白い猫と白い騎士

せんりお

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二人は激しく戦っている。相手の魔獣はだいぶ消耗してきているように見える。もう少しだ!そう思った時

「っ、シグ!もう一体来た!」

レオンさんが叫ぶ。前方から魔獣がもう一体やって来ていた。

「くそっ、鬱陶しい!」

シグさんが吐き捨てるように言いながら元いたほうを斬りつけている。

「あの程度なら一人でいけるよ!」

レオンさんがはっきりと見えるまで近づいてきた魔獣の姿を確認して言った。

「よし、ここはもう俺一人でも大丈夫だ!レオンはそっちを頼む!」

シグさんのその言葉を聞いてレオンさんは素早く戦線を離脱した。





そこからまもなくシグさんは魔獣を斬り伏せた。ふーっと息をついているシグさんにとととっと駆け寄る。

『シグさん!大丈夫?』

「あぁ。こんなに高位のやつは久しぶりだったな。レオンは?」

間髪いれずに聞いてくるシグさんに答える。

『奥の方へ魔獣を引き付けて…』

「奥へ?まずいな」

シグさんがちっと舌打ちをする。

「奥へ行くほど高位の魔獣が多いんだ。すぐ追いかけるぞ」

そう言って指笛を音高く鳴らした。いきなりシグさんがそんなことをするから私は驚いた。指笛が何かの合図なのだろうか。シグさんは何かを待っている様子だ。もう一度鳴らす。と、こちらに何かが向かってくる音が聞こえてきた。

『シグさん!何か来た!蹄…馬みたいな!』

「聞こえるのか?さすが猫だな」

私は新たな魔獣かと思って焦りまくっている横でシグさんは平然と動かない。

『シグさん!逃げないと!じゃなきゃ構えないと!』

「リツカ落ち着け。お前さっき正解を言っただろ」

え、正解…?ここに向かっているものの正体?

『…馬?』

「その通り」

シグさんが言った瞬間、木々の間から2頭の馬が姿を現した。私たちが来るときに乗ってきた馬だ。鞍がついている。

「軍の馬は指笛で呼べば来るように訓練されている」

説明しながら鞍にひらりとまたがる。私もそこへ飛び乗った。

『もう一頭は?』

「ついてくるだろ。よし、レオンのところへ行くぞ」

はっとシグさんが馬の横腹を蹴ると馬はすごいスピードで走り出した。




しばらく走ってもレオンさんの姿は見えない。ちらっとシグさんを見上げると少し焦りの色が見えた。

更に森の奥へと進む。
と、シグさんが突然馬の歩みを止めた。

「魔獣の気配がする。それも多数だ」

そこからは慎重に進む。
突然シグさんが叫んだ。

「レオンを見つけた!レオン無事か!?」

私もシグさんと同時にレオンさんを見つけていた。が、見つけたのはレオンさんだけではない。レオンさんは…多数の魔獣に包囲されていた。

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