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八 尾張の悪ガキたち
九
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天文十八年(一五四九)二月二十四日。
美濃の斎藤道三の娘帰蝶が織田信長へ輿入れした。帰蝶は十五歳、信長は十六歳になっていた。互いに、青春の息吹に溢れた年頃である。
その日、信長は、美濃から蝮の娘がどのように輿入れしてくるか見物してやろうと、恒興と重休だけを連れて、美濃と尾張の国境を流れる境川へ身を伏せた。
向かってくる帰蝶の一団は異様であった。 とても、美濃を支配する男の姫の輿入れではない。
先頭に、道案内を務める騎馬に乗った平手政秀がいるから間違いない。一団は、百人からなり、街道を埋め尽くしている。
政秀は、困った顔をして、まだ寒いこの時期に、汗でもかいているのだろうか、しきりに、額の汗を拭いて、困った顔をしている。
政秀の隣の堀田道空は、こちらは、まるで難題から解放されたかのような晴れやかな顔をしている。
「爺は、困っておるな。これは面白い女に違いない。おお! あれを見よ‼」
信長が指さした先には、恒興の理解に苦しむ光景がつづいていた。
前列の十人は騎馬だ。中列の二十人は弓を担いでいる。帰蝶の輿を挟んで、後列に三十人ばかりの槍隊。その後ろに、侍ではない白装束の四十人ばかりの荷駄隊がつづく。
「面白い、女武将の嫁入りか! それで爺は困った顔をしておるのだな」
「若殿、あの一団もう一度よくご覧ください」
重休が進言した。
信長はもう一度、目を凝らして一団を見た。
「あれは‼」
帰蝶の一団の侍に見えたのは男ではない。鎧兜に身を包んだ長い髪の女たちだ。
帰蝶は、女たちで構成された直属の軍隊を率いてきたのだ。後方の荷駄隊に見えた白装束はなんだ。
荷車を押す者に混じって、背に葛籠を背負っている。
「あれは、職能を持つ者だ!」
信長が、白装束の男の中に、鋸の柄を見つけた。
普通の輿入れでも、山賊などの襲撃から、姫の乗る輿を守るため警護に兵をつけることはよくある。
しかし、女ばかりの軍隊と、職能の士を連れての輿入れなど前代未聞だ。
おそらく道三は、帰蝶に直属の軍隊をつけ、尾張で職能の士を使い屋敷を造らせ、そこを前線基地にしようというのだ。
「蝮の毒も中々のものですな」
「よし、分かった。勝三郎、帰るぞ!」
「えっ、帰るので?」
信長は、恒興の返事も待たず馬に乗って、那古野へ駆け出した。
「いいか、お前たち。ここへ美濃の蝮の娘が攻めてくる。俺たちは今すぐ準備をして迎え撃つ!」
信長は、那古野へ戻るなり、子分どもを集め、イタズラ小僧のような笑みを浮かべて計画を話した。
「親分、しかしよお。蝮の娘が攻めて来るって、そらぁ、姫の輿入れなのだろう?」
帰蝶の輿入れ話は、聞きかじっている河尻秀隆が疑問を投げかけた。
「いいや、蝮の娘は、口が裂けていて、口からピョロっと細い舌を出す。そして、男を油断させて丸呑みにするのだ」
悪い冗談である。人の良い河尻秀隆は信じてしまった。
「ええっ、蝮の娘は男を丸呑みにするのか?」
毛利良勝、こいつも信じた。
「そうだ、蝮の娘は、そんな女たちを美濃から六十人ばかり連れて、尾張の男を喰らいに来た」
「なんだって!」
河尻秀隆も、毛利良勝も顔が引き攣っている。
「兄上、蝮の娘が攻めてきても軍隊ではありますまい」
信長の悪い冗談を看破している信時が、嘘はそのままに尋ねた。
「確かに、男の軍隊ではない。しかしだ、あの六十名の女たちは戦場を経験しているのは間違いあるまい」
「戦場を知る女が六十人だって!」
河尻秀隆と、毛利良勝は、戦場においては鬼武者であるが、信長の仲間内で話をする時はいたって人が好い。信長の嘘とも冗談ともとれない言葉に簡単に乗せられる。
「しかし、若殿、女が、六十人ならば、問題ないのでは?」
岩室重休が冷静に答えた。
「そうか!」
重休の一言で秀隆と、良勝がなにかを閃いて色めきだった。
恒興は、二人の閃きを手に取るように分かった。
「あんたらは、こないだ女房をもらったとこだろう」
と、喉まで声が出かかったが、今は機嫌がよいが、一つ間違えば暴力に訴える二人をそのままに、言葉を飲み込んだ。
良勝がニヤついて恒興を見た。
「おい、恒興。お前はいつまでも、信時の妻になったお善の事ばかり考えてないで、新しい女に乗り換えたらどうだ」
良勝は露骨だ。恒興は飲みかけた茶を思わず吐き出した。
「なにを言い出すんだ毛利さん。俺はお善の事なんて、これっポッチも考えてやしない」
誤解である。恒興は、そう言って隣に座って涼しい顔の信時を見た。
信時には、まったく動揺というものがない。ボリッ! と、煎餅を齧って、武骨な物言いの良勝の言葉を笑っている。
「良勝、それは恒興には、酷ってもんだ。しかし、本音をつかれてオタオタする恒興を見るのも面白いな」
秀隆も露骨で配慮の欠片もない。悪気がないから始末も悪い。
これだから武骨者は嫌なのだ。恒興も信長の仲間になってから、この武闘派の秀隆、良勝には、槍の腕と、向こうっ気の強さで敵わないと知った。戦場での活躍を見せられては腕っぷしが違いすぎるのだ。
恒興は、武闘派としては二流で、最近は、政務と知略を学ぼうと、信時や、重休の元へ通いそちらの勉強を始めた。
しかし、恒興の政務も知略も、二人に比べれば遠く及ばない。
恒興の才知は、武にも知にも、気遣いにも信長の子分たちにどれ一つも敵わない。至って凡庸なのだ。それが、恒興の悩みだ。
「いいかお前たち、下の子分どもにも言って聞かせるのだ。美濃の蝮の娘たちが攻めてくる。俺たちは、早い者勝ち。無傷で女たちを捕らえて、好みの女を嫁にしろ!」
これまた、俺たちの若殿は乱暴だ。女を子分たちに乱取りさせる魂胆だ。
「勝三郎、重休、お前たちはまだ妻を娶っておらなんだな。真っ先に、好きな女を選んで数多の子を産ませるのだ、そして、俺の精強な兵となすのだ」
若殿の狙いは、俺たちに女をただ褒美として乱取りさせることではない。女を娶って子を産ませ、生まれた子供を自分の兵にするつもりなのだ。まったく、知略的な思いつきに思えても、そこに遠謀深慮を隠しているから驚きだ。
(まったく、俺たちの大将は、世間では大うつけなどと渾名されてはいるが、もしかすると、稀代の俊才なのではないだろうか……)
恒興は、ボンヤリ、そんな風に思った。
信長は、恒興の気持ちを知らず、目を合わせると、急に何か閃いたように、目を見開き、皆を呼び集めた。
「いいか、みんな耳を貸せ」
信長は、そう言って悪ガキ共に耳打ちした。
美濃の斎藤道三の娘帰蝶が織田信長へ輿入れした。帰蝶は十五歳、信長は十六歳になっていた。互いに、青春の息吹に溢れた年頃である。
その日、信長は、美濃から蝮の娘がどのように輿入れしてくるか見物してやろうと、恒興と重休だけを連れて、美濃と尾張の国境を流れる境川へ身を伏せた。
向かってくる帰蝶の一団は異様であった。 とても、美濃を支配する男の姫の輿入れではない。
先頭に、道案内を務める騎馬に乗った平手政秀がいるから間違いない。一団は、百人からなり、街道を埋め尽くしている。
政秀は、困った顔をして、まだ寒いこの時期に、汗でもかいているのだろうか、しきりに、額の汗を拭いて、困った顔をしている。
政秀の隣の堀田道空は、こちらは、まるで難題から解放されたかのような晴れやかな顔をしている。
「爺は、困っておるな。これは面白い女に違いない。おお! あれを見よ‼」
信長が指さした先には、恒興の理解に苦しむ光景がつづいていた。
前列の十人は騎馬だ。中列の二十人は弓を担いでいる。帰蝶の輿を挟んで、後列に三十人ばかりの槍隊。その後ろに、侍ではない白装束の四十人ばかりの荷駄隊がつづく。
「面白い、女武将の嫁入りか! それで爺は困った顔をしておるのだな」
「若殿、あの一団もう一度よくご覧ください」
重休が進言した。
信長はもう一度、目を凝らして一団を見た。
「あれは‼」
帰蝶の一団の侍に見えたのは男ではない。鎧兜に身を包んだ長い髪の女たちだ。
帰蝶は、女たちで構成された直属の軍隊を率いてきたのだ。後方の荷駄隊に見えた白装束はなんだ。
荷車を押す者に混じって、背に葛籠を背負っている。
「あれは、職能を持つ者だ!」
信長が、白装束の男の中に、鋸の柄を見つけた。
普通の輿入れでも、山賊などの襲撃から、姫の乗る輿を守るため警護に兵をつけることはよくある。
しかし、女ばかりの軍隊と、職能の士を連れての輿入れなど前代未聞だ。
おそらく道三は、帰蝶に直属の軍隊をつけ、尾張で職能の士を使い屋敷を造らせ、そこを前線基地にしようというのだ。
「蝮の毒も中々のものですな」
「よし、分かった。勝三郎、帰るぞ!」
「えっ、帰るので?」
信長は、恒興の返事も待たず馬に乗って、那古野へ駆け出した。
「いいか、お前たち。ここへ美濃の蝮の娘が攻めてくる。俺たちは今すぐ準備をして迎え撃つ!」
信長は、那古野へ戻るなり、子分どもを集め、イタズラ小僧のような笑みを浮かべて計画を話した。
「親分、しかしよお。蝮の娘が攻めて来るって、そらぁ、姫の輿入れなのだろう?」
帰蝶の輿入れ話は、聞きかじっている河尻秀隆が疑問を投げかけた。
「いいや、蝮の娘は、口が裂けていて、口からピョロっと細い舌を出す。そして、男を油断させて丸呑みにするのだ」
悪い冗談である。人の良い河尻秀隆は信じてしまった。
「ええっ、蝮の娘は男を丸呑みにするのか?」
毛利良勝、こいつも信じた。
「そうだ、蝮の娘は、そんな女たちを美濃から六十人ばかり連れて、尾張の男を喰らいに来た」
「なんだって!」
河尻秀隆も、毛利良勝も顔が引き攣っている。
「兄上、蝮の娘が攻めてきても軍隊ではありますまい」
信長の悪い冗談を看破している信時が、嘘はそのままに尋ねた。
「確かに、男の軍隊ではない。しかしだ、あの六十名の女たちは戦場を経験しているのは間違いあるまい」
「戦場を知る女が六十人だって!」
河尻秀隆と、毛利良勝は、戦場においては鬼武者であるが、信長の仲間内で話をする時はいたって人が好い。信長の嘘とも冗談ともとれない言葉に簡単に乗せられる。
「しかし、若殿、女が、六十人ならば、問題ないのでは?」
岩室重休が冷静に答えた。
「そうか!」
重休の一言で秀隆と、良勝がなにかを閃いて色めきだった。
恒興は、二人の閃きを手に取るように分かった。
「あんたらは、こないだ女房をもらったとこだろう」
と、喉まで声が出かかったが、今は機嫌がよいが、一つ間違えば暴力に訴える二人をそのままに、言葉を飲み込んだ。
良勝がニヤついて恒興を見た。
「おい、恒興。お前はいつまでも、信時の妻になったお善の事ばかり考えてないで、新しい女に乗り換えたらどうだ」
良勝は露骨だ。恒興は飲みかけた茶を思わず吐き出した。
「なにを言い出すんだ毛利さん。俺はお善の事なんて、これっポッチも考えてやしない」
誤解である。恒興は、そう言って隣に座って涼しい顔の信時を見た。
信時には、まったく動揺というものがない。ボリッ! と、煎餅を齧って、武骨な物言いの良勝の言葉を笑っている。
「良勝、それは恒興には、酷ってもんだ。しかし、本音をつかれてオタオタする恒興を見るのも面白いな」
秀隆も露骨で配慮の欠片もない。悪気がないから始末も悪い。
これだから武骨者は嫌なのだ。恒興も信長の仲間になってから、この武闘派の秀隆、良勝には、槍の腕と、向こうっ気の強さで敵わないと知った。戦場での活躍を見せられては腕っぷしが違いすぎるのだ。
恒興は、武闘派としては二流で、最近は、政務と知略を学ぼうと、信時や、重休の元へ通いそちらの勉強を始めた。
しかし、恒興の政務も知略も、二人に比べれば遠く及ばない。
恒興の才知は、武にも知にも、気遣いにも信長の子分たちにどれ一つも敵わない。至って凡庸なのだ。それが、恒興の悩みだ。
「いいかお前たち、下の子分どもにも言って聞かせるのだ。美濃の蝮の娘たちが攻めてくる。俺たちは、早い者勝ち。無傷で女たちを捕らえて、好みの女を嫁にしろ!」
これまた、俺たちの若殿は乱暴だ。女を子分たちに乱取りさせる魂胆だ。
「勝三郎、重休、お前たちはまだ妻を娶っておらなんだな。真っ先に、好きな女を選んで数多の子を産ませるのだ、そして、俺の精強な兵となすのだ」
若殿の狙いは、俺たちに女をただ褒美として乱取りさせることではない。女を娶って子を産ませ、生まれた子供を自分の兵にするつもりなのだ。まったく、知略的な思いつきに思えても、そこに遠謀深慮を隠しているから驚きだ。
(まったく、俺たちの大将は、世間では大うつけなどと渾名されてはいるが、もしかすると、稀代の俊才なのではないだろうか……)
恒興は、ボンヤリ、そんな風に思った。
信長は、恒興の気持ちを知らず、目を合わせると、急に何か閃いたように、目を見開き、皆を呼び集めた。
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