上 下
60 / 65
chapter4.俺、異世界にいます。今すごく幸せで幸せで幸せです。(語彙力)

4-08 俺とヴァルの、初めての…… 2

しおりを挟む
ヴァルの逞しい男性器は、腹につく勢いで反り返っている。おれがそれにそっと触れ途端、ヴァルが小さく呻いた。悩まし気な切ない吐息が、その口から漏れ出る。

「……っ! ユート……だめだ……おまえに触れられると……俺は……」

「触りたいんだ。触らせてくれよ……」

俺は精一杯、ヴァルを見上げる目に気持ちを込めてみた。目は口程に物を言う、と言うしな。俺の乏しい表情筋がもし変顔へんがおを作っていても、なにがしか通じるだろう。
するとヴァルは「ウムルルルル……」という不思議な声を紡ぎながら、ギュッと目を閉じた。
お触り可のお許しが出た気がして、俺は太い幹みたいな逸物いちもつに、両手を添える。

「ああ……ユート……、ユート……く、うぅ……」

ヴァルの喉から、色っぽい音がこぼれる。
ああ……すごい、ほんとすごい、ヴァルの勃起。
太い。
逞しい。
それに硬い。
俺はドキドキしながら、両手でヴァルの巨根をこすり始めた。

「ああ……ユート、イイぞ、すごくイイ……。とても上手だ……」

その囁きと共に、ヴァルが身を屈めてキスをしてくる。それに応えながら、俺は両手でヴァルの勃起を一生懸命しごいた。するとヴァルがいきなり、俺を持ち上げて姿勢を変えさせた。俺の両脚を開かせて、ヴァルと対面する形で座らせ、互いの性器がぴったりとくっつく姿勢に。
ヴァルの大きな手が、俺の手ごと、二つの雄をまとめて包み込む。

「ああ……ヴァル……はあ、はあ……」

愛しい男の手の中で、熱いたかぶりにぴったりと寄り添い、大切な部分を触れ合わせているその感触に、心臓が痛いほど高鳴る。

「ヴァル……。ああ、何これすごく気持ちいい……。もう俺、溶けそう……」

半開きの目でそう告げると、ヴァルもまた、悩まし気に眉を寄せ、荒い息遣いで言った。

「ユート、共にこう……。愛してる、愛してるユート」

「俺も、愛してるよ、ヴァル。……んッ、んんッ、んぅッ……!!」

ぴちゃぴちゃと、濡れた音。
ぷちゅぷちゅと、泡のはじける音。
くちゅくちゅと、互いの肌がこすれあう音。

混ざり合った音が淫らなハーモニーを奏で、耳を犯す。

ぴちゃっ、ぴちゃっ、
ぷちゅっ、ぷちゅっ、
くちゅっ、くちゅっ、
ぴちゃっ、ぴちゃっ、
ぷちゅっ、ぷちゅっ、
くちゅっ、くちゅっ。

脳が、スパークする。
体が弾けて、意識がとろける。

「あッ、あッ、ヴァル、ヴァル、もう、俺、イく、イくぅッ!!」

「ああ、ユート、ユート!! くぅううっ!!」

俺がイった数秒後。
ヴァルの雄もまた、ぜた。
勢いよく放たれたヴァルの精液が、俺の腹や胸に飛び散り、顔にまで達して濡らしてゆく。
俺はそれを拭いもせず、喜んで浴びながら、チャンスとばかりにヴァルの顔を見上げた。
ずっと見たかったんだ。
ヴァルの、イく時の顔。

そこには、想像していたよりも もっとセクシーなヴァルの顔が、あった。

眉根を寄せた精悍せいかんな顔に、浮かびあがるエクスタシー。
半開きの口から覗く、尖った牙と赤い舌。
目をつぶって快楽の余韻にふける様は、今まで見たどんな18禁動画よりいやらしく、そそられた。

「あ……ああ……」

ヴァルの表情を見ているうちに、イったばかりの俺のそれが、再び起き上がる。
賢者タイムの強制終了力、凄まじい。
ふとヴァルの雄に目を落とすと、まだ張りも角度も保ったまま、射精を続けている。
その上……よく見ると……ヴァルのアレが、何だか更にボリュームアップしてる。

「え……何、このふくらみ……ヴァルのコレ、どうなってんの……」

ヴァルの勃起の根元部分に、何やらポコンとした突起が二つ、膨らんでいる。さっき見た時は、無かったものだ。
触ってみたい。
触っても、いいかな。
いいよな?
よし、触る。

「うっ、くっ……ッ!! ユート……」

「あっ、ごめ……ここもしかして、痛い?」

俺が慌てて手を引っ込めると、ヴァルが息を乱しながら言った。

「ああ……いいんだ、ユート。声を上げたのは、痛かったからじゃない。この根元部分のこぶは、狼人種や犬人種に特有のものでな……その……主に交尾の際、射精する前後に、このようにだんだんと、膨らんでくるのだ。……興奮が高まれば高まるほど、このように大きくなる」

「えっ……、じゃあ、今、興奮……してるってことか? 俺との、触り合いっこで……射精して……」

嬉しい。でも、なんで? こんな部位、人間には無い。
もう一度、触ってみていいかな……触りたい。
触るそぶりをしてヴァルを見つめてみると、彼は複雑な雰囲気の苦笑いを浮かべて言った。

「触りたいか? そうだな、おまえには、珍しいだろうな。……触ってもよいが、敏感な部分なのでな……俺の自制心が持つか、心配だ。その……これはな、一旦膨らめば、自然に収まるまで1時間前後かかる。射精中、相手と深く繋がり、たやすく抜けないように……するための機能だ。……その間、射精も長く続く。愛する者を離さず、その体内に、多くの子種を注ぐために」

「 !! 」

ええええええっ?!
何それ……。
エッロ……。エロい。エロ過ぎる。
あっ、あっ! これか、ミナが言ってたやつ!
「一度入れたら1時間は抜かない」っていうやつ、このペニスの形状だからか!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

【完結】虐げられオメガ聖女なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました(異世界恋愛オメガバース)

美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!

ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話

かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。 「やっと見つけた。」 サクッと読める王道物語です。 (今のところBL未満) よければぜひ! 【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

魔王討伐後に勇者の子を身篭ったので、逃げたけど結局勇者に捕まった。

柴傘
BL
勇者パーティーに属していた魔術師が勇者との子を身篭ったので逃走を図り失敗に終わるお話。 頭よわよわハッピーエンド、執着溺愛勇者×気弱臆病魔術師。 誰もが妊娠できる世界、勇者パーティーは皆仲良し。 さくっと読める短編です。

処理中です...