40 / 56
藤次郎-1
しおりを挟む
いつも読んでいただいてありがとうございます。
先日お伝えいたしました通り、本編は一か月ほどお休みをいただきます。その間、世界観を同じにするお凡そ350年後の時代を舞台とした物語の一部を掲載したします。
引き続き、ご愛読よろしくお願いいたします。
------------------------------------------------------------------------------
「ここまでくれば大丈夫じゃない?」
馬の鞍にまたがり、後ろで手綱を捌く男に振り向きながら、後方の追手を確認して少女は声をかけた。黒い頭巾をすっぽりかぶり目だけを出したいで立ちに身を包んだ少女は、いつもの様にその男に笑顔で話しかけていた。もっとも、表情は全くといってわからないのだが、声の調子で後ろの男にはそれが手に取る様にわかっているのだ。
声をかけられた男は答えを出すことなく馬を走らせ続けている。
随分と走らせた。
馬が何処まで持つのかそれが今の心配事の一つでもある。確かに追手が来ている様な感覚は無いが、事が事だ。絶対にあきらめるはずがない。しかし、この広い国の中に目の前の少女と自分自身を隠す場所くらいはどこかにあるはずだと言い聞かせて鞭をふるう。とにかく領内から出る事だ。
馬は街道を外れ、夜の森の中を疾走する。それは賭けに等しい。しかし、男には賭けをしてでも逃げ延びなければならない理由があった。
それは鞍の前に座る黒ずくめの少女の存在だ。
先日お伝えいたしました通り、本編は一か月ほどお休みをいただきます。その間、世界観を同じにするお凡そ350年後の時代を舞台とした物語の一部を掲載したします。
引き続き、ご愛読よろしくお願いいたします。
------------------------------------------------------------------------------
「ここまでくれば大丈夫じゃない?」
馬の鞍にまたがり、後ろで手綱を捌く男に振り向きながら、後方の追手を確認して少女は声をかけた。黒い頭巾をすっぽりかぶり目だけを出したいで立ちに身を包んだ少女は、いつもの様にその男に笑顔で話しかけていた。もっとも、表情は全くといってわからないのだが、声の調子で後ろの男にはそれが手に取る様にわかっているのだ。
声をかけられた男は答えを出すことなく馬を走らせ続けている。
随分と走らせた。
馬が何処まで持つのかそれが今の心配事の一つでもある。確かに追手が来ている様な感覚は無いが、事が事だ。絶対にあきらめるはずがない。しかし、この広い国の中に目の前の少女と自分自身を隠す場所くらいはどこかにあるはずだと言い聞かせて鞭をふるう。とにかく領内から出る事だ。
馬は街道を外れ、夜の森の中を疾走する。それは賭けに等しい。しかし、男には賭けをしてでも逃げ延びなければならない理由があった。
それは鞍の前に座る黒ずくめの少女の存在だ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる