妄想女医・藍原香織の診察室

Piggy

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障害編

42話【off duty】新條 浩平:「させてあげる」(新條編)①

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 西園寺先生の指先が器用に動いて、藍原先生のブラウスのボタンをひとつひとつ外していく。白くてきれいな肌がおへそのあたりまであらわになって、それが今では、少しだけ速く、ちょっとだけ不規則に、上下している。ブラのホックが外されて、肩紐がはらりと腕に落ちた。ブラが少しだけずれて、乳首が見えそうで見えない場所まで来てる。西園寺先生は膝枕をしたまま、両手を藍原先生の胸へと伸ばした。大きな胸を直に揉みこみ、先生の豊満な乳房は西園寺先生の手のひらから溢れんばかりに蠢いて形を変える。

「ああ……ん……ふ……」

 藍原先生が身をよじらせながら両足を曲げる。スカートがずり上がり、太ももまで丸見えだ。やわやわと胸を揉んでいた西園寺先生の手が、ブラの下できゅっと動きを変えた。その瞬間、藍原先生の上体がのけ反る。

「ああっ……」

 悩まし気に眉をひそめ、息継ぎするように口を大きく開く。

「ふふ、本当に可愛い子ね、藍原さん……」

 西園寺先生はおもむろに体を曲げると、藍原先生に覆いかぶさるように、その顔を近づけた。それはまるでスローモーションのように、はっきりと見えた。わずかに微笑んだ西園寺先生の唇が、藍原先生に近づくにつれてなまめかしく開き……その淫靡な光景に、俺は動くことができなかった。赤く妖艶な西園寺先生の唇が、求めるように開かれた藍原先生のピンク色の唇に近づいて……深く重なる瞬間、隙間から、西園寺先生の舌が差し込まれるのが見えた。

「んん……ぅ、ん、う……」

 ぴちゃぴちゃといやらしい水音を立てながら、藍原先生が呻く。その唇は、西園寺先生に応えるかのように蠢いて……。西園寺先生が、キスをしながら両手を絶え間なく動かす。藍原先生は、唇を塞がれたまま、ビクビクと体を震わせた。

「んっ、んんッ、ふ……っ!」

 俺はもう、全身にじっとりと汗をかいて、いつの間にか息は上がっていて、股間はすでにはちきれそうになっていた。
 本当は、今すぐにでも、止めに入らなきゃいけないのかもしれない。藍原先生が、こんなことを望んでいるとは思えない。体は反応しちゃうけど、心は……心は、西園寺先生ではなく、俺のもののはずだ。先生が寝ているのをいいことに、こんな、淫らなことを……。しかも、女だぞ? 同じ女が、どうして、こんなことを……。

 完全に、混乱していた。でも、それでも体が動かなかったのは……藍原先生がこんな目に遭っているのに、どうしても止められなかったのは。ひとつは、西園寺先生のいった言葉。

 ――私が彼女と、させてあげる。

 この、異常に倒錯的で淫らな行為の先に、あるかもしれないものへの期待。それと、もうひとつ……いや、むしろこっちのほうが、俺の本心かもしれない。
 女にいじられて、感じている藍原先生が……例えようもなくいやらしくて……もっと、見たいと思った。自分の彼女のこんな姿を見て興奮している俺は、おかしいのかもしれない。俺のほうこそ、変態なんだろうか。でも……静かで薄暗いこのマンションの一室で、聞こえるのは淫靡な水音と藍原先生の甘い喘ぎ声だけで、それを、まざまざと見せつけられて。目の前で、絹一枚まとっただけの、全身から色香を放つ大人の女性が、藍原先生の体をまさぐり……蠢くふたつの肢体は、白く柔らかで、それはどんなAVでも見たことがないほど官能的で、美しかった。

「ああ……美味しいわ、藍原さんの唇」

 西園寺先生が感嘆のため息をつきながら、右手を藍原先生の胸元から引き抜いた。そのまま伸ばし、膝が立って今では丸見えになってる藍原先生の内腿へ触れる。そのまま、触れるか触れないかの絶妙な距離で、すすっと手のひらを滑らせる。

「はあ……っ」

 藍原先生が腰を引いて両ひざを曲げた。そのせいで、スカートはもう足の付け根までずり上がり、下半身は……ああ、ここからだとちょうど太腿に隠れて見えないけど、あんなに足を開いていたら、もう先生のアソコは……。
 思わず身を乗り出したくなるのを必死で堪えている間に、西園寺先生の右手はためらいなく藍原先生の股間に滑り込んだ。

「あらあら、藍原さんてば、やっぱり濡れやすいわねぇ。もう、ぐしょぐしょ……」

 満足そうに笑って、右手を動かす。その途端、藍原先生がビクンとのけ反って小さな悲鳴をあげた。

「うふふ、下着の上からでもこんなに感じちゃうの? いやらしいわねぇ」

 見えなくても、藍原先生のアソコで何が起こっているのか、わかる。先生の反応で、全部丸見えだ。俺は正座したままもじもじと腰を動かし始めた。ああもう、股間がギチギチでどうにかしたい。そっと腰を浮かすと、俺は西園寺先生にばれないようにベルトを緩め、ズボンのチャックを下ろした。……ああ、俺はいったい何をやってるんだ? 初めて上がった女性の部屋で、こんな……。
 不自然な方向で勃起して居心地の悪いチンコを直そうと股間に手を入れたとき、藍原先生の体がビクビクと震えて大きく動いた。その瞬間。

「……あら、藍原さん。やっとお目覚め?」

 股間に手を突っ込んだまま、固まる。藍原先生が、目を開けた。そりゃそうだ、これだけいじられて、目が覚めないわけがない。やばい、どうしよう、この状況、異常すぎる――

「……さ、西園寺、先生……?」

 高くて少し掠れた声で、藍原先生が呟く。西園寺先生が、藍原先生を上から覗き込んだままいった。

「うふふ、いやらしい夢でも見てた? いいのよ、このままキモチよくなっちゃいましょ」
「え……?」

 目を大きく開いて、事態を飲み込めない藍原先生は、テーブルを挟んで横にいる俺に、まだ気づかない。体を起こそうとする藍原先生を制するように、西園寺先生が右手を動かした。途端に藍原先生が悲鳴をあげる。

「ああんッ! あっ、やっ、せんせ、な、なにを……ああっ」
「何って、藍原さんがとってもキモチよさそうだから、こうしていじってあげてるんじゃない。あなたもう、こんなに濡れて下着もびしょびしょ……」

 慌てふためく藍原先生をいともたやすくいなしながら、西園寺先生の右手がするりと下着の中に差し込まれたのが見えた。直後、藍原先生が一段と高い声をあげる。

「ひあああっ! あっ、あっ、そこはっ、ダメっ、ん、あ、やぁ……ッ」
「ダメじゃないでしょ、もっとでしょ?」

 藍原先生の両手が助けを請うように西園寺先生の腕を握る。右手を差し込まれた股間は閉じることも叶わず、むしろ激しく腰を動かし下肢をばたつかせている。それが、この異常な状況から逃れようとしているのか、それとも迫り来る快感に耐え切れず反応してしまっているのか、それすらもわからない。ただわかるのは……激しく感じながら身悶える藍原先生が、とてつもなくいやらしくてそそられるということだ。

「あっ、ダメっ、先生、も、あっ、や、ああっ、あああぁ――ッ!」

 激しく陰部を攻めたてられて、藍原先生が下半身を痙攣させながら絶頂に達した。俺はいつの間にか股間に手を入れたまま、硬くなった自分のモノを握りしめていた。

「あ……ふ……」

 はぁはぁと肩で大きく息をして、藍原先生が今度こそ上体を起こす。だけど、これで終わりではなかった。くちゅ、と音がして、西園寺先生の指が先生の中に入ったのが、わかった。

「ああっ!? せ、先生、や――」

 慌てて西園寺先生の手首を掴むけど、藍原先生には止められない。西園寺先生は容赦なく藍原先生の中をかき回しながら、首筋に顔をうずめてぺろりと舐めた。

「ねえ、私、いったでしょ? あなたと彼氏がうまく行く方法、思いついたって。それでね――」

 絶え間なく動く西園寺先生の右手にいざなわれて、藍原先生の股間から漏れる水音が増していく。ぐちゅぐちゅと音を立てるそこは、藍原先生がどれだけ感じているのか、正直にばらしてしまう。西園寺先生の長い舌が白いうなじを這い、藍原先生がのけ反った。一度達したのに執拗に攻められて、先生はもう息も絶え絶えだ。

「ああっ、や、ダメっ、もう、そこはっ、ああ……ッ、せんせ、も、おかしく、なっちゃう、から……ッ!」

 言葉とは裏腹に腰を前後に激しく揺らす藍原先生の膝を、西園寺先生の左手が下から抱えた。

「それでね、藍原さん。私、いいこと思いついてね……あなたの彼氏、ここに呼んだの」

 そういうと、自分の膝の上に藍原先生のお尻を乗せて、西園寺先生がくるっと振り向いた。その瞬間、M字に脚を広げた藍原先生の体が真正面を向き、テーブル越しに正座している俺を、先生の目が完全に捉えた。

「え……」

 真っ赤な顔をして苦しそうに喘ぐ藍原先生が、俺を見て、完全に固まった。
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