か。ふん魔力は少々多い様だが、我に勝てると思うのか】
「えーとメルディン様調べだと、魔王の右腕がこの地に封印されているってことだから、あなたは魔王ではなく二番目ですね?」
【そうだ。しかし、魔王様は消滅してしまった。ならば次代の魔王は我である。地上を我の手にし、魔族の復活を!!】
「周りから魔力すいとってましたね?」
【我が復活するために必要なものだ、にっくきニンゲンどもから奪うなど当たり前だろう!】
「うんうん、そだねー。うん、なるほど、色々納得した。これで辻褄が合うね。よしよし、この二番目が居なくなると、うーんちょっと弊害が……でもなぁ、今無視すると後々なぁ……。よし、わかった、はい。めんどくさいけどやろう」
頷き、何か納得したらしいチヴェッタ殿に対し、声で苛立っていると分かる魔物は我慢の限界を迎えたのか【燃え尽きろ!!】と先ほどよりも大きな、太陽を模した炎をつくり出しチヴェッタ殿へと向けた。
っ駄目だ、いくらチヴェッタ殿の魔力が多いとは言え、俺を護るために大きな魔法を二つも発動させているのだ。あの炎から身を護る事など不可能だろう!
っ俺が不甲斐ないばかりに、俺はどうしたら、どうしたらいい!!
「わお、無駄に大きいけどちょっと練り足りなくない?」
チヴェッタ殿の前に無数の魔法陣が瞬時に展開。炎を弾き返し魔物に当たる。自らの炎に焼かれ苦しみもがく魔物に対し、チヴェッタ殿が右腕を横に一振りすると、先ほど発動されたいくつもの魔法陣が魔物へ飛んでいき張り付いていく。
【きさまああああああああああああああああああああああっ!!!!】
焼かれ身動きを封じられた魔物だったが、最後の力を振り絞ったのだろう、チヴェッタ殿に向かって腕らしきものを勢いよく伸ばしたが、丁度眼前でビタリと止まり【コムスメガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!】という叫び声と同時に、チヴェッタ殿の手のひらが上にかえされた。
瞬間、張り付いていた黄色の魔法陣が増幅し、「パッチン」と指が鳴ったと同時に魔物が縮小。最終的には目に見えなくなり、消滅した。
……あんな巨大な魔物を無傷で、しかも一瞬でなんて……チヴェッタ殿は何者なんだ。
「さてと、では騎士様帰りましょう。ご領主様への報告は騎士様がお願いします」
「あ、あぁ、わかった。……チヴェッタ殿」
「なんでしょう」
「助けてくれてありがとう」
「貴女が来てくれなければ俺は死んでいた」とお礼を言えば、チヴェッタ殿は目を見開き、動きを一瞬だけ止めたが「無事でなによりです」とふわりと笑い返してくれる。
あぁ、駄目だ、
今の笑顔で完全に落ちた。と心臓がバクバク高鳴る。
「貴女にお礼がしたい、何がいい?」
「いりませんよ。って言っても聞かないんでしょうから、少し考えておきますね」
「それよりお腹空いたので、早く帰りましょう」と笑うチヴェッタ殿に「今日はデザートもついているぞ」と俺も笑いかけた。
ちなみにチョコレートタルトである。中にはドライフルーツも入っている自信作だ。
*
男っていうのは意外と繊細で、自分よりも強い女には嫌悪感を表わすものだと思っていた。
だけど、この騎士様は心の底から助かった、という気持ちを伝えてくれるとは。
「ありがとう」なんて言われると思っていなくて、むしろ「余計な事を!」なんて言われると覚悟していたのに……びっくりして動きを止めてしまったのはバレているだろう。
私の予想の斜め上を行ってくれる騎士様だと笑いながら階段をのぼっていく。
下っている時は魔法がかかっていた為降りるのにかなりの時間がかかってしまったが、魔物を倒したことで魔法が解けたのだろう。
上って十分程度で灯りがみえた。
明かりに照らされてみえたのは、心配そうな顔をしているご領主様とメルディン様とセバスチャン様。もう一人若いお兄さんがいるが、多分騎士様の副官だろう。
先に騎士様が階段を登り切り、外へ出る。その後私の手を引き、持ち上げてくれたもんだから「ひっ! お、重いのでいいです!」と叫んだ。
が、そんな私の言葉を聞いていないのか下ろす様子もない騎士様は、その太い片腕に私のお尻をのせて固定しやがった。おいこら私は子どもでもないし、怪我もしてないんですけど!?
「ちょっ! 離してください!!」
「何故皆で待ち構えてるのです?」
「人の話聞いてます!?」
暴れる私を抱え直し、「サイモン説明」と副官であろうお兄さんに問う騎士様の胸元を押すがビクともしねぇ……なんなの、本当になんなの、恥ずかしいんですけど……。
「ヘルラー様が、団長が危険だという通達を魔法使い様から受け取ったというお話を聞き、私が救助に向かおうとしたのですが、メルディン様が……」
「行っても足手纏いだから待ってろとわしが言ったんじゃ。サイモンに非はないぞ」
「正解じゃったろ?」と笑うメルディン様に「まぁ、そうですね」と力なく答える。
それよりもこの騎士どうにかなりませんかね。ほんと恥ずかしいんですけど、助けて。という視線をご領主様に向ければ、溜息を吐かれた。私の方が溜息吐きたいんですけど。
「ロート、ルーチェは怪我でもしているのかい?」
「いいえ、見事な戦いっぷりで無傷のまま魔物を倒してくれました。お蔭で私も無事です」
「うん、詳しい話は部屋で聞くとして。……ルーチェが困っているから、降ろしてやりなさい」
「命令だ」と言うご領主様に渋々といったように私を床に降ろす騎士様に、ほっと息を吐き出す。
何だが今ので一気に疲れが……家に帰って寝たい。
「チヴェッタ殿眠いのか? 貴女の家まで遠いから今日は俺のベットを使って構わないぞ?」
「団長、何だか不穏な気配しか感じませんよその台詞」
「不穏とはなんだ不穏とは」とサイモンという副官を睨みつける騎士様から離れ、ご領主様とメルディン様の間に入る。よし、不穏な気配は回避した。
「ご領主様、セバスチャン様をお借りしても?」
「うん? いいけどどうしたんだい?」
「この町の魔力吸い取り泥棒を倒したので、アンナに悪影響があると思って。セバスチャン様、これをアンナに渡してきてくれませんか?」
本当は私が行きたいですけど、何があったか報告の手伝いをしなくちゃいけないので。とセバスチャン様に私が付けていた腕輪を三つ程渡す。
「これは魔力の増幅を抑えるものだという説明をしてあげてください」と言えば、セバスチャン様は「心得ました」と受け取り、足早に去って行く。うん、いつみてもセバスチャン様は仕事のできる老紳士だな、格好いいな惚れる。なんて思っている私に気づいたのか、気づいていないのか、メルディン様がボソっと耳元で問うてくる。
「ルーチェ、腕輪を三つも外して大丈夫なのかの?」
「難易度の高い結界魔法を三発と、魔物を消滅させるために魔法陣大量に描き出ししたので今の魔力はその辺の魔法使いと変わりませんよ、大丈夫です」
「……ちょっとうらやましいとか思ってしまったわい」
ルーチェ程の出力が欲しかった……。と肩を落とすメルディン様に「王付き魔法使いの癖に何を言うんですか」と適当に慰めをいれておく。
詳しい話は私の書斎で。というご領主様について行き、「腹が減っただろう?」とチョコレートタルトと紅茶を持ってきて甲斐甲斐しく私の世話をしてくれる騎士様に頭を抱える。
が、今更かと吹っ切りありがたくチョコレートタルトを一口。
あぁ、美味しい……舌触りなめらか、オレンジのドライフルーツは細かく刻んで入れてあるからかチョコの邪魔をしていない。私の好きなものが詰まった感じが半端ない。……あとで作り方教えてもらおう。
「気に入ってくれたようだな」
「はい、とても美味しいです」
「うん、これすごくおいしいね」
「ロートの意外な才能が……」とぶつぶつ呟くご領主様はさて置き、皆でチョコレートタルトを食べながら報告を始める。といっても騎士様に大体は任せているので私から話すことは少ないのだけれども。
「ヘルラー様にご報告申し上げます。この館の地下深くに眠る魔物を偶然発見し、私が死にかけていた所をチヴェッタ殿が助けてくれました。魔物は消滅済みではありますが、王都の魔法使いに調査を依頼すべきかと」
「わかった……ルーチェ、ロートを助けてくれて感謝する。君には何度も助けられっぱなしだ。何か欲しい物が有ったら言ってくれ。出来るだけ希望を叶えるよ」
「ご領主様には昔助けていただいたので、その恩を返したまでです。それよりも魔物ですが、メルディン様の見立て通り千年前に封印されたという魔王の右腕と呼ばれていた魔物でした」
「お、わしが当たりか?」
「当たりどころか大当たりでしたよ。一応浄化の魔法陣は張ってきたので後で見に行ってください。あと私の見立てではありますが、この町の結界はあの魔物を外に出さない、また魔物を引き寄せないためのものだと思うので、正直もういらないかと」
魔力を吸い取る元凶も無くなりましたし、魔法使いが今後住み着きやすくなったと思います。と伝えれば「それはなによりだね、魔物の所為で人の流れがあまり良くなかったから」と笑顔になるご領主様。
「まぁ、でも結界はあと百年持つんだろう?」
「え、まぁ……」と私が答えると「ならそのままでいいよね。噴水の女神像を称える祭もあることだし、結界はあって越したことはないし!」と言うご領主様に「は、はぁ」と力なく返事を返した。
……この人結界が張られていた理由知ってたな、絶対知っていたな。しかも領民を守るために今後も結界は張り続けるつもりだな。
あの結界は悪しきものを弾くよう設定されていたから、まぁ、人間や他種族の悪しきもの(しょうもないことを考えている人)も弾かれていることを知っているのだろう。
そうでなければ元王弟がのほほんと片田舎の領地を治めることはなかなか難しい筈だ。……タヌキ爺め。私が魔物を倒す様に仕向けやがったな。通りで毎回領主の館に来た時、自由に見て回っていいよと言ってくるわけだ……欲しいものねだってやろう。領民の血税ではなくポケットマネーからださせてやろう。
「……ご領主様やっぱり欲しい物があるのでさっきの言葉は撤回しますね」
「いいよいいよ! あ! 婿は私としてはカルブを推しておくよ。あの男は君を気に入っているしルーチェも気が合うだろう? 結婚式は私の財布から出すからね」
「話がぶっとびすぎですし、カルブに怒られますよ」
「そうです。それにチヴェッタ殿の面倒は私がみます。あの医者は必要ありません」
「それよりも報告はもうよろしいですね?」とソファに座っていた私を抱き上げた騎士様は、そのままご領主様とメルディン様に礼をし、部屋を出て行こうとするので「ちょっと待ってくださいよ!?」と叫ぶ。
一連の動作が流れるように、違和感がなかったせいでツッコむタイミングを失ってしまっていたよ!
「チョコタルトならまだ残っているから明日も食べれるぞ?」
「違います! 降ろしてください! 私歩けますしどこ連れてくつもりですか!?」
「眠そうな顔をしていたから、寝かしつけようとしただけだ」
「以前チヴェッタ殿を寝かせていた部屋へ連れて行くつもりだ」とずんずん歩きながら答える騎士様に「私は子どもか!」と叫ぶが聞こえている筈の騎士様の足は止まらない。
そのまま連れて行かれたのは、以前というか私が半月程お借りしていたらしい部屋で
「寝間着はこれをきてくれ。風呂はどうする? 入るならば入れてくるが、チヴェッタ殿の好きな香りは?」
「……自分でできるので、お風呂借ります」
クリーム色の寝間着を受け取り、部屋の奥にある風呂場へと案内される。「一人で大丈夫か?」と聞かれ、こいつ私の事を何歳だと思っているんだと少し睨みつけて「大丈夫です!」と扉を締める。
何故好きな香りを聞かれたのかは、可愛らしい猫足の浴槽にお湯を溜めていた時に気づいた。
風呂場の端の方にお湯に入れるポプリやら香油が置いてあった。匂いも様々な種類があって、これ王都で人気のやつじゃない? 手に入れるのも大変なものが結構な数あるんですけど? 誰の趣味? ご領主様の趣味?
「……いいや、なにも見なかったことに……めんどくさいし」
でも、頑張ったから一個くらい使ってもいいよね。欲しいもの聞かれたし、勝手に使ったと文句を言われたら反論できる材料はある。と、匂いを嗅ぎ、一番好みだった柑橘系とミントのポプリを湯船に浮かべる。
風呂場の中全体がいい匂いに包まれていると、ほっと息を吐き出す。茶色のローブを脱ぎ、紺色のワンピースも脱いで、そろそろ替え時では? と思う下着も脱いで、はっとする。
替えの下着がない。旅をしていた時もあったから二日目の下着くらい履くことは躊躇わないけども、折角猫足のバスタブで、こんないい香りのするお湯に浸かったあとに二日目の下着なんて……げんなりだわ。
かといってこの屋敷に女の人の下着なんてある筈が無い。
寝間着は何故かあったようだけど。……ご領主様未婚なんだよね。侍女は通いのお姉さんだけだったはずで、今は確か夜の十時。帰ったよね。
うーん、あまり得意じゃないんだけど手洗いして、魔法で乾かすか。
めんどくせ。と結論づけ、下着をぽいと脱ぎすてる。湯船に入る前に頭を洗い、身体を洗っているときに石鹸が王室御用達の高級石鹸なことに気づいて、ちょっとだけ悲鳴を上げたことは内緒だよ。これいくらすると思っているんだ。私の一ヶ月分の食費は飛んでいくはずだぞ……。高いだけあってお肌すべすべになりましたけど!! 曲がり角に差しかかっている私にはありがたいですが!
ぶつぶついいながら下着も洗いして、あとで乾かそうと手桶の中に入れておく。
「あ゛ーっ」とおっさん顔負けの声を上げながら湯船に入り、息を大きく吐き出した。檸檬とミントのいい匂い、お湯も丁度いい温度。自分の家ではめんどくさがって滅多に湯船につからないから尚更気持ちがいい。
王都だとこの館のように蛇口を捻ればお湯と水がでてくる仕様なのだが、残念ながら魔法で管理されているのでこの町ではちょっと難しい。この館のはご領主様が管理しているのだろう。一応王族だけあって魔力はその辺の人よりも多いからね、流石に町のお湯と水を管理できるほどの力はないとは思うが。
それにしてもご領主様にねだるもの、どうしようかな。ちょっと高いからと尻込みしていた魔法石にでもしようかな。あの石を粉にして、まじないのかかった塩と混ぜるといつもよりもいい風が吹く筈だ。うん、そうしよう。
のぼせる前に上がろ。とざぱりと湯船から出て、タオルで身体を拭き、下着を乾かそうと、絞ってまるめていたパンツをみようとして、気づいた。……私のローブとワンピースが無い。
ぐしゃぐしゃに脱ぎすてたはずの場所には下着が上下置かれていた。しかも白。
白っておい、何で白……いやでも真っ赤とかいうよりは……てか誰置いたの、お願い侍女さんだと言って……。
洗った下着をタオルで包み、濡れた髪をおさげに結い直してから白色の下着と寝間着を身に着ける。化粧水はあるかなーと探せば、これまた王室御用達のものを発見して悲鳴をあげた。誰のだよ! でもごめんなさい使わせて! つけないとお肌が突っ張るの! と恐々と肌にしみこませる。
私今日いくら使ったんだろうか、恐いから考えるのやめよう……。
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