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彼らからプレゼント (2つめ)
しおりを挟む教室に入って席に着くと、早速仲の良い女の子達が集まってくる。
「おはよー!」
「ハッピーバースデー!」
「はい! プレゼント!」
「ありがとー! なになに~……あ、これ! 欲しいって言ってたリップとハンドクリーム!」
可愛い袋の中身は、大好きなブランドの美容グッズ。
「ほんと嬉しい! ありがとー!」
「これずっと欲しいって言ってたもんね~」
「誕生日前に自分で買っちゃわないかヒヤヒヤしたよね」
「あ! そろそろ授業始まる!」
「じゃあまた休み時間にね!」
「うん、ありがと!」
自分の席やクラスに戻っていく友人達にひらひらと手を振る。
と、何やら隣から視線を感じた。
「あ、ごめんうるさかったかな?」
「い、いや、その……今日、誕生日なのか?」
「え? あ、うん、一応」
頷くと、隣の席の彼は慌ててガサガサと服やカバンを漁り始めた。
何をしてるんだろうと思っていたら、バンッ、と机を叩かれた。
「ぅわっ?! な、なに?」
「ごめん……これくらいしかない」
机に置かれた手が開かれると、そこからコロンといちごキャンディ。
「その……おめでとう」
小さな声でそう言う彼は耳まで真っ赤。
ありがとう、そう言ってありがたく頂戴したキャンディは、とてもとても甘かった。
『キャンディひと粒』
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