妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

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障害編

75話【off duty】新條 浩平:「洗ってきて」(新條編)①

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 熱いシャワーを、頭から浴びる。ずっと、浴び続ける。だんだん、酔いが醒めてきた……もう今さら、遅いけど。
 ……ああ、畜生。なんでこんなことになっちまったんだ。途中で歯止めをかけられるようなポイントは、あったはずなんだ。戸叶先生を、部屋にあげないとか。勧められても飲まないとか。俺には下心なんて、全然なかった。それは断言できる。でも結果的にこうなってしまったからには、最初に下心があったかどうかなんて、関係ない。俺は、藍原先生を傷つけた。その事実は変わらない。やめてともどいてともいったけど、俺の下半身が気持ちよかったのは事実だし、言い訳のしようがない。
 自分が情けなくて、涙が出てくる。そんな自分にも、嫌気がさす。今一番傷ついてるのは、藍原先生だ。一番泣いてるのも、藍原先生。俺は、藍原先生の恋人失格だ。愛想つかされても仕方ない。……でも。

 洗ってきて。

 そう叫んだときの、藍原先生の表情は……。すごく、怒っていて、でも……そんな怒りとどうにか折り合いをつけようと、必死なのも伝わってきて。先生が、俺を、許そうとしてくれている。それが、伝わってきた。先生が、俺を許す方法を見つけようともがいている。俺は、先生が許してくれるなら、何でもするつもりだった。

 小さな風呂場で、息苦しくなるほど熱いシャワーを浴びる。それから、石鹸を手に取って。のろのろと洗い始めようとしたとき、突然風呂場のドアが開いた。振り返ると、藍原先生が立っていた――全裸で。

「せ……先生!?」

 藍原先生は、まだ眉を上向きにして怒ったような顔で、でも、うっすらと頬を赤くして、一糸まとわぬ姿で入ってきた。

「せ、先生、どうし――」
「あたしが洗う」

 怒ったような口調で、先生がいった。

「あたしが、洗うの! 隅々まで! 納得いくまで!」

 子供がすねたときみたいないい方で、俺から石鹸をふんだくる。先生は両手で泡立てると、固まってる俺の顔にいきなり泡を押しつけた。

「ぶっ、せ、せんせ、それ、顔用じゃな――ぶふっ」

 いきなりのことで、泡が口に入ってむせる。でも先生はそんなのお構いなしだ。乱暴に俺の顔面を両手でごしごしと擦って、俺はとりあえず目をきつく瞑って息を堪える。先生の手は何周かして、最後にぐりぐりと俺の唇を擦って、それからぱっと離れた。息継ぎする間もそこそこに、今度は顔面にシャワーを当てられる。先生は背が小さいから、シャワーのビームが下から来て、鼻にお湯が入る。

「ぐっ、う、いた……っ」

 うっかり吸い込んでしまい、痛みに悶える。それでも先生は無視して、俺にシャワーをかけ続ける。泡が全部流れると、俺は恐る恐る目を開けた。先生のつり上がった目が、じっと俺を見ていた。その目がふっと緩んで、それから、少しだけ辛そうな顔で……先生の親指が、俺の唇を、そっと撫でた。きゅっきゅっと、両方の親指で何度も擦る。上も下も撫でて、それから先生は、泣きそうな顔で……一生懸命背伸びをして、そっと俺の唇に、キスをした。押し当てるような、キス。一度離れて、それからもう一度。もう一回離れたとき、先生の目尻から、一筋の涙が零れ落ちた。先生の唇が薄く開いて、俺の下唇を咥えた。何度も優しくはみ、それから今度は上唇を挟む。何度も何度も挟み込むようなキスをして、それからゆっくりと、先生の舌が俺の中に入ってきた。先生の腕は、身動きするなといわんばかりに俺の両腕を押さえつけていて、俺は、されるがままに愛撫を受ける。先生の舌が緩慢に俺の中を蠢いて、舌の周りをぐるりと一周する。それからそっと、先生の顔が離れた。先生の顔はまだ怒ったままだけど、その頬はさっきより上気して。
 先生は一言も発しずに、もう一度両手に石鹸を泡立てた。今度はその手を、俺の首筋に這わせる。

「……っ」

 その優しく滑らかな触り方に、うっかり体がびくつく。先生の両手はそのまま俺の肩から胸に下りてきて、じっくりと、俺の上半身を撫でた。脇の下も、臍の穴も、筋肉の割れ目まで見逃さずに、じっくりゆっくりと撫でる。それから指が、俺の両の乳首を撫でて、俺は思わず呻き声をあげる。何度も何度も先生の指先が俺の乳首を撫で回して、俺は情けないほどビクビクと体を震わせながらそれに耐える。わかってる、これは愛撫じゃない。気持ちいいけど、これは気持ちよくなっていいものじゃなくて、俺は、先生をただただ受け止めなきゃならない。それでも生理反応は止められなくて、さっき戸叶先生の中で一度イってしまった俺のモノが、情けなくもまた頭をもたげてくる。

 先生の両手は下半身に伸びて、両脚を丁寧に円を描くように洗い、それから上に戻ってきて――後ろに回り、俺のお尻を撫で上げた。思わず力が入る。向かい合って、お尻に手が回るように洗う先生は、ふわふわの大きな胸を俺の下腹部に押しつける形になっていて、それが、腕を動かすたびに上下左右に擦れて、乳首まで俺の皮膚を直接刺激してくる。俺に押しつけられてぴったりと潰れたふたつの乳房は、上から見るとその谷間が深い渓谷のように割れていて、目から肌から送り込まれる刺激に、しょうもない俺の本能は昂るばかりだ。

 先生の手は、お尻の膨らみを撫でたあと、前に回ってきて、俺の股を擦った。

「う……っ」

 必死に声を堪える。もう今や、先生の目の前には俺の勃起したチンコが。でも、そんなものは無視して、先生はひたすら股を擦る。それから両手が、俺のタマを優しく包み、くりくりと手のひらで転がし始めた。

「あ……っ、先生……っ」

 ダメだ、気持ちよすぎて我慢できない。でも先生は、まだ一言も話さない。ひょっとしたらこれは、罰なのかもしれない。戸叶先生にうっかり感じてしまった俺への、罰。俺は、先生の許可が出るまでは、されるがままでいなければならない。

 泡だらけで滑りのいい先生の手のひらから送り込まれる快感は、拷問に近いほど俺のチンコに信号を送る。先生の両手がもう一度後ろに回され、俺の尻の割れ目に滑り込んだ。思わず尻の穴を閉じる。先生は俺の下腹部に顔を押しつけるようにして、割れ目に手を差し込んだ。それと同時に、先生の胸の割れ目にも、勃起した俺のチンコが――
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