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8月 リリィさんと海 (前編)
9 リリィさんの……お父さん
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「あの子のお父さん亡くなったのよ」
「え? いつ?」
「え~……いつだったかな……一年にはならないわよ。去年の秋ぐらい、だったね」
「何で亡くなったの?」
「海に行って、あの子と遊んでた時に、溺れた子供を助けようとして……子供は助かったんだけどね。自分で死んじゃったのよ。あの子の前で……
奥さんも日本の人じゃなくてね。そのちょっと前ぐらいに来たのよ。日本に。綺麗な人でね。たしか、ロシアの方だったかな。日本語が不自由でね。それっきり、外で、見なくなっちゃったわね……あ、帰ってきた。このことは私が言ったって言わないでね」
美琴さんはそう言ってリリィさんが近くに来る前に何事もなかったように別のテーブルに行って談笑し始めた。
そんな……リリィさん、そんな事が有ったのか……全然、知らなかった。
それに、お母さんがロシアの方だってことはハーフなんだ。それでか?どっか微妙に日本人から外れた綺麗な見た目と、どっか違う思考。ああ、そう言う事か。それが理由だったのか。
「え? いつ?」
「え~……いつだったかな……一年にはならないわよ。去年の秋ぐらい、だったね」
「何で亡くなったの?」
「海に行って、あの子と遊んでた時に、溺れた子供を助けようとして……子供は助かったんだけどね。自分で死んじゃったのよ。あの子の前で……
奥さんも日本の人じゃなくてね。そのちょっと前ぐらいに来たのよ。日本に。綺麗な人でね。たしか、ロシアの方だったかな。日本語が不自由でね。それっきり、外で、見なくなっちゃったわね……あ、帰ってきた。このことは私が言ったって言わないでね」
美琴さんはそう言ってリリィさんが近くに来る前に何事もなかったように別のテーブルに行って談笑し始めた。
そんな……リリィさん、そんな事が有ったのか……全然、知らなかった。
それに、お母さんがロシアの方だってことはハーフなんだ。それでか?どっか微妙に日本人から外れた綺麗な見た目と、どっか違う思考。ああ、そう言う事か。それが理由だったのか。
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