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番外編
学園だよ!全員集合? 前編
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「本当に、何故平民がこの学園に通っているのかしら」
「それどころか、平民如きが王城にまで出入りするとは」
「だが、王女殿下をお助けしたと聞いたが?」
「殿下は世界で最も尊いご加護をお持ちですわよ。お助けしたと申しましても、ハンカチを落とされて、それを拾ってお渡しした、という程度のものではないかしら」
「しかし、それであれば、殿下が所持されている物に触れられた栄誉こそあれ、殿下がお心を砕くほどのことではないのでは?」
「王女殿下の優しさにつけ込んだのではなくて?」
「精霊王様のご加護を賜るほどのお方ですもの。慈悲深いのも当然ですわね」
シーナたちが学園に通うようになって三週間。
平民だと思われているシーナと、世界の至宝システィアが共にいることを面白く思わない者たちがいた。
大抵の者たちは、あのシスティアが共にいるのだから、シーナはただの平民ではない、と判断し、好意的かつ丁寧に接していたが。
………
……
…
「あれぇ?」
鞄を漁りながら、シーナは首を傾げた。
「どうしたの、シーナ」
声をかけるシスティアを、シーナは困ったように見た。
「それが」
言いかけて、意地悪な笑いを浮かべる五人グループと目が合った。
「何でもないことはないけど何でもないよ」
へへ、と笑うシーナに、システィアは少しだけ間を空けてから、そう、と頷いた。
「後できちんと教えてね、シーナ」
まったく誤魔化せていないけれど、誤魔化したとバレている。
大事にしたくない、出来るだけ自分で対処したい、というシーナの気持ちを汲んでくれるシスティアを、ますます大好きになる。
放課後、わざと教室に一人残るシーナの元に、あの五人組が近付いて来た。シーナを囲むと、シーナの鞄に入れていたノートをボロボロにした謝罪もなく、それぞれ言いたいことを言い始めた。
「あなたのような平民が近付いて良いお方ではないの」
「殿下の優しさにつけ込むのはやめろ、恥知らずが」
「図々しいことこの上ないね。殿下が何も仰らないからといい気になるなよ、愚民が」
「さっさと王城からもこの学園からも出て行きなさい」
「自分の立場も理解出来ないとは、嘆かわしい」
悪意をぶつけられることは慣れている。はっきり言ってどうでもいい。けれど、シーナは学習した。もしも同じことを大事な人がされたら。だからシーナは、黙ってやられることは止めようと思う。おとなしくしていたら、エスカレートするから。
「一度に言われてもわかりません。もう一度お願いします」
それには、ひとつひとつにきっちり言い返してやるのが一番だ。論破してやる。
意気込んだはいいが、どこかズレているシーナ。
「なっ!バカにしているのか、平民が!」
「本当に立場がわかっていないのね!だからそんな口がきけるのよ!」
「おまえのような者がいると風紀が乱れる。即刻出て行け」
「ええええ?だから一度に言わないでよぉ。えーと、私が平民で立場がわからない、ティ、じゃない、システィア殿下の優しさに寄生する寄生虫で、図々しく学園に通う風紀委員取り締まりの対象者だから、国から出て行け、でしたか?」
合っているような合っていないような。
五人組は微妙な顔をした。
「えーと、ですね。まず言わせていただきますが、システィア殿下と離れることは断固拒否ね。ムリ」
「貴様!」
「殿下のお名前を呼ぶだけでも不敬だというのに!」
「え?そうなの?じゃあいつも通りティアって呼ぶわ」
「おまえぇぇっ!」
「どこまで我々を愚弄する気だ!!」
ますます怒る五人組。論破しようとしただけなのに、何故こうなるのかわからない。
うん、ムリ。
人付き合いの殆どなかったシーナは、一瞬で諦めた。
「わかりました。では私はどうしたらよろしいですか?」
「殿下から離れなさい!」
「ムリ」
「学園から出て行きなさい!」
「ムリ」
「王城からも去れ!」
「ムリ」
「貴様ああああ!」
シーナは溜め息を吐いた。
この人たちの血管切れちゃうんじゃないかしら。
「ムリなことしか言わないからよ」
残念なものを見るようにそう言うシーナに、ますます激昂する五人。
「ムリではないだろう!おまえが消えればいいだけだ!」
「あなたの存在が殿下に迷惑をかけているのよ!」
「それはないなあ」
「貴様の願望など聞いていない!消え失せろ!」
「あははは。ないない。絶対ないよ」
あまりにあっさり否定するシーナに、五人は急に不安になる。
「ダメだよ。私たちの関係を、何も知らないキミたちが語ってはダメ」
何もかもを見透かしたような、穢れのない瞳に見つめられ、五人はたじろぐ。
元々美しい娘だ。あのシスティアといても、まったく見劣りしないほどの美貌。
金色の髪は、根元は淡い色だが、毛先に向かって黄金のように色濃く輝く不思議な色合い。緑色の瞳は、エメラルドのように美しく澄んで。
その瞳に気圧されるように、五人は「忠告したからな」と、何故か逃げるように去って行った。
システィアから離れろ、迷惑がかかる、学園を去れ、王城から出て行け、などと言われるだけで、何故そうしなくてはならないのか、何故そうなのかを話してくれない。シーナはこういうことには疎かった。
結局何がしたかったのか、シーナにはよくわからなかった。
………
……
…
学園生活がひと月経とうという頃、またも騒動が起こる。
「た、頼む、お願いします、たす、助けて、ください」
シーナたちが帰ろうと玄関を出てすぐ、シーナの足下に縋る者たちがいた。
その人物たちに、シーナは目を丸くする。
「これまでのことは、謝罪では到底足りないでしょう。ですが、どうか、どうか、慈悲を、ご容赦を」
「た、助けて、わたくしは、あなたの――っっ」
シーナの名を呼ぼうとしたり、関係性を示す言葉は口に出来なくなっている。
けれど、この四人は有名だ。
「おい、あれ、アビアント侯爵家のご一家ではないのか?」
当然、気付かれる。
「最近お姿を拝見しませんでしたが、どうなさったのでしょう。あれほどまでにお窶れになって」
「それに、どうしたことだ。シーナ様に平伏している」
「やはりシーナ様は、徒人ではなかったか」
校舎から出てくる生徒たちが、何事かと集まり始める。
アビアント家は、あの断罪の日から、毎日苛まれていた。王家からそれまでの立場を剥奪され、事業は悉く上手くいかない。資金繰りに喘ぎ、援助を乞おうと向かえば、必ず何かしらの邪魔が入って辿り着けない。こうして本当に信じられないほどあっという間に、窮地に追い込まれた。
ただ歩いているだけでも怪我をするし、眠りの中にも安息はない。使用人を雇う余裕もなくなり、自分たちのことは自分たちでやらなくてはならないが、料理も洗濯も掃除も、当然上手くいかない。
解雇された使用人たちも、紹介状を持ってはいるが、何故か次の職が見つからない上に、職を探して歩く度に、怪我をしたり荷物を盗られたりと、碌な目に遭わない。終いには、”アビアント家で働いていた使用人は、幼い子どもを虐待する”という噂が出回り、王都だけでなく、近隣都市、果ては国中、どこに行っても雇ってもらえることはなくなった。身分を隠して何とか就職先を見つけても、何故かすぐにアビアント家で働いていたことが露見して追い出されることとなり、アビアント家の使用人たちは、働くことが出来ずに家族からも見放され、スラム街に流れ着くこととなる。
こうして僅か一月半ほどで、長く栄華を誇ったアビアント家は、没落寸前まで追い込まれ、あれほど美しかった容姿も身なりも、最早見る陰もなくなっていた。
形振り構っていられなくなったアビアント家は、王家や精霊王ケイに、シーナと関わるな、と言われたことも忘れて、藁にも縋る思いでやって来たのだ。
同情でも誘うつもりなのだろうか、自分たちの置かれた状況を涙ながらに語り、これまでの自分たちの愚かさを謝罪している。
門の側まで行っていた生徒たちも、何事かと戻ってくる。
それらの様子を、システィアは黙って見ていた。
すると。
「おや。アビアント家の。こんなところでどうされた」
どこか楽しそうな声音と共に、人垣が割れていく。
*後編につづく*
「それどころか、平民如きが王城にまで出入りするとは」
「だが、王女殿下をお助けしたと聞いたが?」
「殿下は世界で最も尊いご加護をお持ちですわよ。お助けしたと申しましても、ハンカチを落とされて、それを拾ってお渡しした、という程度のものではないかしら」
「しかし、それであれば、殿下が所持されている物に触れられた栄誉こそあれ、殿下がお心を砕くほどのことではないのでは?」
「王女殿下の優しさにつけ込んだのではなくて?」
「精霊王様のご加護を賜るほどのお方ですもの。慈悲深いのも当然ですわね」
シーナたちが学園に通うようになって三週間。
平民だと思われているシーナと、世界の至宝システィアが共にいることを面白く思わない者たちがいた。
大抵の者たちは、あのシスティアが共にいるのだから、シーナはただの平民ではない、と判断し、好意的かつ丁寧に接していたが。
………
……
…
「あれぇ?」
鞄を漁りながら、シーナは首を傾げた。
「どうしたの、シーナ」
声をかけるシスティアを、シーナは困ったように見た。
「それが」
言いかけて、意地悪な笑いを浮かべる五人グループと目が合った。
「何でもないことはないけど何でもないよ」
へへ、と笑うシーナに、システィアは少しだけ間を空けてから、そう、と頷いた。
「後できちんと教えてね、シーナ」
まったく誤魔化せていないけれど、誤魔化したとバレている。
大事にしたくない、出来るだけ自分で対処したい、というシーナの気持ちを汲んでくれるシスティアを、ますます大好きになる。
放課後、わざと教室に一人残るシーナの元に、あの五人組が近付いて来た。シーナを囲むと、シーナの鞄に入れていたノートをボロボロにした謝罪もなく、それぞれ言いたいことを言い始めた。
「あなたのような平民が近付いて良いお方ではないの」
「殿下の優しさにつけ込むのはやめろ、恥知らずが」
「図々しいことこの上ないね。殿下が何も仰らないからといい気になるなよ、愚民が」
「さっさと王城からもこの学園からも出て行きなさい」
「自分の立場も理解出来ないとは、嘆かわしい」
悪意をぶつけられることは慣れている。はっきり言ってどうでもいい。けれど、シーナは学習した。もしも同じことを大事な人がされたら。だからシーナは、黙ってやられることは止めようと思う。おとなしくしていたら、エスカレートするから。
「一度に言われてもわかりません。もう一度お願いします」
それには、ひとつひとつにきっちり言い返してやるのが一番だ。論破してやる。
意気込んだはいいが、どこかズレているシーナ。
「なっ!バカにしているのか、平民が!」
「本当に立場がわかっていないのね!だからそんな口がきけるのよ!」
「おまえのような者がいると風紀が乱れる。即刻出て行け」
「ええええ?だから一度に言わないでよぉ。えーと、私が平民で立場がわからない、ティ、じゃない、システィア殿下の優しさに寄生する寄生虫で、図々しく学園に通う風紀委員取り締まりの対象者だから、国から出て行け、でしたか?」
合っているような合っていないような。
五人組は微妙な顔をした。
「えーと、ですね。まず言わせていただきますが、システィア殿下と離れることは断固拒否ね。ムリ」
「貴様!」
「殿下のお名前を呼ぶだけでも不敬だというのに!」
「え?そうなの?じゃあいつも通りティアって呼ぶわ」
「おまえぇぇっ!」
「どこまで我々を愚弄する気だ!!」
ますます怒る五人組。論破しようとしただけなのに、何故こうなるのかわからない。
うん、ムリ。
人付き合いの殆どなかったシーナは、一瞬で諦めた。
「わかりました。では私はどうしたらよろしいですか?」
「殿下から離れなさい!」
「ムリ」
「学園から出て行きなさい!」
「ムリ」
「王城からも去れ!」
「ムリ」
「貴様ああああ!」
シーナは溜め息を吐いた。
この人たちの血管切れちゃうんじゃないかしら。
「ムリなことしか言わないからよ」
残念なものを見るようにそう言うシーナに、ますます激昂する五人。
「ムリではないだろう!おまえが消えればいいだけだ!」
「あなたの存在が殿下に迷惑をかけているのよ!」
「それはないなあ」
「貴様の願望など聞いていない!消え失せろ!」
「あははは。ないない。絶対ないよ」
あまりにあっさり否定するシーナに、五人は急に不安になる。
「ダメだよ。私たちの関係を、何も知らないキミたちが語ってはダメ」
何もかもを見透かしたような、穢れのない瞳に見つめられ、五人はたじろぐ。
元々美しい娘だ。あのシスティアといても、まったく見劣りしないほどの美貌。
金色の髪は、根元は淡い色だが、毛先に向かって黄金のように色濃く輝く不思議な色合い。緑色の瞳は、エメラルドのように美しく澄んで。
その瞳に気圧されるように、五人は「忠告したからな」と、何故か逃げるように去って行った。
システィアから離れろ、迷惑がかかる、学園を去れ、王城から出て行け、などと言われるだけで、何故そうしなくてはならないのか、何故そうなのかを話してくれない。シーナはこういうことには疎かった。
結局何がしたかったのか、シーナにはよくわからなかった。
………
……
…
学園生活がひと月経とうという頃、またも騒動が起こる。
「た、頼む、お願いします、たす、助けて、ください」
シーナたちが帰ろうと玄関を出てすぐ、シーナの足下に縋る者たちがいた。
その人物たちに、シーナは目を丸くする。
「これまでのことは、謝罪では到底足りないでしょう。ですが、どうか、どうか、慈悲を、ご容赦を」
「た、助けて、わたくしは、あなたの――っっ」
シーナの名を呼ぼうとしたり、関係性を示す言葉は口に出来なくなっている。
けれど、この四人は有名だ。
「おい、あれ、アビアント侯爵家のご一家ではないのか?」
当然、気付かれる。
「最近お姿を拝見しませんでしたが、どうなさったのでしょう。あれほどまでにお窶れになって」
「それに、どうしたことだ。シーナ様に平伏している」
「やはりシーナ様は、徒人ではなかったか」
校舎から出てくる生徒たちが、何事かと集まり始める。
アビアント家は、あの断罪の日から、毎日苛まれていた。王家からそれまでの立場を剥奪され、事業は悉く上手くいかない。資金繰りに喘ぎ、援助を乞おうと向かえば、必ず何かしらの邪魔が入って辿り着けない。こうして本当に信じられないほどあっという間に、窮地に追い込まれた。
ただ歩いているだけでも怪我をするし、眠りの中にも安息はない。使用人を雇う余裕もなくなり、自分たちのことは自分たちでやらなくてはならないが、料理も洗濯も掃除も、当然上手くいかない。
解雇された使用人たちも、紹介状を持ってはいるが、何故か次の職が見つからない上に、職を探して歩く度に、怪我をしたり荷物を盗られたりと、碌な目に遭わない。終いには、”アビアント家で働いていた使用人は、幼い子どもを虐待する”という噂が出回り、王都だけでなく、近隣都市、果ては国中、どこに行っても雇ってもらえることはなくなった。身分を隠して何とか就職先を見つけても、何故かすぐにアビアント家で働いていたことが露見して追い出されることとなり、アビアント家の使用人たちは、働くことが出来ずに家族からも見放され、スラム街に流れ着くこととなる。
こうして僅か一月半ほどで、長く栄華を誇ったアビアント家は、没落寸前まで追い込まれ、あれほど美しかった容姿も身なりも、最早見る陰もなくなっていた。
形振り構っていられなくなったアビアント家は、王家や精霊王ケイに、シーナと関わるな、と言われたことも忘れて、藁にも縋る思いでやって来たのだ。
同情でも誘うつもりなのだろうか、自分たちの置かれた状況を涙ながらに語り、これまでの自分たちの愚かさを謝罪している。
門の側まで行っていた生徒たちも、何事かと戻ってくる。
それらの様子を、システィアは黙って見ていた。
すると。
「おや。アビアント家の。こんなところでどうされた」
どこか楽しそうな声音と共に、人垣が割れていく。
*後編につづく*
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