妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

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妄想編

6話【case 3】 中山 トオル 22歳 :発熱(藍原編)

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 中山くんを呼んだら、お母さんらしき人も一緒に入ってきた。あらあら、最近は子離れできてない親が多いのね。症状を聞いても、本人じゃなくてお母さんが答えちゃってる。中山くんは……それがちょっと恥ずかしいみたい。そりゃそうよね、22歳だもん。
 さて。症状は風邪っぽいけど、その割にはちょっと激しいわね。のどを見ると、赤く腫れてて白い膿がついてる。首のリンパ節も、結構腫れてる。……ははーん、これは……。

「おなかも診ましょう」

 そういって診察台に寝かせる間に、中山くんをさりげなく観察。……ちょっとウブっぽい22歳ね。たぶんまだ童貞だけど、やらしいことには興味津々……てとこかしら。きっと最近、彼女ができたに違いないわ。それで、あんなことやこんなことをしたいけど、今はまだチューどまり……。

 お母さんを待たせたまま、カーテンを閉める。診察や処置してるときは、気が散るからご家族には遠慮いただきたいのよね。さて、あたしの考えが正しければ、中山くんの肝臓は腫れてるはず。
 痛くないように、ゆっくり優しくおなかを押す。……薄いカーテンで仕切られたふたりきりの空間。すぐ外には、中山くんのお母さん。……これってちょっと、ドキドキするわよね……。『あっ、だめだよ先生、そんなとこ……』『じっとして、診察なんだから』『あっ、でも、そこはダメ……っ! ね、母さんに気づかれちゃう……』『うふふ、じゃあ、気づかれないように、声を我慢して?』『んあ……ッ! が、我慢できない……!』『あらあら、ダメな子ね……』

 ……なーんてこと考えてないで! 診察診察!
 ……うん、やっぱり、肝臓が少し腫れてる。大当たりね。

「首以外のリンパ節も、チェックしますね」

 全身のリンパ節が腫れていないか診るのに、脇の下へ手を入れる。……あら、すごい汗。やっぱり、興奮してるのかしら……? あとは、鼠径のリンパ節もチェック。……あら? なんだか、この子のアソコ……ちょっと、大きいみたい。もともとかしら、それともやっぱり……興奮してるのかしら……?

「足の付け根、失礼しますね……」

 トランクスの下から、指を入れる。なんだか卑猥ね、下着の下に手を入れるなんて……。そのまま、さりげなく……『あッ、せ、先生、そこは……!』『ふふ、よく腫れてるわね……どうしてかしら?』『そ、それは、先生が……触ったから……』『ふふ、診察で感じちゃうなんて、イケナイ子ね……』『だ、ダメだよ、母さんにバレちゃう……ッ』『大丈夫……あたしがちゃんと、イカせてあげるから……』そして、トランクスの下から、大きく熱くなった彼のアソコを――

 ああ! 違う違う、アソコじゃなくて、鼠径リンパ節でしょ! 危ないわ、うっかり手が吸い寄せられて触っちゃうところだった……!
 ……うん、鼠径も腫れてる。これはますます、あれね……伝染性単核球症。チューで移る病気なんですよ、なんてお母さんの前でいったら、お母さん、パニックになっちゃうかしら?? ま、とりあえず、採血とおなかの超音波で確認ね。

「準備ができたら声をかけますから、ちょっと待合室でお待ちくださいね」

 結果次第では、入院も考えなくちゃね……。
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