凪の始まり

Shigeru_Kimoto

文字の大きさ
上 下
236 / 390
1月 ありがとう先生

7 …………

しおりを挟む
機械が、機器がベッドの周りにいくつもそびえていて、液晶画面にいくつもの波形が表示されていた。それは、時々、赤く発光していたが警報音などは消されてたのだろうか? 音は聞こえていないが、それが普通なのか異常なのかといったら、恐らく、それは普通では無いのだと思えた。

満島先生は寝ていた。

ベッドに横になって寝ていた。

身体にはたくさんのチューブを着けられて、寝かされていた。

とても、気持ちよさそうに、寝るという言葉が当てはまらない様な苦悶の表情と大小の径のチューブが病状を物語っていて……

俺の知る満島先生の姿とは大きく乖離していて、それは、あまりにも……

俺を、ここに来て、満島先生を見舞いに来て、来てしまって、罪悪感を抱くに十分な光景だった。
しおりを挟む

処理中です...