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番となる side悠

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空き教室に入り、鍵を閉める。

「そう言えば…左頬どうしたの?」
「ぁ…、発情期が来て転んじゃったらしくて……」
「そうか……気を付けてね?」

咄嗟についた嘘を信じた和哉はそっと左頬に触れて言った。
俺は罪悪感が残ったが、言ってしまえばこの関係が終わってしまう、そう思い言えなかった。


「大丈夫?立てる?」
「うん…大丈夫」

片付けは和哉がやってくれた。
まぁ…ヤッた後すぐに動ける人はいないと思うけど…っ!

「もうすぐ春休みか」
「あ…、うん。卒業式明後日だもんね」
「先輩達いなくなるんだね」
「先輩と関わりないから何とも言えないけどね」
「この学校部活ないからな~」

この学校には部活がない。
誰でも受けつけているために、‪α‬同士の争い、Ωへの保護、‪α‬とβの差をはっきり出させてはいけないのだ。
だからといって体育がない訳ではなく、クラスの‪α‬、β、Ωごとに分かれてそれぞれにあった運動をする。
中にはこんなんじゃ物足りない!もっとやらせてくれ!って人がいる。
そういう人は別メニューでやらせてくれる。

「でもクラス離れたら見ることもできねぇんだな。それは嫌だな」
「うん、そうだね……」

俺も嫌だ。
せっかく和哉と同じクラスになれたのに違うだなんて。

「同じクラスになりますようにっ!」
「なりますように……」

でも俺は何となく分かってる。
同じクラスにはなれないことを…。
たとえ番でも先生に言わなければ同じクラスにはなれない。
先生に言ったからといって必ず同じクラスになれるわけでもないのだ。

後に、俺の予想は的中する。
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