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本編
アレクシア。
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散々待たせておきながら、カインとオリヴィエとの対話は五分で終わった。ローランが「信じられないなら攻めさせればいい。私が返り討ちにする」と男らしく言い切ったからだ。カインは微妙な顔だったけど、オリヴィエとドージェは「さすがは神竜王陛下!」と浮かれてくれたので、お帰り願った。
「そもそも、神竜王の証ですって何かを持っていったところで、それが本当かどうかを確かめる方法は、シルハークにはないわよね……」
当たり前のことなのに、思いつかなかった。こういう、「証拠の真贋を確かめられる」という考えが当たり前なところに、私には現代の感覚が残ってるなあと思う。
夜が更けてきたので、ローランには部屋に戻ってもらって、私は、広いベッドにころんと寝転がった。
――さっきの、感覚。誰かが――何かが、抜け出たような感覚。
「……アレクシア?」
何もない空中に向かって、呼びかけてみる。答えはない。当然だ。
私は、今度は輝石を強く握った。
「アレクシア・クリスティン・ルア・ラウエンシュタイン」
名前を呼ぶと――ふわっと、薄い陽炎めいたものが見えた気がした。
輝石に念じながら、「アレクシア」ともう一度呼ぶ。陽炎が少しずつ影を濃くして――私の前に、私がもう一人現れた。
半ば透きとおった、薄い金髪の巻き毛と、薄い蒼の瞳の美少女。アレクシア・クリスティン。――この体の、本来の持ち主。
彼女は、にっこりと――それはそれは悪役令嬢らしい、意地の悪い微笑みを浮かべた。
「御機嫌よう、未来視の姫。――私の、体」
「あなた、悪役令嬢じゃなかったでしょ」
「メタ的なことを言うと、ゲームの企画段階では悪役令嬢だったのよね。リヒト殿下と婚約して、ミレイと結ばれる為に秘密裡に破棄されて幽閉されるという、なかなかに素敵な設定」
「うわぁ……」
「お約束すぎるからって却下されたのよね。そもそも、登場シーンがあれだけのサブキャラ如きに、きちんとしたスチルがあることがおかしいと思わなかった?」
「言われてみれば」
納得した私に、アレクシアは「でしょ?」と、今度は素直に笑った。美少女だけあって可愛い。
「あなた、私に体を乗っ取られてたのに、どうして怒ってないの?」
「乗っ取られていたというか……これもメタな視線になるけれど、あなたの世界ならあなたに、私の世界なら私に生まれていたようだわ」
要するに、私達は魂の双子みたいなものらしい。どちらが支配権を握るかは、生まれた世界で決まる。
「私は、あなたのことゲームキャラとしか知らないんだけど」
「あなたの存在は、私の世界では――とても未来の存在ね。この国が滅びて、ラウエンシュタイン家もなくなって。東の果ての国で、ラウエンシュタインの血筋の末裔にあたるのが、あなた」
だから、この世界では、「私」のことを誰も知らない。そう言ったアレクシアは、私に微笑んだ。
「そういうわけで、私はあなたの中に移って入れ替わることはできないの。この世界では、あなたは生まれていないから」
アレクシアの言葉の意味を、考える。そんな私に、彼女は手を振った。
「悩まないで。私、ずっとあなたの中にいたわ。ただ、ゲームプレイ画面を眺めていたようなものね。それは、あなたが来る前から同じだった。私は、自分の生きている世界が「ゲームの舞台」だと知っていたから」
アレクシアは、私の隣にふわりと腰を下ろした。現し身がないから、ベッドは少しも軋まない。
「でも、これから先は違うわ。神竜王陛下が、私を解放してくれた。あなたがあなたならいいというあの言葉は、あなたでないもの――私はいらないという咒よ」
「アレクシア?」
「その名前は、体ごとあなたにあげる。代わりに、私を転生の輪に乗せてほしいの」
遠い未来で、「私」に生まれる前に、別の時代を別の体で生きてみたいと、アレクシアは言った。
「本当のアレクシア――私を必要としている人は、この時代のこの世界にはいないもの」
「お父様とお母様は」
「あなたが知らないだけ。お父様は、未来視の力を持ち、神竜王陛下を召喚した娘を誇りに思っている。お母様も、元気に動き回る娘に安心している。――どちらも、私じゃないわ」
寂しくもなさそうに、大したことではないとアレクシアは言った。強がりではなく、本心からの言葉だとわかる。
「貴族なんて、そんなものよ。私はラウエンシュタインの一人娘だったから、可愛がられてはいたけれど。所詮はね、家を継ぐ為、血を繋ぐ為の存在なの。……それが当たり前だと、私は思っていたわ」
私の巻き毛を、指に絡める。自分だって、同じ巻き毛なのに。
「……何だか不思議。こうして、自分の髪を他の目線で触るなんて」
くすっと笑うと、手を離した。
「私は、私にできることをしてみたい。私を必要としてくれる人に出逢いたい。神竜王陛下やエージュがあなたを愛したように、誰かを愛して、愛されたいの」
「アレクシア……は、私に全部取られちゃっていいの?」
「ええ。あなたの生き方は面白いし。それに、与えてばかりじゃないわ。遠い未来であなたに生まれた時は、私があなたになるもの。「どうして私は違うと思うのかしら」と首を傾げながら、「華寵封月」をプレイしてあげる」
「……ちょっと、ぞっとしない」
私がそう言うと、アレクシアはころころと笑った。彼女は、サブキャラじゃない。ちゃんと、自分の意志で生きていた女の子だ。
「生きてきた世界が、途中で入れ替わるだけよ。あなたは私になり、私はいつかあなたになる。でも、その間には長い時間があるから」
その間を、私の中で眠るのではなく、別の生き方をしてみたいと言うアレクシアに、私は頷いた。
「どうすればいいの?」
「その輝石の魔力を、少しだけ私に与えて――転生の輪に入れてほしいの」
「……横入りさせろと」
「話が早くて嬉しい。さすがは二心同体ね」
造語で笑うアレクシアに、輝石をかざすと――濃い陽炎だった彼女の存在が、質感を持った。
「輪廻転生割込。……これでいい?」
「ええ」
実体を持ったばかりのアレクシアが、再び透きとおっていく。どこからともなく現れた光の階段を、彼女は躊躇うことなく昇り始める。
「あ、お礼に教えてあげる。今のあなた――アレクシアへの好感度。リヒト殿下がハート四つ、シルヴィス様がハート二つ半、オリヴィエとカインがハート一つ。神竜王陛下のものは、言わないでおくわ」
「ハート四つ!?」
「エフェクトはハート乱舞で、薄桃色に染まってたわよ。それじゃあ、アレクシアとして生きてね。未来で、私がミレイとして生きてあげるから」
他人事のように笑い、アレクシアは、退場した。悪役令嬢にふさわしい置き土産を残して。
ハート四つって、それもうリヒト殿下のルートに突入寸前よね!?
そして思い出した、私の元々の名前は美玲――ミレイだ。だからこのゲーム、デフォ名呼びが恥ずかしくて外したもの!
リヒト殿下のルートに突入してしまったら、ローランとはどうなるの。私がミレイだとしたら、どうすればいいの。
恐慌状態に叩き落とされた私は、深夜にも関わらず、エージュの部屋に駆け込んだ。
「そもそも、神竜王の証ですって何かを持っていったところで、それが本当かどうかを確かめる方法は、シルハークにはないわよね……」
当たり前のことなのに、思いつかなかった。こういう、「証拠の真贋を確かめられる」という考えが当たり前なところに、私には現代の感覚が残ってるなあと思う。
夜が更けてきたので、ローランには部屋に戻ってもらって、私は、広いベッドにころんと寝転がった。
――さっきの、感覚。誰かが――何かが、抜け出たような感覚。
「……アレクシア?」
何もない空中に向かって、呼びかけてみる。答えはない。当然だ。
私は、今度は輝石を強く握った。
「アレクシア・クリスティン・ルア・ラウエンシュタイン」
名前を呼ぶと――ふわっと、薄い陽炎めいたものが見えた気がした。
輝石に念じながら、「アレクシア」ともう一度呼ぶ。陽炎が少しずつ影を濃くして――私の前に、私がもう一人現れた。
半ば透きとおった、薄い金髪の巻き毛と、薄い蒼の瞳の美少女。アレクシア・クリスティン。――この体の、本来の持ち主。
彼女は、にっこりと――それはそれは悪役令嬢らしい、意地の悪い微笑みを浮かべた。
「御機嫌よう、未来視の姫。――私の、体」
「あなた、悪役令嬢じゃなかったでしょ」
「メタ的なことを言うと、ゲームの企画段階では悪役令嬢だったのよね。リヒト殿下と婚約して、ミレイと結ばれる為に秘密裡に破棄されて幽閉されるという、なかなかに素敵な設定」
「うわぁ……」
「お約束すぎるからって却下されたのよね。そもそも、登場シーンがあれだけのサブキャラ如きに、きちんとしたスチルがあることがおかしいと思わなかった?」
「言われてみれば」
納得した私に、アレクシアは「でしょ?」と、今度は素直に笑った。美少女だけあって可愛い。
「あなた、私に体を乗っ取られてたのに、どうして怒ってないの?」
「乗っ取られていたというか……これもメタな視線になるけれど、あなたの世界ならあなたに、私の世界なら私に生まれていたようだわ」
要するに、私達は魂の双子みたいなものらしい。どちらが支配権を握るかは、生まれた世界で決まる。
「私は、あなたのことゲームキャラとしか知らないんだけど」
「あなたの存在は、私の世界では――とても未来の存在ね。この国が滅びて、ラウエンシュタイン家もなくなって。東の果ての国で、ラウエンシュタインの血筋の末裔にあたるのが、あなた」
だから、この世界では、「私」のことを誰も知らない。そう言ったアレクシアは、私に微笑んだ。
「そういうわけで、私はあなたの中に移って入れ替わることはできないの。この世界では、あなたは生まれていないから」
アレクシアの言葉の意味を、考える。そんな私に、彼女は手を振った。
「悩まないで。私、ずっとあなたの中にいたわ。ただ、ゲームプレイ画面を眺めていたようなものね。それは、あなたが来る前から同じだった。私は、自分の生きている世界が「ゲームの舞台」だと知っていたから」
アレクシアは、私の隣にふわりと腰を下ろした。現し身がないから、ベッドは少しも軋まない。
「でも、これから先は違うわ。神竜王陛下が、私を解放してくれた。あなたがあなたならいいというあの言葉は、あなたでないもの――私はいらないという咒よ」
「アレクシア?」
「その名前は、体ごとあなたにあげる。代わりに、私を転生の輪に乗せてほしいの」
遠い未来で、「私」に生まれる前に、別の時代を別の体で生きてみたいと、アレクシアは言った。
「本当のアレクシア――私を必要としている人は、この時代のこの世界にはいないもの」
「お父様とお母様は」
「あなたが知らないだけ。お父様は、未来視の力を持ち、神竜王陛下を召喚した娘を誇りに思っている。お母様も、元気に動き回る娘に安心している。――どちらも、私じゃないわ」
寂しくもなさそうに、大したことではないとアレクシアは言った。強がりではなく、本心からの言葉だとわかる。
「貴族なんて、そんなものよ。私はラウエンシュタインの一人娘だったから、可愛がられてはいたけれど。所詮はね、家を継ぐ為、血を繋ぐ為の存在なの。……それが当たり前だと、私は思っていたわ」
私の巻き毛を、指に絡める。自分だって、同じ巻き毛なのに。
「……何だか不思議。こうして、自分の髪を他の目線で触るなんて」
くすっと笑うと、手を離した。
「私は、私にできることをしてみたい。私を必要としてくれる人に出逢いたい。神竜王陛下やエージュがあなたを愛したように、誰かを愛して、愛されたいの」
「アレクシア……は、私に全部取られちゃっていいの?」
「ええ。あなたの生き方は面白いし。それに、与えてばかりじゃないわ。遠い未来であなたに生まれた時は、私があなたになるもの。「どうして私は違うと思うのかしら」と首を傾げながら、「華寵封月」をプレイしてあげる」
「……ちょっと、ぞっとしない」
私がそう言うと、アレクシアはころころと笑った。彼女は、サブキャラじゃない。ちゃんと、自分の意志で生きていた女の子だ。
「生きてきた世界が、途中で入れ替わるだけよ。あなたは私になり、私はいつかあなたになる。でも、その間には長い時間があるから」
その間を、私の中で眠るのではなく、別の生き方をしてみたいと言うアレクシアに、私は頷いた。
「どうすればいいの?」
「その輝石の魔力を、少しだけ私に与えて――転生の輪に入れてほしいの」
「……横入りさせろと」
「話が早くて嬉しい。さすがは二心同体ね」
造語で笑うアレクシアに、輝石をかざすと――濃い陽炎だった彼女の存在が、質感を持った。
「輪廻転生割込。……これでいい?」
「ええ」
実体を持ったばかりのアレクシアが、再び透きとおっていく。どこからともなく現れた光の階段を、彼女は躊躇うことなく昇り始める。
「あ、お礼に教えてあげる。今のあなた――アレクシアへの好感度。リヒト殿下がハート四つ、シルヴィス様がハート二つ半、オリヴィエとカインがハート一つ。神竜王陛下のものは、言わないでおくわ」
「ハート四つ!?」
「エフェクトはハート乱舞で、薄桃色に染まってたわよ。それじゃあ、アレクシアとして生きてね。未来で、私がミレイとして生きてあげるから」
他人事のように笑い、アレクシアは、退場した。悪役令嬢にふさわしい置き土産を残して。
ハート四つって、それもうリヒト殿下のルートに突入寸前よね!?
そして思い出した、私の元々の名前は美玲――ミレイだ。だからこのゲーム、デフォ名呼びが恥ずかしくて外したもの!
リヒト殿下のルートに突入してしまったら、ローランとはどうなるの。私がミレイだとしたら、どうすればいいの。
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