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世界樹
水の都クレール②
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メフィスとラファが翼を広げ、亀と蟹と戦っている。
光魔法と闇魔法で海が荒れる。さすがSSランクと言った所か一撃で沈むことはない。
そんな光景を俺は陸から眺める。海で戦える手段は持ち合わせていないから、2人に丸投げした。
(あ、やっと亀が1体倒れた)
無事にアイテム欄に依頼品が入る。敵を倒してもアイテムが必ず手に入るとは限らない。俺には称号でドロップ率向上を持っているがどこまでの効果があるかは分からない。けど他の者と比べたら高いのだろう。
魔法陣で埋まる海をしばらく見守っていると、『危険感知』が発動する。今までダンジョンや転移者の戦闘でも発動しなかったのが、このタイミングで来たことに驚く。
『スキル:瞬身』で、直観的にその場を離れる。
俺がいた地面に穴が開く。
(風魔法か?)
移動したが再び『危険感知』が仕事をする。すぐさま横に跳び抜いた俺の頬が切れる。
『邪神の鎌』を取り出し、姿が見えない敵がいるはずと鎌で半円を裂く。
鎌が通った位置から女が姿を現す。斬った感覚もなければ、避けられた気配もなかった。
ユニークスキルが分からない以上、警戒レベルを最大限に引き上げる。
「さすがだねユリト君。最強の名は伊達じゃないね」
「誰だお前ら?」
「ごめんねー他の仲間は離れているから今日は私だけ。さっそくだけで闇ギルドに入らない?その実力なら幹部間違いなしだよ」
「殺しに来た奴にそんなこと言われて入るとでも思っているのか」
「だよねー聞いてみただけだよ。ユリト君、君に闇ギルドから最高額で賞金かかってるんだよ。1人で闇ギルドのクラン潰す要注意人物って」
「クランどころかいずれ闇ギルド全て潰すことになるだろうな。闇ギルドって言っても今はほとんど転移者で構成されてるんだろ?」
「おおーそこまでわかってるんだ。正解だよ。早く願い叶えないといけない人の事情があるのだよ」
軽装の短剣を構えた女は、軽い口調だが実力者だ。話しながらもメフィスとラファを警戒している。ユニークスキルを特定できない状況を演出しているのも転移者との戦闘を慣れているからだろう。
「会話で時間を潰して、短剣の毒が回るのを待っているのだろうけど俺に毒は効かないぜ」
「なっ!気づいてたのか。あーもう、ほんとに君は早めに消さないと私達の邪魔になりそうだね。またくるよ」
去ろうとした後ろ姿に声をかける。
「敵が多すぎて覚えきれないから、名前ぐらい名乗って帰ってくれよ」
「パーティー『星屑と砂』のメイよ」
そうしてメイは一瞬にして消えた。
第六感も千里眼でも把握できず、魔力感知も引っかからなかった。透明化?か。消えるユニークスキルを防げる転移者が何人いるだろうか。メイ1人だけでも犠牲者が大量にでそうだな。
敵が再び来てもいいように警戒しつつ、メフィスとラファの方を向く。
闇の炎に焼かれ、体には複数の十字架が刺さった蟹が光の粒子になるところだった。
蟹が消え、荒れていた海が元の静けさを取り戻す。
「おつかれさま」
戻ってきた2人に声をかける。さすがにSSランクを複数相手したせいか、メイド服が所々破れていた。
自分も早めに空中戦や海中戦でも可能はスキルを入手して、戦闘の幅を広げなければと感じた。
蟹を討伐後、他にも依頼対象だったモンスターを3人で狩り、クレールでの1日を終える。
その日の夜は闇ギルドが今後とも来ると思うと憂鬱で、中々眠りにつくことができなかった。
光魔法と闇魔法で海が荒れる。さすがSSランクと言った所か一撃で沈むことはない。
そんな光景を俺は陸から眺める。海で戦える手段は持ち合わせていないから、2人に丸投げした。
(あ、やっと亀が1体倒れた)
無事にアイテム欄に依頼品が入る。敵を倒してもアイテムが必ず手に入るとは限らない。俺には称号でドロップ率向上を持っているがどこまでの効果があるかは分からない。けど他の者と比べたら高いのだろう。
魔法陣で埋まる海をしばらく見守っていると、『危険感知』が発動する。今までダンジョンや転移者の戦闘でも発動しなかったのが、このタイミングで来たことに驚く。
『スキル:瞬身』で、直観的にその場を離れる。
俺がいた地面に穴が開く。
(風魔法か?)
移動したが再び『危険感知』が仕事をする。すぐさま横に跳び抜いた俺の頬が切れる。
『邪神の鎌』を取り出し、姿が見えない敵がいるはずと鎌で半円を裂く。
鎌が通った位置から女が姿を現す。斬った感覚もなければ、避けられた気配もなかった。
ユニークスキルが分からない以上、警戒レベルを最大限に引き上げる。
「さすがだねユリト君。最強の名は伊達じゃないね」
「誰だお前ら?」
「ごめんねー他の仲間は離れているから今日は私だけ。さっそくだけで闇ギルドに入らない?その実力なら幹部間違いなしだよ」
「殺しに来た奴にそんなこと言われて入るとでも思っているのか」
「だよねー聞いてみただけだよ。ユリト君、君に闇ギルドから最高額で賞金かかってるんだよ。1人で闇ギルドのクラン潰す要注意人物って」
「クランどころかいずれ闇ギルド全て潰すことになるだろうな。闇ギルドって言っても今はほとんど転移者で構成されてるんだろ?」
「おおーそこまでわかってるんだ。正解だよ。早く願い叶えないといけない人の事情があるのだよ」
軽装の短剣を構えた女は、軽い口調だが実力者だ。話しながらもメフィスとラファを警戒している。ユニークスキルを特定できない状況を演出しているのも転移者との戦闘を慣れているからだろう。
「会話で時間を潰して、短剣の毒が回るのを待っているのだろうけど俺に毒は効かないぜ」
「なっ!気づいてたのか。あーもう、ほんとに君は早めに消さないと私達の邪魔になりそうだね。またくるよ」
去ろうとした後ろ姿に声をかける。
「敵が多すぎて覚えきれないから、名前ぐらい名乗って帰ってくれよ」
「パーティー『星屑と砂』のメイよ」
そうしてメイは一瞬にして消えた。
第六感も千里眼でも把握できず、魔力感知も引っかからなかった。透明化?か。消えるユニークスキルを防げる転移者が何人いるだろうか。メイ1人だけでも犠牲者が大量にでそうだな。
敵が再び来てもいいように警戒しつつ、メフィスとラファの方を向く。
闇の炎に焼かれ、体には複数の十字架が刺さった蟹が光の粒子になるところだった。
蟹が消え、荒れていた海が元の静けさを取り戻す。
「おつかれさま」
戻ってきた2人に声をかける。さすがにSSランクを複数相手したせいか、メイド服が所々破れていた。
自分も早めに空中戦や海中戦でも可能はスキルを入手して、戦闘の幅を広げなければと感じた。
蟹を討伐後、他にも依頼対象だったモンスターを3人で狩り、クレールでの1日を終える。
その日の夜は闇ギルドが今後とも来ると思うと憂鬱で、中々眠りにつくことができなかった。
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