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番外編
学園だよ!全員集合? 後編
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「おかしいですね。シーナ殿に関わってはいけないと言っていたのに、何故ここへ?」
第一王子リュクス、第二王子リュセスの登場に、全員が慌てて臣下の礼を取る。
「ああ、よいよい。今日は私用で訪ねただけだ」
「システィー、シーナ殿をお預かりしても?」
私用、と聞き、当然システィアに用があると思っていたが、まさかのシーナの名に、全員が驚きを隠せない。
いくら王城で生活をしているとはいえ、王子殿下たちと偶然会うことはあれど、交流まであるなどとは思っていなかったからだ。
「ええ。例の件ですわね。ぜひぜひお願いいたしますわ、お兄様」
「例の件?」
シーナが首を傾げると、システィアが微笑んだ。
「二ヶ月後の夜会で、わたくしとシーナがお揃いの衣装にするための採寸というわけではないから、安心してお兄様方とお出かけしてきてね、シーナ」
「ええ?ドレスは見るもので着るものじゃないよ」
「採寸ではないと言っているでしょう。大丈夫よ、シーナ。わたくしはそのドレスに合わせた宝飾品をいくつか取り寄せているから、先に城に戻っているわけではないから誤解しないで、シーナ」
「強引なティア、大好き!」
このやり取りだけでも、四人の仲が窺い知れた。殆どの者は微笑ましく見つめ、シーナを批判していた一部の者は、目を白黒させていた。
「だがその前に、こちらが大問題だな。アビアントの」
冷たい表情のリュクスに、アビアント家は肩を揺らした。
「どうした、アビアントの。王家に逆らうだけでは足りぬか?精霊王様にも精霊女王様にも盾突くとは。恐れ入る」
精霊女王。
その言葉に、周囲に動揺が走る。
精霊王は、王女システィアの番であった。
精霊王だけではなく、精霊女王なる存在までいるというのか。
「さすが精霊を信じぬ者たちの行動だ。シーナ殿を虐げるだけでは飽き足らず、この国に災厄でも撒き散らすつもりか?この国の民を滅ぼそうとでも言うのか?」
アビアント家の侯爵は、次期宰相とされていたが、それが撤回された。嫡男のユーリは今代だけでなく、次代の国王側近まで約束されていたし、長女のラーナは第一王子リュクスの婚約者であった。
それらすべてが、白紙となった。
あり得ない事態に、社交界は大きく揺れたが、理由を知る者はいなかった。憶測の域を出ない噂ばかりが飛び交っていたが、今目の前で起こっていることに、繋がっているのではないだろうか。
そう、多くの者が、考えた。
「そういえば、アビアント侯爵家は、三人の子どもがいるはずだったな」
誰かが気付いた。
「え、そうだったのか?」
「まあ、確かに、そうでしたわね」
波紋が広がる。
アビアント家は、五人家族のはず。けれど今ここには四人。いるはずの三人目の子どもの姿が、ここにはない。
アビアント家の言葉に殿下たちの言葉。
王城で暮らしているのは、システィアの慈悲と聞いていたが。
平民だと思われていたシーナ。家名がないのではなく、名乗れなかったとしたら。
「シーナ様は、アビアント家の、三人目のお子ではないのか?」
ざわめきが広がる。
「ならば、何故家名を名乗らない?」
当然の疑問だ。
「それこそが、今のこの状況なのでは?」
アビアント家の評判は上々。性別も貴賤も問わず平等に接する、という素晴らしいもの。
侯爵家という地位と、優れた容姿と頭脳、それに偏ってはいるが性別貴賤問わず平等に扱うことから、優しいだけではなく、厳しい対応も出来る、という好評価になっている。
表向きは、と見れば、どうだろう。
アビアント家の平等性は、誰に向けたものか。
そう、優秀な者に対してだ。
それに気付いている者もいたのだろう。
「シーナ様のお噂を聞かなかったのは、どうしてかしら」
優秀で華やかな経歴の、アビアント家の人々。
「三人目のお子がいると、知らぬ者も多いな」
「何故かしら」
多くの者が、気付き始めている。
表に出なかった三人目。
精霊を信じていない、と王家の怒りを買っている状況。
家名を名乗らないシーナ。
精霊女王なる存在。
精霊王の番である王女システィアの願いにより、側にいるシーナ。
地に落ちた、アビアント家。
「なるほど。アビアント家は、なくなるのだな」
誰かがそう呟いた。
その時。
雪の結晶が、舞い降りた。
雪一片と、同じ大きさの結晶が、後から後から舞い落ちる。
何かに触れる度に、儚い音を立てて消えていく結晶。
消えゆく音が音楽を奏でているようで。
知らず、全員が空を見上げた。
銀色の結晶が降り注ぎ、精霊の調べのような幻想的な音楽に包まれる。
あまりに美しいその光景に、誰も声が出ない。
やがて、海に潜るように、何もない空間から顔を覗かせた人物に、誰もが息をのむ。
真っ白な髪は真珠のように美しく、真っ青な瞳は空のように透き通って。
白磁のような両腕を伸ばし、その腕に絡め取ったのは。
「シーナ、何もされていない?」
精霊王の番、システィアと常に一緒にいる、シーナであった。
「精霊女王様、申し訳ありません。私どもの監督不行き届きでシーナ殿に不快な思いを。アビアント家は即刻連れ出します。罰は後ほど、如何様にも」
膝をつき、頭を下げて謝罪するリュクスと、それに倣うリュセス。
「女王、すまない。私ももっと気を配るべきだった。シーナも、すまん」
なんと、驚くべきことに、精霊王まで顕現した。そして、シーナに謝罪までしたのだ。
周囲はあまりの出来事に、リュクスたちに倣い、膝をついて頭を下げることしか出来ない。
女王の声が響く。
「ねえ。おまえたちは、どこまで愚かなのかしら」
アビアント家は、呆然としている。
本当にシーナは、王の加護を持っていたなんて。
信じざるを得なかったが、やはりどこか信じられなくて。
「王家の人たちにも言われていたでしょう。シーナに近付くな、と」
目の当たりにして、ようやくそれが、真実だと知る。
シーナは、本当に、特別な人間だったのだ、と。
「これ以上わたくしを怒らせるでない!」
本当に愚かだったのは、自分たちだったのだ、と。
普段怒らない、怒りとは無縁そうな人が怒ると、尋常ではないほど怖い。
「あら、いけない。わたくしとしたことが、危うく楽に死なせるところだったわ。シーナを虐げていた年数の千倍は苦しんでもらわないといけないのに」
そんなに人は生きていられない。それだけ恨みは深いということなのだろう。
ちなみに学園でシーナを囲んでいた五人組に、この怒りの余波が向かったのは、言うまでもない。
これ以降五人は学園には姿を現さず、教会や修道院で一生を送ることになる。
………
……
…
レアが顕現したとき、周囲は頭を下げていて気付かなかった。
シーナがジト目でレアたちを見ると、女性陣は満面の笑顔を、男性陣はそっと目を逸らし。
「必要があれば、公開してもいいって言ったじゃない」
王城に帰って夕食が終わり、シーナがみんなに説明を求めると、レアが目を丸くしながらそう言った。
精霊女王の加護のことは言わず、精霊王の加護を持つシスティアの願いでシーナは王宮にいる、という体で学園に通う。加護持ちであることは、必要であれば公開することにして欲しいと、言ってはいた。
「あのタイミングで必要だったかな」
うーん、と首を傾げるシーナに、みんなが、必要、と満面の笑みで頷いた。
学園にも不届き者がいて。生徒はマトモだが親の方が不届き者だったりもして。シーナもシーナなりに頑張ってはいるが、何だかちょっと。というわけで、これ以上シーナが蔑ろにされるなんて耐えられない面々は、頷き合った。
アビアント家の監視をワザと緩めておこう。アビアント家が動いたら、行動に移そう。
こうして晴れてレアのお披露目と、シーナが番であることが知れ渡った。
「んー、でもレアと堂々とイチャイチャ出来るのは、確かにいいよね!盲点だった!」
いつだって前向きで、明るいシーナ。
弾けるような笑顔に、王子たちはやはり顔を赤くする。そんな二人の兄を陰ながらそっと応援をするシスティアと、傍観を決め込むレアとケイ。
けれどレアは、やはりその笑顔を引き出せたのが自分だと思うとちょっとだけ優越感もあったりして。
「ふふ。わたくしも嬉しいわ、シーナ」
そう言って、愛しく抱き締めるのだった。
ねえ、シーナ。
あなたがこの先、どんな選択をするのかはわからないけれど。
あなたの幸せが、わたくしの幸せ。
それだけは、忘れないでね。
「シーナ、今、幸せ?」
「もちろんよ!」
*おしまい*
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
これにて番外編も終了となります。
シーナがこれからどんな選択をしていくのか。
いつかお届け出来るといいなあと思っております。
R6.6/25にHOTランキング入りとなり、たくさんの方の目に触れる機会に恵まれました。
みなさま、本当にありがとうございました。
いつかまたお会い出来ることを願って。
第一王子リュクス、第二王子リュセスの登場に、全員が慌てて臣下の礼を取る。
「ああ、よいよい。今日は私用で訪ねただけだ」
「システィー、シーナ殿をお預かりしても?」
私用、と聞き、当然システィアに用があると思っていたが、まさかのシーナの名に、全員が驚きを隠せない。
いくら王城で生活をしているとはいえ、王子殿下たちと偶然会うことはあれど、交流まであるなどとは思っていなかったからだ。
「ええ。例の件ですわね。ぜひぜひお願いいたしますわ、お兄様」
「例の件?」
シーナが首を傾げると、システィアが微笑んだ。
「二ヶ月後の夜会で、わたくしとシーナがお揃いの衣装にするための採寸というわけではないから、安心してお兄様方とお出かけしてきてね、シーナ」
「ええ?ドレスは見るもので着るものじゃないよ」
「採寸ではないと言っているでしょう。大丈夫よ、シーナ。わたくしはそのドレスに合わせた宝飾品をいくつか取り寄せているから、先に城に戻っているわけではないから誤解しないで、シーナ」
「強引なティア、大好き!」
このやり取りだけでも、四人の仲が窺い知れた。殆どの者は微笑ましく見つめ、シーナを批判していた一部の者は、目を白黒させていた。
「だがその前に、こちらが大問題だな。アビアントの」
冷たい表情のリュクスに、アビアント家は肩を揺らした。
「どうした、アビアントの。王家に逆らうだけでは足りぬか?精霊王様にも精霊女王様にも盾突くとは。恐れ入る」
精霊女王。
その言葉に、周囲に動揺が走る。
精霊王は、王女システィアの番であった。
精霊王だけではなく、精霊女王なる存在までいるというのか。
「さすが精霊を信じぬ者たちの行動だ。シーナ殿を虐げるだけでは飽き足らず、この国に災厄でも撒き散らすつもりか?この国の民を滅ぼそうとでも言うのか?」
アビアント家の侯爵は、次期宰相とされていたが、それが撤回された。嫡男のユーリは今代だけでなく、次代の国王側近まで約束されていたし、長女のラーナは第一王子リュクスの婚約者であった。
それらすべてが、白紙となった。
あり得ない事態に、社交界は大きく揺れたが、理由を知る者はいなかった。憶測の域を出ない噂ばかりが飛び交っていたが、今目の前で起こっていることに、繋がっているのではないだろうか。
そう、多くの者が、考えた。
「そういえば、アビアント侯爵家は、三人の子どもがいるはずだったな」
誰かが気付いた。
「え、そうだったのか?」
「まあ、確かに、そうでしたわね」
波紋が広がる。
アビアント家は、五人家族のはず。けれど今ここには四人。いるはずの三人目の子どもの姿が、ここにはない。
アビアント家の言葉に殿下たちの言葉。
王城で暮らしているのは、システィアの慈悲と聞いていたが。
平民だと思われていたシーナ。家名がないのではなく、名乗れなかったとしたら。
「シーナ様は、アビアント家の、三人目のお子ではないのか?」
ざわめきが広がる。
「ならば、何故家名を名乗らない?」
当然の疑問だ。
「それこそが、今のこの状況なのでは?」
アビアント家の評判は上々。性別も貴賤も問わず平等に接する、という素晴らしいもの。
侯爵家という地位と、優れた容姿と頭脳、それに偏ってはいるが性別貴賤問わず平等に扱うことから、優しいだけではなく、厳しい対応も出来る、という好評価になっている。
表向きは、と見れば、どうだろう。
アビアント家の平等性は、誰に向けたものか。
そう、優秀な者に対してだ。
それに気付いている者もいたのだろう。
「シーナ様のお噂を聞かなかったのは、どうしてかしら」
優秀で華やかな経歴の、アビアント家の人々。
「三人目のお子がいると、知らぬ者も多いな」
「何故かしら」
多くの者が、気付き始めている。
表に出なかった三人目。
精霊を信じていない、と王家の怒りを買っている状況。
家名を名乗らないシーナ。
精霊女王なる存在。
精霊王の番である王女システィアの願いにより、側にいるシーナ。
地に落ちた、アビアント家。
「なるほど。アビアント家は、なくなるのだな」
誰かがそう呟いた。
その時。
雪の結晶が、舞い降りた。
雪一片と、同じ大きさの結晶が、後から後から舞い落ちる。
何かに触れる度に、儚い音を立てて消えていく結晶。
消えゆく音が音楽を奏でているようで。
知らず、全員が空を見上げた。
銀色の結晶が降り注ぎ、精霊の調べのような幻想的な音楽に包まれる。
あまりに美しいその光景に、誰も声が出ない。
やがて、海に潜るように、何もない空間から顔を覗かせた人物に、誰もが息をのむ。
真っ白な髪は真珠のように美しく、真っ青な瞳は空のように透き通って。
白磁のような両腕を伸ばし、その腕に絡め取ったのは。
「シーナ、何もされていない?」
精霊王の番、システィアと常に一緒にいる、シーナであった。
「精霊女王様、申し訳ありません。私どもの監督不行き届きでシーナ殿に不快な思いを。アビアント家は即刻連れ出します。罰は後ほど、如何様にも」
膝をつき、頭を下げて謝罪するリュクスと、それに倣うリュセス。
「女王、すまない。私ももっと気を配るべきだった。シーナも、すまん」
なんと、驚くべきことに、精霊王まで顕現した。そして、シーナに謝罪までしたのだ。
周囲はあまりの出来事に、リュクスたちに倣い、膝をついて頭を下げることしか出来ない。
女王の声が響く。
「ねえ。おまえたちは、どこまで愚かなのかしら」
アビアント家は、呆然としている。
本当にシーナは、王の加護を持っていたなんて。
信じざるを得なかったが、やはりどこか信じられなくて。
「王家の人たちにも言われていたでしょう。シーナに近付くな、と」
目の当たりにして、ようやくそれが、真実だと知る。
シーナは、本当に、特別な人間だったのだ、と。
「これ以上わたくしを怒らせるでない!」
本当に愚かだったのは、自分たちだったのだ、と。
普段怒らない、怒りとは無縁そうな人が怒ると、尋常ではないほど怖い。
「あら、いけない。わたくしとしたことが、危うく楽に死なせるところだったわ。シーナを虐げていた年数の千倍は苦しんでもらわないといけないのに」
そんなに人は生きていられない。それだけ恨みは深いということなのだろう。
ちなみに学園でシーナを囲んでいた五人組に、この怒りの余波が向かったのは、言うまでもない。
これ以降五人は学園には姿を現さず、教会や修道院で一生を送ることになる。
………
……
…
レアが顕現したとき、周囲は頭を下げていて気付かなかった。
シーナがジト目でレアたちを見ると、女性陣は満面の笑顔を、男性陣はそっと目を逸らし。
「必要があれば、公開してもいいって言ったじゃない」
王城に帰って夕食が終わり、シーナがみんなに説明を求めると、レアが目を丸くしながらそう言った。
精霊女王の加護のことは言わず、精霊王の加護を持つシスティアの願いでシーナは王宮にいる、という体で学園に通う。加護持ちであることは、必要であれば公開することにして欲しいと、言ってはいた。
「あのタイミングで必要だったかな」
うーん、と首を傾げるシーナに、みんなが、必要、と満面の笑みで頷いた。
学園にも不届き者がいて。生徒はマトモだが親の方が不届き者だったりもして。シーナもシーナなりに頑張ってはいるが、何だかちょっと。というわけで、これ以上シーナが蔑ろにされるなんて耐えられない面々は、頷き合った。
アビアント家の監視をワザと緩めておこう。アビアント家が動いたら、行動に移そう。
こうして晴れてレアのお披露目と、シーナが番であることが知れ渡った。
「んー、でもレアと堂々とイチャイチャ出来るのは、確かにいいよね!盲点だった!」
いつだって前向きで、明るいシーナ。
弾けるような笑顔に、王子たちはやはり顔を赤くする。そんな二人の兄を陰ながらそっと応援をするシスティアと、傍観を決め込むレアとケイ。
けれどレアは、やはりその笑顔を引き出せたのが自分だと思うとちょっとだけ優越感もあったりして。
「ふふ。わたくしも嬉しいわ、シーナ」
そう言って、愛しく抱き締めるのだった。
ねえ、シーナ。
あなたがこの先、どんな選択をするのかはわからないけれど。
あなたの幸せが、わたくしの幸せ。
それだけは、忘れないでね。
「シーナ、今、幸せ?」
「もちろんよ!」
*おしまい*
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
これにて番外編も終了となります。
シーナがこれからどんな選択をしていくのか。
いつかお届け出来るといいなあと思っております。
R6.6/25にHOTランキング入りとなり、たくさんの方の目に触れる機会に恵まれました。
みなさま、本当にありがとうございました。
いつかまたお会い出来ることを願って。
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